【いい試合だった】ユベントスvsサッスオーロ【セリエA第17節 戦術分析・レビュー】

サッカー戦術分析
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いい試合だった。この感想がピッタリ。前後半で顔色がまるっきり変わる、我々サッカーファンを飽きさせない試合だった。今シーズン初めて観戦したサッスオーロに好感が持てた。そして段々と見えてきた『ピルロユベントス』。とにかく観て欲しい試合だった。

それでは簡単ではありますが試合を振り返っていきましょう!

ボールを大事にする両チーム

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前半キックオフから両チームともにショートパスで後方からボールを繋いで行くスタイルのぶつかり合いとなった。サッスオーロは今シーズン初めての観戦となったが非常に好感を持てるチームだった。後方から多くの人が関わりながら、小刻みにボールを動かし、相手のプレスを剥がして前進していく。そんなスタイルを90分見せてくれた。このチームはこれからも見たい!と思わせてくれる戦いをイタリア王者に対して見せてくれた。

ユベントスもピルロが監督に就任してから少しづつその色がチームに浸透してきたようだ。こちらも後方から大事にボールを繋ぎ、システムを可変させ優位性を作りながら前進するスタイル。

そんなボールを大事にする両チームの攻防。当然狭い局面も多くなり、接触するプレーも多くなり激しい攻防もこの試合大きな見どころとなった。

ユベントスのビルドアップ

ユベントスはボールを保持すると4-4-2の基本配置から可変して優位性を作ろうと試みていた。イメージとしては左上がりに配置が移動する感じだ。右SBダニーロがインサイドに入り、後方3バックに。左SBフラボッタが高い位置に上がり、この試合左SHに入ったマッケニーがインサイドに入る。そして2CHのどちらかが一列上がり、3-1-4-2のような配置へと可変していく。試合の序盤はサッスオーロの4-4-2のプレスに対してこの可変システムによって優位性を持って後方で時間を作ることができた。

サッスオーロは4-4-2でDFラインを高くしコンパクトに前からユベントスのボールに圧力をかけに行く。試合序盤サッスオーロはエリアを守りながらプレスに出ていた為に中々ボールの取りどころが定まらなかった。ユベントスの可変した3-1-4-2に対して4-4-2の配置を照らし合わせてみると噛み合わないからだ。ユベントスはその噛み合わない配置の優位性を活かして前後、左右にボールを動かしながらギャップにボールをつけ、前進することに成功し、いくつかいい形でサッスオーロのゴールに迫ることができた。

しかし、サッスオーロも馬鹿ではない。
修正を加える。

サッスオーロはユベントスのボール保持に対して、明確に人を捕まえながらプレス出る。エリアではなく人へ出ていくプレスに変更。ユベントスはビルドアップは可変した3バックとアンカーの1人を合わせた4人でボールを回すがそれに対してサッスオーロは明確に人を捕まえに行った。そこにユベントスのCHの一枚が落ちてビルドアップを助けに行けばそれに対してもマークに付きに行く。人を捕まえに来たサッスオーロのプレスに対してユベントスは段々とボールを動かせずに前進できなくなってしまう。

また、中々ボールを後方から動かせなくなることでビルドアップに関わる人数が増えていく。プランとしては3バック+アンカーの4人だったはずが5人、6人と増えていく。これにより前線が手薄になることに加え、前線と後方の関係性を分断する状態にも。たとえ前線にボールが入っても、後ろ向き、もしくは相手を背負ったシーンが多くなり、サッスオーロの激しいプレスに耐えるシーンも増えていった。

それでも、ロナウドやディバラのキープ力で時間を作って前進するシーンもあり、流石ユベントスといったシーンもあった。

サッスオーロはユベントスに自陣にボールを運ばれれば中央を締めた4-4-2でブロックを敷き、ユベントスのボールを外へ外へ追い出す。中々ペナへも侵入できないユベントス。段々と時間とスペースを奪われミスを犯すか、ボールを奪われたユベントス。それに加えて、奪われてボールをすぐに奪い返せないことが一層ユベントスのフラストレーションを高める要因に。

サッスオーロは中々ハマらないんですよ。ユベントスも前線でボールを奪われればトランジションプレスをかけるが奪い返せない。強度が足りない?連動性が足りない?ユベントスにも問題はあるかもしれないが、それ以上にサッスオーロのボール運びが非常に巧かった。

ハマらないサッスオーロ

サッスオーロのビルドアップは見もの。意地でもショートパスを繋ぐそんな姿勢にワクワクドキドキさせられるはずだ。個の確かな技術があるのはもちろんだが、縦パスに対しては必ずもう一人の選手が関わり、ダイレクトの落としをもらえる状況を作ったり、縦の段差を作ってスルーで3人目をフリーにしたり、フリックで前進したりと、狭いスペースでも小刻みにボールを動かし前進する。

サッスオーロはボール保持になると、2CHの一角であるロカテッリが2CBに落ちて後方3バックに可変。左SHに入ったトラオレはインサイドに入り、左SBキリアコプラスが高い位置に上がる。それは右サイドでも同じ。そして10番のテクニシャンであるジュリチッチがライン間や上下に動いたり、サイドに流れる動きで、比較的自由に動きながら、味方にパスコースを作り出す。CHオビアングも上下に動いたり、右SBが上がったスペースに落ちてボールを引き出したりする。ポジションバランスを保ちながら、ポジションチェンジを行うことで優位性を作りボールを前進していく。

