【SBの立ち位置】J1第26節 湘南ベルマーレvs横浜F・マリノス

サッカー戦術分析
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戦術的に非常に面白い90分でした!

前半はベルマーレの思惑通り!しかし、後半に入ると流れはマリノスに。流れを自ら傾けたマリノスはお見事。SBの立ち位置を少し変えるだけで、流れがガラッと変わることに。「サッカーは戦術って大事だね!」と同時に「サッカーって怖いよね!」そんな試合展開にも。

それでは簡単ではありますが、試合を振り返っていきましょう!

罠に掛かるマリノス

試合序盤マリノスはストレスを抱えながらボールを動かしていく。その原因は自らベルマーレのかける罠にハマりにいってしまったからだ。

マリノスはボールを保持するといつものように、SBがインサイドに絞る。そうなると中央のベルマーレの罠にかかる形に。ベルマーレはボール非保持になると5-3-2のブロックを敷く。

中央を固めるベルマーレ。SBがインサイドに絞ってしまえば、ベルマーレの待ち受ける中央に人が密集する形に。ベルマーレにとっては自分たちが固める中央にマリノスの選手が入って来てくれれば守りやすい。当然中央にボールが入るシーンは多くなり、ベルマーレに中盤でボールを刈り取られショートカウンターを受けるシーンも序盤はよく見られた。

実は配置の噛み合わせ上ぽっかり開くエリアが。それは後ほどご説明します!案の定そこを明確に使い始めてから、マリノスの前進はスムーズになりいつものペースを掴んでいった。

プレスもかからないマリノス

マリノスはボール保持でも、ボール非保持でも中々リズムが出ない。ベルマーレは自陣からのビルドアップを試みる時に、5バックから3バックになり、WBが高い位置をとる。それにより、マリノスのサイドの選手に迷いが生じることに。

ベルマーレの中央の選手にはマークもはっきりし、プレスがかかる状況ではあったがサイドの守備の基準が定まらずに、そこを起点にされプレスがかからない状況に。

マリノスのWG(エリキ、松田)はベルマーレの3CBにプレスにいくのか?それともWBにプレスにいくのか迷いが生じる。マリノスのSB(松原、小池)はベルマーレのWBまで行っていいのか?でも後ろのスペースが気になるんだよ!とサイドの選手は守備の基準が定まらずに、マリノスらしい前からのプレスをかけられなかった。

代償を払うマリノス

前からのプレスには行っているがプレスががかからない状態のマリノス。その代償として、ベルマーレに幅と深さを使われて攻め込まれていく。

フリーの選手を作ることができるベルマーレはボールを動かす。ボールを動かすことでWBが高い位置に上がる時間にもなる。WBがマリノスの最終ラインまで上がると、最終ラインから長いチェンジサイドのボールが入り、幅と深さを使って攻め込んでいく。特にベルマーレの左サイドからマリノスは何度も攻め込まれた。左WBはルーキーの畑。持ち前のスピードで突破をするシーンもありマリノスは手を焼く。左WB畑が高い位置に上がった時に、3CBの田中も攻撃参加。またFWに入った長身指宿がSBとCBの間に立ち位置をとるのもマリノスがこちらのサイドで手を焼いた理由だ。指宿がそこにいることで、右SB松原は中央を意識しなくては行けなくなり、WBがフリーになるメカニズムだ。また松原が外へ意識が強くなりSBとCBの中間にポジションを取る指宿はフリーになり、彼が胸トラップでボールを受けるシーンも。前半はベルマーレにしてやられた!そんなプレーが随所に現れ、マリノスはストレスが溜まっていただろう。

しかし、後半に入るとその状況は一変する。ボスが修正を加える。選手を入れ替えて活性化をはかったこともよかったと言えるが、SBの立ち位置を少し変えただけで流れは一気にマリノスへ傾いていった。

SBの立ち位置を変えたマリノス

ハーフタイムに、松田と和田に変えて、前田とJ・サントスを投入し、より攻撃的に行くぞ!というメッセージがボスから感じられた!

そして一番効果的だったのがSBの立ち位置を変えたことだ。試合序盤マリノスのSBはインサイドに絞ってしまうことで、ベルマーレの待ち受ける中央に自ら飛び込む形となりボールロストの回数も多かったが、ハーフタイムを境にそのSBの位置は明確に変わる。インサイドに絞りすぎずに、ベルマーレの配置の弱点を突く立ち位置をとり始める。

前半の中盤あたりから左SB小池がインサイドではなく、ワイドの高い位置をとり始める。そうすることで、ベルマーレの3人の中盤を釣り出し、中盤にスペースをあけ、前半はゼロトップに入ったマルコスやインサイドハーフのスペースを与える役割にもなっていた。SBの立ち位置一つでベルマーレにほころびを作り出す。

後半に入るとマリノスの右サイドからSB松原がベルマーレの中盤を釣り出し、その空いた背後のスペースにインサイドハーフに落ちたマルコスが頻繁にボールを受ける。そしてマルコスが前を向くと幅を取るWGエリキがベルマーレの背後に走りまくり、マルコスからボールが入り、何度もラインブレイク。

マリノスの右サイドは一気に活性化し、ベルマーレを押し込み続ける。だんだんとベルマーレの重心は重くなり、攻撃の起点にもなっていたベルマーレのWBも守備に回る時間が長くなる。その影響もあり、ベルマーレが前半見せたような、WBが高い位置をとり、幅と深さを使った攻撃は減少。

しかし、押し込む展開が多くなったマリノスだが、点数が取れない。そして点数を獲ったのはベルマーレだった。後半少ないチャンスをきっちり決めきる。コーナーキックから準備してきたサインプレーから、ニアに走り込んだ指宿がヘディングで反らし、ファーで待つ齋藤が押し込みホームのベルマーレが先制!

マリノスが押し込む展開は変わらずも、マリノスは最後まで点数を奪えなかった。

マリノスは3連敗。ホームのベルマーレが勝点3をゲットした。

おわり

前半ベルマーレにしてやられたマリノス。攻守でマリノスを苦しめ、自分たちの形でマリノスにストレスを与え続けた。狙った形で決定機も作り出し、そこでゴールを奪っていれば思惑通りだっただろう。

後半に入ると流れはマリノスへ。流れが来たのではなく、しっかり流れを引き寄せたボスはお見事でした。SBの立ち位置一つでこんなにもスムーズに前進できるのか!「立ち位置って重要だよね!」と勉強になったのもつかの間、こんなに押し込んでるのに、失点するのか!「やっぱりセットプレー重要!」とサッカーの怖さも同時に痛感する90分でした。

おかえりテル!やっぱりあなたがいると一気にチームが別物に。無理せず、ゆっくりエンジンを温めてほしいですね。

下を向かず、上を向いてチャレンジし続けましょう!

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