【ガンガンいこうぜ!#トリコロールの絆今こそ強く!】Jリーグ第4節 横浜F・マリノスvs湘南ベルマーレ

サッカー戦術分析
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過密日程の始まり。前節のレッズ戦から一週間も経たないうちに次節はやってくる。今節迎えるは湘南ベルマーレ。湘南スタイル全開でマリノスは最後まで苦しめられるも、逆転勝ちで今シーズンJリーグ初勝利をもぎ取った。課題も確かにあったが、逆転でしかも昨シーズン凄まじい強さを見せたニッパツ三ツ沢球技場と縁起の良いスタジアムで勝てたことも良かった。

マリノスを苦しめた湘南スタイルとは?そしてどのようにマリノスが苦しみながらも3得点を奪って逆転していったのかを見ていきましょう!

ベルマーレのボール非保持

ベルマーレはマリノスのボール保持に対して「湘南らしさ」でボールを奪いにいった。ボール非保持時ベルマーレは5-3-2のシステムになる。後方は5人の選手を並べ、マリノスの5レーンを使う攻撃に備える。そして中盤3人でマリノスの流動的に行われるポジションチェンジに惑わされず豊富な運動量で連続して中盤をプレスに出ていく。中盤を3人で横幅68mをスライドし続け、プレスを上下に行い続けるのは非常に体力が必要だが、それが出来てしまうのが湘南の選手たちだ。

また中盤の3人+5バックのWBの右の岡本と左の鈴木のアップダウンの回数、強度も高く攻守にベルマーレに貢献していた。彼らの運動量がなければ危なかった場面や、チャンスになるシーンも少なかったはず。「本当によく走るは!」「当たり前のようにみんなハードワークする!」印象を強く受けた。

ベルマーレは5-3-2の配置を組んで、マリノスのGKと2CBにはある程度の時間の猶予与えるが、彼らから前へのパスコースを限定させる狙いがあった。その為に、最終ラインを高く設定し、縦に非常にコンパクトな5-3-2配置だった。最終ラインとGKの間には大きなスペースが空いていたが、それよりもマリノスが使いたいライン間(中盤とDFラインの間のスペース)やギャップを塞ぐことを優先したのかもしれない。

そしてマリノスがベルマーレのプレスのエリアに入ると、DFライン5人は後方残り、中盤から前の5人の選手でプレスに襲いかかる。流動的に配置を変えるマリノスに対しても豊富な運動量と連続性で中盤でボールを奪うシーンも。それでもマリノスにはプレスを剥がしてしまうシーンも多く、その時の為にDFラインには5人の選手が待っている。ベルマーレのファーストプレスが剥がされてマリノスの選手にボールが入ると、DFライン5人の選手で時間を稼ぐと、あっという間に前線の選手たちの帰陣が完了し、ゴール前には時間とスペースがなくなってしまう状況に。

マリノスがファイナルサードまで崩しきることは非常に難しい状態が続いた。

ベルマーレのミドルブロックのより詳しい内容はロッドさんのブログで!

仲川の内から外のランニング

それでも、ベルマーレのプレスを剥がすヒントはあった。それはWGの仲川にボールが入った時にベルマーレのWB鈴木がプレスにいく。これに連動してWBが開けたスペースを埋める為に左CB大野がスライドをする。

鈴木の仲川へのスライドプレス◯→そのスライドに合わせた左CB大野のスライド◯→ハーフスペースを埋める

このようにマリノスの狙う大外からの斜めのボールでハーフスペースを利用するマリノスの攻撃にしっかり対策をしていたベルマーレ。そんな中で仲川の動きでベルマーレの陣形を崩せそうなヒントがあった。

仲川のハーフスペースからの外へのランニングだ。仲川は大外の立ち位置ではなく、インサイドに入って左CB大野の前に立って、そこから外へ流れてWB鈴木の裏を取るシーンだ。前半に多く見られたシーンだ。オフサイドになったシーンもあったが、SB松原や喜田から内→外に流れて裏を取るシーンは非常に効果的だった。しかし、仲川がその動きでサイド深く抉った時の連動性がもう一段足りなかったのは確かだ。仲川のこの動きで、一気にベルマーレの2選手を動かし、右サイドのハーフスペースには広大なスペースを開けたがそこに走る選手がおらず無駄に終わってしまったのがもったいなかった。

また、最前線にはエジガルは常にボールに寄るのではなく止まったり離れる動きをすることでCB坂や右CB石原をピン留して、より右のハーフスペースが開いていた。あとはそこに誰がいつ?入るかがマッチすればまた新たな攻撃パターンになりそうだった。

松原の長いボール

松原の長いボールは今シーズンもマリノスの大きな武器になりそうだ。前述した仲川の動きに対しての長いロングフィード。アーリークロスでゴールのエジガルへのボール。オフサイドになってしまったものの高いベルマーレのラインの背後への斜めのフィード。マリノスの小刻みのショートパスのなかでこういった長いボールはアクセントになる。ショートパスで人を集めて、意識を集めて、目を集めた中でこういった長いボールの効き目は高い。

