【後押しする安心感】マンチェスター・ シティvsクリスタル・パレス【プレミアリーグ第19節 戦術分析・レビュー】

サッカー戦術分析
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マンチェスターシティは前節ブライトンに苦戦するもリーグ戦4連勝。公式戦7連勝で迎えた今節の相手は、苦手なクリスタルパレス。直近2シーズンシティはホームで彼らに勝てていないが今節はどう進んだのか。この試合でもシティの鉄壁は健在。そして守備だけでなく、DFラインは攻撃面での貢献も大きかった今節。彼らからの安定的な配給や、彼らがいる安心感が前線の選手たちを後押ししていった。

それではゲームを振り返っていきましょう!

クリスタルパレスの狙い

マンチェスター シティがボールを保持し、クリスタルパレスがカウンターを狙う、そんな構図が試合序盤から出来上がった。シティがボールを保持すると、クリスタルパレスは自陣に4-5-1でブロックを敷き、シティの攻撃を待ち受けた。中盤5人を横に並べる事で中盤の横幅と、ライン間、ギャップの縦パス、斜めのパスを入れさせないように、中盤に蓋をしながらシティのボール保持に圧力をかけに行く狙いがあったクリスタルパレスのボール非保持。中央の3人はライン間とギャップを閉める意識は非常に高く、コンパクトに保っていたが、それでも、シティの選手たちは技術の高さを見せて縦パスを刺す攻防は非常に面白かった。通ればチャンス、通らなければカウンターという緊張感ある攻防だった。

クリスタルパレスのボール非保持での局面でもう一つ特徴的だったのが、中盤の大外に入った、左SHエゼと右SHタウンゼントのプレスだ。彼らワイドの選手は中央を切らずに、外側を切りながらシティ最終ラインへプレスに出る。

中央に誘導してボールを狙う。また4バックのワイドにボールを入れさせない狙いがパレスにはあったかもしれないが、そこをシティが上回っていき、猛攻を仕掛ける。

マンチェチェスターシティの狙い

シティはクリスタルパレスの4-5-1ブロックに対して明確な狙いを持ってボールを動かしていく、シティはボールを保持すると、左SBジンチェンコが高い位置に上がり、この試合右SBに入ったウォーカーは少し内側、右のハーフスペースに入り、これに合わせて2CBがスライドし、後方を3バックに可変する。

配置の噛み合わせ上、後方3人は比較的フリーになる。しかし、それより前の選手はクリスタルパレスの4-5の強固なブロックに阻まれ、パスコースが非常に少ない状況になっていた。

いかにこの後方3人の選手が、中盤より前の選手に時間とスペースを渡してあげられるかが、この試合のキーポイントとなったが、シティがそこのキーポイントをしっかり掴みにいく。それではどのようにシティは後方の選手の時間とスペースのアドバンテージを、前線の選手に渡していったのか見ていきましょう。

サイドチェンジ

シティの後方の選手が前線の選手にどのように時間とスペースを渡してあげたかと言うと、一つ目は大きなサイドチェンジだった。シティの後方3人のウォーカー、ストーンズ、ディアスはワイドへのチェンジサイドのボールをワイドの選手に入れることを戦術的にも明確に意識していた。

後方から大きな長いボールがワイドの選手に入るだけで、単純に前進できるし、クリスタルパレスの硬い中盤5人のブロックを一気に剥がすことに繋がる。クリスタルパレスは4バックの為に、ワイドをとる選手は比較的フリーになる。そこも狙っての後方からのチェンジサイドだったはず。

ワイドにボールが入るとペップシティのお得意技、大外からの斜めのポケット侵入を狙う仕草もとるシティだが、そこはクリスタルパレスが上手く対応していた。クリスタルパレスの中盤の選手がポケットのスペースケアをしっかりしていた為だ。それでも、大外からのドリブルの仕掛けや、逆サイドへの早いクロスで徐々にゴールの匂いを匂わせていったシティ。

シティの先制ゴールはデ・ブライネの外からのクロスからストーンズが合わせたゴールだった。デ・ブライネの素晴らしいアウトのクロスと、ストーンズの気迫のこもったヘディングは痺れた。前半の中盤で奪ったこのゴールはシティにとって非常に大きかった。その後の展開を優位に進める大きな要因となった。

