【プレミアリーグ】マンチェスターシティーvsリヴァプール

サッカー戦術分析
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2019年1月4日

プレミアリーグ第21節

マンチェスターシティー vs リヴァプール

2−1 マンC 勝利

得点者:

マンC: アグエロ、ザネ

リヴァプール: フィルミーノ

マンチェスターシティー スターティングメンバー

  • デルフ出場停止、メンディーは怪我。左SBはラポルテ。久しぶりのラポルテ左SB。CLグループリーグ第2節 vsホッフェンハイム戦 での左SBは不安が残る結果になっていた印象。しかし、ジンチェンコではこのビックマッチは不安ということかな…。
  • 右SBはダニーロ(最近ウォーカースタメン外れている印象)
  • コンパニキャプテンがCB!
  • ギュンドアン、デ・ブライネンはベンチ。

リヴァプール スターティングメンバー

  • 昨年のベストメンバーを揃えた印象。
  • ファビーニョ、シャキリはベンチスタート。

マンチェスターC 守備

ボールプレスの強度、トランジションのスピードと意識はいつもより早かった。前半の半ばまで両チームが落ち着いてボールを動かすシーンはあまり無かった。激しいディエルの戦いが繰り広げられた。

守備陣系 4ー3ー1ー2

リヴァプールの2CBにアグエロとシルバがマーク。アンカーのヘンダーソンにはシウバがマーク。この3人はほぼマンマークでプレスをかけた。リヴァプールの攻撃の始まりは2CBとアンカーのヘンダーソンから始まる。そこのスタートをプレスし、リヴァプールの攻撃を防ぐことに成功!

フェルナンジーニョの脇にワイドのザネとスターリングが落ちて、フェルナンジーニョの脇をしめた。中央を締めながら、SBにボールが出た時はプレスに行き、出た後の中央のマークは、シルバかシウバが埋める循環。

SBラポルテ と ダニーロ 配置

守備陣系4−3−1ー2でリヴァプールの攻撃をシャットアウト。それにより中盤を省略し、ロングボールが増えた。そのとき狙うのはサイドのサラー、マネのである。フィルミーノが落ちて、サラー、マネが裏抜けはお得意の形。

そうなることも見通してかペップはSBにラポルテとダニーロを配置したのかは分からないが、空中戦のミスマッチ発生。マンCの質的優位を作った。

サラー175cm VS ラポルテ191cm

マネ175cm VS ダニーロ184cm(ウォーカー178cm)

フェルナンジーニョとベルナルド・シウバの守備の貢献

フェルナンジーニョ

セカンドボールを拾い続け、中盤でプレスをかけ続けた。バイタルを埋め、危ないときにはペナルティエリアまで戻り身体を張り続けた。

ベルナルド・シウバ

キックオフから終了のホイッスルまで走り続け、攻守に貢献した。1試合で走った距離は今シーズンのプレミア1試合での最長走行距離を記録した。

リヴァプール 守備

前線からのプレス。横に縦に非常にコンパクトだった。マンCのビルドアップに恐れず、ハイプレスをかけた。

フィルミーノはアンカーのフェルナンジーニョを切りながらCBへプレス。サラー、マネはSBを切りながらCBへプレスをかけた。

3トップはプレスに行く時は、対面している相手はもちろん、後ろをチラチラ見ながらプレス。ボール保持者が出すレシーバーの位置を常に把握しながらプレスに行っていた。切りながらプレス。3トップお得意のプレスの形。

マンチェスターC ビルドアップ

ベルナルド・シウバがアンカー脇落ち

シウバがフェルナンジーニョの脇まで落ちてボールを引き出した。これにより数的優位を後方で作った。

また、ビルドアップ時の逃げ道にもなり、ビルドアップをやり直す状況を作り出した。それによりボールを失う時間は減り、ポゼッション率は上がっていった。

後方に余裕を与え、2CBは落ちついて、じっくりパスを選ぶ時間も生み出した。

アグエロのハイブリットな役割

アグエロのあらゆる役割。それを可能にするスキルは日を追うごとに凄まじくなっていく。CFでもあり、この試合ではハーフスペースに落ちボールを引き出したり、サイドに流れ、スペースを作る役割をしたり。

ゴール前ではアグエロの真骨頂もしっかり発揮した。

CBからワイドのサネ、スターリングへのパス

シウバのアンカー脇落ちにより、落ち着きを得たコンパニとラポルテ。

左サイドが攻撃の入り口になることが多くなっていった。サラーサイドだ。サラーは左SBのラポルテを切る。左CHのワイナルデムは高い位置を取るシルバのマークにつく。そうするとザネがビルドアップの出口に。前を向いて左サイドを駆け上がり、なんどもリヴァプールの脅威になった。

この形が起点でアグエロの先制ゴールが生まれた!

