「【天敵エスパルス】」Jリーグ第21節 マリノスvsエスパルス

サッカー戦術分析
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数週間ぶりのJリーグ。あのマンチェスターシティとの熱戦でたくさんの学び、経験、そして自信も手に入れたであろうマリノス。ホームで迎えるは清水エスパルス!前回対戦での苦い思い出が思い出される。さぁ今節の試合は如何に?

ピッチに広がる窮屈感と圧迫感がマリノスに襲いかかった。エスパルスの運動量多く、そして粘り強く、ファール覚悟と言わんばかりの「寄せ切る」プレスにマリノスは苦戦。

それではスタメンからどうぞ。

スタメン

マリノスはチアゴの出場停止により、初スタメンとなった伊藤。エジガルが怪我による長期離脱の為、今節は大津がCFの位置に入った。後のメンバーは最近の顔ぶれと同じ感じだ。

エスパルスは北川が海外に移籍。そこの位置に河井が入った。河井が守備の時に非常に効いていた。

エスパルスはマリノスの4-2-1-3のフォーメーションを想定して、スカウティングして、対策していた事がキックオフから徐々に見えていった。エスパルスの守備がマリノスの選手に窮屈感と圧迫感を与えるようになっていく。なんかボール動かないな。なんか嫌な感じでミスが起きるなと感じからだんだんとエスパルスの術中にハマっていってしまった感じだ。

結果はエスパルスのショートカウンターをくらい、その後守られ、0−1の敗戦と終わったマリノス。何が出来て、何が出来なかったのだろうか。もっと出来た事はあったかもしれない。本当にやり尽くして負けたのか?

今回はエスパルスの狙いと、それに対してマリノスはどうでだったのか。そして何かもっと出来なかったのかな?と言うことを僕なりに考えて書きました!

それではエスパルスの狙いから!

エスパルスの狙い

中盤含めた前線の6人でマリノスのボールを高い位置からプレスをかけてボールを奪う、もしくはミスを誘発させてショートカウンターを狙う。後方からのポゼッションはほぼ考えずに、ドウグラスめがけてロングボールを供給して彼の質的優位を活かして攻撃をする意図があっただろう。

中盤4人と、河井の運動量は凄まじいものがあったし、DFラインの4人もラインのアップダウンを90分通して行なっていた。試合終盤には足がつる選手が続出。それほど身体を張って、労を惜しまず自分の役割を遂行していたエスパルスイレブン。

この試合にかける強い思いが感じられた!

連動したプレス

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連動したプレスが見事だった。マリノスのポジションを変える動きにもまどわされずに対応して、プレスに行き続けていた。河井の守備における働きと両サイドの連動したプレス、ポジションの穴埋めが見事だった。

河井の存在

守備になると河井が一列前に上がり4-4-2になったり、河井が中盤に入り4-2-3-1が守備の配置となっていた。河井のエスパルスの選手のプレスのかけ方や、マリノスの流動的に動くポジションチェンジに合わせて鼻が利くプレーでいて欲しいところ、マリノスからしたら嫌な所に立ち位置をとりエスパルスの守りを締めていた。

ドウグラスと横並びになるときはマリノスの2CHの選手のコースを切りながらプレスに行く事でマリノスのCBがボールを持った時に考えさせる時間と孤立させるシチェーションを創り出した。

エスパルスの2CHがマリノスのマルコスに引っ張られた時には一列下がって中盤を埋める役割もこなした。

後半途中にケガのため?交代するまで献身的に走り回っていた。攻撃ではあまり目立つことはなかったかもしれないが、守備での彼の役割は非常に大きかった。

連動するサイドのトライアングル

左サイドでは松原・西澤・竹内、右サイドでは金子・アウグストゥス・河井のトライアングルが連動してプレスしに行き、その穴を埋める動きもスムーズに行うことでマリノスに連続してプレスをかけ続ける事が出来ていた。

左サイドでは松原が攻撃参加の為にサイドを駆け上がった時にはCHの竹内がスライドをして松原のSBの位置を埋めたり、西澤がCBやSBにプレスにいった時には竹内がマリノスの中盤の選手にプレスにいき連動した動きをしていた。

右サイドでは金子がCBにプレスにいくと河井が一列下がってスペースを埋めたり、アウグストゥスがサイドにプレスに行く時は河井が一列下がってスペースを埋めたりと3人で連動してプレス、スペース埋めを行う事で、マリノスのビルドアップの出口を塞いでいった。

