【覚醒の時だ】J1第19節 マリノスvsレッズ

サッカー戦術分析
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青と赤の闘い。
マリノスは前回対戦でアウェーながらレッズを3−0と快勝。しかしその時のレッズとは監督も代わり、チームの色も変わっている。レッズもリベンジの気持ちで挑んできただろう。前回の様に簡単なゲームにはならなかった。

圧巻だった前半。後半レッズが反撃に。更に色々あってオープンな展開へと。
そしてあの男がとうとう覚醒か?

スタメン

マリノスはベルギーに移籍した天野に代わり怪我から復帰の扇原が先発に復帰。三好はベンチスタート。後の配置は変わらずという感じだ。

対するレッズは守備時は5-4-1、攻撃時は3-4-3の配置を採用してきた。

前半の闘いぶり

前半のマリノスの闘いぶりは前節の トリニータ戦 よりも良い内容だった。レッズを押し込み続けシュートを14本放ち先制点も奪った。

 

課題でもあるカウンターもレッズにはさせなかった。トランジションのスピードも早く、意識も高く、即時奪還でボールを奪い返し、レッズにシュートすら打たせなかった。

 

レッズの闘いぶり

レッズはキックオフ初めこそ前から行こうという意識、姿勢は見受けられたものの、だんだんとマリノスに押し込まれてしまった。

守備時は重心を下げてゴール前に5-4-1で守備のブロックを敷いてカウンターを狙った。攻撃時はWBが上がり3-4-3になり、サイドに展開して、外からの攻撃を試みようとした。しかしWBが攻め上がるシーンはほとんどなかった。マリノスにボールを持たれ、ワイドに張る仲川と遠藤にピン留めされてしまい、守備をする時間が増えていってしまった。仲川と遠藤のスピードを警戒していたのもあるが、中々勇気を持って上がれなかった。

また前線のファブリシオや興梠さえも守備ラインまで戻されてしまいカウンターをする起点もなくなってしまった。重心を下げられ、またカウンターの起点さえも失ったレッズ。マリノスの攻撃に耐え凌ぐ前半だった。

マリノスの攻撃

レッズを押し込みハーフコートゲームへ。
5-4-1のブロックを剥がしにいく。

幅を使いながらレッズを動かす。どちらかのサイドに偏らずにバランスよく左右にボールが入った前半だった。

レッズの中盤4枚の間にマリノスのSBが入りボールを引き出したり、マルコスが落ちてボールを引き出して中盤のブロックを剥がしにいった。

マルコスが落ちることで3CBの1枚が釣り出されることで最終ラインのスペースが生まれる。そこに3トップが走り込み最終ラインを突破した。

両ワイドはレッズのWBと3CBの間に何度もランニングしたり、間でボールを受けた。特に左サイドから。遠藤がペナのポケットにランニングしたり、ティーラトンがサイドをえぐってクロスを上げたり何度もチャンスを創り出した。

扇原のアクセント

扇原は攻撃時アクセントに。ボールを受けるとテンポよく縦パスを打ち込む。トン、トンとテンポ良く縦パスすることで攻撃の合図となったりリズムが生まれ、攻撃が活性化した。

ゴール前にブロックを敷くレッズに対して、正確なロブパスで一気にレッズの裏をとるパスも供給し、チャンスを創り出した。

さぁ覚醒するんだ!

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先制点を奪ってのは、そう遠藤!
今シーズン待望のJリーグ初ゴール!ここまで攻撃を牽引してきた男にやっとゴールが生まれた。本人はもちろん、遠藤がゴールを奪った瞬間一番喜んだリアクションをしたのはポステコグルー監督だったかもしれない。

マルコス、エジガル、仲川がゴールを量産している中、そこに遠藤がゴールを更に重ねることで、マリノスの攻撃は一層破壊力を増すのは間違いないことだ。

さぁ覚醒の狼煙は上がった!はず!

課題も見えた前半

ゴール前までの崩しやクオリティは間違いなくあっただけに最後のフィニッシュに課題があった。シュートも14本打ってゴールが1つしか奪えなかったのは課題だろう。フィニッシュの精度を上げ、もう1つ2つ奪えていれば前半でゲームが決まっていてもおかしくなかった展開だった。

前半のおまけ

前半終了間際にレッズの阿部選手が負傷して少しのブレイクタイムが。傷む阿部選手にマリノスの喜田選手が労いの言葉とボトルを渡すシーンが。やっぱり優しい男だ。

仲川とレッズの大槻監督も少々な雑談。何を話していたかは分からないが話し終わったら大槻監督が握手を。大槻監督もなんか優しく、リーダーシップある男だなってなんか伝わってきたシーンだった。

はい。おまけでした。

はい。大荒れの後半へ続く…

荒れに荒れた後半へ

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後半開始からレッズが前からボールを奪いにくる。

マルコスにはマウリシオがマークにいき、後ろは4バックの様に。ハーフタイムで修正してきたレッズが前へ前へと圧力をかけ、少しづつ自分たちのペースへと持っていった。大槻監督の思惑通りだったかもしれないが今のマリノスは違う

レッズの前からのプレスをひっくり返す。前線深い位置までプレスにくるレッズに対して、目の前へのショートパスではなく、一個奥のパスや、長めのパス、裏へのパスでレッズの攻撃をひっくり返しだんだんとレッズのプレスを剥がしていった。

「蹴れるポジショナルプレー」へと進化しているマリノス

そして、マリノスが2点目を奪う!
再び遠藤が起点となる。

遠藤が左サイドからドリブルを仕掛ける。エジガルとのワンツーでペナのポケットへ侵入しクロス。仲川が合わせてゴールが生まれる!

