【復刻?リメイク?それともニューバージョン?】 22/23 プレミアリーグ第1節 ウェストハム×マンチェスター・シティ/マッチレビュー/試合分析

サッカー戦術分析
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さぁ!プレミアリーグ開幕戦!
ペップシティのプレミアリーグ3連覇への挑戦の始まり始まり。開幕戦の相手は難敵ウェストハム。近年のプレミアリーグには難敵しかいないほどのレベルではある。そんな中でも、昨季ペップシティはハマーズ(ウェストハムの愛称)に大いに苦しめられた。

5連覇がかかっていたガラバオカップで敗戦。リーグ戦の戦評はシティの1勝1分と軍配が上がったものの、どちらに転んでもおかしくないゲーム内容だった。

優勝争いの大詰めの中行われたプレミアリーグ37節、ハマーズのホーム.ロンドンスタジアムで行われた試合では、シティのプレミアリーグ2連覇の夢が消えかかった試合内容となった。

そんな苦い思い出の詰まったロンドン・スタジアムがシティの開幕戦の舞台となった。

相手は難敵の中の難敵ハマーズ。そして開幕戦ということもありチームの完成度や新加入選手のフィット感もままならない状況で、シティにとったは非常に苦しい試合となると思ったサッカーファンも多かったはず。しかしそんな不安を払拭させるような内容、結果を見せつけたシティ。

それでは簡単ではありますが、試合を振り返っていきましょう!

【ボールを握り倒したペップシティ】

試合は終始シティがボールを握った。いつもの話でしょと言われればそうなのだが、最後までハマーズのプレッシングががっちりはまって、彼らが意図的にボールを奪うことはほとんどなかった。

ハマーズのショートカウンターが成立するときはシティの選手たちが自陣でミスをした時くらいだった(53分 CBからの縦パスを受けたギュンドアンが、もう一方のCBへフリックパスをミスってショートカウンターを食らうくらい)。

ボール保持率76%。パス本数は800本を超えた。

この数字を可能にさせたカラクリは何なのか?ペップが何を仕掛けたのか?それがこの試合の1番の面白みだ!

【両SBがインサイドに.作り出したフリーエリア】

試合開始からペップの思惑がピッチ上に表現された。両SBのウォーカーとカンセロがボール保持の局面になると執拗に中で立ち位置をとった。これにより複数のパスコースを作り出し、ハマーズのプレッシングが定まらなくなった。

ペップの十八番である偽SBを両SBにやらせる、「W偽SB」なのか?

両SBがアンカーロドリの脇に入りスリーボランチを形成し、ボール保持局面での配置を4-3-3から2-3-2-3へと可変していった。

ハマーズは初め4-2-3-1の陣形でプレッシングに出た。シティの両SBがインサイドに入ると、それに合わせてハマーズのSHも内側へマークの為に誘導される。

ハマーズのSHが内側へ誘導されることで大外のレーンが必然的に開くことに。

開いたではなく開けた大外のレーン

両SBが内側に絞ることで作り出したフリーエリア。

その開けた大外のレーンに幅をとるWGのグリーリッシュとフォーデンへのパスコースに。またIHのギュンドアンとデブライネがサイドに流れてパスを引き受けるエリアとなった。

何度もCBから外へ斜めのパスがフリーエリア(大外レーン)に入り、シティが前進していった。

こんなヒートマップ見たことない。しかも両SB。面白すぎる上に、効果的だから凄い。ペップの頭の中はどうなってるんだろうね。

【中を閉じれば外が。外を閉じれば当然ね。】

シティの両SBが中に絞ることで、前線の陣形を中へ閉じ込められたハマーズ。それによりシティに大外のレーンを起点に何度も前進を許してしまったハマーズ。

しかしいつまでもそんな状況を作られてシティに押し込み続ければ失点は時間の問題に。それでは大外レーンを封鎖すると今度は次の問題が生じる。開けられた大外のレーンを塞ぐと当然今度は中央が開いてしまう。

