「【ブレずに進化する横浜。違う道を辿り出した神戸?】」Jリーグ第12節 横浜F・マリノスvsヴィッセル神戸

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サッカー戦術分析

前節のセレッソ戦の完敗からの今節。ホームで迎えるはRakuten ヴィッセル神戸。マリノスの試合を観る為に、ヴィッセルが誇る世界のビックネームを観る為に4万人を超える観衆が日産スタジアムに集まった。この試合、ブレずに進化を続ける姿を示した横浜F・マリノス。
はたやヴィッセル神戸は、違う道を辿り出した?

今節までのJ1リーグにおいてボール保持率1位(マリノス)2位(ヴィッセル)の数字を叩き出しているチーム同士の一戦。選手、コンセプト、戦術は違えど目指す方向性は一緒だったはず。後方から中盤を経由し、パスを繋ぎながらボールを大事に相手ゴールへ迫る。絶対的に自分たちがボールを握り試合をする!という方向性は両チーム一緒だったはず。マリノスは前節までの配置と選手を変更してきたが、方向性はブレずにスタイルを貫く。ヴィッセルは監督解任や、チームの状況もあまり良く無いという噂がちらほら。連敗も続き難しい状況なのは確かだが、目指す先は違う方向へ走り出したのか…イニエスタもガックリする姿も…

日本のバルサを目指す野望はもう消え去ってしまったのか…

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それではスタメンからどうぞ!

マリノスは三好、天野を外し、中盤を2ボランチ扇原と喜田で組ませ、その前にマルコスを配置した。スタートからボランチ2枚を並べる配置は今シーズン初。試合の途中からは何度かあったが。前節の失点を踏まえて、しっかり中盤を締める意図もあったのだろう。怪我から復帰してからエジカルは初のスタメン。コンディションはまだまだだろうが、彼がスタメンに帰ってきたのは間違いなく大きな力。マルコスとの縦関係も初の試み。しかし、マリノスの貫くスタイルは決して変わらない。

マリノスは今回攻撃時に明確な役割を与えられた事で攻撃が活性化。それか選手間の関係性がよくなっているのかもしれない。俺の役割はコレで、お前の役割はコレだよ!こっちの方がより良さが出せるでしょ!みたいな感じに。それと監督の哲学がチームに浸透し出したのは確かだ。敗戦を重ねながらも確かに進化していくマリノス。

まずはマリンスの攻撃時の役割分担からどうぞ!

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マリノス

マリノス攻撃時の役割

ここであげるマリノスの攻撃時の配置や役割はよく見る形だが、この試合ではより明確に全体が全体の役割を共有していた。大外には仲川と遠藤が張り、両サイドバックがインサイドハーフ(内側)にポジションを取る形で、お馴染みのポジションの配置を崩しながら相手を撹乱させた。遠藤、仲川の両ワイドは大外の立ち位置に居るとより良さを発揮する。縦の突破力、スピード、ドリブルはより大外からのポジションで活き活きする。三好や天野がいないことで仲川のもう一つの武器であるCBとSBの間(チャンネル)へのランニングはあまり観られなかったが。遠藤は水を得た魚のように活き活きとプレーし、しっかりと仕事もした。そして、2人がしっかり幅を取ることで、中央の選手に時間とスペースを与え、より効果的に攻撃を展開できた効果にも。外も使えるし、中央も使えるよ!って状況を作り出せた。

喜田と扇原は流動的に動く前線の選手➕SBの選手の動きを観ながら鼻が利くプレーを。守備時にSBが開けたスペースに蓋をする役割。相手のカウンターの芽をつむ役割。インサイドハーフ(中央)のスペースを開けるための動きなど、地味ではあるがいぶし銀の働きをした。特に喜田の働きは本当に地味ではあるが凄みをどんどん増している。2点目もハイライトには映らなかったが、喜田のセカンドボールを拾うプレーは痺れた。そのプレーが起点になったのは間違いない!

交代で入った李のゴール
マリノス加入後Jリーグ初ゴール!

エジカルとマルコス。エジカルは中央を主戦場にしてボールを引き出す。コンディションが上がっていないのは見受けられたが、要所要所でのキープ力はチームの力となった。

そしてこの試合でもマルコスの役割は大きかった。

捕まらないマルコス

マリノスとヴィッセルの配置を噛み合わせてみる。
マルコスがフリーになる。配置での優位もあるが、マルコスは基本ボールが大好き。よく走り、ボールに関わりフリーになるのが巧みな選手。この試合、中央で自由を与えられたマルコスを最後までヴィッセルは捕まえることは出来なかった。自由にさせすぎたヴィッセル。マルコスの運動量、攻守においての彼の役割はこの試合でも大きかった。本当にサボらず守備をして、味方を鼓舞し続けて、ボールの関わり続け、スコアラーとしても結果を出す。怪我だけしないことを祈るばかり。

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分厚くなる選手層

スタメンを張っていた広瀬、三好、天野がベンチスタート。怪我から李、エジカルが帰ってきたことで選手層は増していく。この試合、途中から李、三好、天野が途中から出てくるマリノスの分厚い選手層。凄まじくなってきた。途中から入った選手がしっかりと結果を出す。熾烈になるスタメン争い。それが一層チームの競争を加速させ、チームが強くなる重要な要素へと繋がっていくのは間違いない。

3点目
三好がティーラトンのクロスに
しっかり左足で合わせた!
この日2点目となる
三好のゴールで4点目!

