前回対戦の振り返りはこちらから!
前回ベンフィカはホームの後押しを背にバイエルン相手に勇気を持った戦いを見せた。70分まではスコアもドロー!内容も互角だったが、サネのFK一振りでその後バイエルンが4発を奪って快勝する結果となった。
今節はバイエルンホーム!ベンフィカはより難しい戦いが余儀無くされる予想の中、結果はいかに!?それでは簡単ではありますが、試合を振り返っていきましょう!
分厚いバイエルンの攻撃
バイエルンはボールを保持すると前回対戦も同様にシステムを可変させて優位性を持ってベンフィカを押し込んで行った。4-2-3-1ベースから後方を3バックにし3-1-1-5の様な配置へ可変した。この形はベンフィカとの前回対戦と同じ様な配置ではあったが、その可変の動きが少し違っていたのが面白い。
Embed from Getty Images先発メンバーに合わせてその形を変幻自在に変形するナーゲルスマンバイエルン。
前回は左SBに入ったリュカ・エルナンデスがインサイドに絞り気味になり右SBパヴァールが高い位置に上がって可変システムのきっかけとなっていた。しかし、今節は右SBのパヴァールは逆に上がらずに少し絞り気味のポジションをとり3バックの一角に入った。

そして左SBにはデイビスが入った理由を考えれば右SBパヴァールがインサイドにいれて、左SBデイビスをより前の位置で攻撃的にプレーさせる意図はわかるはずだ。
それに合わせて前線の配置も自然と決まり、3-1-1-5の配置に可変し、ベンフィカの5-2-3ブロックに亀裂を与えていった。
数的同数でOKなバイエルンの強さ
ベンフィカはいつも通りボールを保持されると後方を5バックを形成し3トップがボールへちょっかいを出しに行く状況に。バイエルンの5レーンアタックにしっかり5バックで対応している様に感じるが相手はバイエルン。ベンフィカの選手たちが個々での戦いに持ち込まれてしまえば当然劣勢となる。そのためしっかり横のスライドやプレスバックを意識し、チャレンジ&カバーの状況を作りながらボールへアプローチしたかったはず。しかし配置と選手個々の存在感でベンフィカの選手たちを分断させしまったバイエルン。

DFライン5人の中央3人は圧倒的な存在感を放つレヴァンドフスキやシャドーの位置で上下動をするニャブリやサネが気になって中々中央の持ち場を離れられない。またベンフィカの中盤2人選手も監視する人が多く中央の持ち場を離れることは出来ない。そうなれば必然的に大外で待ち受ける右はコアン。左はデイビスが大外でボールを受けるとベンフィカのWBと1vs1の状況が出来上がる。そうなれば質で上回るバイエルンのアタッカーがガンガン仕掛けて切り込んでいくのはこ想像の通り。特に右のコマンのキレは前回対戦と同様この試合でもベンフィカを何度も苦しめていった。
サネのレーン移動
この試合ベンフィカを一番混乱させた男はサネだったかもしれない。ペップシティ時代はワイドでプレーすることが多かった彼だがバイエルンではより自由度高く、色んなエリアでプレーすることが許され要求されることも多くなっていそうだ。
Embed from Getty Imagesこの試合でも色んなところに顔を出し、組み立てからフィニッシュワークまで多種多様なタスクをこなしていた。レーンを落ちて後方からボールを引き受けてビルドアップの出口となる。このシャドーの選手が落ちる動きに誰がついていくの?問題を解決することができなかったベンフィカ。サネが落ちれば他の選手が背後を狙う連動性があるために中々ベンフィカの最終ラインは彼を捕まえられない構造となっている。

そしてサネは足元でボールを受けるだけでなく相手最終ラインの背後へ飛び出してフィニッシュワークをこなす。ペップシティよりもより解放されたサネがベンフィカに強烈な印象を与えていた。
強さで覆い隠すバイエルンの弱さ
この試合でも大量得点で圧倒的な攻撃力を示して勝利したバイエルン。彼らの圧倒的な攻撃力という強さが目立つ試合であったのは間違いないが、決して完璧な内容ではなかった。
バイエルンの脆さというのも少し垣間見えた。
それがセットプレー対応と、トランジション局面からのカウンター対応だ。セットプレー対応はバイエルンのウィークポイントになるかもしれない。前半3本あったベンフィカのFKの全てでピンチを招いてしまったバイエルン。その内1本がベンフィカのゴールに繋がっており、その局面においてのバイエルンには脆さを感じた。
Embed from Getty Imagesそして攻撃的な姿勢ということもあり、カウンターを受けると後方は自然と手薄になる。2大会前にCLを制覇した時の様な強度と連続性を持ったトランジションまでのレベルはない今のバイエルン。それでもボールに厚みを持って関わることでベンフィカはボールを奪って前進する過程に移行するのは難しそうではあったが、後半の2点目は中盤でボールを引っ掛けて発動したショートカウンターが起点だった。
この勝利で早々にグループリーグ突破を決めたバイエルン。決勝トーナメントに入ればもう一段階強い相手が待ち受けているのは間違いない。どんな相手にもこの圧倒的な攻撃力という強さは披露するはずだが、抱えている脆さや弱さがより浮き彫りになることも多くなるかもしれない。
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