【CLはやっぱり面白いpart2】チャンピオンズリーグGS第5節 アトレティコマドリードvsバイエルンミュンヘン

サッカー戦術分析
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今シーズンDAZNでCL(チャンピオンズリーグ)が放送されなくなってしまった事により、CLを見る機会が激減。ヨーロッパサッカーファンにとって大きなショックに…それでもやっぱりCLを見たい気持ちは諦められず、UEFAtvで放送される少ないCLの試合を細々と見るのであります…今回取り上げるCLの試合はアトレティコ×バイエルン。最近シメオネアトレティコが進化してるんだぞ!という事でチラホラ見ているうちにこのビックゲームが。そりゃ見なきゃいかんでしょ!

アトレティコがアトレティコらしからぬ(良い意味で)戦いで終始主導権を握りながらゲームを進めていきました。攻守にオートマチックなシメオネアトレティコ。お得意のゴール前に鉄壁の要塞を作り上げ、切れ味抜群のカウンターを炸裂!ではない、新たなシメオネアトレティコがこのゲームでは見られました!とっても勉強になるゲームでした。

それでは簡単ではありますがこの試合のレビューといきます。

【CLはやっぱり面白いpart1】はこちら

噛み合わないバイエルン

両チームのスタメンはこんな感じ。

アトレティコはここ最近トライしている3バック。見慣れない3バック。これが新たなシメオネのチャレンジの一つ。アトレティコに関しては後ほど。

これに合わせてかバイエルンは3-4-2-1の配置。こちらもあまり見慣れない3バック。すでにグループリーグ突破を決めているバイエルンは若い選手や出場機会が少ない選手がスタメンに並んだようだ。それでも3バックにはズーレ、アラバ、リュカ・エルナンデス。前線にはドウグラス・コスタやサネが。選手層の厚さを見せつける。若干17歳の中盤42番のミュージアラを筆頭に、若い選手もアトレティコが相手だろうが、時折その才能の片鱗を見せるプレーも。しかし、いつも通りの配置、メンツではなかった事も関係してか、連携が合わなかったり、ポジションが被ってしまったりと中々テンポやリズムが上がらない状況に。

WBとシャドーの関係性

そんな中でもWBと2シャドーの関係性が目立って上手くいっていないように感じた。バイエルンはボール保持時にはWBが高い位置をとり、幅をとる役割に。

それに合わせて2シャドーはインサイドに立ち位置をとり、ワントップが最前線。5レーンに選手が被らないように前線に厚みを作り出す狙いがあったと思われるが、中々そういった状況を作れなかった。

2シャドーに入ったサネとコスタがサイドに流れることでWBとポジションが被ってしまいがちだったからだ。この2人は皆さんもご存知の通り、サイドからのスピードに乗ったドリブルお得意わざ。自分の得意技を引き出す為にもサイドに流れたくなる気持ちは分からなくもないですが、それがチームバランスを崩してしまう事に。

またインサイドに入ってプレーをしようとするもどこか窮屈そうにプレーしていたサネとコスタ。

こんな事もありバイエルンはスピードアップせずにいつもの迫力ある攻撃を中々できない状況に。逆にボール非保持にはアトレティコの思惑通りにラインを押し下げられ、前からのプレスも中々かからない状況に。

バイエルンを押し下げる

アトレティコもバイエルン同様に、ボールを保持するとWBが高い位置をとる。インサイドにはフェリックスとジョレンテがしっかり配備される。これにより、バイエルンの後方は5バックへ。アトレティコは配置のバランスがよく、ボールを持った選手に複数のパスコースが用意される状況を作り出せていた。

そしてもう一工夫。中盤のコケとサウールがサリーダで3バックのビルドアップのお助けに。

サリーダ(最終ライン中盤から落ちる)により後方を4バックへ可変。これによりバイエルンの3トップに対して数的優位を作り、安定感を持って後方でボールを動かす。サウールは左斜めに、ヒメネスとエルモソの間に落ちる。コケはCBヒメネスの立ち位置に合わせて落ちる位置を変える。

その中でもいくつかの決まり事が。絶対にサウールとコケが一緒にサリーダしないのは決まり事のようだった。2人落ちると中盤の優位性をなくす恐れがあるので、しっかり後方からその先の事まで考えられたいるのが汲み取れた。

