「【明暗はっきり、千葉ダービー】」J2第19節 柏レイソルvsジェフユナイデッド千葉

サッカー戦術分析
この記事は約7分で読めます。

千葉ダービー!観なきゃダメでしょ!
リーグ戦では2010年以来の9年ぶりの対戦となった、千葉のサッカーの覇権を争う「千葉ダービ」。レイソルの三協フロンテア柏スタジアムは、両チームのチームカラーの黄色一色に包まれた。お互いがこのチームにだけには負けられない。サポーターが選手が一番意識する両チームのぶつかり合い。それがダービーマッチだ!

ここまでのリーグ戦の戦歴
レイソル 11勝 ジェフ 12勝 
引き分けの数は12分

ほぼ互角だが、ジェフが僅かにリード!

偶然にも前回対戦時の両チームの監督はなんと同じ!

9年前と一緒の監督対決になった。
レイソルはネルシーニョ。ジェフは江尻監督。面白い巡り合わせ。

スタメン

レイソルは4バック。最近は3バックと聞いていたのだが、前節くらいから4バックになったのかな?大谷もスタメンに戻ってきたようだ。メンバーだけ観たら、十分にJ1で戦える戦力。小池とクリスの右サイドは強烈だね。

ジェフは3バック?4バック?5バック?正直前半はこんな感じではっきりわからなかった。決まっていなかったのか。いやそんなことはないだろう。バランスがあまりに悪かった。
レイソルからのレンタル中の増島は契約上出れない。

前半の流れそのままに後半、そして試合が終わってしまったゲームだった。明確なプランを持って運動量多く、強度高いプレーを観せたレイソル。片やジェフはどうしたかったのかな?と言う感じで、明暗がくっきりしたゲームだった。

ゲームモデル、ゲームプランがいかにチームに及ぼす影響が大きいのか痛感させられたゲームでもあった。そう言う意味では非常に勉強なった。

レイソルの狙い

レイソルの攻撃時の狙いはまずは右サイドのクリスにボールを入れること。ジェフのラインが高いことはスカウティング済みだったようで、キックオフから採算クリスは裏をとり続けチャンスを作った。前半15分で裏に3本抜け出してチャンスを作ったクリス。チームとしての狙いがハッキリ見受けられた。クリスにボールが入ると彼のクオリティを考えれば当然チャンスを創り出す。レイソルが押し込む時間が続いた。

瀬川と江坂の2トップ

2トップの瀬川と江坂も自分の良さを活かす役割を発揮する。瀬川は裏をとりにいく。センタリングには身体を投げ出してシュートを打つ。江坂は瀬川とは逆の動きをして落ちる。中盤には江坂とクリスのお陰でスペースと時間が出来た。江坂には十分なエリアと時間が確保され、彼のクオリティが多く発揮された。縦パスをターンして前進したり、ミドルシュート、スルーパスを出したりレイソルの攻撃を加速させた。

レイソル先制!

前半24分、
再三狙っていたクリスサイドで仕留める!
ジェフのGKを奪い、大谷が左に流れた江坂にパスを出す。
左の江坂→中央の瀬川→右のクリスへ展開。
クリスがゴール隅に強烈なミドルシュートを突き刺して先制に成功!見事な崩しだった。

失点シーンのジェフの守りが…
GKから悪い状態でボールを奪われたが、そのあとの対応が悪かった。焦ったのもあるのか、みんながボールウォッチャー。ボールに次々釣り出されて、最後はクリスがドフリー状態。
ボールを奪われた時は後方にまだ3枚ディフェンスはいた。ここまでは3vs3の同数だった。無理にボールを奪いに行く必要はなかったかもしれない。まずはゴールをきり、出来るだけ時間を稼ぎ味方の戻りを待つことが最善だったかもしれない…

小池の攻撃参加

さらにクリスサイドに右SBの小池が攻撃に参加して攻撃は一層厚みと迫力を増して行く。クリスが中に入るとSBの小池が攻撃参加。前半はクリスがゴリゴリ行くのでそんなに攻撃参加は多くなかったがチャンスと見るや絶妙なタイミングで上がってくる。

前半19分のシーン。CB染谷がボールを受け、前を向いた瞬間に、大外に張っていた小池がバックドアで一気に裏に走り込み、敵陣深くまで一気に駆け上がり、高速グランダーセンタリングをあげる。惜しくも瀬川に合わずにゴールにならなかった。ジェフの守りを小池の動きとCB染谷の縦パスでぶっ壊した非常に高いクオリティのプレーだった。

そしてこの2人が起点に追加点が生まれる。

レイソル追加点!

