「【令和初戦!。襲いかかる紫熊。】」Jリーグ第10節 サンフレッチェ広島vs横浜F・マリノス

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サッカー戦術分析

マリノスは前節平成最後のゲームとなったアントラーズ戦。自分たちのミスから先制を許し、4万人近くの大観衆が集まった日産スタジアムには不運な空気が。しかしトリコロールイレブンは決して曲げずに、ひたむきに自分たちのスタイルを貫き通した。。。マリノスらしさ全開でアントラーズを押し込んで、押し込んで、逆転勝利を手に入れた!詳しい内容はこちらで!

前節とは一変。令和初戦となった今節は我慢我慢の90分だった。辛抱強く最後まで集中を切らしてはいけない。集中が切れた瞬間、紫の猛攻に襲われて一気に崩れてしまう…耐えて耐えて耐えしのぶ。決して消えることのないマリノス伝統の「堅守」。お互いよく走り身体を張った。両チームの走行距離、スプリント回数もすごい結果に。それではスタメンから。

マリノスのスタメンは前節と変更があるのは左SBのティーラトン。和田は契約上サンフレ戦には出れない。あとはいつも通りのメンバー。エジカルの怪我はもうそろそろ完治しそうで、前線のレギュラー争いは激化するだろう。遠藤もここ最近のパフォーマンスは決して悪くない。

サンフレのスタメンはこんな感じ。守備時には5-4-1でマリノスの守備を自陣で待ち構えると予想していたが、その予想とは反して前線からガンガンプレスをかけてきた。

それでは前半の戦いから振り返ってみる。

前半の戦い

牙を剥く紫のプレス

下の図は 前半の
・ボール支配率
・プレーエリア(ボールがあった割合)
・アタッキングサイド
・シュート数    をまとめたものだ。

マリノスは前半ボール支配率約70%、パス本数は483本と圧倒的にボールを持っていた。しかし、サンフレに押し込まれる時間が多く苦しい前半だった。プレーエリアを見て欲しい。サンフレ陣内ではなく、マリノス陣内に多くの割合ボールがあったことがわかる。サンフレの強度の高いプレスによって中々前進できなかった。マリノスはシュートが1本。サンフレは8本も打っている。効率よく守り、攻めていたのはサンフレだった。サンフレの攻撃型プレスはマリノスの脅威となった。

サンフレの前プレス

ここではサンフレ目線で話をしていく。
お互いの配置を照らし合わせるとこんな感じになる。サンフレ陣内では7対5とサンフレが数的有利に。マリノス陣内では3対5とサンフレが数的不利になる。一見マリノスの攻撃を待ち構える守備的な配置では?と思うだろうが決してそうではない。超攻撃型プレスの為の配置。サンフレのボールプレスの強度は非常に高い。そこからのカウンターも本当に力強く、精度も高い。

誰が誰にプレスに行くんだ!ということはある程度決まっていたのかもしれないが、迷いなくボールにアタックする為の配置だったのではと。サンフレが意図的にこの配置をとったと言うより、サンフレのスタイルがマリノスの配置やスタイルにすっぽりハマっている感じ。サンフレにとっては相性がいい相手なのかもしれない。だからサンフレは昨年マリノスに負けなしだったのかもしれない。

サンフレは前線の選手の誰かがプレスを始めたらそれに続いて連動し、次々とボールプレスにいった。ただプレスにいくのではなく限定をかけながら、マリノスの選手に選択の制限を掛けながらボールプレスにいく。制限を掛けてくれることで、次にプレスにいく人には予測をたてやすくなり先手を取ることができるようになり、より接近した距離までプレスをかける事が可能になった。その連動したプレスは見事だった。それを可能にさせた一つがこの配置。後方は元々数的優位で守ってる。しかも2人余る。誰かが前にいっても後ろの配置は数的優位のままだ。もしくは数的同数まではいいかな?くらいの勢いでどんどん前にプレスを仕掛けに行った。決して闇雲なプレスではなく、しっかり後ろのリスク管理をする事で、前にプレスにいく迷いや不安を取り除く事で、強度の高い思いっきりのいいプレスを可能にさせた。非常に戦術的にデザインされたプレスだった。

もちろんマリノスに中盤を剥がされて押し込まれるシーンもあったが、そうなったら5-4-1でゴール前にブロックを敷き攻撃をシャットアウトした。

ボールを奪ったら、大外に柏とサロモンソンが駆け上がり、そこにボールを送り込み、縦に早い突破をする。時には大外から大外への大きなサイドチェンジでマリノスを揺さぶり、早くて鋭いセンタリングを上げ、中には4、5人が流れ込む攻撃をみせた。

正直サンフレ強いな。という印象を強く受けた。前からも行けるし、後ろでも守りきれる。完成度は高い。逆になぜ、これで最近勝ち点を掴めないのか非常に不思議だった。

マリノス前半の攻撃

シュート1本で先制!

