【問題を解いて、問題を突きつけたシティ】プレミアリーグ第29節 マンチェスター・シティvsバーンリー

サッカー戦術分析
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前節中断明けの初戦をアーセナル相手に勝ち点3を奪ったシティ。今節もその調子勢いままにバーンリー相手にシティらしさを存分に見せつける90分に。ボール非保持での立ち振る舞いは前節同様の戦術を採ってきたので、これはチームとしてトライしていることなんだなと明確になった。そこで見えた新たな課題も。

それではどんな試合だったか見ていきましょう!

シティは前節からエデルソン、マフレイズ、シルバ以外の8人を入れ替える。それでも出てくる選手はなんと豪華。

カンセロは相変わらずの歯痒さのあるプレーも。前半1本、後半1本不本意なパスミスから自らピンチを招いてしまうシーンも。イエローカードのおまけ付き。要所要所では輝くプレーもあったがまだまだ彼の力はこんなもんじゃないはず!アグエロはフィジカル面もメンタル面も全然コンデジションは上がってない様子。「やる気、あるのかい!」というプレーも目立ち、これからビッククラブとのゲームも控える中、徐々にコンディションは戻してほしいところだ。前半終了間際には負傷?交代したので怪我の具合も心配だ。

バーンリーのボール非保持

シティがボールを握る展開は誰もが予想している。対するバーンリーもそこは想定済み。そこを踏まえてまずバーンリーがシティに問題を突きつける。

バーンリーはボール非保持の時に中央を圧縮する4-4-2の配置を採ってきた。縦に、横に非常にコンパクトなサイズでシティの攻撃を待ち構える。

両チームの配置の噛み合わせ的に、シティがボールを保持するとアンカーのロドリがフリーになる。そこは2トップの連携で監視。時にはCHが一列上がってプレスに行くシーンも。中央がしっかり圧縮されているので中盤の選手がロドリにプレスに出ても中央にスペースがなかなか開かない状態が続く。

バーンリーは4-4-2で中央を圧縮することで、シティの縦パスをまずは入れさせない。シティのボール保持をブロックの外に回させてスピードダウンをさせる狙いがあっただろう。ゴール前まで押し込まれたらゴール前に4-4のバスを置く。そしてボールを奪ったら、フィジカル自慢の2トップ目掛けてロングボールを放り込んで彼らに収めさせるか、セカンドボールを拾って前進を試みた。その狙いとプランを実行できていたが、時間が経つにつれて、シティがバーンリーの問題を解決していった。

外から侵入を試みるシティ

ゲームの入りはバーンリーの中央圧縮のボール非保持になかなかスピードの乗った状態で攻撃をできなかったシティだが段々と活路を見出していった。スペースのあるサイドを有効に使い始める。

斜め2本のパス

縦パスを入れさせないことを強く意識していたバーンリー。それでもシティは縦パスが入らなくても前進できるよ!と斜めのパス2本で前進する。

縦パス1本=斜めのパス2本

特にシティの左サイドのユニットで斜め→斜めのパスでバーンリーを剥がしていった。幅を取るのは、ジンチェンコかフォーデン。大外に張るどちらかの選手にボール入ると、シルバがライン間で絶妙な立ち位置で斜めのボールを受ける。前半で16分、26分と2度シルバが大外からライン間の立ち位置をとって斜めパスを受けてバイタルエリアに侵入するシーンが。

シティの試合をよく見る人にはお馴染みの斜めのパス2本で前進するシティ。再現性の高いプレーの一つだ。

幅を使った攻撃

22分にショートコーナーからフォーデンが先制点を奪う。左足を振り抜きミドルシュートを叩き込み、2戦連発となるゴールで好調をアピール。

それと同時にウォーターブレイク。その時間にペップが選手を集めて紙を見せて何やらコーチング。リージョもちらっと。右ではマフレイズかベルナルドが、左ではジンチェンコかフォーデンが明確に幅をとり、そこを起点にするアクションが増えていった。幅を起点にする組み立ては上で述べた斜めのパス2本での侵入も一つの戦術。

シティの左サイドは幅をとった後にシルバがライン間で受ける流れまでがあったが、右サイドは幅を取るマフレイズにボールを入った後が少し息詰まる感は否めなかったがそこも徐々に活性化されていった感じ。

ハーフスペースにベルナルドが走りペネへ侵入するシーンも。右のハーフスペースをとってもベルナルドは左効きなのでクロスをその流れで上げられずに切り返してスピードダウンをするシーンも。ここがデ・ブライネだったら切り返さずににクロスを上げてチャンスになったな!と思うこともあったがベルナルドにはベルナルドの良さがある。後半にはペナのポケットをとって今度は切り返さずにしっかりクロスをあげてアシストを記録。相変わらずのプレー強度と運動量。尻上がりに存在感を示していった。

サイドへの長めのボール

サイドチェンジもウォーターブレイク後多くなった感じ。後方の選手のキックの精度が欠いてパスが通らないシーンも。カンセロ、ジンチェンコのサイドチェンジのキックはまだまだ伸び代がある!といっておきましょう。リヴァプールの両SBみたいに蹴れたら最高だけどね!笑

