【流れを渡してしまったシティ】〜サッカー 戦術〜 プレミアリーグ第25節 トッテナムvsマンチェスターシティ

サッカー戦術分析
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帰ってきました!
ペップvsモウリーニョの戦い!

数々の名勝負を繰り広げてきた彼ら。ピッチの中も面白いが、ピッチサイドのペップとモウリーニョの采配、リアクションも含めて非常に面白いゲームでした。攻めまくるシティ。仕留められないシティ。流れを渡してしまったシティ。何かドタバタしていたシティ。主導権を握っていたのはシティだったが、もしかしたらモウリーニョの思惑通りにゲームは運んでいたのかもしれない。

シティの時間

ゲームが始まり、後半の途中、60分まではシティの時間でしたね。この時間でシティがゴールを決められなかったのがシティにとっては敗因に繋がったのは明らかでした。90分通して7割近いボール保持率、シュートも20本近く打ったがゴールを奪えなかった。決定機を何度外し、PKも決めることが出来なかった。自分たちで自分たちの首を締めていった。トッテナムも時間が経つにつれて、しっかりシティの攻撃に対応し、自分たちの時間がくるのを辛抱強く耐え凌ぐ。前半はシティに防戦一方の展開といった感じだったが、ハーフタイムを挟んでだんだんとシティの流れを断ち切っていった。流石モウリーニョ監督だし、選手の質と集中力も高かった。辛抱強く耐え凌ぐ守りの部面では収穫はあったかもしれないが、攻撃面ではこれといった形はあまりみられずに、まだ個の突破力に頼っている感は否めなかった。

シティはいつもの様に、5レーンに選手を配置した攻撃を仕掛ける。幅は左はスターリングジ、右はマフレイズが。ハーフスペースにギュンドアンとデ・ブライネが入り、トップにはアグエロが入った。これはあくまでに基本的な配置で、お互いがポジジョンを被らないことは意識しながら流動的にポジションチェンジを行い、トッテナムに守備の基準てを定めさせなかった。特にシティの右サイドはトッテナムに脅威を与えていた。マフレイズ、デ・ブライネ、ウォーカーの3人の関係性は非常に良かった。外からはマフレイズがドリブルで仕掛け、デ・ブライネがハーフスペースからチェンネルを抜けてペナへ侵入したり、ウォーカーはガンガンオーバーラップを仕掛ける。

トッテナムは4-5-1の様な配置で自陣にブロックを敷いてシティの攻撃を待ち構える。前半は待ち構えるというよりも、何とか耐えていたと言う表現の方がわかりやすいかもしれない。中央を固めて何とか耐えしのぐ。20分を過ぎるとシティもエンジンが温まり、攻撃が加速する。プレス強度、切り替えも早くトッテナムに攻撃の隙も与えない。トッテナムは自陣でのビルドアップからのミスも目立つ様になりシティが点数を取る匂いをプンプン漂わせていった。そして38分アグエロがペナルティエリア内で倒され、VARによりPKを獲得した。流れは完全にシティ。しかしこのPKがこの試合のターニングポイントに。

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キッカーはギュンドアン。最近PKが入らないと話題のシティ。ジェズスが外したり…そしてギュンドアンのシュートは…帰ってきたトッテナムの守護神ロリスに見事に阻まれてゴールならず。流れを完全に吸い寄せられないシティ。今年のシティを象徴するかの様に。しかし、このシーンはこれだけでは終わらない。

ロリスが弾いたボールをスターリングが素早く反応し、ボールを回収しに猛ダッシュ。ロリスも自分が弾いたボールに素早く反応すると、スターリングが一歩早くボールに触り倒れる。おや?これはPKでは?となる。シティは当然PKをアピール。トッテナムはシミュレーションだとアピール。両チームの選手たちがヒートアップする。VAR判定によりノーペナルティでゴールキック判定に。今度はすかさずベンチのモウリーニョ監督が猛抗議。ゴールキックだったらスターリングのシミュレーションだろうと!もし、イエローカードを提示されていたらスターリングは退場ということもありここぞとばかりに猛抗議。モウリーニョとペップのベンチワークも非常に面白かったですね。采配もリアクションも含めて。

そしてもう一つ。ここのシーンでジンチェンコとアルデルヴェイレルトにイエローカードが提示される。これが後々ゲームの流れを大きく左右する事に。

シティはゴールを奪えずにハーフタイムへ。

修正するトッテナム

トッテナムは前半多くのチャンスを与えてしまった左サイドに修正をかける。大外でマフレイズがボールを持つとマッチアップするSBタンカンガに加えて、CHウィンクスもすぐにサポートに入り2vs1の局面を作り出し、徐々にマフレイズのドリブル突破を防いでいく。デ・ブライネのチェンネルへの抜け出しにもウィンクスが付いていく明確なタスクが。左CBのサンチェスはマフレイズとデ・ブライネに釣り出されない様に出来るだけ、中央へ立っている。そして1番の役割はニアサイドでシティのクロスを跳ね返す事だった。特にデ・ブライネの高速クロスだ。DFとGKの間にボールが入る前にニアサイドのゴールキックエリアの角に立ちクロスを跳ね返す。後半は何度もデ・ブライネのクロスを跳ね返していた。徐々に前半やられていた部分に修正を加えてシティの攻撃を停滞させにいった。