ジョーンズはしっかり選びながらパスをしていた印象。シウバが落ち、空いたハーフスペースにスターリングが落ちたところに縦パスや、逆サイドのザネへ斜めのロングキックでビルドアップ。

左右でビルドアップのやり方が違っていて観ていて面白かった。

リヴァプール ビルドアップ

マンCのプレスに苦しんだ前半

前半は満々とペップの戦略にハマり、思ったビルドアップはさせてもらうことは出来なかった。時折チャンスになるのはなんとか中盤のプレスをかいくぐって、少し能力頼みで強引に行くシーンだった印象。それでも、いけちゃうのが今年のリヴァプールの強みでもある。

前半17分の崩し見応え抜群。強力3トップが絡み存分に強引に中央を破壊しに行ったシーン。迫力満点。わずか11ミリ。なんとか守りきったマンC。このゲームのターニングポイントになったシーンかもしれない。

数的優位を生み出したワイナルデム

ワイナルデムが落ちて右サイドのビルドアップに数的優位をもたらした。それによりアーノルドサイドから突破し、左のロブレンがスピードを持った状態でボールを受けれるシーンが増えた。

ファビーニョ投入 4−4−2へ変更

ミルナー→ファビーニョ投入。

サラーが前線へ。ワイナルデムを右サイドへ。ヘンダーソンとファビーニョの2枚を中盤に並べるシステムに変更した。それにより後ろのビルドアップ時には数的優位を作り出した。

またほぼ前線はマンマークでプレスをかけるマンCの前線は迷ったに違いない。中盤に一枚増えたファビーニョ誰が行くの?状態で、リヴァプールはボールを保持する時間を増やしていき、同点弾まで繋げた!

長短のパスを織り交ぜ、左右に振り、最後は大外のアーノルドのクロスから、大外のロバートソンが斜めにランニング。折り返し最後はフェイルミーノのゴール!見事な素晴らしいゴールが生まれた。

ペップ。やられたらやり返す

ギュンドア投入

失点直後ペップはシルバ→ギュンドアン投入。4−4−2へのシステム変更。ギュンドアンはフェルナンジーニョと並び、シウバはアグエロと2トップの形になって、リヴァプールの変更したシステムにハメ替えした。

それにより徐々にまたマンCが主導権を握り出した。

そしてザネの追加点!マンCの強力3トップが絡み最後はザネの左足一閃!!

選手交代に込めたメッセージ

リヴァプールがワイナルデム→スターリッジ。マネ→シャキリ。攻撃のカードを次々に切る中、ペップはラポルテ→ウォーカー、コンパニ→オタメンディ疲れたDF、守備のカードを切っていった。球際は負けるな!切り替えは早く!そんなメッセージはキックオフからヒシヒシ感じたが、この交代カードには、何が何でもポイント3を取るぞ!という意志が感じたシーン。

ゲームの総括

  • スタジアムの雰囲気も最高潮。テンション高めにキックオフが始まり、激しいディエルのやり合い。前半途中まではゲームが落ち着かずそんなシーンが増えた。
  • ペップは相当この試合に向けて考え、準備した印象。前半は見事にリヴァプールの攻撃を防ぎ、先制点をもぎ取った。
  • 後半はクロップがシステム変更し、やり返し、同点弾を奪う。しかし更にやられたらやり返すペップ!そういう戦術的なやり合いは観ていてすごく楽しかった。
  • でも最後はみんなで守る!みんなで得点をもぎ取る!というマンチェスターの選手から、そしてペップの采配からもそういうメッセージが感じ取れた。何が何でも勝ち点3をもぎとるという強い意志と闘志が伝わった。
  • その中でも、フェルナンジーニョとベルナルド・シウバのこの試合での貢献度はすごかった思う。
  • この結果によりプレミアが面白くなった。

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