【考察】ペップからの謎解き〜マンチェスター・シティ戦術分析〜

サッカー戦術分析
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マンチェスター ・シティ戦術分析!
FAカップ3回戦が行われ、マンチェスターシティはバーミンガムを3-0で退け、4回戦へと駒を進めた。より詳しい内容が知りたい方はこちらのブログをご覧ください!

ペップシティといえば目まぐるしいポジションチェンジで相手を撹乱させることはこのチームの特徴の一つだが、この試合もペップからの謎解きが届いた。ペップがこの試合に込めた狙い、思惑は何なのか私なりに考えてみた。答えはペップの頭の中。それを知ることは出来ないが、考えるだけでも非常にサッカーが面白くなる!

それでは皆さんもペップからの謎解きに挑んでみましょう。

マンチェスターシティ 1つ目の謎

【スタメン】
ステファン、カンセロ、ディアス、ウォーカー、メンディ、ロドリ、マフレズ、デブルイネ©︎、フォーデン、ベルナルド、ジェズス

この選手の並びを見て疑問に思うところはないだろうが?1番最初の謎は3人の本職SBが同時起用されたことだ。カンセロとウォーカーとメンディがスタメン?配置はどうなるの?カンセロがインサイドでプレーするの?ウォーカーがCBで、メンディが左SBで、カンセロが右SBか!と色んな憶測が飛んだはずだ。

マンチェスター シティ 2つ目と3つ目の謎

試合が始まりスタメンの立ち位置が明確になる。それにより1つ目の謎が明確になったように思えるが、ただ単に立ち位置が分かっただけで、ペップの本当の狙いは他にあった。ウォーカーはディアスと共にCBに入り、右SBにはカンセロが。左SBにはメンディが入った。しかし、立ち位置が明確になったことでもう一つの謎が浮き彫りとなる。左SBメンディの前には何故か本職CFのジェズスが前にいる。左のSHにはジェズスが入り、最前線にはフォーデンが入った。シティの試合をよく見る人からしてみればジェズスがSHをやるのは疑問に思わないかもしれない。昨シーズンもCLラウンド16レアル戦でも左SHで起用されていたジェズス。またセレソンでもフィルミーノがワントップに入り、ジェズスが左SHに入る形もあり、ジェズスにとっては難しいポジションではない。

しかし、今シーズンジェズスが左SHに入るのは初めてのように感じる。それにジェズスはコロナ陽性から復帰した久しぶりのゲーム。そんな要因を含めてもジェズスのSH起用は私を驚かせた。

2つ目の謎はジェズスの左SH起用

そして最前線になぜフォーデンが入ったのか。先日行われたリーグのチェルシー戦ではデ・ブライネがワントップに入り、0トップの戦術を与えられ、チェルシーを見事に撹乱させた。そんないいイメージが残る中でデ・ブライネがワントップではなく、フォーデンがワントップに入ったのかが3つ目の謎だ。

ペップの謎を紐解いていこう!

①本職SBの3人同時起用
②ジェズスの左SH起用
③フォーデンのワントップ

このペップからの謎解きを紐解いていこう!

シティはボールを保持すると、得意技の可変で相手を混乱させにいく。主にシティのボール保持の局面でこの3つの謎を解くヒントが隠されていた。

①本職SB3人同時起用の謎解き

動くカンセロ。動かないメンディ。

今シーズンお馴染みになりつつある右SBカンセロは中央へ立ち位置を移動する。SBのカンセロがインサイドに入ることで相手に迷いが生まれる。ついていくの?誰がマークつくの?カンセロどうするの?という具合に。それに合わせてインサイドのデ・ブライネが右サイドに流れてボールを引き出したり、マフレズが落ちてボールを引き出すことで、またバーミンガムに迷いを与えることに成功し、バーミンガムの足を止める。ボールにプレスに行きたくても行けない状況を作り出すことで、シティの選手たちはフリーでボールを受けられる状況になりバーミンガムのゴールへ押し込んでいく。

一方の左SBメンディは逆に自分の持ち場である立ち位置から動き過ぎなかった。最初はもっとメンディ高い位置とって攻撃的に行かないのかな?と疑問に思うところもあったが、メンディが動かない理由が段々と浮き彫りになった。

メンディが左のライン際にポジションを取るのは又はそこでボールを受けた理由は、相手のサイドの選手を釣り出して左のハーフスペース開けさせる狙いがあったから。メンディがサイドに張ることで相手のSHを釣り出す狙いと、CBのビルドアップの逃げ道としての役割担っていたのでサイドにあえて立ち位置を取っていたのだ。

そしてもう一つがアンカーロドリが左斜めに落ちるサリーダするスペースを開けさせる為だった。メンディが外に張っていることでロドリがスムーズに左斜めにサリーダ出来る状況に。ロドリが落ちることでバーミンガムの2トップのプレスに対して後方数的優位を作り出す狙いと、相手の中盤の選手を釣り出して、中盤のスペースを開けさせる狙いがあった。そしてメンディはロドリが最終ラインへ落ちるとポジションを高い位置に上げて左サイドが可変していく。

そしてこの試合カンセロのポジションがいつも以上にインサイドに立ち位置を取っていることに違和感があったが、ロドリの代わりにアンカーとしての役割を担っていた!と何となく試合中に腑に落ちることができた。ロドリが落ちて後方3バックにすると左SBメンディは高い位置に上がり、ジェズスがインサイドに入る。ジェススがインサイドに入ることで前線への厚みをもたらしながら可変を加えた左サイドの攻撃はテンポ、リズムが生まれていった。

ウォーカーのCB起用の狙いは?