見事とな崩しだったが、問題が…

物議を醸したゴールに。

Jリーグジャッジリプレイでも取り上げられることに。この映像を見るのが一番だと思いますので。

主審が両監督を集めて説明をする。その時に笑顔で眺めるマルコスの姿。そして結局マリノスのゴール判定に。レッズは納得いかない。それはそうだろう。マリノスは自分のポジションにいち早く戻る。レッズは抗議を。でも興梠だけがもうプレーしようとチームメイトを促す姿が印象的だった。今自分たちができることは残りの時間を戦うことだとチームを鼓舞するかの様に。

その思いが伝染する。レッズがすぐさま反撃に。

レッズのゴールで1点差に!

後半から、サイドから逆サイドへのロングボールがチームの狙いとして行ってきたレッズの攻撃が見事にハマったゴール。きっかけはマリノスのビルドアップからのミス。レッズは左から中央を経由して右サイドへ。クロスで再び中へと。左右に揺さぶりマリノスのオウンゴールを誘った。

右の橋岡から何度も左の宇賀神へのロングボールで攻撃を仕掛けたレッズ。左右にボールが動く様になりマリノスのゴール前へ行くことに成功し、それが実ったゴールだった。

残り20分。これでゲームが分からない展開へ。

大槻監督が杉本を投入し、更に攻撃に厚みをかけにいった。

三好の投入

前へ重心をかけにいったレッズだが、この時間帯になるとやはり運動量が落ちてくる。前線と後方の間に広大なスペースが目立つ様になる。間延びが発生してきてしまう。間でボールを受けるのが得意の三好が入りマリノスも反撃を仕掛ける。

間延びしたスペースにエジガルが落ちることでフリーになるシーンが生まれゴール前に迫る。

レッズもリスクをかける。後ろはほぼマンマークで守り、マリノスに責められるのはしょうがないという覚悟で前線には2枚残らせてカウンターを狙う展開に。両チームオープンな展開へと。

やっぱり三好は間で受けるのが上手。そして前を向くと推進力がある。そして3点目の起点に。サイドでボールを受ける。中盤には広大なスペースがあるのでスピードに乗ったドリブルで仕掛けシュートを放ち、それがレッズのハンドを誘発してPK獲得!

エジガルがしっかり決め、勝負を決定づける3点目!

蹴れるポジショナルプレーへと!

88分のマリノスのシーン。
マリノスの自陣深くで左サイドでボールをもつティーラトンへレッズが前からプレス。GKの朴へ渡す。前からプレスをかけるレッズに対しての朴のグランダーのパスが非常に痺れた!

一気に仲川に渡しレッズのプレスを剥がし、ゴール前へと。仲川の仕掛けはPKっぽくなかったかな?

しかし、こういうプレーができる様になるともう相手はお手上げだえろう。前から行けば上空からボールが通過してプレスを剥がされる。前からいかなければゴール前に押し込まれてしまう。

「蹴れるポジショナルプレー」へと変貌してきたか?

終わり。

この試合色々あったが。色々あったよね。しかし、主導権を握って戦っていたのはマリノスだろう。前半の戦いぶりは素晴らしかった。今シーズン1番の内容だったかもしれない。攻守が一体となり、攻めながら守ることが出来ただろう。

後半はレッズも流石だった。だんだんと自分たちのペースに持ち込み一点差まで押し返したのはやはり力はある。少し運もなかったのかもしれない…選手たちは悔しかっただろう…

ゲーム運びも色々な要因に流されずに冷静に戦っていた。1点差にされてからゲームがオープンになりかけた時にしっかり三好を投入してチームの狙いをハッキリさせたポステコグルー監督。そして見事に3点目を奪い、扇原に変えて大津を投入。

大津もしっかり自分の役割をわかった上でプレーし、ゲームを締めてくれたのは確かだ。2枚目から裏へランニングしたり、身体を張ってボールを奪ってくれた。しっかり勝ち切る戦いが出来ただろう。

そしてこの男が覚醒か!?
遠藤が1G1Aの活躍。後半ロスタイムの中央からのミドルシュート、あれは決めて欲しかったね!今シーズンやっと初ゴールが生まれたのはチームとし、遠藤自身もホッとしただろう。これからの活躍に期待!

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