「【松本の城を崩せるか?】」Jリーグ第16節 横浜F・マリノスvs松本山雅FC

サッカー戦術分析
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前節勿体無い負け方をマリノス。この試合はしっかりその経験を活かして勝ち点3を手に入れられるだろうか?そして今節の相手は松本山雅FC。そう両チームゆかりの選手といえば、レジェンド松田直樹。両チームに所属していた松田。あの出来事が起きて早8年。時が流れるのは早い。決して忘れない。あの出来事から徐々にではあるがJリーグの試合会場には必ずと言っていいほどAEDが設置されてきている。松田直樹の熱きハートを受け継ぐ両チーム。決して軽いプレーは出来ない。お互いの良さを発揮する、潰し合う手に汗握る熱いゲームになった。

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スタメン

マリノスがマルコスが前節清水戦で退場した為今節は出場停止。扇原は怪我、コパアメリカで躍動している三好が不在の中スタメンに入ったのは山田康太。今シーズン初スタメン。並並ならぬ思い出ピッチに入ったに違いない。中盤は逆三角形の様な基本配置だったが、試合の流れで三角形の配置は変わっていった。

松本山雅のスタメン。3-5-2の配置で、守備時は5-3-2になり、後ろに5枚が残って、中盤の3人とトップの2枚で前線からボールを追い回した。中盤より前の選手に求められる運動量、仕事量はとてつもなく多かった。マリノスのボール回しに振り回されて、スタミナは徐々に削られてプレス強度は下がるだろうと思っていたが、そこは山雅。90分間走りきれる体力、気力、そして反町監督の的確な前線の選手の交代でマリノスにプレスを掛け続けた。山雅の凄みを見せつけられた。

この試合、山雅が創り上げる鉄壁の城をどう崩すマリノス。マリノスの攻撃を跳ね返し肉弾戦、カウンターを狙う山雅の攻防になった。

松本の鉄壁の城

山雅は守備の時に5-3-2で守備ブロックを形成し、そこからマリノスのボールを奪いにいった。「鉄壁の城」を形成。そして奪ったらカウンター。WBが攻め上がり、サイドに展開して、サイドで数的優位を作りクロス!肉弾戦に持ち込む作戦だった。

そこから、敵陣と自陣で明確のタスクを持ちながらマリノスのボールを奪い取りにいった。

ボールを奪いに行くのは中盤3と2トップの5人の役割。マリノスはビルドアップは7人で行うことが多く、実質7vs5の攻防になった。山雅は5人マリノスの7人のボールを奪いにいった。中盤を圧縮してマリノスの縦をまずケアする。マリノス陣内からボールを出さないぞ!と。

2CBには2トップがプレスをかけ、ワイドにボールが入ると、中盤3人の脇の選手がプレス。それに合わせて全体でスライドをし、圧縮をしてプレスを仕掛けた。誰が、いつ、どこに、誰にプレスに行くのかが明確で、マリノスの選手が余裕を持ってボールを持てる時間は非常に少なかった。常にプレッシャーがかかっている状態。

それを可能にさせたのはもう一つ。後ろには5枚残っていると行くことだ。たとえ剥がされたとしても、後ろには5枚残っているという安心感。リスクヘッジがしっかりされていたからでもある。山雅の5バックはマイボールにならない限り、ほとんどマリノス陣内には入らなかった。後ろに5枚待ち構えているから、前線は頑張って、ガンガンボール追え!応援してるぞ!みたいな感じ。

マリノスの高速アタッカー塞ぎ

5バックを組む事で、マリノスの高速サイドアタッカー遠藤と仲川の良さを塞ぎにいった。ワイドの2人を決して自由にボールを受けさせない意図があった。遠藤と仲川がボールを受ける位置は大体サイドのライン側に追いやられたところで、前を向くことすら難しい状況にされてしまった。

苦しむマリノス

この山雅の整理された守備と、根性プレスに苦しめられたマリノス。自陣から敵陣に侵入することに苦労した前半。たとえ山雅の前プレを剥がしたとしても、5バックが待ち構えているので、中々カウンターも機能せずに、ただボールを持つ時間帯が増えた。しかも、ボールを握るエリアもゴールから遠い位置。それに怒ってイライラしているボスの姿も前半は良く映っていた。

山雅の守備に穴がないわけではなかった。前半は特に。WBの選手が時折、マリノスの中盤に集まる選手に釣り出されて大外を空けるシーンが何度かあり、それがゴール前の決定機に繋がるシーンもあった。

しかし、それは前半に多かった。ハーフタイムでしっかり反町監督をはじめ、チームで修正した印象があった。後半はあまり釣り出されて大外が空くシーンは少なくなった。

天野が縦パスを受けてターンをし、それと当時に右SBの和田がダイアゴナルにランニングし、大外の仲川をフリーにしてシュートシーンをつくったり。ティーラトンから和田へと左右に揺さぶり、和田が中にドリブルをして縦パスを打ち込み、最後は山田康太がバーを当てるシーンをつくったり。仲川が右サイドから左のペナのポケット目掛けてダイアゴナルで侵入し、クロスをあげて右SBの和田が合わせポストスレスレの惜しいシュートシーンをつくったり。天野のFKがクロスバー直撃するなど。決してチャンスがなかったわけではなかった。

天野の惜しいFK

両チーム狙いがあった前半はスコアレスドローで終わった。山雅も鋭いカウンターや、シンプルに前線に放り込みセカンドボールを奪ってからの攻撃でいくつかの決定機を創り出した。

いざ、後半へ!

