【渋く、味のある90分】チャンピオンズリーグround16 1st ナポリvsバルセロナ 〜サッカー戦術〜

サッカー戦術分析
この記事は約8分で読めます。

いよいよCL決勝トーナメント突入です。ここから欧州最高峰の本気の戦いが見られます。さぁ今節はナポリvsバルセロナの試合を紐解いていきたいと思います。朝5時に起きてこの試合を見た人には、バルセロナのゆったりしたボール回しに眠気を誘われてしまう人もいたのではないでしょうか?僕もその一人です。

アウェーのバルセロナは無理せずに、ドローでも上出来だというプランはあったでしょう。そんな中、眠気を吹き飛ばすナポリの1発。ナポリの献身的な集中した守り。バルセロナらしい狭い局面での見事な崩し。90分終わってみれば見所満載のゲームでしたね。

ナポリの強固なブロック

前半キックオフからナポリが前からプレスを掛けに行く。ナポリらしい前線からのプレスでアグレッシブにボールを奪いに行くのか!とゲームの入りからは見受けられたが、ラインを下げてブロックを敷いてバルセロナの攻撃を受けて立つのがゲームのプランだった様だ。最終ラインをペナルティエリア前に設定して、4-5-1の様な配置でブロックを敷いた。人につくよりは、中央のスペースを埋める事を優先。もちろんメッシというゴットは常に頭に、目に入れながらも、中央を締めて、バルセロナのボール回しを外へ外へと誘導させ、縦パスは打ち込ませなかった。

中盤の選手はギャップを埋めて、最終ラインはライン間を埋める。特に前半のブロックはお見事でした。連携、連動のある守り。一人一人が無理やファールもせずにお互いを信じて、声を掛け合って、励ましあって守っている様にも感じた。

ただバルセロナの攻撃をただ耐え忍ぶだけではない。中盤の5枚の選手たちはボールへプレスに行き、牽制し続ける。ボールに近い選手はボールに寄せる。仲間がボールに出れば、他の中盤の選手はギュッと締める。

そしてボールにアタックした選手は自分の守るエリアからボールが遠ざかれば戻るを繰り返す。地味だが、確かにバルサのボール保持にプレッシャーを与え、決定機を潰していった。高い集中力を保ち、激しいエネルギー消費に耐える事でバルサにチャンスというチャンスすら前半は与えなかった。

前半はナポリのゲームに

ナポリの思惑通りに、バルサはブロックの外でボールを持たされる。ブロックの中にはボールを持ち込めない。ペナルティエリアには入る事すらさせてもらえなず、ストレスの溜まる前半だったかもしれないが、バルサはアウェーで、このままボールを保持して、時間が経過してスコアレスでも何の問題はなかった。絶対的な自信を持つホームカンプノウで勝てば突破出来るというメンタリティも少しはあったのか、大きいなリスクもかけずに、ただボールを持ってボールを動かしていた時間もあった。なので文頭でも書いた様に、少し眠気を誘われる様なのんびりしたゲーム展開が続く。

しかし、
眠気を一気に吹き飛ばすナポリの1発が炸裂する。
29分 自陣でボールを動かすナポリ。バルサも前線からハイプレスを掛けに行く。プレスを受けたナポリはGKオスピナまでボールが戻ってしまう。ここで絶妙な動きをしたのが右SBのロレンツェだった。GKオスピナにバックパスが入るとスッと内側に絞ってフリーになる。しっかりバルサのプレスを把握して前を向いてドリブルで前進。一気にバルサの前プレを剥がすファインプレー。

押し上げたナポリはファビアンルイスがボールを持つとライン間にポジションをとったジェイリンスキーに縦パスが入りターン。一度はピケにボールを触られるもすぐにトランジション。ボールを奪い返して一気にチャンスに。右サイドを少しドリブルすると逆サイドに待ち構えるメルテンスに横パス。ミドルレンジから、少し遠いかなと思ったがメルテンスがお得意のコントロールシュートを放ち、名手GKテアシュテーゲンも一歩も動けないままボールはゴールに吸い込まれるスーパーゴールが決まってホームナポリが先制!眠気が一気に吹き飛ぶ1発が突き刺さった。

ビルドアップから、ゴール前までの崩し、メルテンスのシュート精度、ナポリらしさが詰まったお見事なゴールだった。これでバルサは点を取らなければいけない状態になる。しかし、ナポリの組織化されたブロックを中々こじ開けられない。

前半のナポリは確かにバルサにボールを保持される時間は多かったが、ゴールシーン以外にもナポリらしさは要所要所で見せていた。左でボールを動かして、右サイドへ一気に展開してスピードアップしたり、ボールを保持すればそう簡単にはボールを手放さずに、狭いスペースでもしっかりパスを繋げる技術の高さをプレーで出したりと、前半はナポリのゲームプラン通りに進んだ印象だった。

対するバルサはナポリの思惑にまんまとハマってしまったのかもしれない。ハーフタイムを挟んで後半どんな変化をさせてくるのだろうか?