マルコス対策

自由に動くマルコスは基本は「ぼかす」状態をとっていた。誰がつくと言うよりは、アウグストゥスと竹内、CBの吉本の3人がマルコスを捕まえるような感じだった。そこに対しても、マルコスがサイドに流れる事でアウグストゥスが一緒に流れる。そこの穴埋めを竹内がスライドしてサイドに圧縮したり、CBの吉本がマルコスにアタックする時は、もう一方の二見がスライドをして中央のスペースを埋めに行くなど、ここでも連動した守りを見せていた。

サイドが狙い所

エスパルスのボールの奪いどころはサイドだった。この試合ではマリノスの左サイドがボールの「狩場」となるシーンが多かったかもしれない。左サイドにはる遠藤にはエウシーニョがほぼ密着マーク。遠藤がサイドに張っている時が条件。

エスパルスは中央を圧縮させて、マリノスをサイドへ誘導。ティーラトンもサイドで受けるシーンもあるがそこは金子が激しくプレス。ティーラトンが中に入った時は、遠藤へのパスレーンができる。しかしそこもエスパルスにとっては想定内だった。そこにはエウシーニョが密着マークをしているから。それによりサイドに遠藤が張った時は、彼には時間とスペースが少ない状態でのプレーが要求された。

サイドにボールが入ると一気にサイドに圧縮してエスパルスのプレスが襲いかかる。しつこいくらい身体を密着させて、ボールを刈り取りいく。

そこでボールを奪ったり、ミスを誘発させてショートカウンターを仕掛けた。

よく走り、気持ちこもったプレス

戦術的にも素晴らしい守備だったのは確かだったが、それを遂行する為の運動量はすごかった。全員がサボらずに連動し続ける。一人でもサボると、マリノスにその僅かな穴を突かれていただろう。そして連動すると言うことは複数の人が関わっていると言うことだ。誰かがサボると誰かの頑張りが無駄になってしまうので、そうなるとメンタル的な疲労ものしかかる。体力的なそしてメンタル的な体力の消費は凄かっただろうに最後までエスパルスの選手は走り続けた。

もう一つ「寄せ切る」プレス。「寄せる」ではなく、「寄せ切る」プレスがマリノスに圧迫感を与えた。ファール覚悟と言わんばかりの寄せで、しつこいくらいに粘り強いプレス。一度触れたら離さないぞ!そういう気持ちのこもったプレスが徐々にマリノスの攻撃リズムを狂わせていったのかもしれない。

【公式】ゴール動画:西澤 健太(清水)50分 横浜F・マリノスvs清水エスパルス 明治安田生命J1リーグ 第21節 2019/8/3
エスパルスの見事なショートカウンター!

落ち着いたベンチワーク

疲労がたまる選手を見ながらそして、ゲームの流れを読みながらエスパルスは3枚の交代カードを切ってきた。負傷者の為に交代枠をきり、その後マリノスに押し込まれる展開となると、中盤の選手を一枚減らし、CBを増やし3CBに。守備時には4-5-1にシステムチェンジ。このまま守るぞ!分かりやすいメッセージをピッチの選手に送り込む。しかし、疲労により今度はCBの一枚が負傷交代。今度は中盤の選手を投入し、中盤に厚みを増しながらも、4-5-1で守り切るんだ!と全員が共通理解を持ってしっかり守り切って、ゲームを締めた。

チーム一体となって、ベンチもともに掴んだ勝ち点3だった。この試合にいろんな想定、準備をしてきたのだろうと感じさせるエスパルスの戦いだった。

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マリノスの印象的なプレー

正直のところ、エスパルスのプラン通りに試合を運ばれてしまった90分だった。ホーム初黒星。そして今シーズンのリーグ戦ではエスパルスには2戦2敗となってしまいましたね。天敵エスパルスとなってしまった。

まずは僕が印象的だと思ったプレーからどうぞ!悪いことばかりではなかったよね!マリノスらしい崩しやん!これ今までなかったよね?進化してるよね?ってプレーを3つほど!

あとは今節J1デビューとなった中川風希選手!少ないプレー時間にも関わらず、大きなインパクトを残してくれた!

7分のシーン

右サイドから中央を経由して、最後は左サイドの遠藤がシュートまで持ち込んだシーン!

右サイドで広瀬がプレーメーカーとなってエスパルスのプレスを剥がしていった。喜田とともにショートパスをつなぎ、「弾いて受け直し」を繰り返して左サイドを突破。そのまま中央へ斜めのパスを打ち込み再びリターンを受けて左サイドへ。広瀬のプレーメーカーっぷりが見事だった。ボールと人がよく動きながらショートパスでエスパルスを剥がしていきシュートまでしっかり持ち込めたいいプレーだった。

26分のシーン

畠中からの見事な縦パス!

エスパルスを押し込んだ後の畠中の縦パス!

