【ペップ伝家の宝刀ポケット侵入!】マンチェスター・シティ攻撃戦術

サッカー戦術分析
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今回はサッカー界に多大な影響を与えている革命家であるペップ・グアルディオラ率いるマンチェスター・シティの攻撃戦術についてチラッと覗いていこうと思う。

革命家ペップ・グラルディオラ

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ペップがサッカー界にもたらした革新的なスタイルや戦術は数知れている。偽SB、GKの攻撃参加、0トップetc…新たなスタイルを創造するだけでなく、そこから日々アップデートするのもペップの凄みである。今期も従来の偽SBから進化した形(カンセロロール)を生み出しシーズン中盤(20/21)で公式戦21連勝という大きな記録をうちだした。アップデートを繰り返し、チームを強くし、サッカー界に大きな衝撃を与え続けている。

そして今回取り上げる『ポケット侵入』もペップのお得意技の1つ。マンチェスター・シティの試合を見るとフィニッシュの局面になるとこの『ポケット侵入』からのゴールがよく見られる。1シーズン100点を奪うこともあるペップシティの攻撃力はこの『ポケット侵入』に隠されているのかもしれない。

ポケットってどこなの?

サッカーの目的はゴールを奪うことだよね!

ゴールを奪う目的を達成する為にシティが狙うエリアが『ポケット』なんだよね!

さっきから出てる『ポケット』ってなに?

『ポケット』とは…

その前にゴールを奪うためには何をする?

まずはシュートを撃たなきゃダメでしょ!

そうだね!

でもただシュートを撃ってもゴールは入る?

闇雲に撃っても入る確率は高くないよね。だからシュート撃ちまくる!

確率を上げる意味ではシュートの回数を増やすことも重要!でもシュート数が20を超えてもゴールが奪えないのはサッカーには良くある話…

他にはゴールの確率を上げる方法はあるかな?

シュート数を増やす以外に…

遠いよりは、近い方がいい!

出来るだけ近い方が確率は上がる!

おお!

どんどんゴールの確率が上がってきた!もっとゴールの確率を上げるには?

うーん?

まだあるかな…GKいなければもっと確率上がるけど…

GKのいない無人のゴールへシュートするのが確率一番高いよね!そんなシチュエーションを完璧に作り出すのは難しいけど、出来るだけゴールに近づき、出来るだけGKがいない状態をつくり出してシュートを撃つのが確率的には高いってこと!

そんなシチュエーションをつくる為にキーワードになるのが『ポケット侵入』ってこと?

そういうこと!

『ポケット』とはゴールの正面のエリアを除いた、左右のエリア。ペナルティエリアの中の左右のエリアを意味する!

ペップシティのフィニッシュはここのエリア『ポケット』を目指して色んな形、あらゆる角度から侵入を目指して攻撃を組み立てていくの!

なぜポケットを目指すの?

うん!ペップシティの特徴の一つである『ポケット』侵入について理解できた!でも、なんで『ポケット』へ侵入するの?利点は何かあるの?

それでは、さっきチラッと話した様に、ゴールの確率を上げる方法についての話を思い出してもらえる?

えーと…

①シュートをうつ回数を増やす

②ゴールに近ずいてシュート

③GKのいないゴールへシュート

実は、『ポケット』へ侵入するとそんなゴールの確率を上げられるの!

それは凄い!だからペップシティは『ポケット』を目指すのか!

もっと細かく説明すると、『ポケット』侵入からのクロスor折り返しの最強パックでペップシティはゴールを量産しているの!

なぜペップ・マンチェスターシティはポケットを目指すのか?

①ゴールに近いから!

ポケットへ侵入できれば単純な話、よりゴールに近づける。遠くからシュートをうつよりも、ゴールに近い方がシュートが入る確率は上がるからポケットへ目指すのだ。

②守りにくい憎いエリア!

『ポケット』を守る側の対応は実は難しいのだ。GKが出にくく、DFラインが対応しにくいエリアでもあるのだ。ゴールが近づくほどゴールを守る相手はゴールを守る意識は強くなる。ゴールを守りながらDFラインの背後のスペースの対応をしなければいけない状況を思い浮かべてほしい。やることが多くなれば人の思考は遅くなり、時には停止してしまう。ゴール前でそんな状況に陥ってしまえばどうなるだろうか?そんな一瞬の緩みが失点に直結してしまうことはサッカーファンならお分りいただけるだろう。

それプラスGKが出にくい位置であることが『ポケット』侵入のまた憎いところなのだ。ゴール正面の脇のエリアであるポケットにGKが出ればゴールががら空きになってしまう。ゴールを無人にすることはGKにとっては非常に勇気のいる判断であり、一瞬でも判断を誤ってしまえば失点に直結してしまう。

DFラインにとっては守りたくても守りにくい。ゴールが近いことでよりボールウォッチャーになってしまい背後を取られる。GKにとってはボールへ出たくても出れない実に微妙なエリア(ポケット)!

ポケットは実に憎いエリアでもあるのだ。

③バイタルエリアを空ける!

