【死闘を乗り越えた先に】プレミアリーグ第7節 リヴァプール×マンチェスター ・シティ【サッカー戦術・分析】

サッカー戦術分析
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世界には、サッカーファンを熱狂させるダービーが数多くある。クラシコ、ローマダービー、ノースロンドンダービー、ルールダービー…

そんなダービーという名がある訳ではないが、この2チームの一戦は本当にサッカーファンの心を大いに盛り上げてくれる。サポーターの熱量、選手の質、両指揮官の力量…

その一戦はリヴァプールvsマンチェスター ・シティだ。早くもプレミアリーグ第7節で実現したこのビックマッチ。今現在のサッカー界を牽引している両チームの試合は、毎度ハイレベルかつエキサイティング。

このカードはサッカーの醍醐味を教えてくれる試合を毎回してくれる。そして今節も超好ゲームを見せてくれた。

世界一厳しい3連線

マンチェスター ・シティはこのリヴァプールとの試合を迎える前に、超ビッククラブとの熱戦をこの一週間繰り広げてきた。ペップもこの週が今シーズン一番重要だと話すほど。しかも全てアウェイゲームの過酷っぷり。

欧州王者トゥヘルチェルシー
銀河系軍団PSG

そして世界一過酷なアウェイ3連戦の締めくくりがアンフィールドでのリヴァプール戦だ。

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想像してほしい。一週間でこのビッククラブと3試合こなさなければいけない状況を。しかも全てがアウェイゲーム。そんな私たちの想像を絶する状況の中でも、ペップシティの選手たちは集中し、落ち着きを持ち、勝利の炎を燃やし続け、この難攻不落のアンフィールドでの試合に挑んだ。

リヴァプール.マティップの配給

試合開始直後からホームの後押しを背にリヴァプールがシティを押し込んでいった。シティはリヴァプールへ前から圧力をかけてボールを奪う姿勢を見せたが、ひらりとリヴァプールが交わしていった。

シティの試合序盤のプレッシングは4-3-3のWG外ギリプレス。ワントップに入ったグリーリッシュはアンカーのファビーニョを監視し、両ワイドのWGがリヴァプールのCBへ外から中へ覆い隠すようなプレッシングで圧力をかけた。

それに対してリヴァプールはCBがボールを持つとIHのヘンダーソンとCジョーンズが列を降りることでシティのWGの気を引き、CBのプレッシングを和らげていった。そしてCBマティップはチームメイトが作ってくれた猶予を活かして、ボールを運んだり、縦パスを中央に刺していった。

縦パスは、トップのジョッタが列を降りることでボールを引き出す。シティの中盤は3人、リヴァプールの中盤も3人でジョッタが中盤に降りることで中盤に数的優位を作り出し、CBマティップのパスコースを作り出していった。

またスペースがあればボールを持ち運び、シティの中盤の選手を引きつけてからボールをリリースし、前線の選手へボールをバトンタッチし、ビルドアップの起点となっていたマティップ。

マンチェスター ・シティペースへ

試合序盤こそリヴァプールのペースでゲームは進んでいったが、徐々にシティがゲームを操っていった。ペップシティらしくボールを持つ時間を増やしていくことでリヴァプールをジリジリと押し込んでいった。

リヴァプールのプレッシングもシティと似たように4-3-3でWGが外ギリでCBへ圧力をかけていった。シティの後方の選手たちはリヴァプールのプレッシングをただ剥がす、逃れるだけでなく、リヴァプールのプレッシングを意図的に集めて前線の選手により多くのスペースを与える事も意識していた。

リヴァプールの選手を引きつけてからボールを離すことで、よりボールに集中させる。集中とは人を集めるという事だけでなく、意識や目も集める事に。それによりサイドのスペースや背後のスペースを作り出す事にも繋がり、シティが前進できたポイントにもなっていた。

集めて外への前進

この試合でもプレミアリーグ第6節のチェルシー戦同様にSBのカンセロは中央に入らずに、外でボールを受ける事でリヴァプールのプレスの逃げ道となっていた。CBが相手の前線の選手たちを集めて、フリーのSBカンセロへボールを供給するシーンは前半よく見られた。

サイドでSBのカンセロがボールを受ける事で、ドリブルでボールを運べたり、前線にスルーパスを供給できる。

またカンセロが外側でフリーになる事で、リヴァプールの中盤やSBを引きつけて左WGのフォーデンをフリーにさせたり、一列落ちるグリーリッシュが中盤のギャップで縦パスを受けるスペースを作り出す効果ももたらした。

仕上げは左のフォーデン

この試合グリーリッシュがトップに入り、左のWGにはファオーデンが入った。この配置の意味が少しづつ見えていった。ゴールへの仕上げの起点は左のフォーデンから。フォーデンの待つ左サイドを起点に攻撃を展開していったシティ。

