【SBの立ち位置ひとつで】プレミアリーグ第6節 チェルシー×マンチェスター・シティ【サッカー戦術分析・レビュー】

サッカー戦術分析
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みなさん!今世界で一番完成度が高く。一番強いチームは?

と言われて思い浮かぶチームはどこでしょうか?そう言われた時に、多くの候補にあがるであろう2チームが今節プレミアリーグでぶつかった!

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プレミアリーグは今節もビックマッチが目白押し!その中でも昨シーズンのチャンピオンズリーグ決勝の再戦!となったチェルシーとマンチェスター・シティのスーパービックマッチ。ペップシティはトゥヘルがチェルシーに就任してから3連敗と1度も勝ったことがない難敵だ。果たしてトゥヘルの難攻不落の5-3-2ブロックを攻略できたのだろうか?

トゥヘルに与えた困惑!?

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チェルシーのスタメンはこんな感じ。中盤にジョルジーニョ、カンテ、コヴァチッチの3人が並んだ。この陣形にどんな意図があったのか。

何故?トゥヘルが中盤に3人の選手を並べた理由を考えると、今季からペップシティが取り組む戦術の対策もあったはずだ。今季からペップシティが取り組む形とは、ビルドアップ時にSBがインサイドに絞って後方を2-3の五角形の形を作る形だ。

・中央に数的優位を作りボールを前進。
・相手を中央に集めて幅をとるWGに時間とスペースを与える…

色んな狙いを持ったこのペップシティの戦術。この対策としてトゥヘルが中盤3人を並べたと1つの仮説が立つ。しかし、この試合シティは今シーズン取り組んできたこの戦術をやらなかったのだ。

あれ?シティのSBインサイドに絞って来ないじゃん!という感じでトゥヘルに迷い、困惑を与えたかもしれない。

試合早々から戦術的な駆け引きが…
SBの立ち位置1つでシティが試合を優位に進めていった。

絞らないSBの立ち位置

前述した通り、この試合SBに入ったカンセロとウォーカーはインサイドに絞りすぎる立ち位置を取らなかった。4バックのSBが一般的に立つことが多い場所に立っていた。後方からのビルドアップ時にはCBの横に。最終ラインのサイドライン沿いに立ち位置をとった。4バックが緩やかなCを描くような並びを最終ラインにとった。

この緩やかなCの並びをとることで、チェルシーの2トップのプレスを和らげ、中盤3枚を分断させ、鉄壁の5バックを3バックにさせてしまった。SBの立ち位置1つであまりに多くの効果をもたらした。

SBにプレスがかからない影響は?

チェルシーのボール非保持の配置は5-3-2。シティは可変無しの4-3-3。両チームの配置を噛み合わせてみるとシティのSBはフリーとなる。

あくまで平面での配置の噛み合わせが合わないだけであって、実際のピッチでは話が違うことが多い。しかしこの試合では、ピッチ上でもシティのSBに誰がプレスに行くのか問題にチェルシーは終始悩まされていた。

SBにプレスがかからないことで、チェルシーは様々な問題を抱えることに。

2トップのプレスがかからない

シティの2CBに対してチェルシーの2トップがプレスにでる。しかしプレスに出ても幅をとるフリーのSBにボールが出されると、その頑張りは無駄になってしまう。プレスに出る→簡単に逃げられる。この繰り返しをされてしまうと段々と心理的にも体力的にもプレスに行けなくなってしまうものだ。

前へ厚みを作らせないシティ

それでは横に広がるシティのSBに、チェルシーは中盤やWBが前に出てプレスをかければいいのでは?と思うが、シティがそうさせない状況を作り出した。

シティのWGがチェルシーの最終ラインの横幅目一杯に立ち位置をとっているので、チェルシーのWBは中々前に出れない状態に。出てしまえばシティのWGがフリーになるし、3バックの脇のスペースをシティのIHに使われてしまう状況にも。

それでは中盤3人がシティのSBへプレスに出れば?それも中々出来ない。何故ならシティの中盤にも3人の選手がいることで、チェルシーの中盤がシティのSBへプレスの出てしまえば、シティの中盤の選手が浮いてしまうことになり、思い切ってそこまで出れない状況に。

3バックが前にも出れないチェルシー

チェルシーは3バックが最終ラインに居続けることはせずに、状況に応じて前に出て相手の選手を捕まえにいくプレーが特徴の1つ。3バックが前に出ることで、前線に選手を押し出し、厚みを持ったプレッシングを可能にさせる。しかし、そのプレーもシティに封じられた。

右サイドでは右WGのジェズスが斜めのランニングで背後を意識させてリュディガーを前に出さない。右IHのベルナルドはCBと右SBのウォーカーの間に落ちてボールを引き出す。ここまで落ちると流石にチェルシーの3バックも前に出れない。

左サイドでは左IHのデ・ブライネがWBと3CBの間に走ってポケットへ侵入し、3バックの右をつとめたクリステンセンやアスピリクエタを前に出さない効果にもなっていた。

更なる悩みのタネであるカンセロ

ここまでSBにプレスがかからないことでチェルシーに与える悪影響を述べてきた。それでもシティのSB以外はプレスがかかりやすい状況にはなっていたチェルシー。SBにプレスに行かずに、その他のエリアでボールが入って来ることを待ち受けることも選択としてあったはず。しかし、シティの左SBがチェルシーの更なる悩みの種となった。

カンセロという男を攻撃時にフリーにさせてしまうと、サッカーファンなら想像がつくはずだ。SBとは思えない攻撃力と攻撃センスを兼ね備えるカンセロに、時間とスペースを与えると一気にチャンスを演出してしまう。この試合でもスルーパスやドリブルでチェルシーゴールを脅かした。

SBにプレスに出ればズレが生じるチェルシー。SBにプレスに出なくてもカンセロによってチャンスを作られるチェルシー。シティのSBの立ち位置1つでチェルシーは終始ジレンマを抱えてプレーをさせられていた。

シティのプレッシング

この試合シティのSBの立ち位置に加えて印象的だったのが、シティの強度高いプレッシングだった。トランジションが普段の数倍早かったシティ。チェルシー陣内にボールがあるとシティはほぼマンマークで圧力をかけにいき、攻守に攻撃的なスタイルを示し、チェルシーを押し込んでいった。

トゥヘルチェルシー初攻略

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この戦い方でシティがチェルシーを押し込み、53分ショートコーナーから最後はジェズスが右足を振り抜きアウェイの地で先制点を奪った。チェルシーも先制点を奪われた後は前への意識を高め、シティがカウンターを仕掛ける構図へと変わっていったが、スコアはこのまま動かずに、ペップシティは難敵であったトゥヘルチェルシーを初めて攻略した。

そしてこの試合ペップシティが見せたビルドアップは実はクロップも似たように講じていた。SBを上げすぎずにフリーとなりチェルシーの鉄壁5-2-3ブロックに綻びを入れる戦い方。リヴァプール、シティが演じた戦い方は、欧州王者攻略のヒントにこれからなりそうだ。

ペップもコメントでシーズンの中で一番大事になるかもしれないと位置付けている、アウェイの3連戦の初戦であるこの試合を勝利できたのは大きいだろう。チャンピオンズリーグのパリ・サンジュエルマン戦。そしてアンフィールドで迎えるリヴァプール戦。今週はペップが言うように今シーズンの中で1番厳しい1週間になりそうだ。

非常に楽しみだ。

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