ゴール前のラリー合戦!?首と目が疲れる。【Jリーグ第7節】横浜F・マリノスvs名古屋グランパス

サッカー戦術分析
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マリノスvsグランパス。両チームともに攻撃が大好き。この一戦はオープンな殴り合いになる事が多くの人が予想し、それを望んでいた事だろう。予想通り攻守が目まぐるしく入れ替わる闘いに。

取れそうで取れない。入りそうで入らない。さっき左側のゴールにボールあったよね。あれ?もう反対側のゴール行ってんじゃん!テニスを観ているような、バトミントンを観ているような、バレーボールを観ているような…サッカーだよね?(笑)首を左右に振ることの多いゴール前のラリー合戦!観ている側は楽しさもあったが、疲れたね!(笑)

おおいに撃ち合ってくれた試合だが、まだ足りなかったよね?もっとやり合えた。殴り合えたでしょう!(笑)その為に何が足りなかった?

1stラウンド(マリノスホーム)はドロー。闘いは2ndラウンド(グランパスホーム)へ!

両チームのスタメンはこんな感じ。
マリノスは怪我のエジカルに代わって遠藤がワイドに入り、絶好調マルコスが最前線へ入った。その他のメンバーは前節と代わっていない。
グランパスのスタメンは前節から変更なし。最近はこのメンバーがベストメンバーなのだろ。


両チームとも細かいところは違うが大まかに言うと攻撃大好きチーム。ボールを絶対的に握って主導権を獲る闘いをする。奪われたらすぐに奪いにいく。前線からガンガンボールを奪いにいく!と似ている部分はある。
相手の陣内にボールがあったほうが強さを発揮する両チーム(攻守両面において)。いかに相手陣内でサッカーができるかと言う事がテーマだったかもしれない。



自陣でプレスを剥がして相手陣内に入れば一気にチャンス。プレスを掻いくぐる事が出来なければショートカウンターを受けて一気にピンチに!

両チームともゴール前の崩しはJリーグ屈指の破壊力!
そこも面白いが、ビルドアップをする!させない!攻防も面白かった。

今回はマリノスのビルドアップにフォーカスして観ていく。グランパスのプレスをもっと掻いくぐる事が出来たら、チャンスはもっと増えただろう。

まずはグランパスのプレスから観ていく。

グランパス攻撃的プレス

グランパスは前線からプレスに行く為にラインは非常に高く設定。そして中央を締めてそこからボールへプレスに行った。マリノスはSBが中央に入ってくるので、そこも考えてのことだろう。喜田がアンカーのポジションにいるときはアーリアがケア。誰かがボールに行ったらそれに合わせボールにプレスしに行った。前への意識は非常に高く両SBも積極的にプレスに行った。(中谷、丸山のCBは後方で待ち構える)

前節はレッズが前線からプレスにきた。レッズとグランパスの違いは、DFラインが高いという事だ。DFラインも連動してラインを設定する事でより厚みのあるプレスを仕掛けられた。

連動した、強度の高いプレスでマリノス陣内でボールを奪いチャンスを作った。
マリノスもストレスを感じながらプレーをしていただろう。ビルドアップでのミスも多く目立った。グランパスの狙い通りだっただろう。

グランパスの攻撃的プレスから得点がうまれた。ゴール前に攻め込み、ボールを奪われるがすぐさまトランジションプレス!宮原がボールを奪いファールを誘発させPKを獲得し、ジョーが沈め先制に成功した!

開始早々にグランパスは圧力あるプレスと攻撃力で得点するが、徐々にマリノスペースへ。
見えてくる攻撃の狙い。なんだか風間さんが機嫌悪そうな感じがしたのは僕だけですかね?

米本、シミッチは前に強い!

これは1点目の形だが、
他の場面でもこのエリアが空く事があった

グランパスは攻守ともに前のめり。中盤の米本、シミッチも攻撃するぞ!前からボールを奪いに行く意識は非常に高い。前への意識が強いが故に空いちゃうスペースがうまれる。DFラインもラインを高くして中盤のスペースを消していたが…前へ行き過ぎちゃった中盤2枚。

そこをうまく使っていたのは三好。特にカウンターの起点になっていた三好。フラッと前に残っていた三好が幾度となくロングカウンターの起点になっていた。

広大なスペースがあるわけではないが、三好には十分。
ビルドアップの時にも三好が中盤とDFの間で受けてターンしたり、ボールを受ける事でビルドアップの出口になるシーンもあった。

同点弾は見事な高速カウンターだった!電光石火!