4-5でブロックを敷き、ゴール前の時間とスペースを消すエスパルス。それに対して僅かな隙間と配置でエスパルスの守備網をぶっ壊しにかかる。

DFラインの4枚は非常にコンパクト。スライド、圧縮がしっかりできているので中央は中々空かない。DFラインの間の距離感は5m前後くらいしかないほど僅かなスペース。しかし、ここでマリノスの攻撃のクオリティを見せつける。

畠中がボールをもつ。
遠藤が中央へ絞ってSBとCBの間にポジションをとる。

大津が落ちてエスパルスの竹内を釣り出す。

中盤とDFラインの間にマルコスが立ち位置をとる。畠中がボールを入れるタイミングでマルコスが体の向きを変える。それにつられてエスパルスのCB吉本が釣り出される。その瞬間畠中はもう一つ奥の遠藤の足元に縦パスを打ち込む。

僅かに出来た隙間を見つけて縦パスが入る。遠藤も縦パスをワンタッチでターンして、ツータッチ目にはシュートモーションに入る。最後は吉本が戻り身体を投げ出してブロックをしてシュートは打てなかった。ここの「止める」が決まっていたらシュートまで持って行けた。この技術向上は更に高みに行く為には必要だ!

しかし、本当に「時間とスペース」がない中でエスパルスの守備をぶっ壊しにかかったのはすごく見事だった。こういう崩し方がどんどん増えれば更に攻撃力は上がるだろう。

畠中の縦パスは開幕戦のガンバ戦で見せたエジガルへの縦パス以来かなっと感じで、あの時と同様にシビれたシーンだった!

70分のシーン

再び畠中からの縦パス!

畠中の縦パスから大津がフリックして、遠藤が最後は右足を振り抜いた!

中川風希

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少ないプレー時間に見せたい柔らかいボールタッチと、柔らかいダイレクトパスにはインパクトを受けた!もっと長い時間見たいと思った選手だ!次に期待だ!

伊藤槙人

今シーズン初先発を果たした伊藤選手。

ゴール前では身体を投げ出しよくゴールを守ってくれたし、ビルドアップ能力もしっかりあるし、マリノスが獲得したのが分かる選手だなと証明してくれるシーンも多かった。

一点だけ気になった点があったので。これは前節チアゴの退場で途中出場したヴィッセル戦でも似ているシーンがあったので取り上げたいと思う。

47分エスパのカウンター

エスパルスにカウンターを受けたシーンの伊藤選手の対応だ。

エスパルスの西澤にカウンターで中央をドリブル突破される。そして伊藤と畠中の間にスルーパスを通されてドウグラスにシュートまで持っていかれる。ドウグラスのシュートはポストに助けられ何とか決定的なシーンをまぬがれた。

伊藤選手はドウグラスと並走もしくは、少しゴールには近い位置どりで戻っていた。まずは中央を締めて図の立ち位置を取る事で最悪この形でドウグラスにボールを入れさせる事も出来たかもしれない。あとはじっくり時間をかけて。人数も数的同数だったし、畠中もカバーが出来る位置どりをしていたので決定的なシーンを防ぐ事は出来たかもしれない。僅かな立ち位置一つで状況は大きく変わるのがサッカー。

伊藤選手も決して足が遅い選手では無いが、外国人選手のスピード、パワーはやっぱり凄まじいものがある。ヴィッセル戦でもプレスに行くのか?ディレイするのか?中央締めるのか?のシーンがあり、間にスルーパスを通されたシーンがあったので。

もちろん伊藤選手だけのプレーでは無い。チーム全体の責任だ。まずは前線のボールのロスの仕方が悪いのでカウンターを受けるし、周りの選手との連携を高める事でこのように対応も出来ただろう。

伊藤選手の持っている能力はマリノスでも十分。これから練習や試合を重ねる事で更にチームにフィットして、もっと彼の良さが出てくるだろう!

本題へ

さぁ、ここからが本題!

どうすればこの強固な、強度高いエスパルスの守備をぶっ壊せたのだろうか?

僕なりの考えを書いていく!

SBとCBのスペースをつく!

遠藤がサイドに張るとエウシーニョが密着マークにくる。それを逆手にとってSBとCBの間へのボールを供給することは出来たかもしれない。

そこへ大津やマルコスが斜めのランニングで受ける。この試合、エスパルスの裏に抜ける回数は少なかったと感じる。遠藤自身もバックドアでエウシーニョの裏をとっても面白かったかもしれない。

この時SBのティーラトンは内側に入らずにサイドに張ることで、ハーフスペースのレーンを空ける動きも一緒に行えたらなおよかったかもしれない。

SBとCBこのスペースもしくわ裏だけでなく、このハーフスペースにマルコスが顔を出し受けることも出来たかもしれない。前半何回かマルコスがハーフスペースでボールを受けてターンしてエスパルスのプレスを剥がすシーンもあった。

