【収穫と課題。】Jリーグ第24節 横浜F・マリノスvs清水エスパルス

サッカー戦術分析
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3連敗で迎えた今節。もうホームで負けるわけにはいかない!今節迎えるは師弟対決!こちらも連敗が続いているエスパルス。さぁどちらが連敗を脱出できるのでしょうか。

マリノスは久しぶりの出場となった選手たちがしっかり結果を出し、自分たちの色を存分に出してくれた。アクシデントを乗り越え戦い抜いた。

それではゲームを振り返っていきましょう!

ミラーゲームを逆手に

マリノスのシステム、狙いは前節同様という感じだった。

前節の試合はこちら!
ご参考によかったら!

3-4-2-1のマリノスのシステムに対して、エスパルスも対策を採ってくる。それはミラーゲームに持ち込むことだった。ミラーゲームとは相手の配置の噛み合わせが一緒になることだ。今節のエスパルスは噛み合わせを合わせて来たといった方が良いだろう。

ミラーゲームに持ち込むことで、エスパルスは誰が誰をマークするのか明確にし、マリノスの選手の時間とスペースを奪いにいった。スペースを守るのでは人に出ていくことに重きを置くために前半からアグレッシブに前からプレスに出ていくエスパルス。

ミラーゲームにし、誰が誰にマークにいくか明確になることで生まれる利点も確かにあるが、デメリットもある。マリノスがミラーゲームを逆手に攻め込んでいく。

ミラーゲームを仕掛けてきたエスパルスに対し、マリノス側のメリットととして挙げられるのは2つ。

①人についたり、人に出てくるので、連動して動けばスペースを意図的に開けやすくなること。
②1vs1で突破すればチャンスに!

このメリットを活かしてマリノスが先制点を奪い去る。先制点の前にもミラーゲームを逆手にとるシーンがあったのでそちらも合わせてご紹介!

まずは前述した①を利用したプレーが7’26

アニメーションでまずはご紹介!

CBチアゴがWB高野にパス。この時しっかりエスパルスのWBが高野にプレス。すかさず高野がエリキに斜めのパス。このシーンもしっかりエスパルスの選手がエリキにプレス。なかなか人を剥がせないが、確かにスペースは空いている。パスを受けたエリキは前半早々で交代したCH渡辺にワンタッチで落とすと、渡辺もダイレクトで左WBの高野がランニングしたスペースに縦パスを打ち込みエスパルスの人を剥がして突破すし、高野が速いクロスをDFとGKの間に送り込みチャンスを演出。

人に出てくるエスパルスのプレスを逆手に、少ないタッチ数で相手を釣り出して、釣り出して、裏のスペースを開けて突破した見事なシーンだった。

そしてもう一つのメリット②を活かして生まれたのが先制ゴールだった。左の大外で受けた左WB高野が前を向き仕掛けて行く。この時もエスパルスはすかさずプレスに行くが、高野が縦に突破をはかる。スピードを活かしたドリブルから相手のまたを抜き独断での突破。フリーで勢いを持って侵入する高野はそのままクロスをあげる。これを体制を崩しながらもエリキが合わせて先制!

ミラーゲームになれば当然1vs1の状況が起きるので、そこで突破をできれば状況は一変する。突破してしまえば一気に数的優位を作れる利点を活かした見事なゴールだった。

アクシデントからアクシデント

先制点を奪ったマリノスだったが、試合早々にアクシデントがあった。わずか2分でCB畠中が自らベンチにバツマークを提示し負傷交代。ベンチにはCBを主戦場にする選手が誰もいない。システムを変えるのか?それとも扇原を一列下げるのか?ボスが選んだ選択は喜田を3CBのど真ん中に落とし、CHに渡辺を置くことだった。この配置を予想できたファンは多くなかったのではないだろか。

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しかし、そこは喜田名人。しっかりボスから与えられた任務を遂行。試合終了まで最終ラインから叱咤激励をマリノスの選手たちにかけながら、試合を締めて行く。

そして今度はエスパルスにアクシデントが。12分右WB水沼がボールを受けると、シャドーの位置からランニングする仲川へ斜めのパスを送り込む。仲川が一気に相手の背後をとるとこれに対してエスパルスの立田が対応するも仲川のスピードが上回る。ペナの外で仲川を倒してしまい、立田が1発退場となってしまう。次はエスパルスにアクシデント。残り75分一人少ない状態での戦いが強いられることに。

攻撃を活性化させるWB

ここ数試合、マリノスは3-4-2-1システムで試合に挑んでいるが、やはりWBの重要性はこの試合でも現れた。大外からの独断突破と、キック精度がある選手がWBにいるとこのシステムの破壊力は一気に倍増する。