CB染谷からの縦パスから生まれる。染谷がインサイドに入ってきたクリスに縦パスを打ち込む。染谷の縦パスを入れる身体の向き、タイミングが非常によかった。自ら縦レーンを創り出す高度な技術。インサイドで縦パスを受けたクリスがキープして、大外のレーンを小池が走り抜けスルーパスを受ける。再び高速クロスを上げ、今度はしっかり瀬川が合わせて追加点!

これまた1点目同様見事な崩しだった。

忘れちゃいけない男!

忘れちゃいけない!そう!左サイドの菊池。湘南ベルマーレ仕込みの運動量でピッチを走りまくった。この試合では右のクリスに対して守備に重きを置いていた印象。ジェフのサイド攻撃をシャットアウトした。前半は何もさせなかった。自陣深くまで戻り身体を投げ出しボールを奪い取った。派手ではないが効いていたの間違いない。

ジェフ前半何も出来ず…

前半レイソルに何もさせて貰えなかった。むしろ自分たちが何をしたいのかもあまり感じ取れなかった。どうやって守って、どうやって攻めるの?どうやって守るのという部分では最終ラインの枚数がはっきり分からなかった。3バック?4バック?5バック?それほどチームとしてバラバラだったのかもしれない。

クリスサイドのジェフの左サイドの対応は早急にしなければいけなかっただろう。13番の為田を一列下げるのか、4バックにするなど、何か策を打ちクリスのプレーする時間とスペースを消す必要はあっただろう。前半はやられ過ぎた。

攻撃面ではシュートすら打てなかった。レイソルがシュート11本。ジェフはシュート0本だった。これが全てを物語っている。

後半どうするジェフ?

選手交代でシステム変更

ハーフタイムで佐藤寿人と下平を投入して4-4-2にシステム変更。当然の対応だと思う。

クリスにはプレスが前半より行くようには確かになった。しかし、クリスにマークがつくと右SBの小池がフリーになる。前半より彼が攻撃に参加して、よりゴール前での仕事が増えていった。

ジェフの左サイドハーフの為田の仕事はより増えることに。2点のビハインドで攻めなければいけないし、オーバーラップする小池についていかなくてはいけないし。体力が切れたのか、あまり守備はしない選手なのか?分からないが右SBの小池にのびのびと右サイドをプレーさせてしまった。

ボールを持つ時間は増えたが…

65分過ぎからジェフがボールを持つ時間は増えていった。しかし中々アタッキングサードには侵入出来ない。簡単なパスミスが目立った事と、誰も裏へのアクションを取らなかったのが一つの要因かもしれない。中には長身なクレーべがいたので、得点差を考えてもシンプルにクロスを放り込んでも面白かったかもしれない。

攻撃に厚みもなかった。攻撃が単発で終わってしまう。セカンドボールを拾えない。前線に人数がかかっているシーンもあったのでそこでトランジションをかけて奪い返して2次攻撃という感じにも出来なかった。そればかりか、レイソルにカウンターを受けるシーンもあり苦しい展開は続いた。90分通して打ったシュートは僅か2本だった…

試合巧者レイソル

レイソルは後半の半ばぐらいに運動量が落ちてくる。2点のリードがあるという事で重心を後ろに下げてジェフの攻撃を待ち構えるようになる。しかし常にカウンターは狙っていた。ジェフの後方のリスク管理もあまりされていなかったのもあるが、カウンターでジェフを押し込むシーンは増えていった。試合の流れで戦い方を変えていったレイソル。こういう戦い方ができるのに、なぜ、首位争いをしてないのかと思うくらい強さを発揮していた。これからのレイソルが楽しみだ。そして次回の「千葉ダービー」ではジェフがホームでレイソルにリベンジを果たしてくれるのも楽しみだ。久しぶりの「千葉ダービー」はやっぱり熱かった!

J2リーグ第19節
レイソル 2ー0 ジェフ
得点者
レイソル:クリスティアーノ、瀬川

コメント

タイトルとURLをコピーしました