こういった長いボールがおり混ざることで、よりショートパスの効き目も高くなる。この試合ベルマーレの背後は開いていたのでこういったボールをどんどん入れていっても面白かったかもしれない。そんな駆け引きがサッカーは面白い。

集めて逆サイドへ

ベルマーレはマリノスの手薄になる逆サイドを狙っていた。ボールサイドに圧縮してプレスをかけるマリノスの戦術を逆手に取る形。これは前節のレッズ戦でも再三狙われた形。幸いなことにレッズ戦では逆サイドに振られるボールがマリノスのゴール前より少し離れている位置だったので、戻って対応できたが、ベルマーレはより深い位置まで抉られて手薄の逆サイドを使われて、ゴールも奪われてしまった。

一失点目も二失点目も右サイドに集められて左WBの鈴木にボールを振られて生まれた失点だった。4バックのマリノスに対してベルマーレはWBが駆け上がることでサイドでフリーの選手を作れる。そこをうまく利用したゴールであったが、マリノスもボールサイドに人を集めたならばボールを奪わなければいけないし、それが難しい状態には最低でも中の相手選手を捕まえなければいけない。

まぁ、「逆サイドに振られるのどうするよ問題」は昨年からの課題だが、昨シーズンよりも相手にそこを突かれる回数は増えているし、これからもっと増えていきそうだ。このベルマーレのファーサイド狙いについて詳しい内容はこちらのakiraさんの記事で!マリノス対策の一つとして相手が絶対に狙ってくる問題!

同時3枚投入

リードを許したマリノスだったが、ボスが動く。後半18分扇原、マルコス、エリキを下げて天野、エジガル、オナイウを一気に3枚投入した。

この3枚替えで明確にガンガン点数をとるぞ!というメッセージがボスから出される合図に。システムをオナイウとエギガルの2トップに。仲川は右から左へ。右サイドには水沼が入り4-4-2に変更。ほぼ4-2-4の超攻撃的布陣に変更。ベルマーレの5バックに対して4トップをぶつける。停滞した攻撃陣にフレッシュな選手が入ったことで攻撃が活性化される。

仲川の左サイドも面白かった。右サイドでの存在感は右サイドでも変わらず。カットインでドリブルをしたり、天野の同点弾では斜めに走る動きでスペースを与えるランニングも。右サイドでコンビを組んだ左SB高野とのコンビネーションで前進するシーンも。

そして右サイドに入った水沼も非常によかった。彼の精度高いクロスも健在。勝負を決める3点目は彼からのクロスからだった。またクロスをあげるだけでなく、左からのクロスには必ずファーサイドに入ってゴールに厚みを作り出していった。

3枚の選手交代と配置チェンジでマリノスの攻撃は活性化。明らかにゴールに向かうエネルギーが高まり、どんどんゴール前にボールを入れるシーンも増えていった。この姿勢がマリノスのアタッキングフットボールでしょ!無理矢理でもこじ開けるスタイル。こじ開けられるまで叩き続ける。そんな姿が少しづつ戻りマリノスは逆転勝利を掴み取った。

マリノスの3枚投入での変化。4-2-4のファイヤーフォーメーションの詳しい内容はヒロさんのブログで是非!

過密日程を考えてみる

Jリーグで今シーズン初勝利を手に入れたマリノスだが、過密日程は待ってくれない。しかも超がつくほどの過密日程だ。果たしてこの日程で相手をスカウティングして、対策する時間はあるのだろうか?自分たちのコンビネーションを高める時間はあるのだろうか?この過密日程のお陰で、様々な問題が浮き彫りになってくる。

マリノスのこれからの試合を踏まえて勝手にスケジュールを組んでみた。中3日ですぐにFC東京戦がやってくる。中3日しかなく次のゲームがやってくる過密日程はこれからもたくさんある。そう考えた時に中3日や中4日でスカウティングをして、相手の対策をやる時間はあるのだろうか?マリノスは自分たちのスタイルをあくまでも貫くのが前提だが、ボスも対戦相手が変われはトライしたいことも少しは変わってくるはずだ。そんな時間はあるのだろうか?しかし、時間がないのもマリノスだけではない。対戦相手も同じだ。

私が思うのは、マリノス対策する時間はあるのか?ということだ。マリノスのスタイルはJリーグのチームだったらイメージがつくはずだが。再開後の2節、3節くらいまでは、再開前にあった数ヶ月の中で対策をする時間はあったかもしれないが、超過密日程の中で、綿密な対策や戦術を練り上げる為の時間はこの2試合よりは少ないと感じる。相手をスカウティングして、相手の弱点を突いていくことも大切だが、まずはコンディションを整える方が重要だと思う。次々とやってくる日程の中で、いかに次の試合疲れを残さずに、ベストなコンディションに近い状態でゲームに入れるか。その影響は大きくゲームの結果に左右するはずだ。