まぁ、でも、フェルナンジーニョだけは別格。42分、左サイドでショートパスを織り交ぜてバーンリーの選手を集めてフェルナンジーニョが逆サイドの大外で待ち構えるマフレイズへ綺麗なサイドチェンジ。ボールを受けたマフレイズには十分な時間とスペースが。

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そのままお得意のドリブルスタート。ペナに侵入しこれまたお得意の左足の切り返し。相手のお株を奪って右足を振り抜き追加点。

前半ロスタイムにはアグエロがPKを獲得し、マフレイズがしっかり決め切りこの日2点目。3-0と大きなリードを奪ってシティはハーフタイムへ。

ボール非保持での新たな課題

シティにも課題がなかったわけではない前半だった。それはネガティブトランジションがうまく機能しなかったこと。奪われた瞬間のプレススピードが遅い訳ではなかったが、バーンリーに剥がされて前進されるシーンも。バーンリーご自慢のフィジカル自慢の2トップはしっかりボールを収められる。バーンリーの強さある2トップからまた違った課題も見えてきた。

シティはボール非保持になると前節のアーセナル戦と同じようにWGが相手のSBのパスコースを切りながらCBへプレスにいく。CFのアグエロは少し下がり気味で中盤の選手のコースを奪いにいく。中盤やSBにもしパスを通されてもそこはIHのシルバもしくはベルナルドがスライドをしてプレスをかけ続ける。このチーム戦術への理解や意識は前節から選手が大幅に変わっても、支障なく、上手く機能していた。

実際バーンリーも自陣でボールを保持した時はまずボールを繋いで前進を試みたがシティの連動した前プレに阻まれ続ける。リスクを取りたくないバーンリーは当然前線にロングボールを蹴り込む。シティが蹴らせたと言った方がいいかもしれない。しかしそこからこの守備戦術の新たな課題が。「ボールを跳ね返す力」と「セカンドボールの回収力」だ。シティの前プレを受けて苦し紛れにロングボールを蹴り込むバーンリーだったが、そのボールが2トップに収まったり、セカンドボールを拾って前進できちゃうシーンが増えていってしまったのも確かだ。

シティは意図してボールを蹴らせてボールを回収させる狙いもあったが、ボールを蹴らせるまではよかったが、そのあとの「ボールを跳ね返す力」と「セカンドボールの回収力」には少し課題が見えた。

この新たなボール非保持戦術が苦手な選手もいれば、これで力を発揮する選手も出てくるはずだ。選手の組み合わせもまた重要になってきそうだ。

まぁこの課題も後半になると前半よりはなくなっていったので、ペップがしっかり修正をかけたと思われる。

問題を突きつけるシティ

後半に入るとシティのワンサイドゲームに。前半3-0とリードを奪ったこともありシティは余裕を持ってプレーするように。バーンリーも後半開始直後には果敢に前からプレスをかけるシーンもあったが、ボールを奪えない。前半にも前線からプレスをかけるシーンが2,3回あったが全てことごとくシティに剥がされた。そのうちの1回がマフレイズのゴールにも繋がっている。シティはこの試合も安定したビルドアップを見せて、完全にバーンリーを押し込んでいった。

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シティは前半の途中同様にバーンリーの幅を使って攻撃を仕掛けていく。バーンリーの選手たちも当然のことながら中央を締めることがチームの役割だと分かっていても、サイドの選手が気になる。大外にボールが入るとハーフスペースや相手のチャンネル(SBとCB)の間のスペースにランニングするシティの選手も増えていく。コンパクトさを保っていた陣形が横に広がっていってしまった。そうなるとハーフスペースでボールを引き出すシティの中盤。

そこにバーンリーに追い討ちをかけるかのようにデ・ブライネとラポルトが交代で入ってくる。また違うタイプの選手が。また違う問題を解かなくてはいけない状況に。次から次と突きつけられる複雑な課題。バーンリーは途中で4-5-1にしたり修正を試みるも、こうなってしまうとシティの攻撃は止まらない。後半も2点を追加したシティが5-0と快勝し、連勝を飾った。

終わり

再開後2連勝と調子の良さが伺えるシティ。次節でのプレミアリーグの相手はチェルシー。手強い相手だ。そこで今新たなトライしているボール非保持の形が試される試合にもなりそうだ。2試合で8得点を奪う攻撃陣は好調なのはもちろん守備での安定感の方がシティファンとしては目立つ。この試合でも見えた新たな課題を修正できるか。チェルシー戦が一つの指標にもなりそうだ。

そして帰ってきたサネ。まだまだトップパフォーマンスには程遠いだろうが、まずは戻ってきたことが非常に嬉しい。チャンピオンズリーグまでには本調子に戻って欲しいですね!

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フォーデンが頑張ってる。2試合で3得点と絶好調。来年はシルバが抜ける予定の中、頼もしい存在になってくれそうな雰囲気を醸し出している。この再開後の過密日程には出場機会も自然と増えてくるはずだ。若いフォーデンにとっては成長できるいい機会なのかもしれない。

心配なのはアグエロさん。全然コンディションは上がっていない様子。オーラというか覇気も今ひとつ。これからビックゲームが控える中アグエロさんの活躍は必須。徐々にでいいのでコンディションを戻して欲しい。ジェズスのコンディションは良さようなのがせめての救い。

次節はチェルシーとのビックマッチ。楽しみだ。

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