松本山雅は

山雅は前半と変わらずに、上で挙げた「松本の城」を形成して、マリノスのボールを奪いにいった。後半の入りも非常に良くリズムをマリノスに渡さない。セットプレーにはたくさんの時間をあえてかけてマリノスのリズムを崩そうとしていた。山雅のいやらしさ。相手からしてみればイライラするプレーだっただろう。

前線からプレス→ボール奪うorマリノスにボールを蹴らせ回収→前線放り込むorクロス→再びマリノス陣内でプレス開始 の繰り返し。

山雅の時間が続いた。後半20分過ぎまでマリノスは後半に入ってシュートすら打てなかった。

ボスの対策は?

マリノスの出した答え

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後半からポステコグルー監督は天野を高い位置から一列下げて、喜田と横並びにさせた。インタビューでも天野がボールに触っていないのが気になっていたようだ。天野がボールをたくさん触る事により攻撃のリズムを生み出そうとしたのだろう。そしてもう一つは、山雅のファーストプレスを剥がし敵陣でボールを握る為だ。天野が一列下がる事で後方でより数的優位を創り出し、山雅のプレスを剥がそうとした。その狙いは徐々に当たり出し、前半に比べて、マリノスのボールを動かす位置は高くなっていった。

新たな問題が!

しかしそこで新たな問題が生じる。それは、天野が一列下がる事で後方のビルドアップの助けにはなるが、天野がいたはずのもう一列前には人がいなくなると言う事だ。そうすると天野や喜田よりも前の選手の負担は大きくなった。一番その影響を受けたのは山田康太だっただろう。明らかに前半よりボールを失う回数が増えていった。中盤で受けるときに、天野が山田の近くにいた時は山雅の狙いどころは分散する。それが無くなってしまったので、中盤で孤立して受けるシーンが増え、マークを抱えながら受けなければいけなかったり、より多くの敵を相手にしなくてはいけなくなってしまった。身体ががっしりしているタイプではないので、肉弾戦になったら苦しい部分があるだろう。山田は山田の良さがある。前半はそこが垣間見えるシーンもあった。チームの戦術と、山雅の狙いの中で、山田のプレースタイルやタイプが後半にはミスマッチになってしまったのかもしれない。

そこで終わらないポステコグルー監督。

次の一手をしっかり打つ!!

大津祐樹の登場!

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ボールを動かす位置が高くはなったマリノスだが、その代償としてこの試合では前線の選手にとってはより負担がかかり、孤立するシーンも増えていった。独断での突破力や、キープ力がより求められる展開に。そこで、山田に変えてこの試合のヒーローとなった大津祐樹の投入!

山田よりも高さがあり、何と言っても泥臭さとキープ力がある。ボールを受ける状況が悪くてもキープして味方に渡したり、敵に当ててCKにしたりと地味ではあったが徐々にマリノスの流れを変えるジョーカーとなったのは間違いない。試合を外から見ていた影響もあるのか、大津ももちろん、他の選手が山雅の最終ラインの裏をとる動きが増えていった。それにより、少しづつではあるが「山雅の山」に切れ目が生まれていった。

大津渾身のプレー!

大津が起点でゴールが生まれる。ワイドで遠藤がボールを受ける。山雅の5バックに少しの切れ目が生まれ、大津がランニングを開始。そこはお決まりのペナのポケット目掛けて。遠藤の利き足ではない、柔らかい左足からの柔らかいスルーパスが大津に入る。決していい体勢ではない。山雅の選手もそれに反応して大津に身体をぶつける。大津の本領発揮。プレスに負けることはなく、最後は身体を投げ出し、ゴール前のエースエジガルにセンタリング。エジガルは山雅の選手を背負いながら反転シュートで先制点を奪った!ピッチサイドで倒れる大津は雄叫びをあげ、すぐさまエジガルが喜びを大津にぶつけに駆け寄る。熱いプレーだった!

連敗しないチームへ

前節の苦い敗戦を教訓にゲームを終わらせたマリノス。しっかり連敗せずに勝ち点3を奪った。連敗しないチームへ。ポステコグルー監督も今年のチームは敗戦から多くを学びどう成長して、どうアクションを起こすのかと言うことを選手たちが理解し、実行してくれている結果だと話しているように、確かに一歩一歩成長している。

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泥だらけの大津祐樹のように、試合の出場が決して多くない山田康太の選手のように、ひたむきに頑張っている選手がチームに多いことが今のマリノスが強い理由なのは間違いないだろう。こう言う苦しいゲームをしっかり勝ち切れるチームは本当に強い。

そして次節は首位FC東京との天王山!今節の結果で暫定ながら2位に浮上したマリノス!アウェーの地で首位FC東京に倒しに行く準備はできているか?非常に楽しみなシチュエーションだ!!

試合結果
マリノス 1ー0 松本山雅FC
得点者:
マリノス:大津祐樹

コメント

  1. マリさぽ より:

    とても参考になりましたが、得点者はエジガルでは

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