【収穫と不安】マンチェスターシティvsバーミンガム【FAカップ3回戦・戦術・レビュー】

サッカー戦術分析
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はじめりましたFAカップ。日本でいう天皇杯みたいな大会で毎年ジャイアントキリングが起こる非常に面白い歴史ある大会。シティの3回戦の相手はチャンピオンシップに所属するバーミンガム。シティは前半から猛攻を仕掛け、ハーフタイムには試合の蹴りをつけにいった。最近の好調そのままに勢いを持って得点を重ねていった。

それではゲームを振り返っていきましょう!

バーミンガムの狙い

アウェイの地に乗り込んできたバーミンガム狙いを紐解いていく。ボール非保持になると4-4-1-1の陣形で自陣に引き込んでブロックを敷く事はせずに、4-4のライン間を非常にコンパクトにし、ハーフラインからシティのボールを奪いに行く姿勢を見せていた。シティがバーミンガムのコンパクトなライン間へ縦パスを打ち込んで引っ掛けてカウンターを受ける場面も。これがバーミンガムの狙いであり、試合序盤カウンターからシュートに持ち込めそうなシーンもあった。

しかし、いくらスペースがないからといってもそこでボールを受けられるのがシティであり、またバーミンガムの戦術の逆手を取りながら決定機を演出していった。

シティのボール保持

シティはボールを保持すると、4-3-3の基本配置を可変させる事で、バーミンガムに迷いを与えて、自分たちのプレー選択を広げていった。この試合でも1番の可変のキーマンは右SBに入ったカンセロだ。カンセロは自分の持ち場である右SBの立ち位置を離れてインサイドに入る。アンカーもロドリと並ぶように、またアンカーのロドリを押し込んでいつもよりインサイドに立ち位置をとる。

カンセロがインサイドに入る事でシティは中央に優位性を作り、バーミンガムの選手を中央に集中させる効果に。特に左サイドに入っていたジョナサン・レコは頭を悩ましていた。インサイドに入るカンセロに付いていってしまえば左の幅をとるマフレズがフリーになるし、付いていかなければカンセロがフリーになる。さぁどうする?このどうするのと?頭を悩ませることがポジションチェンジの最大の狙いだ。

カンセロがインサイドに入ると同時に、マフレズが幅をとる。もしくはデ・ブライネがサイドラインにレーン移動をし、マフレズがインサイドに入り、フォーデンが斜めに落ち、ポジションバランスを整えながら可変していく。ポジションバランスを保つことで、バーミンガムの頭を一層悩ませる。人は動き回るし、パスコースが複数あるよ!となれば守備者は当然困るからである。

それに加えて、最終ラインの背後への配給も忘れないシティの攻撃。斜めの長いボールや、フリックでバーミンガムの最終ラインの背後にボールを落とし、手前に食いつかせて背後を使うことも忘れないシティの攻撃に、当然のように押し込めれていくバーミンガム。

そして生まれた先制ゴール。開始8分浮き玉を背後に送り込みバーミンガムのペナに侵入し、そのクリアボールをベルナルドが左足で叩き込み、あっという間に先制したシティ。

らしさ詰まった2点目

先制ゴールから10分もしないうちにシティが追加点を奪う。

14分右から左に小刻みにボールを展開し、左のハーフスペースでデ・ブライネが縦パスを受けて前進する。しかし前への選択がないと判断したデ・ブライネはドリブルで左から中央へドリブルをし、右のハーフスペースで待つカンセロへ横パス。カンセロは一度CBのウォーカへバックパス。ウォーカーはデ・ブライネへ縦バス→フリックカンセロへ、と右サイドのハーフスペースで小刻みにボールを動かす。そしてそこにマフレズとフォーデンもボールに関わる。ボールを小刻みに長い時間をかけて動かせばバーミンガムの選手たちも戻って陣形を整える。画面にはGKを含めたバーミンガムの選手が10人映り込む状態に。そんな状態でもシティが見事にゴールまで結びつけるロジカルな崩しを見せつける。