中央には2CB +アンカーロドリ。そして中央に絞った両SBと中央には多くの選手が待ち受ける。

そこにIHのギュンドアンとデブライネも列を降りてボールを引き出すアクションを起こす。

新加入のハーランドも少しぎこちなさがある中、中盤に落ちて縦パスを受けて2列目の選手を前向きにさせるシーンも何度か見られた。

中を閉じれば外が。外が開けば当然中が開いてしまう状況を突きつけられたハマーズ。それではどうすればいい?このどうすればいい状況を作り出すのがペップの最大の狙いだろう。

こっちを防げばこっちが開いちゃうよ?という具合に。どちらも防ぐ選択ができればベストだが、どちらも防がせないのがペップシティが毎度高い保持率と、多くのパス本数を数えられる要因だ。

週刊 FootBall Base|inamo|note
三十代サッカー戦術ブロガーinamoがお送りする週刊webマガジンという名の、『私のサッカーノート』。サッカー現場で感じること。サッカー観戦で感じた疑問.考察。頭を整理するためのメモ帳。こんな感じに書いていこうと思います。誰かとの対談やインタビュー記事なんかも書けたらなと思ってます。

【ハーランド×ペップシティ.垣間見えた化学反応】

ペップシティのビルドアップを前線で引っ掛けることができなければ自陣にブロックを形成してゴール前を固める選択を多くのチームがとるはずだ。

ハマーズも時間が経つにつれてそんな状況へと。
さぁやってきました次の問題。そしてペップシティの最大であり永遠の課題である『ゴール前に固められたブロックをどう崩すの?』問題

ペップがシティに就任してからずーっと抱える問題。そんな問題と向き合いながら導き出した回答がいくつかある。

その回答が『ニアゾーンからのポケット侵入』、『ファーゾーンへのポケット侵入』、ミドルシュート、クロス攻撃、神頼み(デブライネ、フォーデンの質)であり、この武器をこの試合でも大いに発揮した。

そして新たなに加わったハーランドというピースが新たな回答を導き出してくれそうなプレー、ゴールを見せてくれた。

『ハーフレーンからのポケット縦侵入』

プレミアリーグデビュー戦となったハーランドは早速2得点という結果を見せた。その2得点は似たような形からだった。

どちらも、ハーフレーンからの縦スルーパスを中央から斜めに走りこんで背後をとったゴールだった。

1点目は左ハーフレーンでIHのギュンドアンが前を向くと、ハーランドは一気にスプリント。ハーフレーンからの縦パスにフルスプリントで走りこんだハーランドがPKを誘発させ、それを自らゴールへ沈めて1点目。

2点目は右ハーフレーンで前を向いたデ・ブライネから縦スルーパスがハマーズの4バックの僅かな隙間へ通されると、そのボールにこれまたフルスプリントで背後を抜け出したハーランド。GKの1vs1を簡単に沈め2点目。

どちらもハーフレーンから出た縦のスルーパスがきっかけに。特にデ・ブライネがこのエリアで前を向いた時には、ハーランドの縦抜けが加わることでより攻撃力が活性化しそうだ(ワイドの張るWGに開いてDFが気をとられればこの試合のゴールの様に中央へ縦パスが刺せる。中央をより意識させるば外が活きるし、逆サイドポケットへの高速クロスもより活きるはず)。

【W偽SB再び.】

最後に、この両SBを中央へ絞らせるビルドアップは実は昨季もトライした形。

ペップシティの試合を何年も見ている人にとっては何だか懐かしさを感じたかもしれませんね。

昨季とは何が違うのか?そしてどんな進化を遂げるのか?と言う観点でこれからの試合を見るのも面白そうだ。新たなペップシティの楽しみ方が出来たようで嬉しい。

昨季のただの復刻版なのか?
昨季からのリメイク?アップデートはあるのか?

妄想は止まらない。
ペップが次どんな手をうってくるのか、今か今かと次節の試合が待ち遠しいな。

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