【立ちはだかる鬼門】CL round8 2ndleg ドルトムント×マンチェスター・シティ【サッカー戦術分析・レビュー】

サッカー戦術分析
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さぁ、ペップシティにとって鬼門のチャンピオンズリーグround8。この壁に何度も何度も跳ね返されてきたペップシティだが今シーズンも厳しいround8になった。しかし、シティの未来がまたもや試合を決定付けた。

それでは簡単ではありますが試合を振り返っていきましょう!

ドルトムントのシティ封じ

試合序盤からホームのドルトムントが前のめりの姿勢を見せる。ホーランドを起点にした長いボールや、後ろからボールを繋ぎシティのプレスを集めてひっくり返して前進していった。

ドルトムントはシティにボールを持たれるのは前提に、前回の1st leg同様に自陣で4-5-1の守備ブロックを敷いてシティの攻撃を停滞させにいった。中盤に5枚の選手を並べて中央を圧縮。シティのボールを自分たちのブロックの外へ。外回りに外回りにボールを誘導していったドルトムントが前向きでボールを引っ掛けてカウンターに繋げるシーンも見られた。

そしてドルトムントのボール非保持でのもう一つの特徴としてシティの右サイドを塞ぎにいく意識が高かったように感じた。シティの右WGマフレズへボールが入らないように注意しながら出来るだけシティの左サイドへボールを誘導していった。案の定マフレズにいい形でボールが入ることはなく、彼の左足からチャンスらしいチャンスは放たれなかった。

掻い潜るドルトムント

ドルトムントはボール保持の場面でも上手くシティを操れていた序盤であった。シティの前からのプレスは試合序盤WGが外を切りながらCBへプレスに行き、この試合ワントップに入ったデ・ブライネがアンカーを監視する形であった。ドルトムントの2シャドーのベリンガムやダフートへのパスコースを限定させることや、ホーランドへの縦パスをケアする意味でも、中盤にロドリ、ギュンドアン、ベルナルド、そして前からアンカーのスペースを埋めるデ・ブライネと中盤に厚みをもたらしたのかもしれないあが、このプレスをドルトムントに上手くすり抜けられるシーンが試合序盤は多く見られた。

CBのアカンジやフンメルス、GKヒッツがシティの前プレに臆することなくゆっくりボールを動かして、両SBをビルドアップの出口としてシティのWG外ぎりプレスをすり抜けていった。

そしてドルトムントが先制点を奪い去った。自陣からアンカーのジャンがシティの高いラインの背後へフィードを送り込むとホーランドがランニング。背後を取られたシティではあったが、ホーランドのスピードをダウンさせることに成功した。しかし、そのフィードを合図になだれ込むドルトムントの選手たち。最後はペナルティエリア内でこぼれ球を拾った17歳ベリンガムが難しい態勢から右足を振り抜き、GKエデルソンの手を弾いてボールはゴールに吸い込まれて、ホームのドルトムントが先制に成功!

このゴールで2戦合計でリードしたドルトムント。シティには難しい状況が突きつけられた。

プレスの形を変えたシティ

先制点を奪われたシティではあったが、プレスの形を変えることで少しづつゲームをスローペースに持ち込み、流れを生み出していった。

WG外ぎりプレスからベルナルドを一列前にあげて、4-4-2の形でプレスにいく。これが徐々にドルトムントを苦しめていく。

この試合のドルトムントのビルドアップ時に抑えなければいけない選手はCBだったのかもしれない。確かに前にタレントがいるドルトムント。その選手たちのスペースケアの為に中央を閉めにいったが、フリーのSBを上手く使われてしまったシティ。そしてその前線にボールを送り込むのはビルドアップ能力の高いドルトムントの2CBだ。

シティは4-4-2の形で前からプレスにいくことで、配給力の高い2CBへプレスに行けるようになった。ドルトムントのアンカーのジャンが開くシーンもあったが、それよりも配給力の高い2CBを抑え、窮屈にさせることでビルドアップを手詰まらせていった。

ブロックの中へ

失点してからシティが立て続けにチャンスを作ったが、ゴールは奪えないままドルトムント1点リードでハーフタイムへ。

そして後半。シティがより勇気を持ってボールを動かしていく。ドルトムントの中央硬いブロックの中へ勇気を出してボールを入れていく。

前半のシティのチャンスシーンもドルトムントのブロックの中にボールが入った時が多かった。後半はよりブロックの中への侵入を意識したプレーが見られ、徐々にドルトムントを分解していった。

そして後半すぐにシティが同点に追いついた。後半51分小刻みにボールを動かし左サイド深くまで侵入。最後はフォーデンのクロスにドルトムントのジャンがペナルティエリア内でハンドをしてしまいPK!これをマフレズが気持ちのこもったキックでゴール右へ突き刺し同点に。2戦合計で再びリードしたシティ。

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今度はドルトムントにのしかかる大きなプレッシャー。もう1点が必要となり、前のめりになるドルトムント。そうなるとシティがカウンターを打つシーンが増える、そんな展開へ移り変わっていった。

胸熱です。

段々とオープンな展開へとなっていったが、試合を決定づけたのはシティの未来だった。シティはショートコーナーからフォーデンがペナの外でボールを受けると思いっきり左足を振り抜く。左足にジャストミートしたボールは無回転気味に右のポストに吸い込まれて、バーを叩いてボールがゴールに吸い込まれていった。

フォーデンがシティの勝利をグッと手繰り寄せるゴールを叩き込んだ。これのゴールだけで胸熱だが、ゴールを決めたフォーデンはすぐさまベンチに駆け寄り、ペップの元へ。2人は熱い抱擁を交わし、そこに雪崩れ込むチームメイト。胸熱は最高潮に。

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このゴールセレブレーションにはペップシティを物語る想いやストーリーが詰まりに詰まっているようにも感じて本当に胸熱だった。

そして試合はシティの逆転勝利!
ペップシティ初のチャンピオンズリーグround4進出を決めた!

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