【勇猛果敢な両チーム】Jリーグ第6節 横浜F・マリノスvs横浜FC

サッカー戦術分析
この記事は約7分で読めます。

やってきました横浜ダービー。

前節はアントラーズに力負け。そして、その翌朝に行われたFAカップ準決勝でマンチェスターシティはアーセナルに敗北…そんなこともあり前節のレビューはサボってしまいました。

しかし、今節はそんな気持ちを晴らしてくれる、アタッキングフットボール全開の90分を見せてくれたマリノス。そして真っ向から王者にぶつかってきた横浜FCのお陰でスピーディーな、戦術的に面白いゲームでした。マリノスが4-0と結果だけ見れば大勝だったが、内容的にはそんなに力の大差を感じられなかった。もしかしたら、横浜FCが多くのゴールを奪っていたかもしれない、そんなゲームでもあった。

両チームの異なったハイプレス。それをかい潜る両チームの異なった思惑が非常に面白かった。

それではゲームを見ていきましょう!

勇猛果敢な横浜FC

マリノスのチームスローガンである勇猛果敢。この言葉はこの試合において、マリノス以上に横浜FCが勇猛果敢にアグレッシブなサッカーでゲームに入っていった。

マリノスお得意のキックオフからすぐにハイテンション、ハイテンポで相手を攻め込むスタイル。しかし、マリノスのエンジンがフルスロットルになる前に、横浜FCがエンジン全開でぶつかってきた。

ハーフコートマンツーマンでマリノスの選手たちに大きな圧迫感をあてにいく。この横浜FCの先制パンチにマリノスは苦しむ。

マリノスの流動的なポジションチェンジに対しても、自分たちに決められたマンマークの相手についていく。たとえ自分の守るポジションを捨ててでもマンマークにいくシーンが見られた。どこもかしこも数的同数。1vs1の局面が盛りだくさん。マリノスのフィールドプレーヤー全員に圧迫感と、その局面を打開できれば一気にチャンスを作り出せるというスリルがマリノスの選手たちには与えられていただろう。

マリノス陣内で繰り広げられるこの攻防が非常にスリル満点で、ピリピリの緊張感が面白かった。

横浜FCこの先制パンチから試合の序盤は主導権を握った。マリノス陣内でボールを奪えばショートカウンターで素早く攻め込み、マリノスのハイラインの背後を手数をかけずに素早く狙ったり、サイドチェンジを高い位置に上がるWBに蹴り込み、そこからマリノスのゴール前に一気に攻め込むシーンが試合の序盤何度も見られた。前半25分までに横浜FCは再三決定機を作り出したが、マリノスのGK梶川に阻まれ、ポストにも嫌われて得点を奪えなかった。

ここで得点を奪えていたがどうかで、その後の試合に大きく影響を与えたの間違いなかった。

マリノスGK梶川は守備での好セーブも試合の序盤目立っていたが、攻撃面でも彼の働きは大きかった。

マリノスのビルドアップ

横浜FCのハーフコートマンツーマンプレスはフィールドプレイヤー10人がマリノスのフィールドプレーヤー10人に明確なマークをつくことだった。そうなるとマリノスのGK梶川にはある程度の時間が与えられた。それでもGK梶川がボールを持っても、その先に渡すパスコースは横浜FCのマンツーマンプレスによって消された状態で、その中でいかにフリーの選手を見つけ出すのは難しかったはずだ。案の定、GK梶川からのボールを横浜FCの選手にひっかけられてビルドアップを阻まれるシーンもあった。しかし、GK梶川のしっかりとしたビルドアップの技術が発揮され、横浜FCのハーフコートマンツーマンプレスをかい潜る起点になるシーンも多かった。

目指す先はエジガル

GK梶川は前線のエジガルを強く意識しながらボールを動かしていた。ポストプレーのスキルが非常に高いエジガル。そこを1番の目標として長めのボールを蹴り込む。エジガルをフリーにさせるために、IHのマルコスと仙頭は少し外に開くシーンも。またエジガルにボールが入るとスペースを開けたIHの選手やWGの選手がエジガルの周辺に集まってセカンドボール拾う部隊として密集を作ってボールを回収するシーンも。

アニメーションで解説!