マリノスは押し込まれていた。そんな中、セカンドボールを広いサンフレのプレスを剥がし、電光石火のショートカウンターを決めて先制ゴールを奪った。この試合キーマンになっていたのは三好かもしれない。攻撃のキーマンである三好にはボールが集まるし、自分でもボールを集めにいく。攻撃力があるのは確かだが、サンフレはそこを逆手に三好を狙ってボールを狩にいった。三好も何度かボールを刈り取られるシーンがあった。先制点も含め、三好が剥がせばマリノスのチャンス。刈り取られればサンフレのチャンスという展開も多かった。先制点は三好から生まれた。三好にアタックするサンフレのプレスを逆手にワンタッチパスをマルコスに。マルコスに時間とスペースを与へ、ゴールに結びついた。

左サイドのオーバーロード

前半戦のスタッツ

前半、マリノスのアタッキングサイドの割合は左サイドに65%と極端に左サイドに偏っていた。しっかりボールを繋げる事が武器のCBの畠中からの供給が多いのも一つだが、天野、三好、FWのマルコスも左サイドに寄り数的優位を創り出した。時には逆SBの広瀬も加わり、左サイドのオーバーロード(意図的にボールサイドに人をかけて、数的優位を創り出すことや相手を集める)からサンフレのプレスを剥がす事と、右サイドに張る仲川をフリーにさせる為に左サイドに相手を集めようと意図があったのかもしれない。もう少し、逆サイドの右に張る仲川までボールが渡れば、もっと多くのチャンスが増えただろう。後半に入るとその数は増えていき、チャンスも増えた。

しかし逆に人をかけてボールを回した時に、中盤あたりでボールを奪われてしまい一気にショートカウンターを仕掛けられたシーンも少なくなかった。リスク管理と奪われない技術はまだまだ向上しなければいけないだろう。

サンフレに押し込まれながらの展開でシュート1本でゴールを奪えたマリノスだったが、よりサンフレのプレスの圧力は増していき、我慢が続いた。

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後半戦の戦い

耐えるマリノス

下の図は 1試合通しての
・ボール支配率
・プレーエリア(ボールがあった割合)
・アタッキングサイド
・シュート数  をまとめたものだ。

後半も前半同様サンフレの強度高いプレスに苦しめられたマリノス。前半に比べ、徐々にサンフレにボールを持たれる時間も増えていき、さらに耐える展開が多くなった。特にサンフレの大外からの攻撃に手を焼いた。そのキーマンは左サイドの柏選手だった。

好調サンフレ左サイド柏

1試合通して、サンフレは左サイドからの攻撃が多かった。アタッキングサイドの割合を観てみても、左サイドからの攻撃が多かったことが分かる。好調男左サイド柏の存在。この試合もキレキレ。スピード満点のオーバラップとドリブルで幾度となくマリノスの陣形を切り裂いていった。

サンフレの課題

柏を中心としたサンフレ。シュートもマリノスの倍以上の15本を放ったのに、無得点。ボールを奪うことからシュートまで持っていく過程は非常に整理されており、完成度は高かった。センタリングに対しても、ゴール前に4、5人が入るし、セカンドボールを拾って二次攻撃を仕掛けるシーンも多かった。センタリングも逆サイドのゴールキックの角を狙う意図が見えたり、決して闇雲に攻撃しているわけでも無かった。それなのになぜ、得点を奪えないかったのか。やはり最後のクオリティ。センタリングの質、シュートの技術、選手間のタイミング、など。ゴール前のクオリティが上がればサンフレはさらに勝ち点を重ねていくチームだと感じた。そのクオリティを上げるには、選手が上手くなるか、新しい選手を獲得するしかないが。最後のフィニッシュはやはり能力やタレント性(なんか点取っちゃうよね、ゴールの嗅覚あるよねみたいな)が必要。シュートまでの過程がいかに素晴らしくても、最後のフィニッシュが下手では点数は入らない。サンフレには得点を奪うタレントがいないわけではない。その選手が調子を上げることはサンフレが勝ち点を手に入れる為には必須事項だろう。

ボディブロー

お互い非常によく走った。スプリント回数、走行距離も両チームすごい数値になった。時間が経つに連れてボディーブローがサンフレを苦しめる。マリノスのよく動くボールを奪う為に走ったサンフレ。走らされたシーンも多く、後半は運動量が落ちていったのも確か。更に先制点を奪われ前のめりになるサンフレは徐々に最終ラインと中盤に大きな溝ができはじめる。そこを三好が上手く使いボールを受け、ゴール前に侵入するシーンも作っていた。仲川がカットインからシュートをしたりチャンスを作るも2点目を奪いきれず仕留めることはできなかった。

耐え忍んだマリノス

最後まで辛抱強く、耐えて耐えて耐えたマリノス。やられてもおかしくないシーンもあったが、全員で最後まで集中してゴールを守りきった。マリノス伝統の「堅守」は今でもしっかり彼らの身体に心に宿っている。前節と一変、攻撃的なサッカーは今節出来なかったかもしれないが、こういう試合をモノに出来たのは一つ成長した証だろう。こういう試合展開も長いリーグ戦の中にはあるものだろう。そんな試合を全員で耐えしのんでつかむ事が出来たのは大きな自信に繋がるはずだ。平成最後を勝利で、令和初戦も勝利を掴めた事は率直に喜ばしい事だ。

10節を終えて5勝3分2敗で勝ち点18で6位という順位。まずまずと言えるのか。それよりも気になるのが得点数と失点数だ。失点は12失点。まだまだ改善の余地あり。自分たちのミスからの失点も多い。攻撃をしながらのリスク管理、さらなる連携と技術力の向上を図らなければいけないだろう。そして得点だ。14得点という数字はリーグの中でも、少なくもなければ、多くもない数字。ここは一番こだわらなければいけないだろう。シュートまでの過程は向上しているのは確かだが、やはり最後は数字、結果。多くのファンもそこを求めているはずだ。圧倒的な攻撃力で相手を押し込めば、自然と失点を減らすことにも繋がるだろう。

更なる攻撃力の向上が、マリノスをより上のステージに押し上げるポイントになる!

試合結果
サンフレッチェ 0ー1 マリノス
得点者
マリノス:仲川
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