ティーラトンも外でボールを受けることで斜めのパスを大津もしくはマルコスに送ったり、SBとCBのチャンネルめがけて蹴ることではがせたかもしれない。

ボランチが落ちて3vs2を作る

エスパルスはマリノスの4-2-1-3をハメにくる守備をしてきた。2CBに対して2トップをぶつけてくる。ある程度はマリノスのCBはボールを持てるが、持たされる形になる。CBのパスコースを限定しながらプレスをかけにきて、だんだんと距離を詰められる。

そこで、扇原もしくは喜田が一枚落ちて後方で数的優位を創り出しても面白かったかもしれない。扇原が下がる方が彼の良さと、喜田の良さも出るかと思う。長いボールを蹴れる扇原がCBの位置に落ちて後方で3vs2の数的優位を作ることでビルドアップを進めても良かったかもしれない。

これにより、エスパルスが扇原にプレスに行けば、中央に絞るSBや喜田、マルコスのパスコースが生まれ、中央をしめるエスパルスのプレスをはがせたのかもしれない。

4-1-4-1へシフトチェンジ

4-2-1-3をハメにきたエスパルスに対して、スタートポジションを変えちゃう策。

これはポステコグルー監督も三好を投入することで行った。もっと早くからシステムチェンジしても良かったかもしれない…

4-1-4-1にシステムを変えるだけで、ご覧の通りエスパルスにとっては噛み合わせが悪くなる。

例えば畠中が持った時にはエスパルスの2CHは少し困る状況に。喜田につくの?それとも2シャドーつくの?どちらかが空く状況に。セオリーとしては一列下げて、喜田がフリーになるシーンが多くなるかと。

河井が一列下がって4-2-3-1になって喜田を見るかもしれない。そうすると2CBに対してエスパルスのプレスはドウグラス一人になるので、数的優位の状況ができる。

それによりエスパルスのファーストプレスを容易に突破できたかもしれない。

横への揺さぶり!

前半は特に。ボールが左サイドに多く集まり、右サイドには集まらなかったデータも出ていた。これは左サイドから攻めているとも言えるし、左から右への展開されるボールも少なかった事でもある。

もっと横の揺さぶり、サイドチェンジを行う事でエスパルスをスライドさせる事で守備の隙間を作り出し剥がす事が出来たかもしれない。

僕が考える対策はこんな感じかな!

試合の総括!

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エスパルスのゲームプランは見事だった!マリノスはまんまとその罠にかかってしまった!って感じで終わった試合だった。こういう戦い方をする!というマリノスのサッカーは裏を返せば対策もしやすいのだ。自分たちが主導権を握るぞ!というサッカーだからこそ、相手チームからすれば、きっと配置ややり方はマリノスはいつも通りだろう!だからスカウティングしてこれをやるぞ!という対策に見事にハマってしまうパターンも少なくないだろう。

そしてこの先はそんな状況はいつも以上に多くなるはずだ。シーズンが進むにつれて対策をする材料は増えていくからだ。こういう対策でやったチームがこうなったね!これはうまくいった、これは失敗してるね!もしかしてマリノスってこれが弱いんじゃない?というデータが蓄積されることで、対戦チームはよりマリノスには戦いにくい戦い方を選んでくるだろう。(マリノスのように相手どうこうより、うちのスタイルを貫くんだ!というチームは別として)

マリノスの哲学や戦い方をかえる必要はないと思う。しかし、それを超えるスピードだった、技術だったり、コンビネーションだったり。流動的に動くポジションの立ち位置を少し変えたりと。相手が分かっていても止められない力を手に入れなければいけない。

ここにボールが来るんだろ?知ってるよ。でも止められないんだよ!!とか。

中央を固めるぞ!外も使うの?え?こんなに中央固めてるのに突破できちゃうの?そのパススピード入ってくるのかよ!止められん!

くらいにならないと、こういうゲームをものにすることは難しくなるだろう。

それか、マリノスのスタイルや、哲学を変えてサッカーをするっていうのも一つかもしれないが、マリノスはそんなことはしないだろう!絶対に。マリノスの求めるサッカーに突き進む!それがマリノスの魅力。

マリノスの理想に近づくための試練ではないか。こういう戦いはこれからもどんどん増えるだろう。その試練を超えた時に、また進化したマリノスがみられるんだ!楽しみでしかない!

さぁ次節、さらにパワーアップしたマリノスが楽しみだ!!

8月4日

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8月4日は松田直樹さんの命日。あれから8年。これからもあなたの事を忘れません。あなたのサッカーに対する情熱、愛を忘れません。

これからも共に。松田直樹選手。forever#3.

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