【あえて開けたライン間】プレミアリーグ第11節 マンチェスターシティvsフラムFC

サッカー戦術分析
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前節は5得点と攻撃力が爆発したマンチェスターシティ。今節は今シーズン初のリーグ戦連勝をかけた1戦。一気に蹴りをつけるかのようにキックオフ直後からシティはフルスロットでゴールへ向かい続けます。あっという間にフラムの用意したプランを崩していく展開へ。

それではゲームを振り返ってきましょう!

早い速いトランジション

フラムはシティに対して準備をしてきたな!という意欲、形がゲーム直後から見受けられた。それが上手くいったかは後ほど。

しかし、フラムは開始直後の2つのミスで自分たちのプランを崩してしまう形に。そのミスを誘発させたのはシティの速いトランジションが原因とも言える。とにかくこの試合のシティのトランジションのプレス強度が非常に高かったのは印象的だった。まずは2分30秒フラムは自陣でシティのボールを奪い去るが、シティに即時奪還されてしまい、マフレズが前向きでバイタルエリアに侵入。左サイドのスターリングにスルーパスが入り決定機。ここはGKアレオラが1vs1をビックセーブでピンチを切り抜ける。しかし、フラムに休む暇を与えないシティは、4分20秒フラムのゴールキックを跳ね返すと、ルーズボールを前向きでデ・ブライネがボールを拾い一気にドリブル。守から攻へのスイッチを一気に入れるデ・ブライネ。力強いドリブルで前進。それに合わせてスターリングがランニング。スターリングの走る足元へピタリとスルーパスが入り、今度は落ち着いてスターリングはゴールに流し込み、開始5分でシティが先制した。

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このシーンはデ・ブライネとスターリングだけで、フラムの6人の選手を置き去りにした。フラムの陣形が整う前に速いトランジションからゴールまで結びつけたシーンだった。

この開始直後のシーンだけでなく、シティのトランジション強度は本当に高かった。超過密日程の中ではあるが、選手のコンディションの良さが伺えるとも言えるだろう。一度の攻撃でダメならば、即時奪還をし、2度、3度と殴り続ける。繊細さの中に力強さや、強引さもあり、ゴールの匂いが常にするような状況を作り出せていたシティ。

フラムのプラン

フラムのプランは簡単に言ってしまえば、自陣にブロックをつくり、カウンターを狙うことだった。もう少し詳しくみていくと、5-2-3の様な配置でシティのボールへ圧力をかけつつ、最終ラインに人をかけてゴール前を固めていた。

中央に2−3のブロックを敷き、シティのボール回しを外回りにし、サイドでボールを奪い、カウンターを狙うプランも一つだったはず。しかし、そのプランは思い通りにいかなかった。ボールをブロックの外へ追いやれているシーンもあったが、裏を返せばシティがあえてフラムの守備ブロックの外でボールを回していたとも言える。

どちらかと言えば、この試合に関しては後者の方だったというのが感想だ。シティはフラムのブロック外でボールを動かし、フラムの選手を食い付かせ、フラムの中央のエリア(ライン間)を開けるために上手く誘導をさせていた。

シティの攻撃スイッチが入るシーンはカウンターと、ライン間にボールが入った時だった。意図的にライン間を開けて、攻め込む攻撃の詳しい内容は次章で。

使いたいエリアは開けておく

この試合、シティがゴールを奪うために使いたかったエリアはライン間だ。そしてフラムが使われたくなかったエリアはライン間だ。ライン間の争奪戦がこの試合のキーポイントの一つだった。前線に3人の選手を並べ、中盤に2人のボランチを配置することで、シティのボール回しを外回りにする狙いがあったフラム。シティはそんなプランを逆手にとっていく。

シティはボールを保持すると、2CHのロドリとギュンドアンが一列下がり(サリーダ)、2CBと共に最終ライン付近でボールを受ける。そうするとシティの中盤は誰もいなくなるシーンも多々あったが、それがシティの狙い。

前述した通りシティがゴールを奪うために使いたいエリアはライン間。しかし、使いたいエリアのライン間に選手がいなくなってしまえばどうやって使うんだ?と思いますよね。それがシティの狙い。使いたいエリア(ライン間)をあえて開けることで、使いたいエリアを開ける狙いがあった。

ロドリと、ギュンドアンが一列下がることで、またデ・ブライネが中央から外に流れたり、マフレズがインサイドから外へ流れる動きをすることで、フラムの2CHリードとアンギスがつり出され、真ん中がぽっかり開く。そのタイミングで前線に入るジェズス、スターリング、マフレズ、時にはデ・ブライネがスッとライン間に顔を出しボールを引き出すと、一気に攻撃のスイッチが入る。

