【人数比を増やして仕掛ける】プレミアリーグ第28節 マンチェスター・シティ×マンチェスター・ユナイデット

サッカー戦術分析
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さぁ!マンチェスターが赤とスカイブルーに分断する日!

マンチェスター・ダービー

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置かれている立場は違えど、そんなのは関係ない。お互いが一番負けたくない同士の戦い。誇りとプライドが全面に、いつも以上にぶつかり合う戦い。それがダービーマッチというものだろう。

そんな期待を裏切らない、アグレッシブな90分を見せてくれた。

前に出たユナイデット。それを解剖したシティ。

最後は心を折るまでにボールを握り、プレッシングの強度を落とさなかったシティの戦いぶりは本当に見事だった。

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それでは簡単ではありますが、ゲームを振り返っていきましょう!

前に出たユナイデット

試合開始からアウェイのユナイデットが果敢にプレスを仕掛けた。

ユナイデットは4-2-3-1をベースに4-4-2の様な陣形になり、前線からアグレッシブなプレスを見せた。

前線のブルーノ・フェルナンデスはボールを持つCBへ。もう1人のポグバはアンカーのロドリのコースを消す。逆サイドのCBにはSHが外のコースを切りながら、前線の6枚でボールサイドへ圧縮していった。

このプレッシングによってシティは敵陣にボールを運べないシーンも序盤あった。ユナイデットがシティ陣内でボールを回収してショートカウンターを打つシーンも。

しかし、シティもこのユナイデットの構造を少しづつ把握し解剖していった。

キーとなったがGKエデルソンへのパスだった。

エデルソン経由でズレをつくる

ユナイデットのプレスからミスが生じるシーンもあったシティだったが、いつものように自分たちのスタイルは変えなかった。後方から細かいボールを繋いでいく。

そして1本のパスでユナイデットのプレスのズレを生み出していった。そのパスがGKエデルソンへのパスだ。

このたった1本のGKエデルソンへのバックパスでユナイデットが準備してきたプレスが機能不全となっていった。

前からプレスに出たいユナイデットは、GKエデルソンへのバックパスにも圧力をかけにいく。GKエデルソンにプレスに出ると同時に周りの選手たちも連動する。そうするとシティの幅をとるSBがフリーとなる構図が出来上がる。

そしてGKエデルソンは皆さんご存知の通り足元でのボール扱いの技術、ボールの配給力は世界一だ。たとえプレスに来られても僅かなパスコースにパスを通してしまう。

普通だったら難しいフリーのSBへの浮いたボールをガンガン供給していく。また前線から列を降りるフォーデンに縦パスを通すシーンも。

GKエデルソンを経由したビルドアップでシティが少しづつユナイデットのプレスを機能不全にし、前進するシーンが増えていった。

ひし形左サイド

ビルドアップを完了すると、シティは左サイドを中心のゴールへ迫っていった。左SBカンセロ、左WGグリーリッシュ、左IHベルナルドが三角形を形成してどんどん旋回していく。ここにフォーデンも関わり菱形を形成。多くの人が左サイドに関わり細かくボールを動かしていく。

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前半右サイドのマフレズがボールを触ることはいつも以上に少なかった。

トップのフォーデンがボールに関わると、ゴール前のフィニッシューは誰が担うのか?という話になるがそこもしっかり準備されていた。

右IHのデ・ブライネがフィニッシューの役割を担い、左サイドで相手を集めた先もしっかり準備されていた。案の定この日の先制ゴール、2点目はデ・ブライネがペナルティエリアに侵入して奪ったゴールだった。

人数比を増やして仕掛ける

多くの人を関わらせながら、攻撃を活性化していたシティの左サイド。その潤滑油となっていたのが左WGのグリーリッシュだった。

グリーリッシュはもちろん1人で局面を変えられる力は持っているが、この日は味方との関係性が出来上がってから相手を切り裂く合図を出した。

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1vs1ではなく2vs2で崩す

グリーリッシュは1vs1ではなく、2vs2以上の人数比で大きな力発揮する。

1vs1ではなく2vs2で崩す。味方との関わり出来てから仕掛る。

味方に自分に関わらせる時間を作り出す力は飛び抜けているグリーリッシュ。彼がボールに関わると簡単に2vs2、2vs1をたくさん作れる。

正にコンビネーションの達人!

時間とスペースを操ったグリーリッシュが左サイドを活性化させた。見事にユナイデットの右サイドをぶっ壊していった。

踏み込み続けたアクセル

前半一度はユナイデットに追いつかれるも、再びデ・ブライネのゴールでリードをしたシティは、後半更にそのアクセルを踏み込んでいった。

後半に入るとベルナルドが前半よりも落ちてボールに関わる場面が多くなった。それに合わせて左SBカンセロはサイドの高い位置に上がり、左WGグリーリッシュがインサイドに旋回。

左CBラポルトがゆっくりボールを持ち運ぶと、インサイドに位置どりしたグリーリッシュがユナイデット中盤のギャップで縦パスを受ける→ターン!というシーンも出るようになり、更にユナイデットはシティの前進を止めることが難しくなっていった。

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ボールを奪われれば鋭く、分厚いシティのトランジションプレスが襲いかかりユナイデットを圧倒していった。後半マフレズのゴールで2点を追加したシティが、マンチェスター・ダービーをシーズンダブルを達成。

シティの選手たちの足と前への気持ちは最後まで止まることはなかった。

おわり

終わってみればマンチェスター・シティが4-1で勝利、結果だけでなく内容も圧倒するゲームとなった。この日グリーリッシュは数字こそ残せなかったが、彼の新たなチームに与える影響力が垣間見えた試合であった。

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1vs1も数的同数。2vs2も数的同数。

グリーリッシュが力を大いに発揮するのは1vs1以上の人数比になった時の数的同数。関わりを作り、関わりを循環させる事が素晴らしく上手いグリーリッシュ。間違いなく彼の力でこの試合左サイドは活性化された。

リヴァプールの猛追を受ける中でのダービーの勝利。この勢いを維持したままシーズン終盤を更に加速し、ペップシティには突き進んで欲しい!

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