2018年10月4日
チャンピオンズリーググループリーグ 第2節
ナポリ VS リバヴァプール
ナポリ スターティングメンバー

- 基本システムは4−4−2
- 左サイドからの攻撃が主体。その中から、スルーパスや相手の裏へのミドルパスでゴール前に攻める。
- 縦パスに対してはグループで関わる。縦パスから、フリック、縦パス落とし→3人目、ターンetc。縦パスを入れて終わりではなく、その先のイメージもしっかり共有されているので、攻めるスイッチになる。
- 後半途中から14番メルテンスが入った時の、インシーニ、カジュホンの3枚の絡みは阿吽の呼吸。もはや芸術的。決して背丈がある3人ではないが、タイミングよく、スピードを落とさず、ズレる事がなく絡む3人は相手の守備陣を崩壊させる。この試合もリヴァプールのゴールを何回も脅かし、最後には3人の絡みからゴールを奪った。
昨年まで指揮していたサッリ監督が作り上げてきたベースはそのままのイメージ。昨年ペップに世界一美しいと言わしめたショートパス主体で絶対的にボールを握る攻撃的サッカー。今シーズン就任したアンチェロッティ監督になり、4−3−3から4−4−2のシステムが多く使われている印象。アンカーのジョルジーニョがサッリ監督と共にチェルシーに移籍。それに伴い、ハムシク、アランの2ボランチにシフト。ここまでは、ミリクが結構使われている印象。メルテンスが途中出場したり、昨年まではメンバーはほぼ固定だったが、いろんな選手を使いながらリーグとCLを戦っている印象。

リヴァプール スターティングメンバー
- 基本システムは4−3−3
- まずは裏。強烈3トップ目掛けてボールを入れる。チームとしての優先順位が決まっているので、迷いがない。中・長距離のパスが中心。縦に早く、どんどん後方から人が湧き出る。
リヴァプールコーナーキックの守り方

ゾーンディフェンスとマンマークの併用。この形は昨年ナポリの行なっていた守り方。その他にもいくつかのチームが参考に行なっているかなという感想。
ゲームの入り方と深さをとる狙い
- 両チームともゲームの入りはまずは裏。ナポリは長身のミリクへ、リヴァプールは3トップへ、リスクをかけずに前線へロングボール。両チームとも深さを意識させる。しかし、深さを作る狙いは両チームで異なる。
ナポリが狙う深さ
ナポリはゲームの入りミリクにロングボールを入れて深さをとった。ゲームの入りなのでリスクをかけないという事、リヴァプールの前線からのゲーゲンプレスを回避するためでもある。
それよりも、ナポリはショートパス主体の攻撃型のチーム。
ミリクにシンプルにロングボールを入れる事で、リヴァプールのディフェンスラインを下げさせ深さをとらせ、中盤にスペースを作った。中盤のポケットを生むのも目的の一つだった。
それにより、中盤で、特に左サイドでリズムよくショートパスを繋ぎ流れを作っていった。
リヴァプールが狙う深さ

リヴァプールはマネとサラーのスプリント力を生かし、裏を狙うのはチームのストロングである。
それにより、深さが生まれるのは必然なのかもしれない。
深さができれば、当然中盤にスペースが生まれ、そのセカンドボールを拾い二次攻撃を仕掛けるのはリヴァプールの特色の一つである。
ディフェンスラインが下がりすぎると、偽CFのフィルミーノが中盤に落ちてきて、ボールを引き出して、前を向き、攻撃にアクセントを加える。
ナポリの攻撃とバックパスの使い方
ナポリの攻撃

①攻撃パターン
左サイドのハムシクもしくはインシーニから、カジュホンに斜めのミドルパスを送る。カジュホンの大外からの斜めのランニングのタイミングはお得意芸。守備ブロックの背後を一気に取り、相手の陣形を崩す。
②攻撃パターン
ボール保持者に対して、①裏と②足元の選択肢を与える。縦関係のクロスをして、相手は中々掴まえられない。お互いを見合ってポジションを取り合う。ナポリの阿吽の呼吸。
バックパスの使い方
バックパスの使い方がうまい。ただ下げたり、逃げるのに使うのではなく、相手を食いつかせる為に使ったり、ゴール前ではバックパスをあえて一つ入れて、相手のデフェンスラインをあげさせたところに、ダイレクトでロブパスを入れて、崩すのもよく観られるシーン。
ゲームの総括
リヴァプールは少し疲れがある感じだった。いつもに比べるとゲームの入りから強度が低かったような…それともナポリのパスワークが良かったのは確かだったが。リヴァプールはナポリ戦前にチェルシーとの2連戦があってそれも体とメンタルに多しな疲労があったのかもしれない。
- 両チームともクリアはほとんどなく、お互い前線から強度の高いプレスに対しても、自信を持ってボールを運び、蹴って、止めていた。レベルの高さを感じた。
- ナポリはリヴァプールの3トップをどう抑えるか。それはリヴァプールと試合をやる相手は毎回の課題になる事だが。ナポリの左SBはマリオ・ルイ。攻撃はスピードと左足からの正確なキック。ボールの持ち方も非常にうまく、細くプレーができる攻撃型SB。しかし守備であまり定評がなく、この試合でもサラーにやられるシーンがいくつかあった。でもそこはしっかりクリバリがカバーして攻撃を防いだ。
- ナポリのデフェンスライと、リヴァプールの攻撃陣のスピードではリヴァプールの方が優勢だったが、そこはうまくケアしていた。またナポリお得意の前線からのハイプレッシャーでロングボールを蹴らせない、もしくはコースの限定をうまくできていた印象。ボールをナポリが保持する時間も長く、リヴァプールに攻撃の時間を与えなかったのも一因。
- ナポリは左サイドからの攻撃が中心だった。左SBマリオ・ルイ、ハムシク、インシーニのグループの絡みで何回もチャンスを作った。リヴァプールの右SBアーノルドが攻撃参加で自分の守エリアを開けることが多く、そこの裏も効率よく使えていた。
- メルテンスが後半から投入され、インシーニ、カジュホンの3人のユニットはやはり美しく、観ていてワクワクさせてくれた。
- 最初から最後までアグレッシブなゲームでとても見応えある試合だった。最後はナポリの猛攻が実り、らしいゴールで勝利を掴んだ。
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