【帰ってきたプレミリーグ!いきなりの師弟対決!】プレミアリーグ第28節 マンチェスター・シティvsアーセナル

サッカー戦術分析
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さぁいよいよプレミアリーグ再開されました。待ちに待った一番楽しみだったプレミアリーグ。マンチェスター・シティの試合が見れる日常が戻ってきました。その再開を告げるビックゲームが実現!マンチェスター・シティvsアーセナル。アルテタがエティハドスタジアムに帰ってきました。いきなりの師弟対決実現!

両チームともにしっかりとした準備、狙いが出ていた前半でとても面白かったですね。それではゲームを見ていきましょう。

マンチェスター・シティのスタメンにラポルテがCLレアル・マドリードで負った怪我からの復帰で、エリック・ガルシアとコンビを組んだ。アンカーにはギュンドアンが入り、その調子の良さを見せてくれた。最前線にはスターリング、ジェズス、マフレイズが並んだ。ベンチにはサネがやっと戻ってきました!復帰する姿は見れるのか、試合前から期待も膨らみました。

アーセナルのビルドアップ

前半キックオフ。久しぶりのプレミアリーグ。相変わらずプレースピードが早いなという印象を受けました。あ!このスピード感久しぶり!これこれ!とワクワク感が一層高まりました。

両チームのボール非保持(ボールを奪いに行く配置)での配置が似てるように感じた。両チームともに、最終ラインには4枚を並べ、中盤はマンマーク気味。最前線は3枚でプレスにいく形を採った。両チームともに、数的優位を作れる最終ラインでいかに時間とスペースを作って前の選手にボールを渡せるかがポイントになりそうだった。

アーセナルは前半開始15分で2回、最終ラインの数的優位を活かしてビルドアップを成功させた。シティは前線3人でアーセナルの最終ライン4枚にプレスにいく。シティの中盤3人はアーセナルの中盤3人にしっかりついて行くのが明確だった。これによりアーセナルの最終ラインの4枚の選手の内1枚がフリーになる。シティも闇雲に前線3人がプレスに行くわけではない。両ワイドのスターリングとマフレイズはSBを切りながらサイドに開くCBにプレスにいく(カバーシャドー)。

しかし、そこをうまく掻い潜るアーセナル。マフレイズの頭上を通す浮き玉でフリーになる左SBティアニーへボールを渡して前進したり、そこから生まれるスライドのズレで中盤の選手がボールを受けて前進するシーンが2回ほど見られた。しかし、シティの戻るスピードも早く中々、ペナルティエリアには侵入できなかったアーセナル。

シティはアーセナル陣内でのボール非保持のプランの改善が必要かと思っていたら前半のうちにしっかり修正してきたのは流石でした。

いい入りができていたアーセナルだが、思わぬ落とし穴が。前半7分に中盤のジャカが負傷交代。アーセナルの配給役として欠かせない男を開始早々欠いてしまってアルテタも頭を悩ませたに違いない。彼がいたらもっと多くの引き出しを持ちながら前進できたはずだ。

シティのビルドアップ

シティのビルドアップの引き出しの多さが存分に発揮されたゲームだった。アーセナルもシティ同様にボール非保持では中盤の選手はマンマーク気味。前線3人はシティの最終ライン4枚にコミュニケーションを取りながら、一方のサイドに誘導してボールを奪いにいく狙いを見せていた。しかし、シティは当然ながら最終ラインの選手たち、そしてGKエデルソンのビルドアップ能力は非常に高い。彼らに少しの時間とスペースを与えると意図も簡単に前進してしまう。しかも前線の選手に時間とスペースを与えた状態でボールを渡す。

ラポルテのドリブル。ギュンドアンが集める。

アーセナルの両ワイドのサカとオーバメヤンはシティのSBを牽制しながらポジションをとる。そうするとガルシアとラポルテのどちらかのCBに時間が与えられ、そこでラポルテがゆっくり「運ぶドリブル」で前進に加え、相手の中盤を集めて、シティの選手たちをフリーにさせる。そしてそこにギュンドアンも関わる。ギュンドアンはボールを受けてターンをして縦パスを打ち込むシーンはあまりないが、アーセナルの選手を集める意味では効果を発揮していた。

ギュンドアンは両CBとショートパスをつなぐ。すっと落ちてボールを受けてすぐにリターンボールを送り、アーセナルの中盤を集めて集めて、他のスペースを開ける。そのスペースにデブライネが落ちてフリーになったり、左のハーフスペースで待ち構えるシルバにパスが入り前進を成功させていった。

この二人のこの働きが見事にハマったのが前半20分のシーンだった。スーっとラポルテが「ボールを運ぶドリブル」で前進、相手を集める。そこにギュンドアンとショートパスを繋いでさらに集める。その間にデ・ブライネが一列落ちて相手を引きつけて、空いたハーフスペースにガルシアがインサイドに絞ったマフレイズに縦パスを打ちこむ。それを駆け上がった右SBウォーカーにレイオフ。前向きにスペースがある状況でボールを受けたウォーカーはそのスピードを活かしたドリブルで一気にペナをえぐって決定機を演出した。お見事なチームのビルドアップだった。

動のデ・ブライネ。静のシルバ。

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シルバとデ・ブライネは両IHでもそれぞれの考え、それぞれの違いでアーセナル陣内を撹乱させていったのが非常に面白かった。デ・ブライネは一列落ちてボールを引き出したり、右のワイドのマフレイズとポジションチェンジをしたり、左サイドまでいってボールを受けにいったり流動的に動き回っていた。対するシルバは自分のもらったエリアから動きすぎず、静かに待っていた。左のハーフスペースを中心に立ち位置をとる。自分がフリーになるのはもちろんだが、シルバがピン留となってスターリングやメンディをフリーにさせるシーンも目立った。

