【5レーンをどうやって埋める?】チャンピオンズリーグ グループE 第3節 ベンフィカ×バイエルン【サッカー戦術分析・レビュー】

サッカー戦術分析
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このグループ首位攻防戦。2連勝で首位のドイツ王者バイエルン。前節バルセロナ相手に3-0と快勝したベンフィカ。ホームの後押しを前面に受けてベンフィカがバイエルン相手にも果敢に勝点3を奪う姿勢が、この試合を非常に面白くしてくれた。

両チーム共に5レーンに人を配置して攻撃を展開するのが特徴的。お互いの5レーンアタックをどう防ぐのか?という攻防がこの試合面白い要素だった。5バックで守るベンフィカ。4バックで守るバイエルン…

それでは簡単ではありますが試合を振り返っていきましょう!

バイエルンの5レーンアタック

先ずはバイエルンのビルドアップvsベンフィカのブロックの攻防から。バイエルンのベース配置は4-2-1-3。守備時はこの配置がベースとなることが多かったが、ビルドアップ時は配置を3-2-2-3に可変し、前線5レーンに人を配置した。

右SBパヴァールは右の幅を。左の幅はコマン。左SBリュカ・エルナンデスはインサイドに入り後方を3バックに。2シャドーにミュラーとザネが並びベンフィカに5レーンアタックを仕掛けた。

5バックで守るベンフィカ

バイエルンの5レーンアタックに対してベンフィカは5バックで対応した。ベンフィカは両WBが最終ラインに落ちて5バックを形成し5-2-3で守備ブロックを形成した。

バイエルン陣内にボールがある時は明確に人にマークにつきにいったベンフィカ。強気なハーフコートマンマークを見せる場面もあった。バイエルン相手にも決して引かないぞ!と言う彼らの意気込みを感じた。

バイエルンの5レーンアタックに5バックで対応したベンフィカだが、果たして火力満点のバイエルンの攻撃を止めることは出来たのだろうか?

質と列落ちで殴るバイエルン

3-2-2-3と可変したバイエルンはサイドの質と、中盤の選手の列を降りる動きでベンフィカを押し込んだ。ベンフィカは前線3トップでバイエルンの可変3バックに噛み合う形でプレスをかけた。バイエルンの最終ラインはプレスが噛み合う状況ではあったが前へのパスコースは複数用意されていた。

バイエルンの中盤にはザビッツァーとキミッヒの2CH +ミュラーとザネの2シャドーで中盤に4人の選手が。ベンフィカの中盤には2人だけの選手が並ぶので実質中盤はバイエルンが数的優位に。

その為ベンフィカ3トップは、数的優位のバイエルンの中盤が気になって思いっきり前に出れなくなった。バイエルンの後方の選手たちがボールを持てる状況になっていった。

中盤の数的優位をベンフィカの3トップがケアすることでバイエルンは前進の糸口を一つ失ったが、彼らにとってそんなのは何も問題ない。すぐさまミュラーが列を降りてベンフィカの中盤をつり出してザネをフリーにして彼にライン間でボールを受けさせるキッカケを作り出す。またトップのレヴァンドフスキも列を降りるシーンが増えて中盤でボールを引き受ける。その動きによってベンフィカの5バックの一角をつり出され最終ラインにギャップが開くシーンを作り出した。

この列を降りる動きでボールを前進させる糸口を作り出していったバイエルン。ライン間でボールを受けたザネがドリブルで切り込む。そして幅を取るコマンの質でドリブル、クロスでベンフィカを殴っていった。ベンフィカが5バックということで、幅をとるコマンにはマッチアップが常にいる状態ではあったが、そこはコマンが質で上回る。コマンが1vs1の局面で何度も勝り中に切り込み何度も決定機を演出した。

終盤まで何とかベンフィカは耐え忍ぶ状況ではあったが、残り20分その糸はザネのFK1発で切れてしまった。この1点をキッカケにその後3失点。一度火がついてしまったバイエルンの大火力を止めることは容易ではないのは言うまでもない。

ベンフィカの5レーンアタック

結果は4-0とバイエルンの圧勝ではあったが、残り20分までのベンフィカの戦いは非常に戦術的でもあり勇敢なものであった。

ボールを保持するとベンフィカはWBが高い位置に上がり3-4-3で攻撃を仕掛けていった。WBが敵陣深くで幅を取ることで5レーンに人を配置してバイエルン同様に5レーンアタックを仕掛けていった。

バイエルンはボール非保持のシーンでは4-2-3-1の様な陣形でベンフィカの攻撃を待ち受ける。そうすると5レーンで攻めるベンフィカに対して4バックで対応することに。ベンフィカはWBが高い位置に上がる時間を稼ぐことができると、バイエルン相手にも優位性を持って攻め込めるシーンも何回も作り出せていた。

しかし、相手はバイエルン。最後はGKノイアーがビックセーブで防ぐシーンも少なくなかったが、バイエルンにとってはそれも計算済みだったのかもしれない。ボールがサイドに入ると4バックがボールサイドにスライドし、そこでボールを奪い去るプランを持っていたバイエルン。

しかし、確かに攻撃陣同様に、守備時でも質で上回ってボールを取り上げるシーンもあったが、後半中盤にはベンフィカの圧力に押され出していった。ベンフィカの3トップの選手もしっかりバイエルンを質で殴れる選手が揃っていたのがまたこの試合を面白くしていた。

そんな展開にバイエルンも動き出す。この時の対処法が非常に面白かった。

より攻撃的になることがバイエルンの答え

ベンフィカにWBの幅を突かれて押し込まれる展開になっていたバイエルンがとった策とは?なんと右SBのパヴァールに変わって入った選手がWGのニャブリだった。4バックから完全に3バックへ。WBの幅をケアするために5バックにする策が普通かもしれないが、バイエルンは守るのではなく、より攻撃的な交代策でもう一度ベンフィカを押し返していった。

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パヴァールからより攻撃的なニャブリを投入し、バイエルンは攻撃の火力を上げた。より攻撃力を増したサイドによりベンフィカのWBをより押し下げ、彼らの反撃を分厚い攻撃力で包み隠してしまった。大外の守備を担うベンフィカのWBは、ニャブリの投入により守備の仕事が増えてしまい、前に出れなくなってしまった。そのタイミングでザネに放たれたFKが致命傷に。終わってみれば4点差をつけてバイエルンがグループ3連勝を飾った。

おわり

バイエルンはベンフィカに押し込まれる展開に、守備力を上げるのではなくより攻撃力を上げて、相手の守備機会を増やすことでその状況を転換させた采配は実にバイエルンらしかった。先ほども述べたように、結果はバイエルンの4-0勝利でスコアに大きな差が出てしまったが、ベンフィカの戦いぶり、質も非常に素晴らしかった。

このグループリーグの首位攻防戦にふさわしい納得の90分だった。ホームの後押しもあり強気なベンフィカの勇敢な戦いぶりには拍手をおくりたい。同時にバイエルンのしたたかさや破壊力の凄まじさにも賞賛をおくりたい。

チャンピオンズリーグのグループリーグ第3節と4節は同カードになるのは特徴的。果たして次節、ベンフィカがどんな戦いぶりをするのかは興味深い。バイエルンはいつも通り火力満点で挑むはず。ベンフィカはこの試合見せた勇敢ぶりを再び見せるのか。それとも勝点を拾う戦いをするのか楽しみだ!

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