「【寝落ちしている間に…】」Jリーグ第15節 清水エスパルスvs横浜F・マリノス

サッカー戦術分析
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今シーズン初の4連勝を狙うマリノス。大雨が降り注ぐ中、アウェイの地でエスパルスとの一戦に挑んだ。ピッチコンディションが悪いからこそ技術の差が明確になった前半。よし!勝ったでしょと安心して寝落ちしてしまったら…まさかの後半…

我らが心臓、喜田選手が5月のJリーグ月間MVPに選ばれました。アシストやゴールといった数字を残しているわけでも、派手なプレーがある訳ではないですが、こう言う選手がしっかり評価されたことはとても嬉しい。毎試合いい味出しますから。この試合も要所要所に出してた。ポステコグルー監督も5月の月間優秀監督賞を受賞。嬉しいニュース。

それではスタメンから。

キックオフから重心を前にするエスパルス。前線からアグレッシブにプレスを掛け主導権を取りに行こうとするエスパルスに対して、いなしていったマリノス。前半が終わってみれば完全に主導権を握っていたのはマリノスだった。圧巻だった。

前半の戦い

圧力かけるエスパルス

4-4-2の配置で前線に圧力を掛けに行ったエスパルス。非常に出足が良く、チームとしてマリノスのボールを前線から奪いに行くぞ!と言う意気込みがプレーから感じた。そう言うことも影響してか球際は激しく前半に25分が過ぎる頃には両チーム合わせて5枚のイエローカードが出る激しい?荒れた?それとも審判が少し出し過ぎ?な試合展開になっていた。ゲームが落ち着かないと言う感じだった。それはエスパルスにとってはいい感触だったのかもしれない。奪ったらサイドに展開してクロスを上げてマリノスゴールに迫っていく。ドウグラスはやっぱり強いね。1試合通してマリノスはドウグラスのポストプレーに苦しめられた。

しかし、試合が経つにつれてマリノスが主導権を握り出す。

翻弄するマリノス

先制点を奪ってから、前半35分すぎから完全にエスパルスを手玉にとったマリノスの攻撃。流動的にポジションを換え、面白いようにボールを動かすマリノスを捕まえられずに、いつ、どこでプレスに行けばいいか完全に見失ってしまったエスパルス。セカンドボールも回収されてしまい、ラインをズルズルと下げざる負えなくなってしまい、どんどん悪循環へ。マリノスは理想の形で押し込み、得点を奪い、前半をリードして折り返した。

左サイドのオーバーロード

この試合、左サイドのオーバーロード(サイドに人数をかける事)からの攻撃が目立った。左サイドに極端に人をかけることで数的優位をうみだして崩す事。また左サイドにエスパルスの選手を集めて、中央や逆サイドの右サイドのスペースを空けさせる為に行った。右サイドの仲川はスピードがあり、ランニングが非常に巧み。彼の良さを活かすためにも右サイドに広大なスペースを創り出すことはマリノスの強みだ。広島戦も左サイドを起点に攻めていたのを思い出した。

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先制点!

先制点も左サイドのオーバーロードから生まれた見事な崩しだった。

左サイドで数的優位を創り出し中央を経由して右のハーフスペースに立ち位置をとっていた喜田へ。喜田の縦パスで勝負ありだ。大外に仲川が待ち構えることで、エスパルスの左SBは釣り出される。そうすると空くのがハーフスペース。仲川の立ち位置と、なんと言っても喜田のボールの持ち方。「オープン」の体勢で身体を外に開き、縦のレーンのパスコースを創り出し、SBの位置からハーフスペースに走り込む和田へ縦パスを打ち込む。なぜそこに和田?昨年名古屋で流行ったNSK(なぜそこに金井?)を彷彿とさせるプレーだった。最後はしっかりエース エジガルが押し込み見事な先制点!

