【ラ・リーガ 18/19】ベティス vs アトレティコ・マドリード

サッカー戦術分析

徹底的にパスをつなぎポゼッション重視のベティス。
ここまでリーグ最少失点を誇る鉄壁アトレティコ。
今節バルセロナは引き分け。
勝ち点差を埋めるためにも是が非でも勝ち点3が欲しいアトレティコ。
さぁどうなる?

ベティスの後方からのビルドアップに対してのアトレティコの4-4-2のプレスが牙をむく!
ベティスが見事に剥がすシーンも!その攻防が非常に面白いゲーム!

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ベティス スタメン

  • 守備は5-3-2 攻撃は3-1-4-2
  • アンカーの捌き役リカルド・カルバーリョはベンチ外。
  • 初先発のカプトゥム。実は逸材だった!↓

アトレティコ スタメン

  • 4-4-2
  • 19試合リーグ負けなし リーグはここまで1敗と2位に付ける。
  • 失点数は13でリーグ最少失点。3試合クリーンシート。まさに鉄壁!
  • モラタがチェルシーから加入し早速先発!
  • ゴディン、コケ、サウール、D・コスタがベンチ外。怪我人が多いのは悩み。
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はじめに

ベティスは攻撃時3-1-4-2。守備時は5-3-2。
アトレティコは基本攻撃も守備も4-4-2がベース。

両チームの配置を照らし合わせただけでみると、ベティス側に配置的な優位がある。
配置的な優位を活かしボールを動かし、支配率を上げていった。
しかし、アトレティコも考えてプレスを掛けてくる。その攻防が実に面白い。
3-1-4-2 vs 4-4-2。アジア杯決勝のカタールvs日本代表でも日本が苦しんだ配置。
アトレティコがどう守るのか?どう攻めるのか?ヒントが隠されている。
両チームの攻防を見ていきましょう。

①アトレティコの前線へのプレスの回答 
 それに対するベティスのビルドアップの返答

②ベティス敵陣での崩し
 それに対するアトレティコの守備の返答

③アトレティコの攻撃
 それに対するベティスの守備とゲームの締め方

この流れで見ていきたいと思います。

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アトレティコのベティス陣内へのプレス

ベティスは3CBでビルドアップを開始。
アトレティコは2FWでプレス。配置のスタートでは数的不利。前線からのプレスはベティスのボールの位置によってプレスのやり方を変化させていった。前へのプレスはどちらかのサイドに追い込んでから(レシーバーのパスコースを切りながらプレス)、それから左右それぞれ違うプレスの方法を採った。

左からのプレス

アトレティコの左サイド。ベティスの右サイドへのプレス。

ベティスの右サイドにボールが入るとレマルが3CBのマンディへプレス。それにより数的同数になる。レマルが空けたスペースは左SBのファンフランが上がって埋める。後ろの2CBベティスの2FWをしっかりマーク。右SBのアリアスは中央へ絞り、後ろのケアをする

中盤でも数的不利が生じるアトレティコ。右サイドにボールを追い込んだ時はロドリゴトーマスグアルダードカナーレスを捕まえにいく。ボールサイドにスライド。カプトゥムのコースを切りながらプレスし左サイドへ圧縮した。何度か前線でボールを引っ掛ける事に成功。

ここの中盤の攻防も非常に面白かった。ベティスもカプトゥムがフリーなのを理解してそこを上手く使うシーンもあった。1人で局面を打開できる彼にボールが入ると、ドリブルでアトレティコを剥がしていくシーンもあった。

右からのプレス

アトレティコの右サイド。ベティスの左サイドへプレス。

ベティスの右サイドにボールが入ると前線の選手が中のパスコースを切りながらプレス。
ロドリゴトーマスカプトゥムグアルダードを捕まえにいく。
グアルダードにボールが入るとトーマスはプレス。リターンがフェダルに入るとトーマスグアルダードのパスコースを切りながらそのままプレス。

コレアWBフランシスをチェック。アリアスコレアのカバーもしくは中盤とCBのカバーに入る。

逆サイドのレマルファンフランは大外を捨てて中央を縛り中央へ圧縮した。

こうして右から(ベティスの左サイド)ボールを狩にいった。

高い位置からボールを奪ってそこから一気にゴールへ。前線で奪ってからのショートカウンターが一番ゴールを奪える雰囲気があった。

それに対してのベティスのビルドアップは?

ベティスの自陣でのビルドアップ

配置的優位


後方から配置的な優位と、数的優位を活かし剥がしていくシーンが基本となった。
ベティスの後方、GKも中盤の選手もしっかりとした技術がある。しっかり観て、アトレティコのプレスに臆する事なくボールを動かせる技術があるのもベティスの武器である。

GK+3CBのビルドアップ

3CB+GKでのボールの動かし方と配置の動かし方でアトレティコのプレスを剥がした。
わざと、アトレティコ のプレスを誘い出し、剥がしていく。
3CBが流動的に動くのが非常に面白い。アトレティコのプレスに対し、変化していくベティスの3CBの配置。

バルトラがボランチへ

バルトラがボランチの位置へ上がり、マンディとフェダルが少しサイドへ広がりGKのロペスがポゼッションに参加し、三角形を形成。WBのフランシスとバラガンが少し下がり4バックのような配置をとる。GKロペスから空いた中央からグアルダードやバルトラへパスしたり、マンディからバルトラへパスを出しアトレティコのプレスを剥がしていった。

マンディがボランチへ

中央のバルトラが右CBへ移動。右CBのマンディがボランチへ。
それからの動きは上のバルトラがボランチに上がるのと同じような形になった。

この動画が非常に分かりやすく解説されているので、是非ご参考に!

