【セリエA 18/19】フィオレンティーナ  vs ナポリ

サッカー戦術分析
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ここ最近セリエAで1番の攻撃力を誇るフィオレンティーナ。
こちらも言わずとしれた超攻撃サッカーナポリ。
両チーム合わせて27本のシュートが飛び交う打ち合いとなった!

フィオレンティーナ は強力3トップ。ビッククラブ注目のキエーザは存在感抜群だった!
ナポリもインシーニョ、メルテンス、カジュホンの3人のコンビネーションは芸術的。やはり観ていて面白い。他の選手たちもリーグ始めより格段にコンビネーションはよくなっていた印象。上手くなっているんでしょう。

それでは試合を観ていきます!

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フィオレンティーナ  スタメン

  • 直近5試合で17得点と攻撃力爆発
  • 先日のリーグカップでは7発奪ってローマを沈めたのは衝撃だった。
  • 加入したばかりのムニエルがフィット。ビッククラブ注目のキエーザの存在感は流石だった。

ナポリ スタメン

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  • インシーニョ キャプテン(ナポリ出身ではP・カンナヴァーロ以来)ナポリのバンディエラであるハムシクはやはり中国へいく準備をしているようだ。ただただ寂しい。
  • CBアルビオルが怪我のためベンチ外。完治までどれくらいかかるが分からない状態だそうで、ナポリにとっては痛いだろう。

フィオレンティーナ の戦い

攻撃

前へ前へ。ゴールへ一直線。

後方からのビルドアップは途中で諦めて(メルテンスが仕掛けるハイプレッシャーにより思うようにボールを動かせなかった。自陣でリスクを取らない為にも。)シンプルに前線へロングボール。セカンドボールを拾い縦に速い攻撃を仕掛けた。サイドチェンジをしたりせず、同サイドで攻撃を完結。前へ前へ。ムニエル、キエーザを中心にゴール前に入り、ゴールが見えたらシュートを打ち続け、ナポリよりシュート数は上回った。

選手に迷いがなく、一直線にゴールへ向かう攻撃は迫力がありナポリを押し込むシーンもあった。

大外を起点にした攻撃

攻撃次は3-4-3
ナポリとのシステムと照らし合わせると後方から数的優位でビルドアップ出来る配置だった。
3CB からボールを受けたWBナポリのSBを釣り出して、その裏を3トップが取りに行くシーンもあった。

しかしそこを意図して崩しにいくシーンはあまりなかった。大外にいて欲しいときに、右のWBのタボは中央にいる時もあり、監督やチームメイトに怒られるシーンもあった。

意図してこうして攻めよう。相手をここに動かしてここのエリアを使おう。
チームとして細かな戦術は決まってなかったのかなと感じた。
「とにかく前に!前へ前へ!縦!みんなでハードワークしよう!」がチームの戦術!
それはそれで明確でシンプルで選手の迷いを無くす、戦術なのかもしれない。

トランジションからの攻撃

前線まで押し込んでナポリの攻撃ができると、そのままの攻撃の厚みでネガトレ(切り替え。ボールを奪い返しにいく事)を仕掛けボールを奪い返し、2次攻撃を仕掛けた。引くことはせず、勇気を持ってナポリのボールを奪いにいった。

攻撃力はもっと上がる

一人一人がボールを持ちすぎる場面が…もう少しシンプルに味方を使っていれば…
もう少し早くボールをサイドを駆け上がるSBにパスを出せばセンタリング上げられたのに…

そういった場面が多かった。そこがもう少し改善されえれば今以上に爆発的な攻撃になるなと思いながら観ていました…

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守備

守備時は配置は5-3-2もしくは3-4-3のような形になる。

自陣までナポリに押し込まれたときはブロックを敷く。
ナポリ陣内へ押し込んで攻められている時はそのままトランジションをしてボールの即時奪還を試みる。

しかし、守備においてはエラーがあった。最後まで修正することはできなかった印象。
ナポリには意図的に守備のズレを突かれ続けてしまった。5-3-2特有のズレなのかもしれない。
先日アトレティコ・マドリードとベティスの試合でも観られた現象。