しかし、最後のフィニッシュの質がもう一つ。ユベントスの戻るスピードも早く、こちらもペナルティエリアへ入れない展開に。

チラつかせるユベントスらしさ

ユベントスは攻守で自分たちのプラン通りゲームを中々運べない中でも、最後はゴールを守る、一発でゴールを仕留めるといったユベントスの怖さ、強さをサッスオーロにしっかりチラつかせていた。

サッスオーロは前のめりにプレスを掛けるため、当然背後にスペースが空く。そこにボヌッチからロナウドへの長いボールで決定機をつくるシーンも。また中盤より前の選手がガンガン前に出るのでDFと中盤の間のエリア、ライン間が空くので、そこでロナウドやディバラ、マッケニーと代わって入ったラムジーがボールを引き出して前進するシーン。

守備に関してはとにかく撤退が早い。2トップを除いた8人のフィールドプレイヤーの戻りが非常に早い。たとえサッスオーロへのプレスがハマらずに前進を許しても、素早く撤退し、ゴール前のユベントスらしい強固な壁を作り上げる。その為、サッスオーロはペナルティエリアへ中々入れない。そして奪ったら切れ味抜群のカウンターも。

そんなハイレベルな激しい前半の終盤サッスオーロには思わぬ痛手が。VARによってCHオピアングが一発退場に。確かに危ないプレーではあったが、この試合このまま11vs11で見てみたいと思わせる内容であっただけに少し残念だった。

しかし、そんな気持ちを裏腹に、サッスオーロが前半以上に勇猛果敢の姿を後半見せてくれた。

サッスオーロの猛攻

前半終わりに退場者を出したサッスオーロは後半45分を10人で戦う状態に。しかし、ラインは決して下げ過ぎなかった。4-4-1の陣形でユベントスに連動してプレスをかけに行く。ユベントスがボールを保持する時間が増え、サッスオーロがカウンターを狙う構図に段々となっていく。

先制したのはユベントス。ダニーロのスーパーミドルがサッスオーロのゴールに突き刺さる。あぁこれでもうユベントスの勝ちだなと多くの人が思う状況だが、サッスオーロの反撃はここから始まった。

インサイドに絞ったトラオレがギャップでボールを受けてゲームを組み立てる。そしてもう一度今度は右のハーフスペースでトラオレが縦パスを受け、前を向き、ユベントスの2CBの間に立つデフレルにパスを打ち込む。デフレルが素晴らしいファーストタッチで相手を振り抜き右足一閃。すぐさま同点に追いつき、さぁサッスオーロのテンションがガンガン上がる。

サッスオーロはトラオレに加えて、途中で入ったジェレミー・ボガやオデイといった個でぶっ壊せる選手をピッチに並べカウンターを狙っていく。ユベントスがボールを保持する時間は増えていき、決定機も多くなるが決まらない。そして1人少ないサッスオーロにプレスにいくが、ハマらずに前進され、早い早いアタッカーにゴールを脅かせるシーンも。サッスオーロが1人少ないことを忘れさせるほどのアグレッシブさでゲームが終盤に。

サッスオーロがゲームをひっくり返すかもしれない!と思う雰囲気漂う中ではあったが、ユベントスがゲームを決める。81分ラムジーがクロスに合わせて2点目。一瞬の隙を見逃さなかったユベントス。ユベントスはユベントス。しっかり追加点を奪う。そして後半ロスタイム、ロナウドがトドメの3点目を突き刺し、ユベントスが3-1でこの死闘をモノにした。

おわり

いいゲームでした。両チームアグレッシブで、ボールをしっかり動かしながら前進する局面が多く本当に面白かった。前後半で試合の顔色が大きく代わったのも我々サッカーファンを飽きさせないはず。とにかく観て欲しい!と声を大にして言いたいそんな試合であった。

ピルロユベントスは数試合観て少しづつその特徴を掴めてきた感じ。

左サイドからの崩しはシンプルにクロス。右サイドはキエーザが持ったらディバラがチェンネルに顔を出す。またチャンネルに抜けるアクションも。ダニーロは右SBでもあり3CBでもあり、ビルドアップ時は偽SBにもなる、複雑かつ多くのタスクを担っている。ビルドアップと前線が分断して前線が手薄になる課題。ビルドアップ時に人につかれるプレスに手こずってしまう。ライン間に落とすボールも狙いの一つ。前プレはまだ改善中?撤退スピードは非常に早い。自陣守備は4-4ブロック。選手層は相変わらずエグい。マッケニーいい選手。グルゼフスキもいい選手。怪我やコロナの影響で揃わない人選。どれがベストメンバーなのか早く観てみたい…etc

ユベントスの試合はもう少しみたら、数試合みた感想をブログにまとめようかな。

そしてサッスオーロはいいチームだった。このチームはもっと見なきゃいかんかも。また見るべきチームが増えてしまった。時間が足りない。

最後にもう一度。この試合観て欲しい。

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