【ポルトガルが目指す先は?】EURO2020 Round16 ベルギー×ポルトガル【サッカー戦術分析・レビュー】

サッカー戦術分析
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いよいよEURO2020は決勝トーナメントへ。ラウンド16で実現したベルギーvsポルトガルの一戦。世界ランキング1位のベルギーと、前回EURO覇者のポルトガルの一戦。ラウンド16でぶつかるには勿体無い!しかし、この段階でこのビックマッチが実現しちゃうのもEUROの醍醐味!

ゲームの予想は?

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ベルギーはグループステージを危なげなく3連勝で突破し、その強さを証明して見せた。対するポルトガルは死のグループFを3位でギリギリ突破してこのラウンド16に進出してきた。

グループステージの両チームの試合を見た感想としては、この一戦は打ち合いになると予想してました!両チームともにグループステージ3試合で7得点を奪う攻撃力。しかし、ポルトガルは守備の脆さも同時に浮き彫りとなった。ドイツに4失点を食らうなど、3試合で6失点。点を奪うけど、失点もする!そんなチームだった。

ベルギーはグループステージで失ったゴールは1失点と、守備の安定もある!と結果だけ見ればそうかもしれないが、決して堅守!と言える姿ではなかった。危ないシーンも少なくなく、最後は個の力でどうにかしてしまうシーンもあった。でもそれがベルギーらしいといば、ベルギーらしい!

そんなことを踏まえて、私のこの試合での一つの予想としては、オープンな打ち合いになるかも!と大いに期待していたが、その予想はまんまと外れた。

ゲームの入りから、両チームオープンな展開を避けるように、ゆっくり、じっくり睨み合う。

ポルトガルの課題は解決したのか?

両チームのスタメン!

試合序盤ボールを握っていったのはベルギーだった。ベルギーのボール保持の配置は3-4-2-1。後方3バックで、WBが大外のレーンを陣取り、5人の選手が中盤で流動的に動き、ボールを動かす狙いがあった。ポルトガルはこのベルギーと似たような配置をとったチームに、グループステージで叩きのめされた。それがドイツ代表だ。その敗戦から何を学び、5レーンを使うベルギーに守備の局面でどんな対応をするのか?同じ誤ちをおかしてしまうのかは、一つの見所であった。

ベルギーのWBどうするポルトガル?

ベルギーがボールを保持すると。ポルトガルは5-4-1、もしくは4-5-1のブロックを敷いてベルギーの前進を待ち受けた。右のWGベルナルドを最終ラインまで下げることで、後方を5バックにしてベルギーのワイドにポジションをとるWBをフリーにさせないようにした。

WGベルナルドが戻って5バックを形成すればベルギーの攻撃をスローダウンさせることは出来たが、間に合わない時は大外から何度かクロスを上げられていた。5バックが形成出来なように、ベルギーがボールを動かしていったのがまた巧妙だった。

デ・ブライネが深く下がって、前を向いて一気に右WBムニエへ長いボールを送り込んだり、中盤の優位性を作って、ベルナルドとジョッタのWGを釣り出して、大外のレーンを開けて前進するシーンも見られた。

そしてポルトガルを自陣に押し込み、WBがワイドの深い位置をとることで、ポルトガルの両ワイドを押し下げ、6バックにさせるシーンも。後ろに重心が重くなれば当然前線や中盤が手薄になることで、セカンドボール拾えず、前半中盤はベルギーがポルトガル陣内でボールを長く握るシーンもあった。

それでもポルトガルが流れを引き戻していった。

プレスにいけない左サイド

ポルトガルは自分たちでボールを握る時間を徐々に増やしていき、主導権を取り戻していった。ベルギーはボールをポルトガルに持たれると、5-2-3の形を形成し、ジリジリとポルトガルのボールを追い込む狙いがった。これに対してポルトガルは再現性を持ってボールを前進して見せた。

左SBのゲレイロが高い位置に上がらずに、CBの平行のライン。それよりも少し前の、ベルギーの前線3人の脇でボールを引き出して、左SBのゲレイロは何度もフリーで前を向くことに成功していた。ドリブルで前進したり、ベルギーの右WBムニエのプレスを釣り出して、その背後へボールを送り込んでいく。そこに、中盤のレナト・サンチェスも斜めに落ちてきてボールを引き出したり、ベルギーの中盤ティーレマンスを引き連れて中央をスッポリ開けることにも成功していた。