後半はどちらのゲームに?

ハーフタイムを挟んでどちらのチームも大きな変化を加えないままに後半キックオフ。ナポリはリードもしているし、自分たちのプラン通りに事を進めているのであまり変える必要はなさそうだが、リードを許したバルサは手を加えるかと思いきや、前半とあまり変わった様子は見受けられなかった。後半が始まりバルサは前半同様にナポリのブロックの外でしかボールを動かせない。ナポリの集中力、運動量は落ちない。よく守れている。

しかし、バルサも一瞬の隙を見逃さない。

56分 後半始まって10分、メッシが少し落ちてボールを受けると前を向いて、ライン間に縦パスを入れる。このシーンでもナポリの守りは中央に密集し、コンパクトさを保っていたが、バルサの質とコンビネーションがそれを上回る。

メッシからビダルに縦パス。1本の縦パスでは前を向けない状況の中で3人目が絡んで前を向く。メッシの縦パスで、ナポリの選手がより密集。縦パスを受けたビダルに一気にプレスがかかる。そこへスッと前向きのブスケツがサポートに入り、ビダルから落としのパスを受けて前向きになり、優しいパスを右SBのセメドに送り込み最終ラインを突破。最後は中へのクロスをグリーズマンが合わせて同点弾。バルサらしいゴール。いくら相手が密集を作っても崩す。集めて、集めて、裏をとってる。技術の高さ、コンビネーション。全員で同じ絵を描くイメージの共有。このゴールシーンに色んなことが詰まっていた。

同点に追いついたバルサはアウェーゴールも奪えて優位な状況になった。そこから更にギアを一つあげて追加点を奪いに行くかなと思っていたが、そんな前がかりになる感じでもなかった。先ほども述べた様にこの試合ではドローでも上々だね!とういう心理がやっぱりあったのかもしれない。それでもメッシが一人で剥がしてチャンスを作ってしまうのは言うまでもないが、ナポリの守備は集中している。失点はしてしまったもののその後は切らさずによく守りきった。だからこそこの一点が余計に悔やまれる。

同点を許してしまったものの、その後決定機もあった。カジュホンのGKとの1対1のシーン。あれが決まっていれば。そんなシーンも前半同様に後ろに下がってバルサの攻撃を待ち構えるだけではなく、反撃の狼煙も上げていた。

そして終わりのホイッスル。1-1の同点で試合終了。ホームのナポリは勝ちたかった。勝てるチャンスも十分にあっただけに。アウェーのバルサはアウェーゴールも奪えて負けなかった事は大きなアドバンテージだろう。優勢な状況で絶対的な自信を持つカンプ・ノウに帰る事ができた。

渋いゲーム

少しアグレッシブさにはかける試合だったかもしれないが、緊張感のある渋いゲームだった。ホーム&アウェーだからこその両チームの思惑もひしめきながらの90分。普段のリーグ戦では見られない緊張感がここにはあった。全てのレベルの高い選手たちタフな戦いだった。体力的にはもちろん、精神的な疲労は凄いだろうなと勝手な想像が膨らむ。そしてまた同じ相手と戦うセカンドレグがすぐやってくる。また違った思惑、プラン、戦術が見られるだろう。ガラッと変わる90分が見られるだろう。90分で終わらないかもしれない。楽しみだ。

セカンドレグの話

最後にセカンドレグについて少し。状況的にはバルサが優位になったのかもしれないが、明るいニュースばかりではない。この試合、ブスケツがメルテンスへのファールでイエローカードをもらい、セカンドレグは累積で出場できない。また試合終盤にはビダルがレッドカードで退場。ピケがヘディングの着地で足首?を負傷して交代。ブスケツとビダルの出場停止が確定。ピケが出場危うい。3人の主力を欠いてバルサは試合をしなくてはいけない状況になるかもしれない。怪我人が多いバルサにとっては非常に痛いだろう…そして日を待たずになんとクラシコも待っている。肉体的にも、精神的にもタフな日程がバルサを襲いかかる。セカンドレグでどんなメンバーが揃うのか一つの注目ポイントになりそうだ。

Embed from Getty Images

ナポリはアウェーカンプ・ノウではゴールが必須条件だ。0-0なら敗退。1-1なら延長へ。2-2なら勝ち。より1stレグよりも攻撃に重きを置かなくてはいけない状況になるのは確か。今回同様に先制点を奪えたら面白そう…しかし、今回バルサ相手に負けなかったのは大きな自信になるだろう。ここ最近の調子の良さを示す試合にもなった。次回にはCBクリバリは戻ってくるのかな?彼が戻ってくるかで両チームに与える影響は凄いだろう。メルテンスの怪我も心配だが。

Embed from Getty Images

今回の結果を踏まえて、次回はよりアグレッシブな戦いが見られそうだ。楽しみだ。

コメント

タイトルとURLをコピーしました