欧州サッカーの主な移籍時期は夏と冬の2つ。
この記事では2022年の冬の主な移籍情報をまとめた内容です。
冬の移籍マーケットはシーズンが始まって丁度中間期間。自分たちが置かれている状況に合わせてチーム、選手を整理できる期間でもある。チーム状況が良いならば選手の維持を優先。巻き返しを図るチームには強力な選手を獲得したい。出場時間が限られている選手は退団したい気持ちも生まれる事だろう。今年ワールドカップがあるということも選手たちには、大きな移籍の材料になることだろう。
2020年冬の移籍マーケットも大いに賑わった。移籍状況を把握するだけでもチームが置かれる状況や、選手の心理がうっすらと読み取れて非常に面白い。全ての移籍状況を網羅するのは難しいので、ここでは私が気になった主な移籍情報について記載していこうと思うので、是非最後までお楽しみください。
それではいきましょう!
主役はバルセロナとモノクロの2チーム
2022年冬の移籍マーケットを一番盛り上げたのはバルセロナとモノクロの2チームだった。モノクロの2チームとはユベントスとニューカッスを指す。
ラストピースを手に入れたバルセロナ
バルセロナに帰ってきたシャビは、監督に就任して初めての移籍期間。彼が求めていた選手は前線のアタッカー。その希望に沿うように3人のアタッカーを獲得したバルセロナ。マンチェスター・シティのフェラン・トーレス。ウルブスの古巣復帰となったアダマ・トラオレ。そして移籍期間最終日にアーセナルの主将を務めていたオーバメヤンを獲得。

移籍期間が締った時には見事なプレミア3トップ完成させたバルセロナ。そしてシャビが就任してすぐにバルセロナに復帰したSBダニ・アウベスがこの移籍期間終了後に試合出場可能に。シャビ監督と共に4人の選手が新生バルセロナを彩ることに。シャビバルサのラストピースであるWGが加わったことで彼らの本当の巻き返しが始まりそうだ。
ビックディールを画策したユベントス
モノクロの1つ目のチームはユベントス。この冬1人の選手に対して1番の移籍金を叩いたのはユベントスだった。この冬大注目だったフィオレンティーナから、ここまでセリエA得点王であるFWブラホヴィッチを7500万ポンド(約118億円)で獲得。そしてボルシアMGからスイスのパトリック・ビエラの異名を持つ190cmを超えるデニス・ザカリアも獲得した。DFラインにもフロジノーネからF・ガデッティを獲得。若くて人気のある銘柄を次々と獲得したユベントス。

ユベントスが獲得に投じた移籍金だけ見れば「チームにお金があるな」という感想を誰もが持つだろう。しかし、ユベントスは無闇に大金をバラまいただけではなかった。的確な補強に加えて戦力の整理も同時に行ったのだ。
加入する選手が増えてしまえば、当然1人1人の与えられる出場時間も減少する。移籍を考える選手は当然出てくる。この玉突きにあった選手がアタッカーのデヤン・クルゼフスキと中盤のロドリゴ・ベンタンクール、そしてアーロン・ラムジーだった。クルゼフスキとベンタンクールはトッテナムへ。トッテナムに最大80億円を超える移籍金の支払いを成立させたユベントス。

中立の立場としてはブラホヴィッチの投じた巨額の移籍金を回収するような放出にも感じた。
ユベントスのビックディール実現の画策。うまいな、ユベントス…と思ったサッカーファンは多かったはずだ。
動き出したオイルマネー
ニューカッスルは2021年10月にサウジアラビアの政府系投資ファンドに買収された。巨額な資金力がやってきたニューカッスルはまず、設備投資をするような話をちらほら耳にしたが、冬の移籍マーケットが開けばニューカッスの名を何度も聞く期間となった。終わってみれば約140億円の金額を投じて選手補強を試みた。
プレミリーグから3人の実力者を。バーンリーのFWクリス・ウッド。アストン・ヴィラからSBのマット・ターゲット。そしてブライトンからニューカッスルの下部組織出身である、2mを超えるDFダン・バーン。

アトレティコ・マドリードからプレミアムリーグ復帰となるSBトリッピアー。リヨンからブラジル代表のギマランイスを約50億円で獲得し、プレミリーグ残留に向けて大きな補強を成功させた。丸っ切り別のチームとなったニューカッスルを後半戦見られるかもしれない。
プレミアに帰ってきた男たち
ビックネームの移籍や巨額なビックディール成立!だけが移籍マーケットの楽しみではない。いろんな視点からそのチームの思惑を想像したり、選手の物語を辿るのも醍醐味の一つだ。
あの輝きをもう一度コウチーニョ!
バルセロナからアストン・ヴィラにコウチーニョが加入。リヴァプール時代にプレミアで大暴れをした男が帰ってきた!ユニフォームは変われど彼が再びプレミアの舞台で、大暴れすることを期待してしまう。
今季途中に監督に就任したジェラードとは現役時代リヴァプールでのチームメイト。彼の影響もあってコウチーニョはアストン・ヴィラを選んだはずだ。立場は変われど、ジェラードとコウチーニョの再会はサッカーファンにとっては胸熱だ。