しかし、ぽっかり空いた中盤をポルトガルは効果的に使えなかった印象。長いボールをワイドに送り込み、五分五分のボールで前進を試みるシーンが多かった。レナト・サンチェスが作った中盤のスペースに、もう一人のIHモウティーニョがフリーだったり、前線から落ちたロナウドがフリーになるシーンもあり、そこにボールを打ち込めていたら、また状況は変わったのかもしれない。

そしてこの時間帯(前半終盤)、ボール非保持の局面でもベルギーを押し込めるシーンが増えていったポルトガル。ベルギーのWGが高い位置に上がる前に、ベルギー陣内深くへプレッシングをかけてボールを奪い押し込んでいった。流れを完全にポルトガルが握り返したと思った状態だったが、あっと言う間に、ベルギーが先制点を奪っていった。

いなしたベルギー

前述した通り、ポルトガルはボールを持っていない局面で、前からのプレッシングでベルギーを押し込むことに成功できていた前半終盤だが、そこを逆手に、ひらりとベルギーにいなされてしまったのが、失点シーンだった。

ベルギーがゴールキックをショートパスで繋いでいく。ポルトガルは勢いそのままに前のめりでプレスにでる。しかし、そこを逆手に中盤のティーレマンスがGKクルトワの縦パスをワンタッチで左CBのフェルトンゲンをフリーにさせた。前向きでフリーとなったフェルトンゲンが前線へロングボール。この時アザールが前線から落ちることでCBぺぺを釣り出し、その空いたスペースにルカクが走り、ボールを引き出し、相手DFを背負いながらあっという間にポルトガルのペナルティエリアへ。一気に押し込んだベルギーがボールを広い、駆け上がってきた左WBアザール弟へパスが入り、迷うことなく右足を振り抜き、スーパーミドルがゴールに突き刺さった!

この時アザール弟へのマークが間に合わなかったポルトガル。前のめりにプレスをかけた前線の戻りがどうしても間に合わなかった。WBがフリーとなる構造を上手く使ったベルギー。きっと警戒はしていたWBにやられたポルトガル。落胆は大きかったはず!

タレント軍団をどう活かす?

後半に入るとポルトガルが防戦一方に攻撃をしていった。ベルギーは前進を許していたSBゲレイロの左サイドの改善もせずに、ゴール前でポルトガルの攻撃を跳ね返し続けた。ポルトガルは何が何でも得点を奪うべく、前線のタレントを何人も投入。ユナイデットのブルーノ・フェルナンデスと、アトレティコのJ・フェリックスを同時投入。それに加えて今シーズン、ブンデスリーガで28得点を奪ったアンドレ・シウバも投入。

ポルトガルが放ったシュートは24本。後半ポストを叩くシーンもあり決定機も作り出したが、最後までベルギーのゴールを割ることは出来なかった。確かにポルトガルには運もなかったのかもしれないが、最後はCBぺぺが上がり、ロナウドと、アンドレ・シウバの3人目掛けてのロングボールと言う単調な攻撃が目立った。ポルトガルの前線には世界屈指のタレント揃いだけに、どうまとめあげて、どう活かすと言うことは難しいのかもしれないが、もう少し、チームとしての狙いやコンビネーションがあれば、ゴールは奪えたのかも…もっと見たかったチームであっただけにここで姿を消すのは残念だが、これからポルトガルがどんな歩みを歩むのかは見もの。

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ロナルドを活かす新たな戦術を探るのか?それともロナウドからの脱却を目指すのか?間違いなく世界屈指の力を持つ選手が各ポジションには揃っているポルトガル。上手いやつらが集まっただけでは勝てないサッカーの難しさであり、サッカーの面白さ。

決して自分たちのプランでゲームを運べなかったベルギーであったと思うが、それでもこのハイレベルの一戦を勝ってしまうベルギーの強さ。どんなに悪い流れでも勝ちきってしまうのがベルギーらしさになりつつあるのかもしれない。やっぱりFIFAランク1位は伊達ではない。

さぁ、辛くも勝利を飾ったベルギーが次に対戦するのが、今大会旋風を巻き起こしている、攻撃的なイタリア代表!高い個の力も、チーム力も見せているイタリア代表との一戦は楽しみでしょうがない。ベルギーはデ・ブライネとアザールの怪我が心配ではあるが、是非ともベストメンバーでぶつかり合って欲しい!

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