【Jリーグ第3節】川崎フロンターレvs横浜F・マリノス

サッカー戦術分析
この記事は約9分で読めます。

神奈川ダービー!
Jリーグ王者フロンターレと
開幕2連勝のマリノス!
攻撃型の両チームの一戦!

マリノスの攻撃をはめ込むフロンターレ!
マリノスの前線からのハイプレッシャーを
かいくぐるフロンターレ!
中盤の球際の激しさは時間が経つとヒートアップ!

両チームの攻防は非常に面白かった。
意地と意地のぶつかり合いとなった白熱ダービー!

まずは、スタメン!

スタメン

マリノスはティーラトンがリーグ戦今シーズン初スタメン。三好が契約上フロンターレ戦は出場出来ない為大津が今シーズン初スタメン!
大津選手はこの試合守備で奮起していた。

フロンターレはターンオーバー?の為今シーズンは選手を入れ替えて戦うフロンターレ。
小林、中村はベンチスタート。
アップ中に大島が足に違和感を感じ、急遽田中がスタメンへ。田中もこの試合中盤で存在感を発揮して奮起した!

キックオフからフロンターレがマリノス陣内へプレス。
フロンターレのプレスにはヒントが。
それは、これからマリノスと戦う他のチームにとってはヒントになる要素が詰まっていたのかもしれない。そんな戦い方だった前半のフロンターレの攻撃的プレス!

フロンターレのプレス

①喜田封じ

マリノスの攻撃の要であるアンカー喜田へマンマーク。FWが縦の関係になって喜田のマークについた。喜田へボールが入るシーンを減らすことに成功したフロンターレ。そしてCBの畠中はビルドアップの能力が非常に高い。その為かチアゴにボールをあえて持たせるプレスの掛け方もしていた。そのプレスでマリノスの攻撃を停滞させた。


やはりやってきたかという印象。チェルシーが今シーズン開幕からスタートダッシュをした時にアンカーのジョルジーニョが自由にボールを触っていた。しかしスカウティングが入り、ジョルジーニョ封じをどのチームも行ってからチェルシーの攻撃は一気に失速した。


これから喜田封じをどのクラブも行ってくるだろうと自分は見解している。その時にどのような戦い方をするのか。課題になるかもしれない。しかしそれを剥がし前進する喜田。彼の能力の高さを伺えるシーンも多く見られた。

②偽SB封じ

②偽SB封じ
マリノスはSBが中央に入ったり自由に動く。SBの位置にいるが、実は嘘のように配置を崩し、相手を撹乱させるのが作戦。フロンターレはその偽SBのティーラトンと広瀬へのマークはタイトで激しくいった。特に右SBの広瀬は狙われた。彼は配置を崩して中央へ入るのでフロンターレは彼へタイトなプレスを仕掛けた。そこでボールを奪って広瀬が空けた左サイドのエリア(フロンターレが攻める左)から攻め込むシーンが多かった。

③プレスバック

③プレスバック
マリノスの大外に張るマルコスと仲川にボールが入ると中盤の選手がすぐにプレスバックをし、マリノスのボールを奪いにいった。

④先制点を生み出したプレス

④連動したプレス
知念レアンドロがCBにプレスに行くと喜田が空く。それに連動して中盤の守田田中が喜田のマークにつく。マリノスも2CBにプレスが来るとアンカーの喜田が空くのを理解してGKの飯倉から一気に縦パスを入れるのがパターンの1つ。それを狙ってボールを奪うシーンがフロンターレの先制点の起点だ!知念の最初のポジションはアンカーの喜田にマークをついている。途中でCBへプレス。それに連動して中盤の2人がアンカー喜田へプレスへ行きボールを奪いショートカウンターを発動!


マリノスの回答は?

マリノス戦い方

マリノスの守備

スペースを守るというより、ボールに行くのがマリノスの守り方。自分たちがボールを握るための守り。
ボールに人数をかけてボールを狩りとる攻撃的守り。この試合でもこの守備コンセプトの良さと悪さが出た。

