【ロマン溢れる3バック】WBA vs マンチェスター・シティ【プレミアリーグ第20節 戦術分析・レビュー】

サッカー戦術分析
この記事は約7分で読めます。

前節6連勝を飾ったシティだが、攻撃の絶対的な存在デ・ブライネが負傷離脱。これがチームに及ぼす影響は大きいはず…大きいのは確かだが、その不安を忘れさせるかのように、シティの選手たちの攻撃力が爆発。この強さは本物か?

さぁ、簡単ではありますが試合をふりかえっていきましょう!

WBAの狙い

WBAの狙いがキックオフから少し見受けられた。キックオフをシティの左SBジンチェンコに目掛けて長いボールを入れて競合い挑む形。ジンチェンコの身長を狙って長いボールを競り勝ち前進する狙い。キックオフ早々にこの狙い通りにボールをシティ陣内へ押し込むことに成功。ロングスローからペナに侵入し、シュートまで持ち込むシーンも。GKのジョンストンも何度か左SBジンチェンコ目掛けて長いボールを蹴り込み、競合いを挑んでいた。しかし、WBAの決定的なシーンはこれ以降ほとんどなかった。

前半2分シティが鋭いカウンターからフォーデンのシュートがポストを叩く。シティの猛攻の狼煙が上がった。

今期のらしさ詰まった先制点

この試合も、シティの戦術的な特徴はゼロトップと『カンセロロール』だった。『カンセロロール』とはシティがボールを保持するとカンセロがSBの位置から中盤に入ってボールを受ける役割だ。カンセロだからこそ出来る戦術。今のシティの好調を支えるキーになっている要因の一つ。この試合でも『カンセロロール』のお陰でシティのビルドアップに、フィニッシュワークに優位性を与えWBAを押し込み続けた。

Embed from Getty Images

もう一つの今のシティの特徴がゼロトップ。シティの純ストライカーであるアグエロはコロナ陽性、ジェズスもコロナ陽性からの復帰で本調子のコンディションにはまだ程遠い。その為ワントップのポジションには色んな選手が立ち代わり、入れ替わり状態だ。確かにストライカーポジションに、純正のストライカーがいないネガティブな要素もあるが、今のシティはそんなネガティブな要素を感じさせない働きをこのポジションに入った選手が示している。ワントップが立ち代わり、入れ替わりで選手が入れ替わっているといったが、それは決して悪い意味ではない。相手に合わせてコンディションを踏まえて、人選され起用された選手はペップの求める働きを十分遂行している。ワントップにはフォーデン、スターリング、、トーレス、ベルナルド、が起用され、この試合ではマフレズがワントップに起用された。

この試合もワントップに入った選手にはゼロトップの働きが求められた。ゼロトップはDFラインの背後を狙うと言うより中盤に落ちてボールを引き出し中盤に優位性を作ること。そして落ちてボールを引き出すことで、相手CBを釣り出して2列目の選手をランニングさせて相手の最終ラインの背後をつく戦術も担っていた。

そしてこの『カンセロロール』とゼロトップの戦術が見事にマッチした形が先制点に詰まっていた。

カンセロが中盤に入りフリーでボールを受ける。それに合わせてトップのマフレズが落ちてボールを引き出すアクションを起こす。それにつられてWBAのCBが釣り出されると、2列目のギュンドアンが背後をとる。カンセロから背後をとったギュンドアンへ浮き玉が通ると、ギュンドアンは素晴らしいコントロールからのミドルシュートでをゴール左隅に流し込み鮮やかに先制点が生まれた。

バランス保ったポジションチェンジ

先制点を奪ってからシティの猛攻は終わらなかった。前半だけで4点を奪い簡単に勝点3を持ち帰ったシティ。WBAはボール非保持の局面で4-4-1-1の配置で中央を締めてシティの猛攻を凌いでカウンターを狙う戦術があったはずだが、シティのボールの出所を抑えられず、縦に横に揺さぶられて翻弄され続けた。ボールの出所を抑えられなかった1番の要因はシティのバランスを保ったポジションチェンジだった。シティがボールを保持した時の配置は極めて説明がしづらい。フォーデンが左の幅をとり、ロドリがアンカーで2CBのストーンズとディアスが後方で待つだけで、他の選手たちの立ち位置はその状況に応じて目まぐるしく変わる。

Embed from Getty Images

両SBのカンセロとジンチェンコは非常に起用な選手でインサイドに、ワイドにポジションをとり続ける。ギュンドアンとベルナルドは縦横無尽に動き回り、ビルドアップに相手のゴール前にも顔を出す。マフレズはボールに関わり続け、スターリングは右のワイドにトップにポジションをとる。こういった目まぐるしいポジションチェンジによりWBAの選手たちはシティのボールの出所を抑えられなくなった。それに加えてシティの選手たちのポジションチェンジのバランスを保ちながら行うのでこれまたWBAにとっては厄介だった。

ただポジションをチェンジするのでなく。誰かが落ちれば、誰かが背後をとる。誰かがワイドに張れば、誰かがチャンネルへランニングする。どちらかを抑えればいい単純な仕事ではなく、複数の複雑な仕事を押し付けられるイメージだ。それも何回も、猛スピードで。そうなれば体力的にも精神的にも疲労は大きくWBAの選手たちの足と頭は止まっていった。

ロマン溢れる3バック

後半に入りフォーデンとギュンドアンに代わってラポルテとトーレスが後半早々に投入された。ジンチェンコがインサイドハーフに上がり、ラポルテが左SBに入った。そしてこのロマン溢れる形が現実に。

ボールを保持すると右SBのカンセロは前半同様にインサイドに絞ってプレーし、最終ラインにはラポルテ、ディアス、ストーンズの3人が並ぶことに。ディアスが加入した当初にはこの3人が同じピッチで一緒に最終ラインに並ぶことは考えにくかっただけに不思議な気持ちであり、嬉しい気持ちにもなりました。

この3人が後方にいてくれる安心感により、前の選手はより思いっきり、大胆なプレーができるのではないだろうか。今シーズンのディアス、ストーンズの鉄壁コンビニ加え、ラポルテのコンディションが戻ったら正に鬼に金棒。ラポルテの左SB起用は、『カンセロロール』をより活かす意味でも増えるかもしれない。

ラポルテ、ディアス、ディアスの後方からの配給力は世界屈指!ですね!

おわり

Embed from Getty Images

シティは5-0と勝利。守備でもクリーンシートとしっかりゲームも締めた。これでリーグ戦7連勝と、ついに首位に躍り出たマンチェスターシティ。超大混戦の今期のプレミアリーグ。すぐに順位は変わると思うがしばしの余韻に浸ろうではないか。

過密日程、難しい人選の中、確実に勝点を重ねているシティ。勝点だけでなく、成長も重ねているシティの戦いぶりには目が離せない。ペップが仕掛ける人選、戦術も毎試合微妙に違うのも楽しみな一つ。次の試合が待ち遠しい。

コメント

タイトルとURLをコピーしました