動き回ってフリーなるデ・ブライネと、動きすぎずにフリーになるシルバ。ペナのポケットにパスを送りこむデ・ブライネ。ペナのポケットに侵入するシルバ。相変わらず絶妙なバランスを保っていた両IH。いつまでも見ていられる美しいコントラストだった。

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ジェズスの落ちる動き

中盤の噛み合わせがガッチリ決められたこともあり、シティの前進がうまく行かないシーンもあったが、次々と次の手をうつシティの選手たち。最前線のジェズスが一列、二列と落ちてボールを引き出して、中盤に数的優位を作り出す。ジェズスがフリーでボールを受けるシーンもあれば、それにより周りの選手がフリーになるシーンも。どんどんアーセナルの守備の基準を撹乱させていく。次から次へとビルドアップの狙いを変えていく。ビルドアップの豊富さに富んでいて面白かったですね。

修正を加えるシティのボール非保持

先ほどアーセナルのビルドアップに対してシティはボール非保持での改善を前半のうちに行なったとチラッと話した。その詳しい対策はジェズスを一列下げることだった。ボール保持の時アーセナルのゲンドゥージはアンカーポジションに入る。そこにはギュンドアンがプレスにいっていたが、そこをジェズスに見させることで改善していった。両ワイドのスターリングと、マフレイズは変わらずにカバーシャドウでプレスにいく。

ギュンドアンが誰かにマークをつかないことで、複数のアーセナルの選手たちをボカすことでスライドのスピードが上がった。もちろん前線3枚でボールを奪うのが一番だが、前半のはじめにそこを掻い潜られて前進をされた。この改善により、たとえファーストプレスが剥がされてもシルバやデ・ブライネがスライドをできるようになった。改善前はアーセナルのSBにボールが入るとシティのSBが前に出てスライド、それに合わせて最終ラインもスライドする形を採っていたが、そのスライドのズレをアーセナルに利用されてビルドアップを許してしまった。

それを改善する意味でもジェズスを一枚下げて、ギュンドアンをボカすポジションをとらせることで、中盤でのスライドスピードを早くした。中盤の時間とスペースを消す狙いもあった。

この改善によりアーセナルのビルドアップはスピードダウン。サイドチェンジも中々できなくなり、最前線にボールを蹴らせることに成功したシティはよりボール保持を高めていった。前半終わってみれば65%のポゼッション率まで持っていった。

前半の半ばからシティが主導権を完全に手繰り寄せ、決定機を創り上げる。決定機を3回、4回と創り出すが中々得点を奪えない中、前半ロスタイムに待望の先制点が生まれる。右サイドに流れたデ・ブライネから逆サイドから斜めにランニングしたスターリングにボールが入り右足を振り抜きゴールに突き刺した。

大きな大きな先制点。決定機を創りながら得点を奪えるか、奪えないかで、この試合の流れは大きく変わったはずだ。

久しぶりのゲームだったが、シティはいい流れを創り出せた前半だった。

後半開始早々に…

後半開始早々にほぼこのゲームが決まったしまった感じに…解説の戸田さんが「後半のアーセナルは守備のやり方を少し変えたかもしれない。左のワイドのオーバメヤンがより明確にエンケティと共にシティの2CBにプレスに言っていますね」と言った途端にGKエデルソン砲が炸裂する。

2CBがプレスに合っていると見るや否やGKエデルソンがポゼッションに加わる。この時右SBのウォーカーが右のワイドに駆け上がり、マフレイズがインサイドに入る。駆け上がったSBウォーカー目掛けてエデルソンが正確なロングボールを送りこむ。高さと強さで勝るウォーカーがヘディングで競り勝ちインサイドに絞っていたマフレイズに落とす。ボールはペナルティエリアへ入り、身体をルイスの前に潜り込ませたマフレイズが倒されPKを獲得。さらにこのファールによりルイスは退場。

そしてこのPKをデ・ブライネがきっちり決めて2点目。点差が開いただけではなく、一人少なくなってしまったアーセナル。完全に主導権はシティの手の中に。

終わり

その後シティは自分たちでゲームのペースを落として危なげなくゲームを進めていった。交代枠5枚もしっかり使った布石の戦いぶり。交代枠5枚は選手層が厚い厚いシティにとっては功を奏するが、相手チームからしてみればずるい感じはあるでしょう。この試合もベルナルドとフォーデンが同時投入。フォーデンはシティの3点目を奪いしっかり結果も残した。デ・ブライネとラポルテに変わってロドリとフェルナンジーニョ。80分にはアグエロが入ってくる豪華な交代策。エグい交代。ベンチに戻ってきたサネの復帰戦を見られなかったのは少し残念だが次回の楽しみが増えた。

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対するアーセナルは運もついていなかったかもしれない。前半のうちに怪我人が2枚も出てしまい、後半には退場者も出してしまい、不運も重なってしまった。アルテタのエティハドスタジアム初めての凱旋試合は少し苦い思い出になってしまったかもしれない。師弟対決の軍配はペップに。しかし、前半の攻防は戦術的に非常に面白かったです。

そしてプレミアリーグが帰ってきたことが1番の喜びです。色んな人の努力がありここまでの再開に至ったと思います。本当に感謝しています。今シーズンは何もなく残りの試合を消化できることを祈っております。大好きなサッカーの試合が見られ日常が少しづつ戻ってきたのが本当に嬉しいです。

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