こんな感じで前からもプレスに行けなくなったバイエルンはアトレティコのオートマチックかつ、しっかり設計されたビルドアップによりラインを押し下げられる展開へと。

捕まらないフェリックス

サリーダとWBの立ち位置上げによる可変システムでバイエルンを押し下げる事に成功したアトレティコ。そしてビルドアップの出口もしっかり用意されていた。

それはハーフスペースに落ちるJ・フェリックス。

サウールとコケの一方が落ちた時に、フェリックスとジョレンテは逆に落ちすぎずに、バイエルンの2ボランチの脇。左右のハーフスペースの立ち位置をとる事で、バイエルンの中盤(ミュージアラとマルティノス)に守備の基準を定めさせない狙いもあった。

ジョレンテは下がってビルドアップのお助けをするシーンもあったが、フェリックスが落ちてこない。そこがアトレティコのビルドアップの出口という事もあり落ちなかったとも言えるだろう。フェリックスに誰がマーク行くの?という難題にバイエルンは最後まで答え出せなかった。3CBの一角が出ればいいんじょないの?と思うが中々前に出れない。最前線に入るコレアが背後を狙っているから。

フェリックスがフリーになるメカニズムがしっかりあったアトレティコのビルドアップ。何度もフェリックスがハーフスペースでボールを受けて前を向いたり、フリックで味方を前向きにしてバイエルンの最終ラインをゴール方向へ走らせる状況を作っていった。バイエルンの陣形が整う前にシュートまで行くシーンも。そしてこの先が今シーズンのシメオネアトレティコの一味違う一面。

相手のブロックが整う前にシュートに持ち込めるだけでなく、相手が自陣に守備ブロックを敷いた状況になっても、小刻みにボールを動かし、意図的にシュートまで持ち込むシーンが多いことだ。

左右で色合い違う攻撃

アトレティコは相手陣内にボールを前進すると、左右で違う色合いを出しながら相手のブロックを剥がしていく。左は小刻み。右はダイナミック!

右サイドは幅をとるWBトリッピアーにボールが入ると、インサイドにいるジョレンテがチャンネルランを繰り出す。何度も何度もそこへ走りまくるジョレンテ。相手が分かっていても御構い無し。チャンネルランを繰り返し、そこへ何度もトリッピアーがボールを送り込む。出したらトリッピアーが走るのも肝。オーバーラップだったり、インナーラップでもう一度攻撃にアクセント。アトレティコの先制ゴールもその2人の右サイドのユニットから生まれた。

左サイドは複数の人が絡みながら小刻みにボールを動かし相手を剥がしていく。左CBエルモソ、サウール、カラスコ、フェリックスで菱形を作り出しボールを動かす。とにかくこの4人の攻撃力は非常に高い。左CBエルモソは配給力が抜群。逆サイドへ大きなサイドチェンジもお手の物。しっかり前へボールを配給する。カラスコはお得意な独断突破も持ち合わせながら、フェリックスとの連携でボールを前進。そしてこの菱形ユニットで中盤を剥がせば、コレアが背後にランニングを欠かさない。この動きにより、フェリックスがフリーになる理由にも。バイエルンの3バックはコレアの立ち位置、動きによりピン留される。それによりライン間にスペースが開く状況にも。コレアのトップが地味だが非常に聞いているように感じる。

こんな理由から、アトレティコは何度も決定機を作り出すも、前半に奪った1点しかゴールを奪えなかった。試合終盤にバイエルンにPKを沈められ1-1で試合は幕を閉じた。

終わり

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シメオネアトレティコが今シーズン挑む挑戦がこの試合でも詰まっていた。主導権はアトレティコが握っていただろう。それはゴール前に鉄壁の要塞を作り、守備で主導権を握ったわけではなく、設計された配置で、優位性を作り出し、ボールを握ってしっかりシュートまで持ち込んで主導権を握っていた。相手が同等、それよりも上のレベルの相手には今までのアトレティコではあまり見せなかった戦い方で主導権を握っていたように感じたのが非常に興味深いし、面白かった。アトレティコはこれからも追ってみたいなと思います!

対するバイエルン。この試合に並べられたメンバーはフルメンバーではなかったが、それでも、リーガで絶好調のアトレティコ相手に負けなかったのは流石だった。やり慣れたメンバー、配置ではなかったはずだが、それでも負けない戦いはバイエルンの強さを象徴しているはずだ。サッカーファンとしてはフルメンバーでのぶつかり合いを期待したが、そうもいかないスケジュールだからまたの機会のお楽しみに!ですね。

それでもバイエルンでくすぶる若き才能をみれたのは良かった。世界は広いね。10代がこの世界一の舞台で普通にプレーしている。J・フェリックスも21歳。あー世界は広い。才能は絶え間なく、湧き出てきますね!

CLはやっぱり面白いね!

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