フォーデンは主に左の幅をとり、ベルナルドがハーフスペースをうろちょろ上下動する。そこにトップのグリーリッシュも左サイドに寄る事で、リヴァプールのプレスを分散させにいった。

手前は主にベルナルドと、グリーリッシュが。背後はファーデンが担当。グリーリッシュよりスピードのあるフォーデンが左WGに入る事で、背後へのスプリント効果は増すはずだ。

手前と奥の関係性をとる事でリヴァプールの右SBミルナーや右CBのマティップの守備基準を定めさせない事に成功し、左サイド深くへボールを供給し、ゴールに迫る回数を増やしていった。

こちらの仕上げは右のサラー

リヴァプールのゴールの仕上げは右WGサラーから。その対策の為にシティはベルナルドを左のIHに配置した理由の一つのはず。しかしやはりリヴァプールのゴールはサラーサイドから生まれる。後半に入るとよりサラーサイドに人をかけて、あまり逆サイドへボールを展開せずに、同サイドで攻撃を完結させていった。左WGのマネもより中央に入りFWのような動きを見せる。

リヴァプールの先制点は右WGサラーが右サイドをぶち抜いて縦へのスルーパス。そのスルーパスを受けたのが左WGのマネだった。

スルーパスを受けたマネは冷静にゴールへ流し込み、満員のアンフィールドの雰囲気は最高潮へ!しかし、その大盛り上がりの雰囲気をシティの至宝が黙らせる。

これがフィル・フォーデン

前半押し込んでいたシティだったが、ハーフタイムを界にリヴァプールのエンジンがかかり直した。その勢いままにリヴァプールが先制。しかも舞台はアンフィールド。一気にリヴァプールがシティを畳み掛ける雰囲気がスタジアムに漂う中、あの男の左足が火を噴いた。

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69分、右サイドでボールを受けたジェズスがドリブルでカットイン。相手を中央に集めて、左で待つフォーデンへパスを供給。ボールを受けたフォーデンはワントラップから左足を振り抜きリヴァプールファンが待ち受けるゴール右隅にシュートを突き刺し、アンフィールドを一気に静寂させた。

崩しから、フィニッシュまで素晴らしい同点弾だった。前半の流れを踏まえてこれぞフィル・フォーデン!というゴールだった。前半あれだけ決定機を外したフォーデンだが、落ち込む事なく新たに訪れたチャンスを物にするメンタリティ。実にフォーデンらしい。

まだまだ終わらない

同点に追いついたマンチェスター ・シティ。しかしゲームはまだ20分残っている。ホームのリヴァプールが黙っている訳が無い。シティの同点弾によりゲームはオープンに。そして76分またもやサラー。サラーが右サイドのペナ角でボールを受けるとシティの守備網をドリブルで切り裂く。最後は右足を振り抜き再びシティを突き放す。

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アンフィールドに押しかけた大半のリヴァプールファンはこれで、今度こそシティの足を止めたと思ったかもしれない…しかし、ペップシティの足は止まらなかった。サラーの追加点から僅か5分。こちらも再びフィル・フォーデンが起点に。

中央でボールを受けたデ・ブライネが左ワイドのフォーデンへ浮き玉スルーパス。この時右SBに交代で入ったゴメスとCBの間にはこちらも途中交代に入ったスターリングがパスを要求。スターリングがこの立ち位置に立つ事でSBを引きつけ、大外のフォーデンをフリーに。

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サイドをえぐったフォーデンがマイナスにクロスを送り、最後はデ・ブライネが左を振り抜き再び同点!このあとロドリのスーパーブロックや、ロバートソンの必死のブロックもあった…スコアはこのまま動かずにこのハイレベルな試合は2-2のドローで終わった。

死闘を乗り越えて

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試合後ペップとクロップは互いの戦いを讃えるかのように抱擁をしていたのは非常に印象的だった。本当にハイレベルな、世界最高の90分を見せてくれた両チームに大きな拍手を送りたい。

もう一つ、この試合デ・ブライネが奪った同点弾の時のペップのガッツポーズも非常に印象的だった。この試合にかける思いをひしひしと感じる。ピッチの選手と共に戦い、何が何でも勝ち点を奪う熱い気持ちを感じた。

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これぞフットボール。サッカーはやっぱり面白い…とまた私たちサッカーファンに教えてくれたそんな90分だった。

そしてチェルシー、PSG、リヴァプールとのアウェイ3連戦の死闘を乗り越えたペップシティ。結果は大満足!まではいかないかもしれないが、この死闘を乗り越えたペップシティは更に強くなったはずだ!

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