ティーラトンのボールの持ち方と縦パス

ティーラトンはSBの位置から神出鬼没にあらゆる位置でボールを受けに行く。試合を重ねるごとにボールを受ける位置や、受けるタイミングが良くなり、ボールを失う数も減ってきて、攻撃の起点になるシーンが増えてきている。この試合で印象になったのは、左のサイドでボール受けた時の彼のプレーだ。ワンタッチでボールを左足へ。ボールをライン側に置き、身体でボールを隠す体勢になる。縦パスを出すよ!という体勢になり、相手に縦を切らすように誘導して、前線の選手に斜めのミドルパスを打ち込む。ティーラトンの左サイドの大外からの中央への斜めのパスは非常に効果的だった。ティーラトンのボールの持ち方、入れ方は非常に勉強になるので参考までに。

参考に

ティーラトンだけではなく、喜田、天野、マルコス、そして畠中のボールの置き所、ボールの出し方、特に縦パスの入れ方は非常に巧いのでそこを見るだけでもサッカーをしている人は非常に参考になるかと。今は怪我をしている扇原も上手。

この試合だったら、前半39分に観せた畠中の縦パスは非常に分かりやすいシーンなので良かったら。

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後半戦へ(80分ごろまで)

ホームで好きなようにボールを動かされてしまったエスパルス。前半マリノスのボール支配率は70%。パス本数はなんと410本。これは何とかしなくちゃいけないでしょと、4-4-2の配置から4-1-4-1のシステムに変更し、マルコスをしっかりマークしようと試みた。北川が右サイドへ。正直言って、エスパルス北川の右サイドの働きはどうでしたかね?右サイドに行ってからボールロスしすぎだったのでは。ほぼ失ってたよね。彼はやっぱりゴールに近いポジションが活きるのかなと。サイドハーフするスキルは少し足りないのかも。まぁいっか。

システムを変更して、いつ、どこでプレスに行き、誰にマークするのかを明確にしたエスパルス。その意図が徐々にハマり出したエスパルス。マリノスは前半の様に素晴らしいパス回しは少しづつ失われていった。

ここでマリノスに一つアクシデント。チアゴがアウトで広瀬が入り、誰がCB?そう和田がCBの位置に入ったんですよ。前半最初にバッティングした影響でチアゴは交代かな?チアゴがいなくなった影響は小さくなかった。そりゃそうだよね。

狙われるマリノスの右サイド

明確にエスパルスに狙われていたのは、マリノスの右サイドだ。チアゴのアクシデントもあり本来SBの和田がCBに右サイドに広瀬。和田がCBだからしょうがないよねという見方もあるが、それよりもSB広瀬のポジションが少し良くなかった。自分の守っているエリアを簡単に空けてしまい、ボールを奪いに行くシーンが多かった。もちろん広瀬だけが悪いわけではない。広瀬がボールにアタックしたならば、スライドしなくては後ろに広大なスペースを空けることになる。しかし、広瀬以外の3人のディフェンスラインはプレスではなく、ラインを揃えてディレイしているのに、広瀬が単独でボールにいっているシーンも少なくなかった。

1失点目はCKから。その前のシーンではマリノスの右サイドからエスパルスに崩され、CKを与えて、それが失点に繋がってしまった。

マリノスのアンカー攻略法

エスパルスが4-1-4-1と明確にマルコスを潰すシステムをとってきた後半。エスパルスの狙い通り後半序盤はマルコスを中盤でフリーにさせないシーンや潰すシーンも多く観られた。前半よりマルコスがボールに関わる数は減っていった。しかし、マリノスもしっかりエスパルスのシステム変更に対応して、弱点をついて攻め込むシーンも観られる様に。それはエスパルスのアンカーヘナトの脇のスペースでボールを受けることだ。「アンカー脇」を狙うこと。ハーフスペースでボールを受けることだ。天野が受けたり、サイドの遠藤がインサイドに入ってフリーでボールを受ける回数が増えていった。それがボディーブローになったか分からないが、ヘナトには「アンカー脇」でボールを受けるマリノスの選手は気になっていっただろう。

