考察:【トゥヘルの5-2-3に込められた狙いとは?】〜チェルシー守備戦術〜

サッカー戦術分析
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今現在、世界で一番硬い守りをほこるのが、トゥヘルチェルシーかもしれない。昨シーズンのヨーロッパ王者。紆余曲折をしながら進化を遂げているチェルシー。その中でトゥヘルが形成する5-2-3ブロックはまさに鉄壁。今回はその「世界一硬い盾」について考えてみたのでお付き合いお願いします。

皆、知っているからこそ

SNSの発達。映像の発達。戦術の細分化。戦術の言語化。etc…

こういった理由から、どのチームもサッカーに昔よりも詳しくなっている。詳しくなっているとは、こういう攻め方すれば効率的にいいよね。相手がこん配置だったら、自チームはこの配置でぶつかればこのエリアがフリーになるよね。という具合に、サッカーの戦術的知識が上がっている。

■【細分化された攻撃戦術】

【細分化された攻撃戦術】
5レーンを使って攻めると優位になる。
ハーフスペースは相手が掴めにく。
中盤を経由してボールを動かすと相手は困る。
DFラインからいい状態でボールを前進出来ると、前線の選手がより良い状態でプレーが出来て得点期待値が上がる。

サッカーをよく見たりプレーする人にとっては、こんな情報はもはや聞き飽きた情報ではないだろうか?

どうやって攻めたら効率的で効果的なのか、昔よりもより詳しく知る時代だからこそ。違う見方をすると、そういった攻め方をさせなければ、効率的に攻撃も出来ないし、ゴールを奪うことは難しいのでは?と言う見解も出来る。

【細分化された攻撃戦術を逆手に】
5レーンを埋めてしまえばゴール期待値は下がる。中央を締めてボールを外へ追いやる。DFラインからのビルドアップを妨げる。そこで奪えればショートカウンターも成立出来る。

【細分化された攻撃戦術】を逆手にとった形がトゥヘルチェルシーの5-2-3なのかもしれないと考察している。

【細分化された攻撃戦術】を逆手に

ゴールの期待値を倍増させる前述した【細分化された攻撃戦術】を踏まえた上で、トゥヘルの5-2-3ブロックを見てみると面白い。不思議なことにチェルシーの守備局面の話をしているのに、このチームは良く攻撃のことも分かっているように感じる。攻撃局面に詳しいからこそ、守備局面で大きな力を発揮する。攻撃に詳しいからこそ、守備で嫌なことが出来る。どうやって攻めれば相手が嫌なのか知っているからこそ、どうやって相手を守れば嫌なのか知っているのだ。

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■チェルシーの5-3-2ブロックの狙い

・5バックになることで5レーンを埋めて相手のアタッキングエリアでの時間とスペースを消す。

・中盤センターに2枚を配置させる理由は相手に中央を使わせない為。中央にボールを入れられてしまえば、相手に複数の選択肢を与えて攻められてしまうから。また中盤の1枚がボールサイドへサポートに行った際に中盤が2枚なので中盤の厚みを薄くさせない為。その間にWBは大外をケアし、3トップの一角も落ちて逆サイドをケアする。

・3トップは相手のビルドアップの起点になるDFラインへの圧力をかける役割と、それより後ろの選手へ相手のパスコースを導き出す役割を担っている。相手が2CBならばそこへ3トップの2枚がプレス。余った1枚は少し下がって相手の中盤を見たり、時には3トップが横並びになり相手のビルドアップを妨げる蓋となる。

まとめると、
5バックで5レーンを埋めること。2ボランチで中盤センターを使わせない。相手のビルドアップ時に最終ラインにいい状態でボールへ前線へ供給させない。

この5-2-3ブロックには攻撃側がやりたい戦術をさせない狙いが詰まっているように感じる。それはトゥヘルが攻撃戦術も熟知しているとも言えるだろう。

対策の対策

トゥヘルチェルシーのこの守備戦術は、「細分化された攻撃戦術」を逆手にとったものとここまで考察しているが、今度はトゥヘルチェルシーが対策される番となっているように感じる。

昨シーズンヨーロッパのチャンピオンになったことで、今季は追われる立場となっているのは間違いない。鉄壁の5バックを攻略するために、プレミアリーグは色んな策を講じているはずだ。

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直近のプレミアリーグ 第3節。
リヴァプール ×チェルシーの一戦。リヴァプールのクロップ監督はチェルシー攻略の策を、1つ示して見せて。

対策を講じて結果を出したトゥヘルチェルシーだが、今度はその対策を対策される番に。これが現代サッカーのスピードの速さだ。「停滞は衰退」という言葉がぴったりの今のサッカー界。今一番強いチームの1つがトゥヘルチェルシーなのは間違いないが、数ヶ月後にはそうはいかないかもしれない。

更なる進化は必要なはずだ。変化のスピードが速いサッカー界。そうやって対策の対策が生まれることで、新たなイノベーションが生まれ、どんどん進化していく。

だからこそサッカーは面白いのだ。

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