配置の優位とこのようなビルドアップの方法でアトレティコ陣内に押し込める時間が増えていった。

後方からそしてアトレティコ陣内へ

ベティス 敵陣での崩し


中央にボールを打ち込み、アトレティコの中盤の選手を集める。ワンタッチでカナレスにフリックを入れ、前向きに。カナレスがドリブルでゴールに迫って行ったシーン。

WBが前向きで受けれる時はチャンスの雰囲気がでた。大外のスライドが遅れ、SBのファンフランがサイドハーフにプレスにいき、チャンネル(SBとCB)へカナーレスがランニングしセンタリングをあげる。

1点目はこの形から生まれた。CBから大外の右WBへボールが入る。アトレティコの外のスライドが遅れてフリーでセンタリングを上げられる。跳ね返されるも、セカンドボールを拾い、今度は左サイドの大外へボール。ここでもアトレティコのスライドが遅れ、フリーでセンタリング。再びセカンドボールを拾い、再びセンタリング。このクロスがアトレティコのハンドを誘発させ、PK獲得!カナレスがきっちり決めて先制!

しかし、ほとんでいっていいほど、アトレティコのペナルティーエリアの中には侵入させてもらえなかった。

アトレティコの守りは鉄壁だが、他に方法はあったのかもしれない。ゴール前の崩しがより一層破壊力を増せばベティスはもっと魅力的なチームになるだろう。

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アトレティコ 自陣の守り

アトレティコはベティスに中盤でボールを持たれた時、自陣に守備ブロックを敷いた。
4-4-2の非常にコンパクトなブロックを作った。

サイドへ圧縮

チームで一方のサイドへ誘導する。(パスコースを限定しながらプレス)
追い込み漁のような感じで、網に隙間を作らないようにサイドへ追い込んでいった。

サイドにボールが入った時は、上の図であげた四角の距離間でチームがスライドする。

逆サイドの選手は中央へ絞り、中盤のエリアを埋める。

網をかける中央

中央へは網をかける。罠を仕掛ける。
中央へベティスのボールを引き込んでボールを奪う。中央へ入った時はプレスバックが速く、一気に複数の人数をかけてボールを奪った。エルナンデスとヒメネスのラインの上下の調整は非常に細かい。裏への抜け出しを許さず、表の2FWへの楔のボールへは厳しいプレスをかけ、ベティスの攻撃をシャットアウトした。

アトレティコの攻撃は?

アトレティコ の攻撃の入り口

ベティスは守備時は5-3-2の配置になる。

そうすると、5バックの大外の前のスペースが空くのを理解して攻撃をしていた。
サイドハーフのコレアとレマルは中央に入り、SBが高い位置をとりボールを受ける。

グリーズマンがそこのエリアに流れボールを受け、攻撃の起点になる事もあった。
グリーズマンは中盤ポケットでも受けるシーンもあった。カナーレスがサイドへ食いついたところで、アンカーの脇に顔を出しボールを受け攻撃の起点になるシーンもあった。

ゴール前、ペナルティエリア前までボールを運べるシーンはあったが、そこから先の崩しが出来なかった。ベティスの5バックに阻まれるシーンが多かった。

先制点を奪ってからベティスはアトレティコのこの攻撃を防ぐ為にシステムを変更した。

5-4-1ブロック

70分過ぎから5バックの前のスペースを埋めるべく、守備時は5-4-1のブロックにシフトチェンジした。1-0のリードで試合を終わらせにいったベティス。

試合の総括

  • 最初の配置的だけ見てみるとベティスが数的優位をつくりやすい配置だった。
  • アトレティコの4-4-2からのボールプレスと自陣での守備ブロックの完成度はやはり高かった。ボールプレスは基本の配置から複雑かつ緻密に変化しボールを奪いにいったのは流石だった。サイドへの追い込み方(パスコースを切りながらプレス)上手く片方のサイドへ圧縮してボールを奪う。中央では罠を仕掛けて、相手のボールを中央へ引き出して奪った。ベティスはゴール前でのプレーはほとんどさせてもらえなかった。
  • ベティスは後方から配置的な優位と、数的優位を活かし剥がしていった。
    ベティスの後方、GKも中盤の選手しっかりとした技術がある。しっかり観て、アトレティコのプレスに臆する事なくボールを動かした。アトレティコ のプレスに対してベティスの3CBが配置の変化を加えボールを動かす攻防は非常に面白かった。
  • 先制点を奪ったあとベティスは守備のシステムを変更し、試合をしっかり締めにいった。
  • お互いシュートシーンやペナルティエリアに入るシーンは多くはなく退屈した試合でもあったのかもしれない。しかしそれまでの攻防が非常に面白いゲームだった。
  • 1回フルで観ただけで分からないこともあり、2回目フルで観た時に気づくことも多くあり、内容も長々となってしまったが、非常に勉強になることが詰まっていた試合だった。
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試合結果 
ラ・リーガ 第22節
ベティス 1ー0 アトレティコ・マドリード
得点者 ベティス:カナレス
 
Resumen de Real Betis vs Atlético de Madrid (1-0)
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