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流れを渡してしまうシティ

それでもシティの攻勢は続く。しかし、一つのプレー、自分たちのミスからゲームの流れを完全にトッテナムに渡してしまう。シティのコーナキックをウィンクスにカットされ一気にカウンターを受ける。ウィンクス足早いんだね!ギュンドアンが一気にぶち抜かれ、すかさずジンチェンコがタックルで止めるもイエローカードが提示され、これでジンチェンコは退場。前半のもらったイエローカードかここにきて響いてしまった。

チームとしてもここでの一連のプレーでもっと出来たことはあったかもしれない。マフレイズのショートコーナからのパスカットに始まる。完全にウィンクスに読まれていた。そしてウィンクスにファーストプレスにいったギュンドアンの対応。彼がファールしてでも止めても良かったかもしれない。そんなひどいファールでなければ、後ろにはシティの選手もいたのでイエローカードで済んだはずだ。ジンチェンコも自分がイエローをもらっていることをもっと意識したプレーが必要だったかもしれない。並走して時間をかけたり、出来たかもしれない事をを挙げればキリがないが、結果的に流れをトッテナムに渡してしまった。

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ピッチサイドにはジェズスがスタンバイしていた。ペップのプランは一気に変わる。ペップがプラン変更している間に、トッテナムが試合を動かす。63分CKのこぼれを拾ったトッテナム。ルーカスがシュートと見せかけて浮きパスを新加入のベルフワインに送る。この試合がデビュー戦となったベルフワインが胸トラからハーフボレーで右足を振り抜くとゴールにボールが吸い込まれてホームのトッテナムスタジアムが完成をあげる。ファーストシュートがゴールに。何と確率。これぞサッカー。

シティはアグエロに変えてカンセロを投入。ペップの一手が後手を踏んでしまう。

モウリーニョ手を打つよ!

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モウリーニョも2枚の選手を送り込む。ゴールを奪ったブルフワイン→ラメラ。デレ・アリ→エンドンベレを投入。エンドンベレを普段やるポジションより一列前のトップ下の位置で起用。この交代策がすぐに結果を出す。エンドンベレが密集したエリアでボールを受ける。彼らしく無理に前を向く。独特なステップと間合いで前を向き縦パスをソンフンミに打ち込む。縦パスを受けたソンフンミがワンタッチで前を向き。ニアサイドに強烈なシュートをねじ込み一気に突き放す。シュート2本で2点。これまた今シーズンのシティを象徴する様に、相手に高確率でゴールを決められる。シティはいくらボール支配率を高めて、何十本もシュートを打っても入らない。笑。不思議なくらい。

そしてゲームは動かずにホームトッテナムが2-0のクリーンシートで勝利を掴んだ。

シティの変化したクロス

敗戦したシティだったが、決して悪い面だけではなかった。今節も少しの変化を加えていた。それはクロス。

どのチームもシティの攻撃を警戒して中央を固める。クロスボールを跳ね返すためにゴール前を固める。またシティのクロスはGKとDFラインの間に速いボールを蹴り込む。それはもうどのチームも警戒している様に思える。そう、シティは今度はそこを逆手にクロスを上げる。GKとDFラインの間を埋めるべく最終ラインは下がる。なのでそこのエリアには入れずにマイナス気味、もしくは平行にクロスを上げる。案の定そこへクロスが上がりシュートチャンスを作った。惜しくもミートせずにゴールにはならなかったものの、ペナの中でフリーでシュートを打つシーンを作り出していった。

主導権を握りながらゴールを奪えなかったシティ。ゴールを奪わなくては勝てないのがサッカー。自分たちの時間帯にゴールを奪えているときはシティの勝率はぐっと上がる。先制点が極めて重要な気がする今シーズン。自分たちの時間帯にゴールを奪えないと、見事なまでに相手に1本のシュートで1点を取られる今季のシティ。今節も案の定そんな展開になってしまった。しかし、シュートまでの崩しのクオリティ、レパートリー、コンビネーションは本当にレベルが高い。今節こそ得点を奪えなかったが、まだプレミアで一番得点しているのはシティだ。しかし、勝負弱いというか、ついていないというか、昨シーズン見せた絶対的な強さとまではいかないシティ。何かもう一つ足りないというか、かみ合わないというか。それを掴みさえすれば一気にフルスロットにエンジンがかかりそうな雰囲気はあるが。頭を抱えるペップを今シーズンを多く見るが、早くペップがガッツポーズする試合が増えれば嬉しいですね。さぁチャレンジして実験するのみ!

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