いよいよ待ちに待ったJリーグの開幕です!
今年はどんなドラマがあるのかワクワクですね!
今回はガンバ大阪と横浜F・マリノスの試合を観戦。
ガンバはホームで宮本監督が就任以来負けなし!
超攻撃型サッカーマリノス!の戦い!
それではスタメンからどうぞ!
スタメン

マリノスは4-3-3。ガンバは4-4-2のような配置だった。マリノスは攻撃の時この形からいろんな形へ変化していく。詳しくは後ほど書いていきます。
ガンバ遠藤が20年連続で
開幕戦スタメン出場の大記録!
20年間大きな怪我をしていない証拠。すごい記録。ガンバは昨年から配置、選手はあまり変わっていない印象。
19番金が新加入みたいだ。左足のフィード、ビルドアップ能力が高いそうで、気にして観てみた。
今野はベンチスタート。宮本監督就任から28番高選手(市立船橋高校出身)はコンスタントに試合に出ている印象。信頼寄せられているのだろう。(高選手は宮本監督就任と同時にJ3からJ1デビューを果たした。)
マリノスは主力の山中がレッズに、
伊藤が鹿島に移籍し、スタメンの顔ぶれも大きく変わった印象。
ブラジル人2人の情報はまるっきりなし。どのような働きをするのか楽しみだ。
そして、川崎フロンターレが産んだ天才三好!川崎からレンタルで加入!この試合では本当にいい働きをしていた。マリノスの攻撃を牽引していた!
両チームの基本配置を重ねてみるとこんな感じになる。

マリノスはアンカーの喜田がフリーの状態になる。
2CBは数的同数の形になるので、喜田がどのように関わってビルドアップを行うのか?
また、ガンバはどのようにボールを奪いにいくのか?喜田のマークはどうするの?という問いを解決するのに少し時間がかかってしまったかなという印象。
ガンバは2CBに対してマリノスは1トップ。この後方の数的優位を活かしてビルドアップをするのか?それに対してマリノスはどのようにガンバのボールを奪い、ビルドアップを防ぐのか?
ガンバはマリノスのプレスに手を焼いてビルドアップはほとんどさせてもらえなかった。詳しくは追って解説していく。
両チームのスタメンはこんな感じだった。基本配置の噛み合わせを観てみたが、攻撃時になるとマリノスの形は変幻自在に変化する形だった。ガンバは、上でも挙げた
①アンカー喜田 をどうするのか?
②変幻自在に変化するマリノスをどう止めるの?(変化する配置は今から説明します!)
③ガンバはビルドアップをどうするのか?
をガンバは解決するのに時間がかかってしまった。もしかしたら、最後まで解決できなかったのかもしれない…
それでは変幻自在に変化するマリノスの攻撃をみてみよう。
マリノスの攻撃
攻撃時 基本配置

こんな形に変形します!
両SBが内側に絞ってこんな形に!
基本の配置?こんな感じだが、試合をみてみるともっと複雑に流動的に動いている。
マリノスの選手はポジジョン気にせず動く。SBだからここにいなきゃいけない!じゃなくて。ガンバ側からしてみれば。なんで思えが中央にいるの?え?お前SBでしょ?あれ、もう1人もSBじゃない?え?誰がどれマークすればいいんだ?配置ごちゃごちゃじゃん!
とガンバの選手は大いに撹乱され、マークをつく事ができずバラバラにされた。
また自分達の配置を崩す事で数的優位を創り出し、位置的な優位も創り出した。
マリノスはガンガン攻め込み続けた!
流動的に動くマリノス攻撃