左サイドからのアーリークロス2本

「アンカー脇」を使うことで押し込み出したマリノス。そこで淡々とゴールを狙う動き増やしていったのは仲川。不気味に裏をとる動きが増えていった。

前半からエスパルス右SBの松原との激しいマッチアップをしていたマリノス仲川。後半の半ばくらいから、さらに松原に圧力をかけていく。前半は大外でボールを受けたり、カウンターでボールを受けてスピードに乗ったドリブルを仕掛けるシーンが多かった。ペアの外でのプレーが多かったが、よりゴールに直結するプレー、ペナの中でのプレーが増えていった。

左サイドで前を向いた天野からのアーリクロスに中で合わせたり。その後ももう一本左サイドのアーリクロスに合わせるシーンがあった。そのプレーまではエスパルスの松原も何とか身体をぶつけて自由を奪い、決定的なシーンを作らせなかったが、今の仲川は更に上をいく。しつこいくらいに裏にランニングをして生まれた2点目!追加点!

マリノス2点目

スッと落ちたマルコスが前を向いたと同時に走り出す仲川。マリノスのホットライン。完璧に裏を取られたエスパルス。最後は落ち着いてゴールに流し込んだ。この得点はここだけ見れば、マルコスと仲川の素晴らしいクオリティが成すゴールだったかもしれないが、このプレーが生まれるまでには、上で挙げた、「アンカー脇」を使うこと、仲川のランニングがボディブローとしてエスパルスをじわじわと押し込んで生まれたゴールだったかもしれない。

遠藤巧くなってるよね?

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マリノスの左サイドの遠藤がドンドン巧くなっている印象。ひと昔までは、サイドでボールを受けて、スピードに乗ったドリブルだけ、が武器だったかもしれない。それが彼の最大の武器だけどね。この試合でもインサイドに入ってボールを引き出して攻撃の起点になったり、大外でボールを受けたシーンでは今までは縦に行くよ!だけだったのが、中央にパスを打ち込んで、もう一度受け直して、プレーメーカーになりながら、周りを使いながらペナに入っていくシーンがあったり、プレーの幅がすごく広がっている印象。あとは数字。スコアラーになれると更に彼の価値は上がる。アシスト、ゴールをみんな待っている!

寝落ち後の悪夢

仲川が決めて、残り10分で2−1のリードになったマリノス。僕もなんか安心して、寝落ちしてしまった…起きたら、え?2-3?え?逆転されてない?マルコス退場?しばらくおどおどして、寝落ちした残りの10分を振り返りました。あーあって感じ。勿体無いなというだけ。この試合、あの大雨が降り注ぐ中でも、技術の差を明確に示してくれたマリノスの戦い。一人一人がグングン巧くなっていることを証明してくれた。ピッチコンディションが悪かろうが自分たちのスタイルを貫けるだけの力がついてきたなと感じられる試合でもあっただけに非常に勿体なかった。まあ、切り替えて、松本山雅戦しっかり勝ってもらいましょう。

チームとしてバラバラに

そうは言っても、なぜ逆転されたのかはしっかり振り返らなければいけませんね。私が思うのは一つだけ。マルコスが退場して、チームとしてどうしたかったのか?何をしなくてはいけなかったのかが明確ではなかった。リードして、試合も残り10分もない中で。エスパルスは諦めずに逆転するんだという強い意思を持ち続け戦ってきた。それがプレーに、スタジアムの雰囲気に乗り移り見事な逆転劇を演じたエスパルスは賞賛しなくてはいけない。本当に素晴らしく、いいゲームだった。

そんな相手にマリノスはチームとしてどうしなければいけなかったのか。チームのまとまりが欠けていたのは確か。前から行くのか、ボールを支配するのか、、、試合の終わり方がいかに大切か重々学んだろう。この経験をしっかりと教訓としなくてはいけない。

次節しっかり勝ってもらいましょう!!!!

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