右サイド深くでボールをマフレズが受けると、デ・ブライネが今シーズンあまり見られてなかったがハーフスペースから右のポケットへ斜めのラン。それに合わせてマフレズがおしゃれなアウトパスで彼のランニング合わせるスルーパス。ボールを受けたデ・ブライネは迷うことなく、マイナスにクロス。そこに走り込んだベルナルドが押し込み2点目を奪い去った。

非常にシティらしい、ロジカルな崩しだった。ボールを小刻みに動かし、横に、縦にボールを出し入れして相手を押し込む。そして最後はペップシティの代名詞であるサイドからのポケット侵入からデ・ブライネのアシストでゴールが生まれた、非常にらいさが詰まった2点目だった。

気になる2人の選手

シティは前半にもう一点を加えて3つのリードを奪ってハーフタイムへ。前半シティはいい形から3ゴールを奪ってシティらしさ全開であった。フォーデンやベルナルドのコンディションがガンガン上がり、マフレズも久しぶりの先発出場ではあったが元気な姿を見せてくれた。久しぶりといえばこの試合CBに入ったウォーカーと左SBのメンディだ。

まずはカイル・ウォーカー。コロナの感染陽性により数週間の隔離を余儀なくされた状態から帰ってきた。まずはまたプレーができるほど元気に帰ってきてくれたことに本当に安堵な気持ち。この試合ではCBということで主戦場ではないポジションや、久しぶりの試合ということもあったのか、少しミスが多かった。上で述べたように、カンセロの立ち位置により優位性を作り、ウォーカーには複数のパスコースは用意された状態で、パスを引っ掛けてしまうシーンが少なくなかった。幅をとるマフレズが開いてるのに無理に中央を通そうとして引っ掛けるシーンも。これから試合を重ねてまたコンディションが上がればそんなミスはなくなるはずだ!守備では相変わらずの快速と強さで大きなミスもなく90分戦ってくれたのは評価だ。

そして後半に入ると、ウォーカーは本来のポジションである右SBへ。しかし、チームのボール保持の戦術は前半同様に、右SBはインサイドでプレーすることが求められた。カンセロがプレーしていたようにウォーカーもインサイドで、ロドリと横に並ぶようにプレーする。難なくこなしているようには見えたが、やっぱりインサイドでプレーした時にはどうしてもカンセロと比較してしまう。カンセロと比較するとウォーカーが劣ってしまう面は当然ある。ウォーカーは最終ラインのカバーや、サイドでの1vs1の強さなどカンセロにはない良さが当然ある。これはいい意味でペップの頭を悩ませるに違いない。またこの試合のようにウォーカーはCBで起用されることもこれから多くなるのかもしれない。

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お次はメンディ。ピッチの外でまたお騒がせしてしまったメンディ。それも影響してなのか、なんだか元気がないようなプレーだったようにも感じた。またメンディはこの試合、ほとんど左サイドの高くに上がって攻撃に参加することがなかった。戦術的な決まりごとだったのかは分からないが、もう少し高い位置をとって、左サイドに入ったジェズスをインサイドに絞らせて、相手を困らせてもよかったのではと思った。メンディの良さは守備の面よりもゴリゴリの突破や、サイドをえぐったクロスなはず。それがこの試合ほとんど見られなかったのは少し心配だ。この試合のように右SBカンセロが攻撃参加を積極的にするので左SBは上がらない位置どりをして!となればより守備的なアケが入った方が良さそうだし、ジンチェンコやカンセロが左SBに入れば、もっと攻撃にアクセント加えられたように感じた。

メンディに関しては気になるではなく、少し心配になると言った方がいいかもしれない。私たちには見えない孤立があるのか。何か元気が出ない要因があるのかは分からないがピッチでは躍動するメンディが早く戻ってきてほしい。

終わり

シティはハーフタイムを挟んでデ・ブライネ、カンセロ、ディアスを下げてストーンズと2人の若手を投入。MFヌメチャ(20才)とDFハーウッド=ベリス(18才)の若い選手が後半から投入された。後半序盤にはデラップ(17才)も投入され、世界は広いなと思ったが、フォーデン(20才)、エリックガルシア(20才)、F・トーレス(20才)はコンスタントにゲームに絡んでるんだから尚彼らの凄さも感じた。

シティはこれで公式戦6連勝と調子がうなぎ登り。連勝街道をまっしくぐら突き進んでほしい。

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