左サイドのユニット
左サイドのユニットはこんな感じ。
三角形が動くイメージ。マルコスが絞ればSB高野が外へ。高野が前へいけば、天野が落ちる。
左サイド特有の色は、SBの高野が中央から外へ斜めに走るランニングだ!これにより、ガンバの中盤が撹乱された。また中央から外へ、斜めに走りガンバの裏をと流シーンも多く観られた。
右サイドユニット
Embed from Getty Images右サイドユニットはこんな感じ。
左サイドと同じで、三角形が動くイメージ。広瀬が前に入れば三好が落ちる。仲川が中央に入ってくれば、広瀬がオーバーラップで上がる。
喜田にガンバのボランチが食いつけば、
三好が落ちて前向きに受ける。
左サイドよりも右サイドを起点に攻めていた印象。こちらの関係性の完成度は高かった印象。
ざっとこんな感じ。本当はもっと複雑でいろんな関係性を創っていましたがそれはこちらのブログで!
シーンごとにマリノスの攻撃が詳しく書いてあります!参考にどうぞ!
決まってないようで決まっている
マリノスの攻撃時のルールは決まってないようで決まっているのかもしれない。
自由のようでいくつかのルールがあるのかもしれない。
お互いがお互いを見合って
被らないポジションをとろう!
1人が中に入ったら1人は外に行こう!
誰かが落ちたら、誰かが裏とるよ!
などなど。
いくつかチームでの決まりごとがあるのだろう。そのコンセプトはチームに浸透し、整理されている事で流動的な攻撃ができた。ガンバを撹乱させる事に成功!
しかし悪い点もある。
そこにいて欲しいところにいなかったり。
(ボールにたくさんの選手が集まって、逆サイドにいないとか)攻撃から守備に切り替わった時に守るべき選手が守るべき所にいない!配置を崩すことは相手を迷わせる効果もあるが、自分たちが自滅してしまうパターンも少なくない。
配置を崩しながら、配置を整える事が重要。
被らないことが重要。
そのためには相手と味方をみる事が重要。
それと迷いを少しでも減らすためのいくつかのチームのルールがある事で選手の決断を早くするのが重要。
それがチームコンセプト。ゲームモデル。これもチームに浸透している。
新加入選手が多い中で、しかも短期間でこんな流動的なサッカーを植えつけたマリノスはすごい。
この試合では配置を流動的に崩す事で創り出される、良いシーンと悪いシーンの両方観られたのも面白かった。
配置を崩すマリノスの悪いシーンと良いシーン
悪かったシーン①
まず悪かったシーンの一つが
ガンバの先制ゴールにある。

喜田がCBから縦パスを受けすぐにターンをし、前を向いた良いプレーだったが。喜田は少し運び前にパスをしようとするがガンバは中央をしっかり圧縮してパスコースを埋めている。それを観てすぐに判断を変えてボールを横に持ち帰る。
しかし、SB広瀬と三好が同じ動きをしてしまい喜田のパスコースが一つ減ってしまった。本来、青色の円に選手が居て欲しいだろう。このように配置を崩してポジションが被ってしまうとこういう現象が起きる。
そこが難しいところ。SBの広瀬はここにいる!SBだからここ!というのが決まりだったら、ポジションが被ることなく喜田のパスコースになる事ができ、喜田がバックパスをする事はなかったのかもしれない。
それから喜田はガンバにプレッシャーを掛けられてバックパス。それからガンバの厳しいプレスに襲われ失点に繋がった。
この時の遠藤のボールの追い込み方と周りに指示してパスコースを限定。それにより相手のボールを奪い、先制ゴールを創り出したのは流石だった。
悪かったシーン②
後半のビルドアップのシーン!

マリノス後半のビルドアップの時にこんな感じの配置のシーンがあった。天野がボールを取られる。マリノスは中央に誰も選手がいなかった!天野は外へ。喜田と三好はどこへ?
攻めながらも守り事を考える!という意識は少し足りないかなと思うシーンは他にもあった。
ガンバはこういうシーンをしっかり活かしゴールにつなげたかった!
良かったシーン①
SB高野が中央からサイドへ斜めのランニング!
今年の色になるかもしれない!
マリノスの守備
攻撃から守備の切り替えは早かった。それは監督が求めている部分だろう。
攻撃もコンパクトな距離感で展開し、選手間の距離が近いのでそのまま即時奪還へ向かう。
1人1人仕掛ける人が好きな選手が多いマリノス。失ってもすぐ奪うよ!奪える距離にいるからどんどん仕掛けよう!っていう環境をみんなで整えているなと勝手に思った。
相手のビルドアップは次のように阻止する。