チームとしてもGK梶川からエジガルへの長めのボールを狙っていたことが伺えた。これは準備してきたものなのか?それと試合の中で気づいて即座に対応した策なのは分からないが、この狙いによって横浜FCのハーフコートマンツーマンプレスを剥がすシーンも出始め、徐々にマリノスの攻撃シーンが増えていった。

もう一つ先の世界へ

確かにGK梶川からの長めのフィードによって前進できるシーンはあったが、その成功率が高かった訳でもなかったように思える。きっとこれからの試合、この横浜FCのハーフコートマンツーマンプレスを参考にこういったボール非保持での立ち振る舞いをしてくるチームは出てくるはずだ。そんなチームへの対応の為にも、GKからのビルドアップスキルの向上は必須ではないだろうか。マリノスのGKのビルドアップ能力はJクラブの中でも非常に高いのは確かだが、さらにもう一つ先の世界へいってほしい。

さらにもう一つ先の世界とは、『とにかく蹴れる飛距離を伸ばしちゃおう!』ということだ。

この試合もGKからは相手の最終ラインの前でのボールばかりだったが、最終ラインの遥か裏まで蹴り飛ばせたら試合展開は変わったはずだ。目指すはエデルソン!あの精度とあの飛距離、あのスピードボールを蹴るのは無理に近いかもしれないが、相手の背後をつけるだけの飛距離のあるボールがGKから蹴れればマリノスの大きな武器になるし、相手はさらに頭を抱えることになるだろう。

勇猛果敢なプレスはマリノスも!

忘れちゃいけないのは、マリノスの勇猛果敢に前からガンガンプレスにいくチームだということだ。この試合でもいつも通り、横浜FCのビルドアップに対して勇猛果敢にガンガン前からプレスをかけにいく。

それに対して横浜FCは非常に落ち着いてボールを動かして前進していった。3CBの一角に入った小林や、中盤の手塚のレフティーコンビの高いビルドアップスキルが目立ったシーンはもちろん、チームとしてもしっかりとした狙いと準備が隠されていた。

3CBから菱形へ

マリノスは横浜FCのハイプレスと違ってGKまでプレスにいく。そうすることで、必然的に横浜FCのフィールドプレイヤーの中でフリーになる選手が出てくる。そこをうまく使いながら、プレスに捕まらず横浜FCは前進していった。ビルドアップの安定性を見れば横浜FCの方が高かったなという感想だ。

GKからのビルドアップ時に横浜FCが準備してきた形が3CBの中央の選手が一列前のポジションに上がり、3CBがGKを含めた菱形の陣形をつくりだすことだった。3CBの中央の選手が中盤に上がることで中盤に数的優位を作り出したり、そこにプレスにこさせて他のスペースをつくりだす狙いがあった。

この形どこかで見覚えが?と思ったら昨シーズンのベティスがやっていたのを思い出した。昨シーズンのベティスの3CBの可変するビルドアップは非常に繊細で面白かったの思い出した。

逆サイドへのクロス🚪

この試合生まれた4つのゴールは非常に似た形が多かった。それは逆サイドへの鋭いクロスからのゴールだ。ゴール前にブロックを固める相手に対してやっぱり効き目十分!ということをこの試合マリノスがゴールという結果で証明してくれた。

サイドからのファーサイドへのクロス対応は守備者からしてみれば非常に対応が難しい。ボールを見ながら立ち位置をとって目の前の選手のマークもしなければいけないし、自分の背後の選手も気にしなければいけない。この時ボールサイドから一番遠いファーサイドにいる選手を捕まえるのが一番難しい。そこを上手く突くのがサイドからの鋭いファークロスだ。そのゴールが完璧に演じられたのがマリノスの3点目だった。

ゴール集|横浜ダービー4発快勝!

それにしても水沼のクロス精度は素晴らしい。左足でもこんな素晴らしいクロスがあげられるとはえげつない。これはマリノスの新たな攻撃バリエーションの一つなり、こんなゴールをこれからもたくさん見たいものですね。

終わり

結果は前節の鬱憤を晴らす4発を奪ったマリノスが勝ち点3を手に入れた。しかし、内容的にはどちらに転ぶか分からないゲームでもあったのは忘れてはいけない。決定機の数もそんな差はなかったはず。決め切ったマリノス。決めきれなかった横浜FC。これがマリノスの力かもしれないが、決めきれずに勝ち点を落とした試合も今まで多かったはずだ。これは本当の力なのか?たまたまなのか?それが分かるのはもうしばらく試合を見なくてはいけないだろう。それでも、確かに改善、進化、曲げない哲学が伺えた90分であり、久しぶりにスリル満点のマリノスのアタッキングフットボールが見れて面白かった。

個人的には横浜FCの小林と手塚のレフティー2人のボールさばきや、ボールの持ち方は私の好み。個人スキルとして非常に参考になる2選手なので、是非色んな人に見てもらいたいですね。

コメント

タイトルとURLをコピーしました