それではDFラインが下がって最初からポケット侵入させない様にすればいいじゃ!そうなれば今度は空いてくるエリアが出てくる。それはバイタルエリアだ。バイタルエリアとはペナルティエリアの先端のエリアでそこを開けてしまえば今度はミドルシュートの嵐を浴びることになるでしょう。

④ポケット侵入→クロスは最強パック!

クロス対応はゴールを守る選手からしてみれば非常に難しい。GKとDFラインに速いクロスを上げられると非常に難しい。ゴールを守りながらクロスに入ってくる相手を捕まえなければいけない。そして自分のゴールに向かって戻りながら、体の向きを変えながら対応をしなければいけない。身体も頭も目もフルに使わなければいけないのがクロス対応なのだ。

そんなクロスをサイドギリギリで上げられれば、ボールが中に到達されるまでには少しの猶予があり準備をする時間が多少与えられるが、ポケットに侵入されてクロスを上げられてしまえばそんな猶予はさらに少なくなってしまう。

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外からのクロス対応も難しいのに、さらにゴールに近いポケットからのクロス対応の難易度は当然高くなる。

そしてクロス合わせる側にとっては非常にゴールを奪いやすいのがクロスの利点の1つ。クロスを対応する守備者には難しくて、クロスを合わせる攻撃側にとってはゴールを奪うのが簡単!?だから試合のハイライトを見てもサイドからのクロス、サイドをえぐって横パスからのゴールが多いはずだ。

前述したゴールの確率を上げる方法として「GKのいない無人のゴールへのシュート」というのがあったと思うが、そういった状況をクロスから作り上げることも出来てしまう。クロスがフォーサイドに流れてGKの居ないゴールへ押し込むシーンはよく見られる形ではないだろうか?

ペップ・マンチェスターシティのポケット侵入方法!

ポケット侵入は大きく分けて3つ

①同サイドポケット侵入
②逆サイドポケット侵入
③中央からポケット侵入

①同サイドポケット侵入

同サイドからのポケット侵入は大まかに2つ。

サイドから斜めのボールをポケットへ供給する形と、ハーフスペースからポケットへの縦パスを供給し外からの斜めのランニングだ。

サイドから斜めのボールをポケットへ供給

次はハーフスペースからポケットへの縦パスを供給し外からの斜めのランニング。バックドアとも呼ばれる相手の背後をスッととってしまう形。1点目は後ほど解説する中央からのポケット侵入。2点目が同サイドを使ったポケット侵入の形。ハーフスペースからポケットへの縦パスを供給し外からの斜めのランニングから得点が決まった!

ヴェルディの崩しも非常に美しかった。Jリーグでは他にも横浜F・マリノスもポケット侵入からのゴールが多いのは特徴だ。

②逆サイドポケット侵入

逆サイドからのポケット侵入は同サイドのポケット侵入以上に相手にとって非常に対応が難しいかもしれない。しかし、そこへボールを供給する攻撃側の難易度も非常に高い。ボールの質、ランニングするタイミング。これが決まればゴールの確率は格段に上がる。

今シーズンペップシティの快進撃を支えるカンセロ。カンセロロールと呼ばれる新たな境地も開拓している彼だが、ポケットへ供給するボールの質も非常に高いのだ。そんな彼のスキルの高さを証明する、逆サイドポケットへの2つの供給をご覧あれ。

③中央からポケット侵入

ポケット侵入はサイドからの起点だけでなく、中央からも侵入出来てしまうのがまた相手にとっては厄介なところである。お次もカンセロ。SBの位置からバイタルエリア中央でボールを受けたカンセロがハーフスペースで待ち受けるスターリングへ2本パスを送り込む。シティではアンカーのロドリもこういったボールを供給する。もちろんフェルナンジーニョもお手の物。

④バイタルエリア攻略

シティが当然ポケット侵入するというのはどんな相手も知っているので、当然の事ながら対応をしてくるが、ポケットのスペースをケアすると、今度はポッカリと空いてしまうエリアがある。それがバイタルエリアである。どこかに対応をすると、どこかのエリアが空いてしまう構造を作り出すのもペップシティの大きな特徴の1つだろう。

マフレズが一度ポケットへランニング。相手が下がる。マフレズ動きなおして空いたバイタルエリアでベルナルドからボールを受け取り見事なミドルを突き刺す。

ペップ・マンチェスターシティの2段階ポケット侵入

この映像からシティがいかにポケットへの侵入を意識しているか分かると思う。一段階でダメなら二段階!という具合にどんどんポケットへ侵入する。ポケットへの侵入アクションの度に相手の陣形が壊れていく様子が明確に。しつこいくらいにポケットに侵入しゴールを奪ったシーンだ。

おわり

マンチェスター・シティの試合を見るとフィニッシュの局面になるとこの『ポケット侵入』からのゴールがよく見られる。そしてそこを防ぎに来る相手チームの対策にフォーカスしてシティの試合を見ても面白いかもしれない。

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1シーズン100点を奪うこともあるペップシティの攻撃力の秘密の1つがこの『ポケット侵入』に隠されている?と思っていただけたのではないだろうか。

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