【スリル満点。ハイテンポな攻防。】Jリーグ第4節 横浜F・マリノスvsFC東京

サッカー戦術分析
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昨シーズン優勝争いを演じたFC東京との一戦。

日産スタジアムにサポーターが帰ってきた!この試合から制限を加えながらだが、観客席にお客さんが戻ってきた。チャントはなし、拍手で応援するスタイルは新鮮だった。ホームということもあり、お客さんが戻ってきたということもあり、マリノスの選手たちからもやる気が感じられるプレーが。高ぶる気持ちが空回りすることなく、素晴らしいゲームの入りができた。

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勢いそのままに開始早々先制点を奪ったマリノス。昨シーズン見せたお得意の先制逃げ切りだ!と思ったマリノスファンの人も多かったはずだ。それほどマリノスのゲームの入りは良かったし、強い時のマリノスのハイテンポなスピーディーなサッカーを見せてくれた。

しかし、FC東京はマリノスに先制パンチを喰らっても落ち込むことなく、自分たちのやらなければいけないことを遂行し続けた。球際激しく、強固な、勝負強いFC東京を試合が経過していくに連れて見せつけられた。

セットプレーから奪えたのは朗報

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マリノスはキックオフからマリノスらしさ全開。ハイテンポでスピーディーな攻撃でFC東京を押し込みまくる。ライン間やFC東京の裏へのスペースを積極的に狙っていき、FC東京の選手たちは自分たちのゴールに向かって走るシーンが多かった。リスタートも早くハイテンポ。FC東京に考えさせる時間を与えない。

FKからのリスタートから奪ったCKからマリノスの先制点が生まれた。スタート4分右のCKから水沼がボールをセット。いつもの様にショートコーナーでリスタート。小刻みにボールを繋いで、ボールをセットした大外に待っていた水沼にボールが戻ってくると、ニアサイド目掛けてクロス。ニアに飛び込むオナイウが潰れてファーサイドから入り込んだ遠藤が押し込み先制。電光石火の先制点!という感じだった。

これはたまたまだったのか?しっかり仕込まれたCK?だったのかはわからないが、セットプレーが起点で生まれたゴールはマリノスにとっては嬉しい。セットプレーからの得点が少し物足りないからね!いいゲームの入りが間違いなくできたマリノス。

両チームともに前半は縦に速い展開が続いた。休む暇もなく目まぐるしく攻守が変わっていく。見ている側は非常に面白かったが、ピッチで戦っている選手の頭と体力は非常に疲労を感じていただろう。

FC東京の狙いとは?

ボール非保持

FC東京はボール非保持の時には4-4-2中央でブロックを形成。その陣形が整ってからFWの永井がボールに出て、それに合わせて後ろの選手が連動してプレスに出てきた。永井は泥臭く何度もボールに出てくる。

それでも、マリノスはしっかりボールを動かして、FC東京のファーストプレスを剥がして前進。そうなるとFC東京は4-4のブロックで中央を圧縮してボールをサイドに誘導。そしてサイドにボールが入るとまたプレスに襲いかかるも、この試合のマリノスのボールを動かすテンポがここ数試合に比べても非常に早かった。サイドに入るとFC東京のプレスが間に合わないうちにどんどん前へボールを入れて、プレスのズレを作り出して、サイドからゴールにせまるシーンが多かった。

奪ったら早く裏をとる

FC東京はマリノスのボールを奪うと、マリノスのハイラインの裏を狙っていた。この日マリノスのCBにはチアゴが。チアゴは避けて裏抜けを狙っていたはずだ。その為一本でゴールに直結するボールではなく、サイドの裏を狙うボールや裏抜けが頻繁に見られた。

主に裏抜けを試みるのが、FC東京の2トップと左サイドの田川の3人だった。右SHの東はインサイドに入ってボールを引き出すシーンも。この狙いが見事にハマったのがFC東京の同点弾だった。

GK林からインサイドに入った東にボールが入る。フリーでボールを受け少しドリブルで運び、ディエゴに楔のパスを入れて、一度マリノスを中央に集めて、右サイドを駆け上がる室屋にフリック。

サイドの裏をとったFC東京。見事な連携からマリノスの背後をとりゴール前へ侵入。ボールを受けた室屋はダイレクトで中に入り込む田川にダイレクトで折り返し、決定機に。たまらず背後を取られたチアゴがスライディングで田川を倒してしまいPK獲得。田川はこのプレーで負傷退場。大きな怪我にならないことを祈ります。

ディエゴはきっちりPKを沈めすぐさま同点に。

FC東京が狙っていた攻撃で、サイドの背後をとって同点に追いついたFC東京。特にマリノスの左SB小池の背後の裏に流れてボールを引き出すシーンは多かった。

同点に追いついてもFC東京の狙いは変わらなかった。背後は前線の3人が狙う。東は内側に絞って裏へのボールをどんどん出していく。このシンプルだが破壊力抜群のFC東京の攻撃にマリノスは手を焼き続ける。カウンターの切れ味は恐ろしい。

右SH水沼のクロス

先制点のアシストとなるクロスをあげたSH水沼。この試合、そのシーン以外にも彼の右足から正確なクロスがマリノスの攻撃のアクセントになっていた。仲川とはまた違ったタイプで、新たなマリノスの攻撃のバリエーションになってくれそうだ。