見えたマリノスの課題

良かった要素も多くあったが、課題もあった。今節川崎フロンターレvs名古屋グランパスの試合を観た後だったということもあったのか、トランジションの部分。やはり、強度と意識、そしてリスク管理はもっと高めなければいけないだろう。ヴィッセルのカウンターを受けるシーンも少なくなかった。攻撃が単発で終わったしまうのではなく、トランジションで即時奪還するという事も一緒に、セットに攻撃しなければ、絶対的にボールを握ることは出来ないだろう。攻撃と守備がまだまだ一緒ではない。相手陣内に攻め込んだら、もう出さないぞ!何回も攻めて、仕掛けて、すぐに奪い返す!その意識と強度、リスク管理を高めるのは課題。

フロンターレ、グランパスも自分たちがボールを握り、主導権を握るスタイルは似ているのかもしれないが、この両チームの奪われてからのトランジションの強度と意識は凄まじかった。学ぶべき要素だろう。

課題も明確になりながらも徐々に解決をし、進化をしていくマリノス。新しい配置や組み合わせにトライしたり、スタメンに抜擢された選手も奮起し、途中から投入された選手が結果を出しチーム内競争も激化していく。敗戦を重ねながらも、1歩ずつ理想のスタイルへと近づいているマリノス。目指すべき場所は同じだったヴィッセル。違う方向へと歩み出したのか…

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ヴィッセルは違う道へと?

イニエスタ、ポドルスキーは欠場。サンペールもベンチスタート。前線にウェリントンを置き、彼の良さを活かすポストプレーやマリノスのハイラインの裏を狙った攻撃を展開した。今シーズン彼らが目指したサッカースタイルとは一変していたのかもしれない。

試合前の監督のコメントでも、ボールを保持することよりも、勝利を手にすることが大事。批判をするわけではないが、彼らの歩む道は変わったのかなと試合前から感じた。

ヴィッセルの攻撃の狙い

マリノスのハイラインの裏を狙うヴィッセル。
狙いは良かったが、オフサイドに10本もかかってしまった。もう一工夫必要だった。左サイドの関係性は悪くなかった。元レイソルコンビの連携は健在だった!

攻撃時は3-4-3のような配置になり、大外がフリーになる。まずは裏を狙い、そこからサイドに展開して、ウェリントンの高さを活かしたかったのだろうが、それはあまり観られなかった。マリノスのGK朴の好セーブにもあい得点を中々奪えなかった。チャンスで奪えていたら結果は変わったのかもしれないが。

後半はセンタリングはほぼ無かった。大外を活かすサイドチェンジを使いながらの攻撃をしたかったのでは。単調な裏を狙う攻撃ばかりで。縦に早い。もう少し、サイドを使いながら、中盤で時間を使いながら、サイドに展開できたら結果は変わったのかもしれない。後半ロスタイムにウェリントンが決めた形が、この試合目指した形だったのかなと感じた。しかし、遅すぎた。

リスク管理

ヴィッセルの選手も自分がなんとかしなくては!という意識を強く持っていたのは感じるシーンもあった。しかしそれが時にチームをバラバラにさせてしまう要素にも繋がってしまう。攻めてはいけないタイミングで攻めてカウンターを食らったり。全員が前のめりになってしまって、セカンドボールを拾えなかったり…悪循環へと繋がってしまう。その時に必要なのが、同じコンセプトを持つことだろう。どういうゲームプランで戦うかをはっきりさせること。ピッチ内でリーダーシップをとり、チームをバラバラにさせないことは重要な要素だろう。そういう意味では前線にウェリントンをいれて明確にさせたのかもしれないが、うまく噛み合わなかった。

準備はしてきていた。前線からマリノスのボールを奪ってショートカウンターを仕掛ける。マリノスのゴールキックをハメにいくことなど準備してきたことも多かった。しかし、結果は大差をつけられての敗戦だった。準備が足りなかったのか、運が無かったのか、挙げればキリがないだろう。これからどうヴィッセルは歩んでいくのだろう。

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僕が挙げるとしたら、攻撃時の守備のリスク管理。
攻めながら守るという部分が欠けているなと感じた。1失点目はまさにそれが浮き彫りとなった。全員が裏を狙う意識は非常に良かったが、誰もセカンドボールを拾う選手がいないし、前線に残るマリノスの選手をマークしていない。ボールを跳ね返された瞬間に2vs3の数的不利の状況が発生。マリノスの見事な崩しでもあったが、他にもリスク管理されてないシーンはあった。

CBのダンクレのドリブル。果敢にCBの位置からドリブルを開始。しかし中盤で奪われる。ショートカウンターを受けて、あっという間に数的不利の状況を作られたシーンもあった。ダンクレにも問題はあったかもしれないが、彼が開けたスペースを埋める人もいなければ、即時に奪還する選手もいないのも問題だろう。失点が多いことも何となく感じるプレーだった。

試合の総括

マリノスは新たな形を示してくれた一戦。負傷明けの選手のコンディションが上がってきたらさらにチーム内の競争は増し、チーム力は上がるだろう。監督の哲学や選手の連携など高まってきている部分は確かにある。しかし、課題を突きつけられて、大敗をしてしまう脆さがまだあるチームだということを決して忘れてはいけない。そういう波を無くし、本当の強さを手にいれなければならない。

ヴィッセル神戸はこれでチームワーストのリーグ戦7連敗となった。歩む道先を変えてしまうのか?広大な夢やロマンが詰まったサッカーはもう目指さないのか?個人的には変えずに貫き通してほしい。そういうチームが好きだから!

試合結果
マリノス 4ー1 ヴィッセル
得点者
マリノス:マルコス、李、三好×2
ヴィッセル:ウェリントン

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