【レスターの罠】プレミアリーグ第3節 マンチェスターシティvsレスターシティ

サッカー戦術分析
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台所事象の厳しい状態が続くシティ。前節からジェズスが怪我をしてしまいこれまた厳しい状況に。そんな中ペップからチャンスをもらったのは17歳FWリアル・デラップ。試合終盤に投入され180cm後半の長身とフィジカルを活かして決定機を演出するシーンもあったが得点は奪えなかった。

レスターは開幕から絶好調。この日もその調子の良さを存分に見せつけた。またこの日はレスターというチームの幅を見せつけられる。我々はこんな戦い方も出来るんだよとレスターに見せつけられることとなったシティ。

それでは簡単ではありますか試合の感想をつらつらと。

レスターの本当の狙い

シティのホームに乗り込んだレスターは、いつものレスターとは違ったようだ。普段のレスターはシティ同様にボールを大事に保持しながら主導権を握っていくサッカースタイルだが、この日は違った。ボールを握ることを放棄したかのように、自陣に下がり、5-4-1のブロックを敷き、ゴール前にバスを置く。前からボールを奪って自分たちがボールを保持することは今日のレスターの狙いではなかった。

相手がペップシティということもあり、彼らにボールを握られることは承知の上ゴール前に多くの人数を割き、普段よりも重心を下げたのだろう。しかし、本当の狙いはそこではない。ロジャーズ監督の頭の中にはシティの攻撃をただただ指をくわえて耐え忍ぶ。そんなイメージは湧いてなかったはずだ。どうやったらシティホームから勝点3を持ち帰れるんだ?というイメージが最優先に浮かんでいたはずだ。

そして出した答えはシティを自陣に引き込んで引き込んで、カウンターを狙うことだった。後ろに重心を下げるほどシティの破壊力満点な攻撃を受けなければいけない。それを踏まえてゴール前には5-4のブロックを作り、最終手段としてペナルティエリアの中にGK含めて10人の選手を密集させ、シティが攻め立てる為の時間とスペースを人の量で潰していった。

そしてボールを奪えば最前線に待ち構えるレスターの未だ劣らぬ、絶対的快速エースのヴァーディ目掛けて背後のボールを供給する。ヴァーディはカウンター攻撃が大好物。プレミアを奪った時のミラクルレスターを思い出して欲しい。あの時のレスターの勝利の方程式を。カウンター攻撃からバンバン得点を量産してたヴァーディが帰ってきたかのように、カウンターを起点にヴァーディはハットトリックをシティにお見舞いした。

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シティはまんまとロジャーズ監督の思惑にハマり、前のめりになる背後や、ボールサイドに集まる攻撃を逆手に大きなサイドチェンジのボールで前進許し、いくつもの決定機を作られた。終わってみれば大量5失点。ゴールも2点しか返せずに結果は2-5でレスターに軍配が上がった。

厄介なレスターのカウンター

この日のレスターのシティに対する戦い方は本当に見事だった。レスターの狙いを前述で簡単に書いが、ただ引いてカウンターをシティに仕掛けただけではなかったことを見過ごしてはいけない。レスターだからできたカウンター。レスターらしいシティにとっては非常に厄介なカウンターだった。

まずはヴァーディを筆頭に、ワイドの選手の豊富な運動量とスピードが一つ。左サイドのWBジャスティン、SHに入ったバーンズはその走力や早いドリブルで何度もシティ陣内を切り裂いていった。

もう一つは普段はボールを動かすことが得意なレスターだからこその利点。ボールを奪ってからシティの早いトランジションを剥がして剥がして前進できてしまう強みだ。カウンターを完結させる為にはシティの早い強いトランジションプレスを掻い潜らなくてはいけないが、試合が経過するにつれてレスターがボールを奪って前進していく回数は増えていった。

そしてシティ陣内に入ってから、最後のフィニッシュワークまでその精度は落とさず、コンビネーションを織り交ぜながらペナルティへ侵入していった。案の定この日レスターはシティからPK3つも奪い去った。それだけペナルティエリアに侵入している証だ。

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こんなことからレスターのカウンターは非常に厄介だった。レスターだからできるカウンターサッカーをシティにぶつけて見事に勝点3を持ち帰った。

今シーズンも変わらない課題

シティは70%近くのボール保持率をこの日も叩き出したが、結果は2-5の敗戦。ボールを7割握っても負けてしまうのがサッカーの不思議さでもあり、怖さ。そして再三受けたカウンター。昨シーズンも浴びまくったカウンターからの失点をこの日も。今シーズンもカウンターからの失点はペップの頭を悩ませることとなってしまうのか?是非!その課題を克服して欲しい!ここは今シーズンもチェックポイントになりそうだ。

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そしてもう一つが5-4-1ブロックをどう破壊するのか問題はこちらもペップの頭を悩ませそうだ。普通に考えてみれば、ゴール前にGKを含めた10人の選手が密集した中でゴールを奪え!という状況は難題だ。まぁそこを華麗に剥がして、壊してくれるのがペップの真骨頂。さぁどんな答えを出してくれるのか?それとも出せないのか?

今シーズンもペップシティはいろいろ面白そうだね!ペップが頭を抱えるシーンが多くなるのか?それともペップのガッツポーズがたくさん見れるシーズンになるのか?

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