運ぶドリブル

そしてもう一つがディアスの運ぶドリブルだ。ディアスはボールを持ち上がるドリブルをするのは特徴の一つ。CBをやっている選手は非常に勉強になると思います。地味だが、一つ二つとボールをドリブルで運んで、相手の中盤を引きつけてから前の選手にボールを渡すことで、より時間とスペースがある状況でボールを受け渡す術だ。

この試合でもディアスはゆっくりボールをドリブルで運んで相手を釣り出してパスを出したり、楔を打ち込む。ディアスは守備での貢献や、リーダーシップに目が向くが、やはり攻撃的スキルは高い。ペップがチョイスするCBなので配給力は高いが、その要求を余裕で答えてしまうディアスの凄さを感じられた。この運ぶドリブルもそうだが、チェンジサイドのキックの質も高く、この日は攻撃的スキルを存分に見せてくれた。

楔は忘れない

それでもシティは中盤や、ライン間への楔や、斜めのパスをプレー選択を忘れない。どんなにクリスタルパレスが中央に人を集めても、そんな状況で縦パス通すの?それが出来るシティの選手の技術の高さ。また中央をより意識させることで、外は開く。この楔のパスが迷いを与え、ボディブローとなり、クリスタルパレスの選手の足を止めていく。

この楔のパスを成立させる為に、ジェズスが非常に頑張っていた。狭いライン間や、ハーフスペースに斜めに落ちて楔や斜めのボールを受けて、体を投げ出して3人目の選手を前向きにさせるジェズスの献身的なプレー。地味だが攻撃の起点になっていた。だからこそジェズスには点を奪ってほしい。待ってるぞ📞

ボール非保持の振る舞い

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シティのボール保持での解説をここまでしてきたが、ボール非保持の振る舞いはこの試合も素晴らしかった。トランジションプレスの意識と強度の高さ。連想した前線の選手たちのプレス。帰陣の速さ。この試合でもボールを握る時間が多かっただけに、奪われてからの前線の選手たちのボール非保持での振る舞いが目立ったし、本当のよく走っていた。鉄壁のディアスとストーンズ、GKエデルソンが体を投げ出すシーンはほとんど無いほどに。

点差が開いても、途中交代の選手が入っても、そのボール非保持での振る舞いは試合終了まで変わらなかったマンチェスターシティのその姿は非常に素晴らしかった。

この強度の高い、連動した前線のプレスはコンディションの面も影響はあると思うが、後方には鉄壁がいてくれる安心感が、前から思いっきりプレスに行けると言う安心感になったのかもしれない。最終ラインには鉄壁のディアス、ストーンズ、GKエデルソンがいてくれる。そして今シーズン何度も苦しい状況で彼らが体を投げ出し、集中力を保ち、何度もクリーンシートで試合を締めてくれた光景に感化されてなのか、前線の選手の体を動かす原動力になったのかもしれない。

ペップシティといえば攻撃力に目がいきがちだが、チーム状況がいいときはボール非保持の振る舞いも非常に良いことを忘れてはいけない。今のシティはボール非保持での振る舞いの方が素晴らしいかもしれない。

おわり

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これでリーグ戦5連勝となったシティは気付けはリヴァプールを抜いて2位に浮上した。公式戦は8連勝とエンジンが徐々に温まってきたのは確かだろう。今節も安定のクリーンシートで鉄壁は健在。そして大量4点を奪えたのは収穫であり、4得点全てがセットプレーからだったのが好材料。色んな形からゴールを奪えるのは非常にチームにプラスになること。ストーンズが2発の大活躍!進化して完全に戻ってきたぜ!

過密日程やコロナの影響で変わらず人選は大変だろうが、今のシティの選手は出る選手が皆チームの為にプレーしているのが非常にいい状態ではないだろうか。チームの雰囲気が良さそうなのが映像からもよく伝わる。

この状況が長く長く続いてほしいが、苦しい状況はきっとくるはず。そんな状況を耐える、切り抜く力も絶対に必要になるはずだ。それでも今は、この調子を活かして勝点積み重ねていきましょう!

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