前節でも、彼からの右足のアーリークロスからオナイウの同点弾が生まれたのは鮮明に覚えているだろう。

19:25 水沼のクロスから逆サイドの遠藤のヘッド

ゴール前にブロックを敷く相手に対して、ファーサイド(逆サイド)へのクロスは非常に効果的だ。相手のブロックの外から斜めに入ってくるランニングは非常に捕まえづらい。ボールにどうしても気を取られるし、目が集まる。またファーサイドにクロスが上がると相手は体の向きを変えなければいけない。そういった理由から対応が難しく、ゴール前のブロックを敷く相手の泣きどころになる。これは決めてほしい形だったが、これがマリノスの新しい攻撃の形になってほしい!

25分にも右の水沼から左の遠藤に狙うアーリークロスが。52分のシーンは水沼のシュートミスだったけどあんな形も相手の背後のファークロスはやっぱり効き目十分!

左サイドのユニット

マリノスのボール回しは見事だった。FC東京の連続性ある強度高いプレスもマリノスがハイテンポでボールを動かして剥がしていく。FC東京に押し込まれてもすぐに押し込み返す。右から左。左から右へと幅を使う攻撃も。見ていて本当に楽しい時間帯が前半続いた。

守備の基準を撹乱させる天野

天野はスタートポジションは扇原と2CHだったが、扇原がアンカーで、天野が一列前でプレーするシーンが多かった。扇原が前に出れば天野が下がるシーンも。2人でよくコミュニケーションをとっていた。天野は左のハーフスペースに立ち位置をとったり、左の大外に張れば左SBのティーラトンがインサイドに入り流動性を生んでいった。それにより、マリノスの左サイドはFC東京の守備の基準は定めづらい状況になり、どんどんパスを動かすシーンも。

動きすぎないオナイウ

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前線のオナイウはFC東京の2CBの間のポジションを取り続ける。マリノスの動き回る前線の選手の中ではあまり動きすぎないオナイウ。これによりFC東京の2CBはピン留されて、ライン間のスペースを開けさせる働きも。また自分が楔を受ける空間にもなっていた。左サイドから前線のオナイウに楔が入り彼のポストプレーから右サイドにボールを展開してチャンスになるシーンも。そして組み立てに関わった後には、絶対にゴール前に入るオナイウ。要所要所で一番自分の力を出せる立ち位置、仕事をこなしてオナイウ。

前半FC東京に同点に追いつかれてからマリノスの攻撃テンポは非常によく、精度も高かった。この時間帯に追加点を奪いたかった。崩しまでは本当に素晴らしかった。あとは最後の精度なのか?選択なのか?点数欲しかったね!

弱点突かれた2失点

同点に追いつかれてもマリノスのハイテンポな攻撃は加速する一方だった。しかし、ワンチャンスをものにするFC東京。これまた前述した狙い続けた形だ。ボールを奪って素早くマリノスの右サイドの背後へ。そのボールに対して中央からサイドに流れたディエゴが抜け出し、GK梶川も同じタイミングでそのボールへ。わずかにディエゴがボールに触るのが早くゴール前で倒されてFKを獲得したFC東京。これをレアンドロが沈めて前半終了間際にFC東京が逆転。勝負強い。

そして後半FC東京はマリノスの出鼻を折る。
開始早々GK林のパントキックで前線の永井へ。畠中との迫合いに勝ち、永井は一気に右サイド深くをとり、逆サイドから走り込んだレアンドロへ正確な丁寧なクロス。サイド→サイドへの展開。これをレアンドロがしっかり当ててゴールに突き刺し3点目。一気に突き放すFC東京。勝負強い。

マリノスの課題。弱点をつかれた2失点だった。SBも攻撃参加するために開いてしまう背後のスペース。そしてサイドチェンジへのクロスやフィード対応は昨シーズンからよくやられてきた形だ。この部分は明確に狙ってくるチームは多く、乗り越えなければいけない課題だろう。さぁ、どうするマリノス?

終わり

マリノスは先制するも逆転負け。先制点を奪って敗戦するのは久しぶりだよね?FC東京に突かれた弱点や課題は克服しなければいけない。これからもこういった戦い方をしてくるチームは増えてくるはずだ。

しかし、マリノス本来のアタッキングフットボールが戻ってきた感じはあった。ここ数試合の中でスピード感もあり、流動性もあって、ハイテンポでボールを動かし、ランニングをするマリノスの攻撃は非常に見ていて楽しかった。ペナルティエリアにボールが入るシーンも多く、あと一つというシーンも多かった。マリノスの最後の精度と選択が悪かったのか、それ以上にFC東京の「魂」が凄かったのかもしれない。

やっとエンジン温まってきたかな?マリノスのアタッキングフットボール!負けたことは非常に悔しいが、下を向いていても過密日程は待ってくれない。次節は6日ほどあるので、超過密日程の中で少しのゆとりが。この時間を有効に使ってさらにエンジンを温めてほしい!マリノスらしい、そしてより進化したマリノスの姿を見せてほしい!

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