しかし、どんなにコンディションを気にしていても、これだけの過密日程を踏まえるとベストメンバーを毎回組むことは極めて難しいと思う。ここにカップ戦やマリノスはACLも入ってくる中で、移動も重なり疲労感は昨シーズンまでの常識を超える状況になるだろう。だからこそ、選手の層の厚さがどんどん結果にも左右されてくると思う。マリノスにはその選手層が十分揃っていると思うので、その分アドバンテージになり得るかもしれない。当然けが人も出てくると予想され、今出ていない選手の力も絶対に必要になってくるはずだ。オールチームで、#トリコロールの絆今こそ強く! 総力戦でどれだけ戦えるかが重要だと思う。

試合の中で練り上げるしかない?

限られた時間の中で選手同士のコンビネーションはもう試合の中で練り上げるしかないのではないかと思う。先ほどの日程を踏まえても、中3日ではコンディションを整えることで精一杯だろう。次節の先のアントラーズ戦には少しの時間があるが、そんな時間を利用してどれだけ綿密なトレーニングができるかも重要になってきそうだ。

どのようなトレーニングを組むのか?どのように戦術を落とし込むのか?どのように選手のコンディションを維持できるのか?スタッフ陣の腕の見せ所なのかもしれない。少ない限られた時間の中でやれることも、やらなきゃいけないことも今までとは違う。オールマリノスで頑張ってほしい。#トリコロールの絆今こそ強く!

やっぱりセットプレー大事!

過密日程になってくるとやっぱりセットプレーって大事。それは次の試合までの準備期間が少なく、練習時間が少ないことと、選手のコンディションを戻すために、そんなに高い強度の練習ができないと踏まえると、セットプレーに重きを置く時間は増えていくかと。セットプレーの練習が決して強度がないというわけではなく、他の練習に比べたらの話だ。

そして、Jリーグのチームがマリノス対策の練度を高めていっている中で、今節前節を踏まえてなかなかゴールシーンが生まれにくい状態になることが予想される。そんな中でやっぱりセットプレーは一つの打開策。直接FKもCKも精度を高めるのももちろん、ショートCKでトリックなプレーをするのも相手にとっては脅威になるはずだ。

今シーズンは昨シーズン少なかったセットプレーからのゴールも多く見たい!

スペースはあるよ!

前節のレッズ戦にしろ、今節のベルマーレ戦にしろ、中央を圧縮して、ライン間を封じ込めてマリノスの使いたいエリアを締めてきて、マリノスはなかなかアタッキングエリアで迫力を持った攻撃ができなかった。中央へのボールが入らなくなり、相手を密集させて広げる攻撃も出来ずに、ファイナルサードで手を焼いていた。

確かに非常にコンパクトに中央を圧縮して、スペースが無いように見えるが、そこの目、基準を変えなければいけないのかもしれない。ある人にはスペースが狭く、無いように見えるが、ある人からしてみれば狭いと思っていたスペースも十分にプレーできるスペースだよ!とその選手のスキルでそこの感覚は大きく変わってくる。

この試合も確かにベルマーレのハードワークで、アップダウンやスライドも休まず絶え間なくマリノスの使いたいエリアを防ぎ続けていたかもしれない。しかし、決してスペースがなかった訳ではない。見つけられてなかったのか、そこへ通すパススキル。そこで受けられるスキルが足りなかっただけかもしれない。ライン間やギャップだけでなく、裏へのスペースもあったのは確かだ。みんな兄貴分のシティのシルバの目を目指そう!「世界一狭いエリアでプレーするのが上手い!」とペップも言っていたからね!

ボスのフットボールは選手が上手くなっていくと私は思っている。チームとしての戦術的な部分に目がいってしまいがちだが、選手の個のスキルの向上にも目を向けたいと思う。できなければできるようになるフットボールをボスはトレーニングからやっているはずだ。個が上手くなって、そしてチームが自然と強くなる循環が見えるはずだ。

案の定、マリノスの2点目、天野の2点目は決してゴール前にスペースがあった訳ではない。ベルマーレの選手たちは揃っており、スペースもしっかり埋めていた。しかし、天野が狭いスペースでエジガルに縦パスを打ち込み、リターンを受けて天野がドリブルで相手を切り裂きゴールを奪い去ったシーンなんかは痺れた。

ああやってガンガン中央に打ち込んで、どんどん狭いエリアに入っていってほしい。少し強引かもしれないがガンガンアタックをしてほしい。何回も何回もゴールへ向かう姿勢をみせて、チャレンジをし続ける姿、それがマリノスのアタッキングフットボールだよね?あれ?違ったっけ?

さぁ!呼び戻そう!マリノスのアタッキングフットボールを!

ガンガンいこうぜ!

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