メリット
人数をかけて、スペースを圧縮することで相手の時間とスペース奪い、プレーの判断を難しくさせるのが狙い。次々とボールに出て行く。またマリノスはボールに対して多くの人数が関わる。ボールを奪われた瞬間複数のマリノスの選手がボールの近くにいる事が考えられる。そこで即時奪還を試みて一気にボールを奪い二次攻撃を仕掛ける。マリノスの1点目はこのボールに行く守備でフロンターレにロングボールを蹴らせセカンドボールを拾ったことから生まれたゴールだった。
デメリット
人数をかけること、スペースを圧縮することは、自分の守っているスペースを空けるという事でもある。スペースを空けるということはそこを使われる可能性が高まるという事だ。マリノスはそこの意識はまだ薄いかなとういう印象。また一方のサイドに圧縮するという事は逆サイドが空く。圧縮したところを剥がされると一気にピンチになる。圧縮して、人数をかけて襲いかかるマリノスのプレスを、フロンターレは意図も簡単に剥がすシーンは流石だった。時間が経つにつれて中盤の攻防は激しさを増し、観ている側としてはその攻防が非常に面白かった。
前からのプレスを可能にするのがハイライン。
後方からラインを押し上げ全体を圧縮させた。
また前線の献身的なプレス(長い距離ボールを追い回す)のお陰でDFラインが上がる時間も創っている。チーム一体でボールを狩獲るんだ!と意識が観られた。

流石のフロンターレ。それを踏まえた攻撃を仕掛ける。

フロンターレの攻撃

ハイラインのマリノスの裏を狙う攻撃も目立ったフロンターレ。その狙いもあってレアンドロ・ダミアンと知念の2トップだったのかもしれない。これがフロンターレの強さ。早くもゆっくりも攻めれる。一気に裏を狙ったりフロンターレらしいショートパスで剥がしたり。時と場合によって相手の嫌なことをするフロンターレ。それができるのがフロンターレの強さなのかもしれない。

この試合ではフロンターレらしいボールを握る事はあえてやらなかったのかもしれない。勝つための最善がこの闘い方だったのかもしれない。

マリノスの攻撃の狙い

SBを釣り出してチャンネルへ侵入

図のようにフロンターレのSBを引き出してチャンネル(CBとSBの間)からフロンターレのゴール前へ侵入。そこから逆サイドまで抜ける勢いの低くて速いクロスを入れるのが狙い。何度もこのシーンでフロンターレを脅かした。マリノスの1点目もこの形から右サイドのチャンネルから侵入し、仲川がクロスしマルコスがゴールを決めた!

これで仲川はJ開幕から3試合連続でアシストを記録した!

CB畠中の高精度フィード

この試合もCB畠中からの構成のフィードはマリノスの攻撃の起点となっていたのは間違いない!ミスが少ない、しかも攻撃の起点になる縦パスや長いボールを高い精度で前線へ供給する。今年のマリノスを!守りで!攻撃で支える選手の1人だろう!
そして、日本代表にも初選出が決まった!これからの活躍に益々期待が膨らむ選手!

大津祐樹

Embed from Getty Images

今シーズンJリーグ初先発だった大津。
この日は攻守で本当に奮闘していた印象。
攻撃では1点目の起点となるパスを仲川に送ったり、サイドをランニングしフロンターレを切り裂いて。
攻撃よりも守備での貢献度が高かった。中盤で何度も身体を投げ出し、気迫溢れるアタックでフロンターレのボールを奪った。途中交代するまで本当に労を惜しまずチームの為に走った!

独り言

独り言です。少し気になる事が。
フロンターレの心臓、大島と守田。大島は前節の試合を観て。守田は前節とこの試合を観て。やはり相手のマークがタイトになっている。コンディションも上がっていないのかな?ミスが少なくないなと独り言…ボールをしっかり持てる技術がある!逆に言えば相手のプレスが集まるということでもある。この2人がフルスロットのコンディションになったら、益々フロンターレは止められなくなるだろう。

Embed from Getty Images

試合の総括

神奈川ダービー。
攻撃型の両チームのぶつかり合いは非常に面白かった。試合が経つにつれて球際の闘いはヒートアップ。意地と意地のぶつかり合い。獲っては獲り返す!最後はマリノスのロスタイムの同点ゴールで試合を締めくくった!
あえてボールを持たなかったフロンターレの戦術。それでも繋ごうとするマリノス。前線からのハイプレッシャーのやり合い。非常に面白かった。
王者フロンターレの試合巧者ぶりや、マリノスの貫くスタイル!中身がたくさん詰まった90分。両チーム無敗継続。マリノスは2勝1分。フロンターレは3分と負けてはいないが思い通りには戦えていないだろう。フロンターレに対しては対戦相手はいつも以上のモチベーションで挑んでくるだろう。王者の宿命。しかしJリーグ3連覇を目指し徐々に調子を上げていくだろう。この両チームの次の対戦が今から楽しみだ!

試合結果 Jリーグ第3節
横浜F・マリノス 2ー2 川崎フロンターレ
得点者
マリノス:マルコス、扇原
フロンターレ:レアンドロ・ダミアン×2

コメント

タイトルとURLをコピーしました