リヴァプールがよくやる、SBを切りながらプレスにいき、中央へ、もしくはサイドへ圧縮いく。
プレスに行くタイミングもよく、強度も高くガンバの自由を奪った。
遠藤が落ちると天野がしっかり下がってマークに行き遠藤への自由を奪った。
ガンバはマリノスのプレスに悪戦苦闘した。
リヴァプールのハイプレスについて書いてあります。良かったらどうぞ!
ハイライン
マリノスの高い位置でのプレスを可能にするのがハイラインだろう。非常に高いラインを設定している。
この試合、なんと、11本ものオフサイドをガンバから奪ったマリノス!本当に細かにDFラインを上下動させていたのは見事。
こちらも短い期間でここまでの完成度を達成したのは凄い。
そしてこのハイラインを可能にするのは2CBのスキル。
畠中とチアゴのコンビ。畠中はビルドアップ能力にも長けている。対人も強い。チアゴはデカくて速い!人に強い!2人でなんとか守るシーンがあったり、無理がきく選手という印象だった!
2失点目はチアゴとGK飯倉の連携ミス。
もったいなかった!
チアゴの良さである、人に強い!それが逆にピンチになるシーンもあった。
FWが落ちる。チアゴがそれに釣り出されて奥を使われ、一気に裏を取られる。この試合でも何度かあった。チアゴがFWの楔に反応し、空いたチャンネル(SBとCBの間)をサイドハーフの斜めのランニングで使われた。巧いチームだとわざとチアゴを釣り出して、裏を取ってくるかも。
でもとにかく、デカくて強くて速い!後半は釣り出されて裏を使われるも、全速力で戻りすぐにまたDFをしたりと、速い。やっぱり人には本当に強い。攻撃的なチームなのでCBにかかる負担は大きいだろう!彼の活躍がチームの勝利に大きく関わるかもしれない!
最後にガンバ大阪について最初に挙げたマリノスから与えられた問いの答えについて考えてみる。
ガンバ大阪の答え
マリノスに突きつけられた問い。
ガンバ大阪はその問いに対して、解決には多くの時間がかかった。
アンカー喜田をどうするか?
やっぱり喜田をどうするか。
この試合は喜田がビルドアップの要になっていた。ガンバのフォーメーションを考えた上でも。
対策は60分過ぎに宮本監督は新加入の田中を投入し、配置を変えた。遠藤と倉田をボランチにし、田中と小野瀬がサイドへ。変わったのは2トップの関係を縦関係にして、アデミウソン(途中交代渡邊)が喜田を見る形を取った。
疲れているのもあったが、マリノスの攻撃は停滞した。
60分過ぎでは少し遅かった気が…最初の配置をみてアデミウソンとファンの関係性(横並びを→縦並びに変える)を変えるだけで、結果は変わったのかもしれない。
変幻自在に変化するマリノスをどう止めるの?
色々やり方はあったのかもしれない。上で挙げたように配置を変えるとか。5バックに変えるとか。
開幕という事で情報も少なかった。試合の中での変化が求められた。やり方はそれぞれあっただろうが、試合中に感じ、変える力というのが必要だったのかもしれない。
ガンバはビルドアップをどうしたかった?
マリノスは前からプレッシャーにくる。そしたら裏に抜ければいいじゃん!でもオフサイド11回取られてるよどうするんだ!という感じで試合が終わってしまったの…みたいな?
三浦と金の2CBのフィードの精度はこの試合高かった。それを活かし、シンプルに前線にロングボールを入れても面白かったのかなと思った。
縦の速さがガンバの良さの一つ。
マリノスは前線から多くの人数をかけてボールプレスを掛けるのもあったし。
オフサイドに掛かりにくい2列目の倉田と小野瀬が出たり、もう前線の配置変えちゃって、3トップにして放り込んでも面白かったかもしれない。
実際チャンスも前線のボールのセカンドを拾っての攻撃や、マリノス陣内で奪いショートカウンター、CBからの逆サイドへの斜めのロングボールでサイドから仕掛けゴール前にいくシーンは試合序盤にみられた。
逆に言えば、「縦に速い」ガンバの良さが裏目に出てしまったのかもしれない。中盤には遠藤もいたので後方からゆっくりボールを動かして攻めることも必要だったかなと。速いばかりでは、攻撃は単調になるし、ゆっくりする時間もつくれれば試合の流れは変わったのかもしれない…
ハーフタイムで宮本監督も言っていたように、とにかくもう少し押し込みたかった。
押し込むために何が必要だったのか…
それができたのは残り15分くらいだろう。それを速い段階でできたら同点までいけたかもしれない。
最後に
マリノスの流動的な攻撃は僕たちをワクワクさせてくれた。破壊力抜群。
観ている人も
やっている選手も楽しいサッカー。
これからチームがどう成長するのか非常に楽しみである。これから対戦する相手も対策をしてくるだろう。そうなった時にどう変わり、どう対応するのかもまた楽しみである。
選手が流動的に動くことで相手を撹乱し、数的優位と位置的優位を創り出し攻撃を仕掛けるスタイル。今年も攻撃力が爆発してくれることに期待が膨らむ。
さらに昨年多かった失点数の対策もしている印象。この試合もゲームを圧倒しながらも2失点。点は取れていたチームなので失点数が減れば自然と勝ち点は重なるだろう。
ガンバはこれで開幕8年連続未勝利に。
Jリーグ優勝したシーズンは負けたのかな?
逆にそこはプラスに考えて次に切り替えることが必要なのかもしれないが…
宮本監督2年目のシーズン。選手もほとんど変わらず、戦力はむしろアップしているはず。昨年怒涛の連勝をした勢いをもう一度起こせるか。
ガンバ大阪 1ー3 横浜F・マリノス
得点
ガンバ大阪:小野瀬
横浜F・マリノス:仲川、三好、エジカル
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