ここまで本職SB2人の役割について書いてきたが、忘れてはいけないのが3人目の本職SBカイル・ウォーカーだ。なぜウォーカーがCBで起用されたのか?それはスケジュールや、コンディションの面を踏まえての事かもしれないが、これからウォーカーがCBで起用されることが多くなるかもしれない!ということを憶測される試合でもあった。

まずはウォーカーは本職はSBだが、CBでプレーすることも時々ある。昨シーズンも何試合かあったよね?シティファンにとってはそれほどビックリする事ではないかもしれない。この日CBとしてウォーカーはペップに起用されたが、見方を変えれば今までこなしてきたタスクとあまり変わらないのかもしれない。唯一違ったのは、自陣に4-4-2のブロックを敷いた時にCBのポジションから守備をする事くらいだった。クロス対応。SBのカバー。CFへの守備対応。そういった面だけで、他の局面ではそれほど彼がストレスを抱えるほど、いつもと違うタスクを与えられた訳ではなかったと感じられた。

まずはビルドアップ。ウォーカーは右SBに入った時には、サイドに張ってボールを引き出したり、オーバーラップから快速を飛ばしてクロスを上げるスタイル。もう一つウォーカーがよく見せるプレーが少しインサイドに絞って立ち位置をとり、後方を3バックにする光景だ。逆サイドの左SBが高い位置に上がり、右SBウォーカーがインサイドに絞って可変する戦術だ。この形は今までも多く見られた。

昨シーズンのCLラウンド16レアルマドリード戦

こんな感じにウォーカーが少しインサイドに絞る事で後方を可変させ、シティ全体のシステムの形を変える戦術だ。相手2トップの脇、相手SHの斜め前で立ち位置を取る事で、ウォーカー1人で複数の相手選手を困らせるウォーカーお得意の立ち位置と言っていいだろう。この形はウォーカーが右SBで出場した時にはよく見られる光景だが、実はこの試合でもウォーカーはこの立ち位置をとっていたのだ。

それはロドリが最終ラインに落ちた時。

CBで起用されたウォーカーでしたが、いつの間にか慣れ親しでいる右のハーフスペースに立っているではないですか!そう、ウォーカはこの試合基本ここの立ち位置を取ることが多かった。カンセロがインサイドに絞ることでウォーカーはこのポジションをとったとも言える。いい意味でも悪い意味でも、ウォーカーはカンセロの影響を大きく受けることに。ウォーカーはもう一つカンセロの影響を受ける。それはカンセロが開けたスペースのカバーをウォーカーが担うという事だ。右SBのカンセロがインサイドにポジションをとれば当然そのスペースが開いてしまう。そのスペースカバーをするのがウォーカーのもう一つのタスクだ。

ウォーカーからしてみればこのカバーリングはお手のもの。慣れ親しんだ右のハーフスペースからのカウンター対応は右SBの時にもやっているからだ。早くて強いカバーリングはウォーカーのストロングポイントの一つだからだ。

このような事を踏まえてカイルウォーカーのCB起用は非常に理にかなっていると思う。

これがペップの①本職SBの同時3人起用の謎の答えかなと私の見解です!

②、③の謎解き

お次はフォーデンのワントップのペップの狙いを考えてみる。フォーデンはシティが後方からビルドアップを始めると中盤に落ちてボールに関わる。フォーデンが落ちることで中盤に数的優位を作ることと相手の最終ラインを釣り出し背後のスペースを開ける狙いも。そこに斜めから左SHジェズスがランニングし、いくつもの決定機を作り出した。これがジェズスを左SHで起用した理由の一つ。チームで中央に集めた相手の背後を斜めのランニングで刺すストライカーの役割を担うSHとしてこの立ち位置にジェズスは置かれたのだ。ジェズスに求めらる仕事はポジションがサイドになってもストラーカーとしての仕事だった。

中央を使ってゲームを組み立てる為にジェズスではなくフォーデンをワントップに配置。フィニッシュの形の一つの狙いとしてサイドから斜めの動きで背後を突く為に、サイドにストライカーのジェズスを配置。デ・ブライネではなくフォーデンなのかは、フォーデンの方が後ろ向きで狭いスペースでボールを引き出すのが上手い。狭いスペースでプレーさせたら今のシティで一番上手いのはフォーデンかもしれない。またデ・ブライネの最大の武器、キック力とキック精度を活かすために、彼をいつもの居場所に戻した。案の定デ・ブライネから決定的なエグいスルーパスが前線に送り込まれた。またフォーデンがワントップということで、前線の厚みも保ち、デ・ブライネからのパスを受けるレシーバーを複数用意することができ、シュートまで持ち込むシーンが多かった。

そんな戦術的な狙いがありフォーデンがワントップに入った。のかもね。

これがペップの②ジェズスのSH起用③フォーデンのワントップ起用 の謎の答えかなと私の見解!

おわり

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いかがでしたでしょうか?こんな見方でサッカーを観ても面白いですよね。始めにも述べましたが、これはあくまで私個人の憶測、見解です。本当の狙いはペップの頭の中…しかしペップの頭の中を覗き込もうと思うだけで、これだけの事を考え、サッカーの学びになることは非常に面白くないでしょうか?毎回こんな謎解きがペップシティの試合にはいくつか落ちているのがまた面白いんですよ。シーズン通して一つのチームを観る楽しさみたいなものとも言えますね。

またペップの謎解き届きましたら、皆様と共有していきたいと思います。

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