【シティの強さ。ブライトンの勇敢さ】プレミアリーグ第9節 ブライトン×マンチェスター ・シティ【サッカー戦術・分析】

サッカー戦術分析
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プレミアリーグ第9節。マンチェスター・シティは好調ブライトンのホームに乗り込み、勝点3を奪いにいった。前半と後半で両チームの戦いぶり、状況が一変したのが非常に面白いゲームだった。

それでは簡単ではありますが、試合を振り返っていきましょう!

ブライトンの守備プラン

ブライトンはマンチェスター・シティ相手に強気なプレッシングを見せた。好調ブライトン。ホームの後押しも背に、シティ相手に勝点3を奪う姿勢を終始見せていた。

ブライトンは前半のベースポジションは3-5-2の様だった。前半は3バック、後半は4バックとその時の状況に合わせて配置や戦い方を変えた。後半の戦いぶりは後ほど。

ブライトンは初めからシティの攻撃を自陣にブロックを形成して待ち構えることはせず、真っ向からプレミア王者に勝負を仕掛けた。

ブライトンはシティのボールに積極的に出ていく為のプランを用意した。まずは誰が誰の選手にアプローチをかけるのか明確にすること。シティはいつも通り流動的にポジションチェンジを行い相手を撹乱させに。その為ブライトンはある程度誰がシティの選手を捕まえるのか明確にしていた。

どうしても自分のポジションから、自分のマーカーにプレスが遅れてしまう場合は声を掛け合ってマーカーを入れ替えた。

それでもシティにサイド深くへ押し込まれるシーンも。そうなった場合も準備はできていた。左サイド深くで左WGグリーリッシュがボールを受けると、こちらは右CBのフェルトマンが彼のプレス担当の為プレスに出る。3CBがサイドに出れば中央にスペースが空いてしまうので、その時には連動して中盤のグロスが最終ラインに落ちてフェルトマンのカバーに。それだけでなく、シティが得意とするハーフスペースへの侵入を防ぐためにそのエリアを埋める役割にもなっていた。

ペップシティの強さとブライトンの勇敢

より前により明確に人にプレスがかかる戦術を採用してきたポッター監督のブライトン。確かにシティのボールに球際強く行くシーンもあったが、ペップシティはそんな状態を難なくいなすのが得意なチームだと言うことを忘れてはいけない。

明確に人に出てくるために、そこでプレスを剥がすことが出来ればシティには数的優位の状態が生まれる。また長い距離をランニングすることでブライトンのマークを剥がして優位性を作り出すことも。

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前半シティはあっという間に好調ブライトンから3点を奪い去った。厚みのある攻撃からの先制点。カウンターを発動させた2.3点目。ブライトンのプランを逆手にとる完璧な前半だったと言っていいだろう。

シティ相手に、しかも前半だけで3点差をつけられてしまえば普通のチームは心が折れてしまうはずだ。しかし、ポッターブライトンは違う。この勇敢さが今シーズンの好調ぶりを支えている要因の一つのはず。ハーフタイムを挟んでプランを変更させ前半同様シティに真っ向から勝負を仕掛けた。

4バックへシフトしたブライトン

後半に入るとブライトンは4バックへシフトした。それに合わせて全体の配置を4-3-1-2の様な配置となった。後半途中には右SBに快速ランプティを投入し、このプランの狙いが少しづつ見え始めた。

ボール非保持

まずは4バックでボール非保持の状況がどう変わったのか見ていこう。シティにボールを持たれると最終ラインを4バックで形成し、その前に3人の中盤を並べた。そしてトップ下に選手を配置することでシティの配球役でもあるアンカーのロドリを捕まえに行った。

このプラン変更で5バックよりは手薄となった最終ラインをシティに突破されるシーンも生まれたが、それよりも攻撃へより重きをおいた4バックシフトだったことが後半ゲームが流れていくうちに見えてきた。

「守る!」ではなく「より攻める!」プラン変更で流れを引き戻したブライトン。

ブライトンの攻撃「あえて開けたサイド」

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後半選手を入れ替えて前線の並びも変えたポッター監督。SBランプティを投入したタイミングで、エノック・ムウェプも同時投入。彼をトップ下に配置し2トップにはトロサールとマーチを並べた。純粋なストライカーがいなくなったブライトンの前線の並び。ここにポッター監督の狙いが隠れていた。

4-3-1-2という配置ということで、攻撃の際に少しサイドが手薄になる。あえて「サイドを開けておく」と表現した方がいいかもしれない。ブライトンは「サイド攻撃はしない!」ではなく、「サイドから攻めこむ!」為に使いたいエリアをあえて開けたのだ。

あえて開けたサイドにスピードと勢いを持っている両SBが駆け上がったり、前線のトロサールやマーチといったサイドもこなせるスキルをもつ2人が流れることで、シティのサイド深くまでえぐって何度もゴールへ攻めることに成功したブライトン。SBにランプティを投入した意味。前線にトロサールやマーチといったストライカーではない攻撃的な選手を並べた意味が理解できるはずだ。

後半終盤シティを押し込んだ流れからPKを獲得し、1点をもぎ取ることに成功したブライトン。決して心の折れなかったポッターブライトン。

おわり

終了間際にブライトンのミスを突いてシティがマフレズのゴールで4ゴールを奪って試合終了。終わってみれば4-1で結果だけ見ればシティがブライトンを圧倒する形となった。

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だが後半の戦術変更によりシティを完全に押し込むことに成功したブライトン。前半シティに3点差をつけられたブライトンだったが後半彼らの戦いぶりは勇敢でシティを圧倒したのは間違いない。

シティの圧巻の強さを見れた前半。より勇敢なブライトンを見れた後半。

非常に面白い90分だった。

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