意図的にぽっかりと開けたライン間。シティの選手たちには十分すぎる時間とスペースがある状況に。そうなると多種多様の質の高い崩しのオンパレードの始まり。フラムの最終ラインの選手は前向きでプレーするボールに対しても、ランニングする選手にも、幅をとる選手にも、ミドルシュートにも、多くの難しい難題を突きつけられながら守備対応しなければいけない状態に。そんな状況でボールを奪えたとしても、すぐにトランジションプレスが。肉体的にも、精神的にもしんどい中でのプレーをさせられたに違いないでしょう。そんな事もあり、フラムはミスからピンチを招いてしまうシーンも少なくなかった。

この狙いが見事にハマったのが2点目のPKを奪ったシーンだ。ぽっかり開けてライン間に、ジェズスが落ちてボールを引き出す。そこへパスをしたカンセロが縦のワンツーで一気にライン間で前向きになりドリブル侵入。フラムの分断する最終ラインの間でスターリングがボールを受けてペナルティエリア内でファールを受けPK獲得。

ライン間を開けるチームの動き。そして攻撃の合図となるライン間へのパス。そんなシティの狙いが詰まった2点目のPK獲得シーンだった。

【マンチェスター・C×フラム|ハイライト】デ・ブライネが1ゴール1アシストの活躍!シティが今季初の連勝|プレミアリーグ 第11節 | 2020-21

交代枠

後半に入るとシティは決定機を演出するも、ゴールは前半奪った2点でこの試合を終えることに。今シーズン初のプレミアリーグ連勝となり、ジワリジワリと順位を上げてきた。

そしてこの試合気になることが。それはペップが90分通して交代枠を一つも使わなかったことだ。この超過密日程の中で、誰も交代しなかったのは色んな憶測が飛ぶだろう。ましてやペップは必ずと言っていいほど、交代枠を使う監督。本当に交代枠を使わない監督もいるがペップはその分類ではないから、なおさらびっくり。

しかし、何も考えずに交代枠を使わなかったはずは絶対ないと言うことだけは言い切れる。色んなチーム状況、スケジュールを考えた上でこの采配になったはずだ。

私の一つの憶測として、次節のマンチェスターダービーを見据えてのこの選択かと。この試合の中3日でチャンピオンズリーグがマンチェスターで行われる。こちらはすでにGLリーグを首位突破を決めている事もあり、このフラム戦で出ていない選手が中心になるはずだ。フルでこの試合出した選手、もしくはユナイデット戦で使う予定の選手には休養を与えるのではないかと。これによりフラム戦にフルで出場した選手には次節の試合(ユナイデット戦)に挑む準備期間が1週間与えられる。そんなユナイデット戦の準備の為に、コンディションを考えた上で、交代枠を使わなかったのかなと予想してます。

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調子のいい選手がいないのかな?いや、ベルナルドも、F・トーレスも調子いいよ!フォーデンだってアシストしてるし!ラポルトを少しの時間使っても良かったよね!チャンピオンズリーグGL最終節vsマルセイユ戦でスタメン起用されなかった選手が、ユナイデット戦のスタメンかな?とその他にも色んな憶測ができると思いますが、標準は次節のマンチェスターダービーに比重が傾いているなと個人的には感じました。

次節のダービーが今シーズンのシティのリーグ戦の結果の命運を分ける試合になりそうなだけに、なおさら楽しみ!

おわり

シティが前半電光石火で奪い去った2点で逃げ切り今シーズン初のリーグ連勝。リーグ戦は2試合で7得点と攻撃陣も復調してきた感じ。それ以上にチャンピオンズリーグを含む4試合連続でクリーンシートと守備の安定感があることが朗報だろう。

前線のポジション争いは相変わらずの熾烈っぷりだが、今シーズンは最終ラインのポジション争いも熾烈。カンセロがチームにフィットしてきたこと、アケやディアスの加入が挙げられるげられるが、最近復調してきたストーンズの存在は大きはずだ。もうストーンズは終わっちゃったかな?と思っているサッカーファンはは多かったと思いますが、ここ最近のパフォーマンスでペップの信頼も鰻登りのはず。アケも、ラポルトも戻ってきた。いい意味でペップの頭を悩ませるだろう。

さぁ次節のリーグ戦はマンチェスターダービー!

昨シーズンはリーグ戦は確かシーズンダブルをユナイデットに食らったはず!リーグ戦4連勝と好調のユナイデット相手に、オールドトラフォードの地でシティは勝ち点3を持ち帰ることが出来るだろうか?非常に楽しみだ!

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