【リーグ・アン】18/19 リヨン VS パリ・サンジェルマン

サッカー戦術分析
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リーグ独走中のパリとリーグ3位のリヨン。両チームともチャンピオンズリーグラウンド16へ進出している。 リーグ1屈指のビックマッチ!リーグ無敗のパリをリヨンがホームで迎え討つ!

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リヨン スタメン

  • ここまでリーグは3位。CL出場権をストレートインする為にも2位以内が条件。無敗パリが相手だが是が非でも勝ち点3が欲しい状況。
  • この大一番にベストメンバーを組めた!
  • FWデンベレはPSGの下部組織出身で古巣対決になる。
  • 前回のリーグ戦アウェイゲームでは0-5大敗。リベンジに燃える。

パリ・サンジェルマン スタメン

  • ブッフォンはベンチ。ネイマール、ヴェラッティはベンチ外。
  • 前回ホームで5-0と快勝。ムバッペは1人で4得点奪った。
  • CLラウンド16で対戦するマンチェスターU監督スールシャールがこの試合偵察に訪れていた。

パリのハイプレッシャー

キックオフ開始からパリはリヨンに圧力をかける。
高い位置からボールにプレッシャーに行きショートカウンターに成功。勢いそのままに、ドラクスラーがリヨン8アワールのボールをリヨン陣内で奪い一気にゴール前へ。バイタルまでドリブルで駆け上がり左のディ・マリアへラストパス。左足を振り抜き開始8分先制に成功!

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前回対戦(5-0 パリ大勝)のようにパリがこのまま大勝か?という流れがスタジアムには漂ったに違いない。

リヨンの逆転劇

この試合8番アワールはいつものパフォーマンスではなかった印象。悪いボールの取られ方から失点になってしまったのも不運だろう。

リヨンは守りも攻撃も基本は4-2-3-1の配置だった。守り時4-4-2になる時もあった。

高い技術

リヨンの選手はやっぱり一人一人のスキルが高いし自信を持ってボールを持てる。
後方からパスをつなぎ、パリの守りを剥がした。だんだんボールを保持する時間を増やし、パリのゴール前へ圧力をかけた。

  • 18番フェキリは左利きで懐深くキープ力があり味方に時間を与えた。前を向いたら強烈な左足でパリのゴールを脅かした
  • 11番デパイ、10番トラオレはサイドから1人で突破する力がある。巧さ速さもある。
  • 9番デンベレは高さ、強さを活かして前線で奮起!

28番 エンドンベレ

やはりエンドンベレはいい選手。CL予選リーグでのマンチェスターC戦でも高いスキルを見せつけたが、この日も攻守に存在感を示した。

中盤でのキープ力と展開力でリヨンのビルドアップの入り口となり、守りではよく走り、セカンドボールも拾う働きを見せた。簡単にボールを下げない。最後まで相手を見てプレーを選べるのは彼の魅力だと思っている。


左サイドのユニット

リヨンは左サイドからユニットを作って攻撃を仕掛けるシーンが多かった。これは今年のリヨンの色だろう。

メンディ、アワール、デパイで三角形を作る。誰かが動けば誰かが動く三角形。デパイが外をとればメンディーが中をとる。同じレーンに被らないよう、常にアングルができるように、見合って三角形を作っていた。

そこにフェキルも関わり、ひし形をつくるシーンもあり、パリの守りを破壊していった。

これによりボールホルダーに対して常に複数のアングルが生まれて、複数の選択肢の中でプレーできる。そうなるとこのレベルの選手を止めるのは容易ではない。

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ボールを持つ時間が増え、なおかつ左サイドのユニットにより、リヨンが攻め立てるシーンが増えて行った。最後のところで身体を投げ出し守るパリ。この日好セーブ連発のGKアレオラの活躍で何とか守っていたが、前半にデンベレのヘディングで同点弾!
後半開始早々にはデンベレが突破し、PK獲得。フェキリがしっかり決め逆転に成功!

パリの反撃

攻撃時3-1-4-2の配置になる

リヨンとの配置と照らし合わせてみると後方から数的優位でボールを動かせる配置になっていた。それが狙いだったのだろうが、それをうまく活用できなかった。

守備においても先制点を奪ったシーンはリヨンの配置にはめて全員でボールを奪いにいけた。
しかし、次第にリヨンの個のスキルやユニットで剥がされシーンが多くなり、だんだん下がってしまう。そうすると更にリヨンにボールを持たれる展開になっていった。

リヨンに長くボールを持たれ、押し込まれる展開もあったのか、
パリがボールを奪っても攻撃は本当に単調ですぐにリヨンにボールが渡ってしまう展開だった。
中盤で引っ掛けるシーンも多くどんどんリズムが悪くなっていった。

確かに縦への速い攻撃はパリのストロングポイントだが、もう少しリズムを取り戻すためにボールを持つ時間を作れれば展開は変わったのかもしれない。特に前半。自分たちでリズムを崩していた印象。

そういう流れを作ったりできるのがネイマールだったり、ヴェラッティなのかもしれない。

徐々にパリのペースへ

逆転を許してから徐々にパリもペースをつかみ出した。

やっと配置の優位を使って後方からビルドアップをしたり、中盤を使って剥がし、リヨンを押し込むシーンが増えていった。

そうすると後方の選手もゴール前に上がる時間ができ、より厚みが生まれる。前半はムバッペ1人での突破や、それにカバーニがカウンターで一緒に絡む程度だった。そこにディマリア、ドラクスラー、攻撃大好きな両サイドのベルナトとアウベスが絡んだ後半の攻撃はやはり脅威だった。

ムバッペが左サイドへ

ムバッペが左に張るシーンが増えた。エルナンデスとポジションが被るシーンもあったがお構いなし。よりフリーで前向きで受けられるサイドでボールを受け、ムバッペの個の能力で左サイドからリヨンゴール前までドリブル突破をはかった。

最後まで奪えなかった2点目

逆転ゴールを奪ってなのか少し引いたリヨンに対して、パリは猛攻を仕掛けた。しかし最後まで2点目を奪うことは出来なかった。ビックチャンスは何度もあったが、リヨンのGKロペスがファインセーブを連発!DF陣も身体を投げ出しゴールを許さなかった。

特に5番デナイアのシュートブロックはこの試合のハイライトの一つだろう。デナイアはこのプレー以外にも攻守でリヨンの勝利に大きく貢献しただろう。

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試合の総括

  • 開始早々パリが先制点を奪った時は前回の対戦の結果が脳裏に浮かんだサポーターは多かっただろう。
  • しかしそこから決して諦めず、集中を切らさず戦ったリヨン戦士たち。
  • CLラウンド16を決めている両チームの戦いはハイレベルだった。見ていて面白い試合だった。
  • リーグ無敗のパリ・サンジェルマンに黒星をつけたリヨン。先制点を許してから逆転ゴールを奪うまでの戦い方は見事だった。
試合結果
リーグ・アン18/19 第23節
リヨン 2−1 パリ・サンジェルマン
得点者 リヨン:デンベレ、フェキル
    パリ:ディ・マリア

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