どのような守備のズレ、穴が生まれたかは

次のナポリの攻撃で観ていきたいと思います。

ナポリの攻撃

3CBとWBの間

フィオレンティーナ は5バック。中盤は3枚で守り、
前線にキエーザとムニエルが残る配置。

そこでナポリは両サイドのWBを意図的に釣り出して、前線へ3CBの間にボールを送り攻撃を組み立てた。フィオレンティーナのWBを見事に釣り出して攻め込む攻撃は見事だった。

中央からスルーパス。大外からスルーパス。大外からセンタリングをいれたり。
あらゆる形からそのエリアをとりにいくナポリ。

3CBとWBの間 攻略パターン①

右SHのカジュホンがボールをもち、相手のWBビラーギを引き出して、空いたスペースへボールを送る。そこへトップのメルテンスもしくはインシーニョがランニング。


3CBとWBの間 攻略パターン②

今度はカジュホンがボールを受けるアクションで相手を引きつける。相手のWBがその動きに釣られて3CBとWBの間にスペースが生まれる。
それを観て、インシーニョがタイミングよく落ちて受けにきて、ファーストタッチでその空いたスペースへトラップし、ドリブルで前進。

3CBとWBの間 攻略パターン③

グラムが大外の高い位置をとる。それによりWBのダボグラムの存在を気にして、外に釣り出される。それにより空いた3CBとWBの間に左SHジェイリンスキーが斜めにランニング。インシーニョがタイミングよくロブパスをし相手のDFラインを破壊した。

多彩なコンビネーション①・②

図の① 
大外から斜めのランニングをするカジュホンへのパス。
バックドア。

図の②
この試合ハムシクは出場していません。
ボール保持者に対して、2つのパスコースをつくる。
1人が裏をとったら、1人が落ちてくる。縦関係でクロスするイメージで相手にボールの出どころを決めさせない。
ナポリの色でもある、お互いを見合ってプレーするで出来るコンビネーション。

多彩なコンビネーション③・④

図の③
左SHのジェイリンスキーが中央へ絞り、相手のWBを中央へ引きつける。
相手スペースに左SBのグラムF・ルイスからの展開を受ける。
これにより相手の3CBの右の選手がプレスに。すかさずグラムは速いタイミングでの精度の高いクロスを供給。メルテンスの決定機を演出した。
図の④
形としては上の図の2の形と似ている。横関係でクロスしフリーを生み出し、相手にボールの出どころを決めさせない効果がある。

これも図の2で上げたように、ナポリの選手はお互いを見合ってポジションを取ることが出来るのと、常にいい攻撃の関係をつくれる(三角形や菱形があらゆるところで即座に出来る)。
また相手のポジションも観ているので、相手の嫌なところに立ったり、プレーを選択することが出来る。

試合の総括

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  • 両チーム27本のシュート数が飛び交う試合で特典は無かったものの面白かった。お互いの攻め方も違う形で、チームごとに哲学は違う。チームの色が出ていて凄く面白かった。
  • フィオレンティーナは前線の3トップの破壊力は力があると感じた。もう少しチームメイトと見合ってプレーしたり、コンビネーションが増せばますます攻撃力は上がるだろう。
  • 今回はナポリの攻撃を中心に切りとってきたが、シュートシーンやゴール前だけではなく、ビルドアップや要所要所で絡み合うコンビネーションは見事だった。
  • お互い得点を奪うことは出来なかったが、お互い攻撃力を存分に発揮したスピーディーで面白い試合だった。
  • 個人的にはナポリに勝点3が入って欲しかったが。なんとかユベントスと勝ち点差を埋めて、スクデット争いを繰り広げてほしい。

 


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