左WB高野は先制点を演出したような独断突破と低くて速いクロスでサイドを活性化。右のWBに入った水沼は抜群のキック精度でチャンス、ゴールを演出して見せた。

水沼ほどのキック精度がある選手が大外に位置取られると相手にとっては非常に厄介だろう。水沼へプレスに行かなければ高精度のクロスがゴール前に上がってくるし、水沼にプレスに行けば、開いたスペース(チャンネル)へシャドーの選手が走り、そこへ斜めのパスが送り込まれる。

水沼のキックから前半何度もチャンスを作った。立田の退場のキッカケも水沼からの裏への斜めのボール。2点目のオナイウへの高精度アーリクロス。3点目のオナイウへのチャンネルパス。

前半奪った3点は全てWBが起点となっていた。

そしてこれだけワイドで怖さを出せると、中央がより活きてくる。2シャドーのエリキと仲川が背後をとったり、ライン間でボールを引き出すシーンも。そして最前線に入ったオナイウの仕事振りもこの試合見事だった。

まるでアグエロ

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最前線に入ったオナイウと2シャドーの関係性も非常によかった。背後を抜ける選手がいる一方でオナイウは最前線から一列落ちてライン間(DFと中盤の間)でボールを引き出すことでフリーになったり、より周りの選手の背後のスペースを与える役割を担っていた。この落ちる選手と、裏へ抜ける選手が一緒に連動すると守備の基準が定まらなくなる。

オナイウは攻撃の組み立てからフィニッシュワークまでこなす、まるでアグエロのような働きを見せていた。それが詰まっていたのが3点目だ。一列落ちてボールを引き出し、攻撃の組み立てに。そしてすかさずポケットへランニングし、水沼から斜めのボールを受けてペナへ侵入。最後はまた抜きパスでエリキの2点目をお膳立て。ゴール前にドンと張っているだけではなく、多くの役割、仕事量をこなしたオナイウ。

ハイライト|J1リーグ第24節|vs清水エスパルス

自身もゴールを奪った2点目も、水沼のアーリクロスに対しての合わせも本当に見事だった。

久しぶりの先発出場でしっかり結果を残したオナイウ。ナイスでした!

重心を下げたエスパルス

前半3-0でマリノスがリードしてハーフタイムへ。ハーフタイムを挟んでエスパルスが重心を少し後ろに置く。一人少ないということもあり、重心を下げてカウンターを狙う意図もあっただろう。前半よりもアグレッシブに前にプレスに行くことはへり、ゴール前に人を固める時間が増えるエスパルス。

マリノスが前半同様に攻め込む時間、回数は多かったものの追加点は奪えなかった。前節のセレッソ戦同様の課題。引き込んだ相手に対しての崩しをどうするのか?ここはまだまだトライが必要なようだ。そんな後半だった。

スピードに乗れた時、速い攻撃ができる状態の時のマリノスの破壊力は凄まじいが、相手にスペース減らされ、スピードダウンをさせら時の崩しは課題。ゴール前に相手を押し込んだ場合、相手が重心を下げてブロックを形成してきた時の崩しの課題は変わらぬままだ。さぁトライ&エラーの繰り返しだ。

試合は前半のスコアのまま終了。
マリノスが3連敗を脱出する結果となった。

収穫と課題

まずは3連敗を脱出したことを素直に喜びたい。そして素晴らしかった前半の戦い。高野と水沼のWBでの働きっぷりは確かにマリノスの攻撃を活性化させていた。また新たなピースを手に入れた。そしてオナイウも複数の役割、仕事量をこなし、Jサントスとは違う良さを発揮。これからさらなるポジション争いの活発化に期待だ。前節から同様にエリキがシャドーの位置に。エリキはこのポジションが彼には向いているのかもと思わせる働きっぷり。今節も2ゴールと素晴らしいプレーを。仲川のシャドーでの存在感も流石だった。ハーフタイムで交代になったのは残念だったし、彼がいなくなってからの攻撃の停滞感は否めなかっただけに彼の存在感は大きかったと。

多くの収穫もあったものの変わらぬ課題、新たな課題もあった。攻撃をスピードダウンさせられた時の崩しをどうするのか問題はこの試合でも。そしてボール非保持にWBが下がり5バックになるときに、下がるWBを含めた最終ラインの横幅のバランスはもう少し、調整が必要かと。WBはもう少し相手のSHの選手にマークに行っていいような気がした。人はいるのに、サイドにボールが入るシーンも少なくなかったので、バランスは大事。

何より勝って得る課題は良いものだ。トライ&エラーを繰り返し確かに力をつけているボスマリノス。過密日程は続くが、出る選手出る選手が毎回自分の力を示すかのような働きをするのは心強いし、チーム全体で戦っているんだなと感じることもできる。

次節も進化した姿を見せて欲しい!
さぁ!上を向いていこう!

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