意外とここが空いていた。

それでも、グランパスの連動するプレスに手を焼きづつけていた事は確かだ。プレスを剥がしてチャンスを創り出すことも出来たが、もっと出来た事があるのでは?ということを次に書いていく。

ビルドアップ改善点

※あくまで個人の見解です。

攻め急いじゃった攻撃

グランパスの圧力によって、攻め急いじゃうシーンが多かった事は確かだ。攻めなくてもいいのがサッカー。
でも攻めたくなっちゃうんですよね。時と場合によってそういう休む時間も必要だ。それが駆け引き。

同サイドから無理に攻めなくても、一度やり直すことや逆サイドに展開する事で局面が大きく変わったシーンもいくつかあった。時間を操る選手が出てくると、常に試合巧者で試合を運べ、絶対的にボールを握る事が出来るだろう。

ボールの離し方

テンポよくボールを回していくのがマリノスの攻撃の良さでもあるが。もう少しボールの離すタイミングを相手を観て変える事が出来たらプレスを剥がせるシーンは増えるだろう。この試合ではむしろ早過ぎた印象。もう少し、溜めてから出したら、引き付けてから出したら、ボールを受ける選手に時間とスペースが生まれて、プレーの選択が広がって、相手を困らせる事が出来たかもしれない。

それが絶妙に上手いのがアヤックスだ。早過ぎず、遅過ぎず。ビビらずに相手を観て判断を変える。ボールの離し方ひとつで攻撃のクオリティは上がる。

CBの運ぶドリブル

CBの運ぶドリブル。抜いたり、取られない為ではなく、ただゆっくり運ぶドリブル。空いたスペース(2トップ脇から前へか2トップに向かって)運ぶ事でグランパスの選手を釣り出し、次の選手に時間とスペースを与える。ドリブルで運んで相手がプレスの矢印を出すまではボールを離さない。この数メーターの運ぶドリブルが出来るだけでプレスを剥がせることもある。

メッシがよくやる立ち位置

⬆️この立ち位置も良いんだけど。
2トップに対しては遠い位置。この位置で受けたら確かにFWのラインを越える事が出来るが、前を向いた時には相手の2列目に近いと言う事でもある。2列目を釣り出して、ワンタッチで剥がしたり、3人目で前向き作る(レイオフ)をするのも良いかもしれないが、少しリスクがあるのも忘れてはいけない。チームとしてこれを出来る関係性、技術を身に着けることも必要だが、他にも確実で良さを出す方法がこのゲームに少しあった。

⬆️この位置はどうでしょう?
メッシがよくやるやつ。自分のドリブルをするスペースを空ける為にあえてこうやって近く。そうすることでターンした時に前に少しのスペースがうまれる。このくらいのスペースがあれば三好には十分だろう。何回かこのシーンがあった。前向きでボールを運ぶスペースがあれば色々出来ちゃう選手が多いマリノス。天野も広瀬も。喜田さんも。これも安全かつ正確に行えるビルドアップかもしれない。

蘇ってきたマリノスらしさ?

この試合GKの朴中心にゴール前は本当に身体を張ったシーンが観られた。最後まで諦めずボールを追い、身体を投げ出すマリノス戦士たち。マリノスが築き上げてきた堅守。井原、松田、ボンバー中澤。象徴となる鉄壁の壁が居た。忘れていたは訳では無いだろうが、マリノスらしい光景が戻りつつあるのかもしれない。伝統的な堅守と新たな攻撃的サッカーが混ざり合った時さらにマリノスは強くなるだろう。

粘り強さが戻ってきたマリノス

おまけ(中盤のこの選手巧いよ〜)

いぶし銀の喜田さん

攻守で中盤を制圧したアンカー喜田さん。首を振り続ける男。どんどん上手くなってる。味が出てきましたね。渋いです。後半のフリックパスはすげー痺れたね。

首を振り続ける男・喜田拓也。今のマリノスに必要な「深み」。(安藤隆人)
90分間に一体、何度首を振っているのだろうか。 攻守どちらの場面においても、ボールのあるところに必ず彼がいる。 横浜F・マリノスのMF喜田拓也のプレーは、今年に入って凄みを増している印象を受ける。

オープンマスターシミッチ

名古屋の攻撃のマエストロ。ジョアン・シミッチ。彼のボールの入れ方、離し方は本当に絶妙。体を開き(オープンの体勢)相手を誘導させて自らスペースを創り出しそこへボールを打ち込む。シミッチの相棒米本選手もだいぶ上手くなっていたのはビックリした。

名古屋の新たな心臓はジョアン・シミッチ。超優良助っ人が秘める「予知能力」の秘密 | フットボールチャンネル
パス成功数はイニエスタ超え 名古屋グランパスのMFジョアン・シミッチ【写真:Getty Images】 引き

試合の総括

試合は1−1だったが、スコア以上にお互いチャンスを創り出した。まさに殴り合いの試合だった。両チームの攻撃のクオリティはどんどん増している。両チームとも昨年は苦しいシーズンだったが、やり続ける事で身に付くクオリティ。そのクオリティは益々増していくことに違いなくどんどん攻撃力が上がることだろう。1stラウンドは痛み分けのドローに終わった。2ndラウンド(グランパスホーム)ではもっともっと激しい攻防が観られることを期待しています。やっぱり攻撃的なサッカーは観ていて面白いね!

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