そしてアストン・ヴィラに加入したもう1人の男も忘れてはいけない。エヴァートンの左SBのスペシャリストであるリュカ・ディニュの加入。この2人の加入でジェラード率いるアストン・ヴィラのギアは一層上がるはずだ。
おかえりエリクセン
EURO2020のピッチでエリクセンは倒れた。その後、迅速な救命措置で一命を取り留め、手術を受けて元気な姿を見せてくれたエリクセン。ペースメーカーの一種である「植え込み型除細動器(ICD)」を装着が必要になった為、規定によりセリエAでのプレーが出来なくなってしまった。インテルを12月に退団したあとは新天地を模索。古巣であるアヤックスでの練習風景も映し出され着実に復帰への準備を進めていた。

そしてこの冬エリクセンは今季プレミアに昇格したブレントフォードへの移籍が決まった。かつてU-17デンマーク代表時代に指導を受けた、現ブレントフォードの監督であるトーマス・フランクの元でのプレーを選んだエリクセン。
おかえりエリクセン。
かつてトッテナムで一時代を築いた男が、再びプレミリーグの舞台で素敵な魔法をかけてくれるはずだ。
ブルーを入れ替えて
ブルーのユニフォームからブルーのユニフォームに入れ替えて。ランパードがエヴァートンの監督としてプレミアリーグにカムバック。チェルシーでの監督業を退いた後約1年ぶりに、再び監督としてプレミリーグに復帰。同時にアシュリー・コールをコーチとして招聘し、チェルシー時代の再会となり話題となった。

エヴァートンはコーチングスタッフだけでなく、多くの選手を獲得。中でも注目なのは2人の攻撃的選手。マンチェスター・ユナイデットからファン・デ・ベーク。トッテナムからデレ・アリを獲得。燻る十分な実力のある選手を獲得した。じりじりと降格争いに引きずり込まれそうになっているエヴァートンの巻き返しはなるのか?ランパード新監督の手腕が試される。
チャンピオンズリーグが楽しみに!
冬のマーケットが終わるといよいよ後半戦!そしてチャンピオンズリーグの決勝トーナメントも始まる。そこを見据えた補強もあったはず。そこでここではRound16屈指のビックカード、リヴァプール×インテルの両チームの補強を見てみる。

リヴァプールはポルトからルイス・ディアスを獲得。世界一強烈な3トップが更にパワーアップする、左のワイドを主戦場にするルイス・ディアスを獲得。リヴァプールは今季ポルトとはCLのグループリーグで対決。そこでの活躍が認められリヴァプールが獲得に動いたのかもしれない。かつての南野がリヴァプールに加入した経緯と似ているのかもしれない。

インテルはジェノアからFWカイセドを獲得し前線に分厚さを。そしてアタランタから今や世界屈指の左サイドアタッカーのゴセンスを獲得。彼の加入はインテルにとって非常に大きい。ライバルのアタランタの戦力ダウンに繋がる意味もあるはず。
しっかりと戦力をアップし、リーグ戦も好調な両チームのチャンピオンズリーグでの対戦がますます楽しみとなった!
セルティックの日本人祭り
この冬、日本人として忘れてはいけないニュースがセルティックに移籍した3人のJリーガーだろう。横浜F・マリノスから前田大然。ガンバ大阪から井手口陽介。川崎フロンターレから旗手怜央のJリーガー3選手をこの冬一気に獲得した。所属している古橋選手と合わせると4人の日本人がセルティックに所属することに。

前田は加入デビュー戦でゴール。そして旗手はすぐさまチームの主力に。セルティックの最大のライバルであるレンジャースとの首位攻防戦では、2G1Aの大仕事を成し遂げ、ファン、サポーターの心もしっかり鷲掴んだ。
再びセルティックをチャンピオンズリーグの舞台に戻す活躍を日本人としては祈っている。かつてセルティックに所属していた中村俊輔の、マンチェスター・ユナイデット戦のFKは今でも鮮明に覚えている。あの興奮をもう一度!期待している!
不気味なメガクラブ
ここまで私が気になった移籍についてつらつらと話してきた。少し振り返って欲しいのだが、移籍期間になると大いに盛り上げるメガクラブが今回は不気味なほど静かだったような感じた。PSG、レアル・マドリード、チェルシー、マンチェスター・シティ、マンチェスター・ユナイデット。
今のご時世経済的に難しいクラブは多いかもしれないが、今名前を挙げたのはどれもメガクラブだ。お金を出せない訳ではなく、冬は出さなかったという表現の方がいいかもしれない。
次なる移籍マーケットの為に余力をためている?
不気味なメガクラブ…
2022年の夏の移籍マーケットはこの冬以上に、人が動き、札束が叩かれ大いに荒れるかもしれない。そこに油を注ぐニューカッスル…今から楽しみになってきた。
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