「【まだまだ諸刃の剣】~突きつけられた現実~J1第22節 アントラーズvsマリノス

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サッカー戦術分析
諸刃の剣

相手にも打撃を与えるが、こちらもそれと同じくらいの打撃を受けるおそれがあることのたとえ。また、大きな効果や良い結果をもたらす可能性をもつ反面、多大な危険性をも併せもつことのたとえ。両刃の剣。 “大辞林  第三版の解説より”

今節のマリノスの戦いはこの言葉がピッタリ。

磨き上げてきた武器はまだまだ「諸刃の剣」。
常勝軍団アントラーズに突きつけられた。

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スタメン

開始早々ゲームが動く。
早々すぎる。わずか22秒…

アントラーズが牙を剥く

開始22秒でアントラーズが先制点を奪う!

キックオフからアントラーズが前線から圧力をかけに。GKまでもプレスに。ピッチの中ではそういうアントラーズの気迫?奇襲のようなものに驚いたのかもしれない。

前半10分までバックパスが目立つマリノス。いつもより弱気?失点シーンもあっという間にGKの朴までボールが渡り、最後はティーラトンがペナルティエリアの中でボールを奪われ、アントラーズのセルジーニョに左足を振り抜かれ早々に失点を許してしまった。

失点以外にも、扇原がバックパスを引っ掛けて、アントラーズに決定機をつくられたり。いつもだったら前を向いて縦パスを打ち込んだり、ドリブルで前進するようなシーンも下げるシーンが多かった。

後ろ後ろへボールを動かすのは果たしてマリノスのサッカーなのか?そういう意味でもあまりらしくないゲームの入りだったマリノス。

アントラーズの狙い

アントラーズの狙いは中盤でマリノスのボールを奪ってショートカウンターを狙う。後方からのビルドアップにはリスクをかけずにシンプルに前線にロングボールを入れるシーンも。

中盤でボールを奪った時はサイドを広く使って攻撃を仕掛ける。SBの裏を狙って攻撃を仕掛ける。アントラーズのSHの白崎、セルジーニョはサイドいっぱいに広がりボールを引き出すシーンも。サイドに入ったらSBも攻撃に参加し、サイドからのクロスでゴールに迫った。

チームでボールを前進させるシーンもあったが、個の能力で、質的優位で前進するシーンも多かった。力のある選手がいるのは流石のアントラーズ。

アントラーズの守り

アントラーズの守りが非常に組織化されており、マリノスの攻撃を苦しめていた。

相手陣内では前線からボールプレスにいった。プレスが剥がされ前進されたら、守備の重心をハーフラインまで下げてブロックを敷いてマリノスのボールを狩に行った。

4-4-2でマリノスの攻撃を防ぎにいった。4-4でブロックを作る。中央を圧縮させて、4-4のブロックにはマリノスの選手を入れない。ブロックの外に追い出す意図があったと。

図のようにブロックの外に出すと、ボールにアタックしやすい状況ができる。ゴールを背にボールにアタックできるし、一人で複数の敵を監視できるので、流動的にポジションを動くマリノスにもうまくハマった。自分の背後を取られないので、常に目の前に選手とボールを監視できるので、いつ誰にボールにアタックすればいい?というタイミングが掴みやすく、中盤では強度高いプレスを行うことが出来た。

サイドに入った時はSBの小池と小泉がボールプレスにいく。一方のサイドに入った時は積極的にボールにアタックした。前節同様にサイドがボールの狩場の1つになっていたのかもしれない。

大岩監督もレイソルから移籍してきた小泉をSBで起用したのもそういう狙いがあったのかと。彼の本職はCH。彼の持ち味である対人能力でマリノスのウイングを潰していた。そしてボールを奪ったらシンプルに味方に預けてオーバーラップをしたり、右から左にボールを運んだりと、あまり目立ちはしないがチームの大きな力になっていただろう。アントラーズデビュー戦はいいスタートを切れたのではないか?

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2トップの土居と伊藤はお互いの中央のスペースと後ろのスペースを消しながらプレスに行く。何回かマリノスの喜田や扇原にプレッシャーをかけに行きボールを奪っていたシーンもあった。CBにも圧力をかけ続け、フリーでボールは蹴らせないとサボらずボールにアタックし続けた。

マリノス。悪い面だけでは決してなかった。前半開始早々の失点と、アントラーズの組織化された守備によって戸惑ったり、メンタル的にキツイ状態でもあったかもしれないが、徐々にピッチの中で改善をしていったマリノス。

サイドを起点に。

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アントラーズの守りは4-4のブロックに人とボールを入れさせない狙いがあった。そうするとどこからゴールに近づくのか?最初はアントラーズの思惑通りに、中央に敷かれた網にかかってしまい、ボールを奪われショートカウンターを受けるシーンも。特にマルコスに対しては激しくプレスに来た。

徐々にマリノスも攻撃の糸口を見つけ出す。それはサイドだ。いい形(時間とスペースがある状態)でワイドに張る仲川と遠藤に入るとチャンスが生まれ出す。

右に張る仲川へのサイドチェンジのボール(前半は2本ほど入った)。それによりいい状態でボールを受け前向きになることで、インサイドに走るSB広瀬にスルーパスを出したり、自らドリブルをしてカットインして、マルコスにスルーパスを出したり、大外からワンツーで抜け出しセンタリングをあげてチャンスを作り出した。

左に張る遠藤も同様だ。自ら仕掛けてセンタリングをあげたり。大外からドリブルをし、SBの小泉を釣り出してインサイドに走るティーラトンにスルーパスを出したりしてチャンスを作った。

また、ブロックの裏にも大津がランニングして抜け出し、センタリングをあげるシーンも。前節の清水戦では見られなかった動きだ。いろんな揺さぶりをかけていった。

しかし、ここで一つの課題が。センタリングやラストパスの精度と質だ。そのクオリティが上がれば得点できていたかもしれない。20分すぎには畳み掛けるように、アントラーズをサイドから攻略していたのであの時間帯で1点入れることができればまた変わっていたかもしれない。

開始早々に失点したものの、徐々に自分たちのペースに持っていったマリノスだったが、前半はゴールを奪えなかった。

後半戦へ

後半早々、前半同様にアントラーズに攻め込まれる。セットプレーから立て続けに攻撃を仕掛けられ、我慢の時間帯が続く。そしてコーナーキックを土居に押し込まれて2失点目!と思ったら取り消されて一安心!

マリノスも前線の大津と仲川の立ち位置を変えたろ変化をつけようとする。

ベンチも動く。三好の投入準備!
三好が入ることで一気にマリノスの攻撃が回り出す。ピースが揃ったかのように攻撃が噛み合い、マリノスに流れを引き起こす。

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三好投入!

65分大津に変えて三好が入る。マルコスがトップで三好と縦関係になった。三好はアントラーズのバイタルエリアだったり、アントラーズの4-4のブロックの中でボールを引き出すことで攻撃の新たなアクセントに。サイドにサポートに行き数的優位を作る役割になったり、狭いエリアでボールを受けてターンして攻撃を前進させた。

そして、外を使うことも忘れずに、斜めのサイドチェンジも織り交ぜるようになり、アントラーズを揺さぶり、三好が投入後すぐに同点弾が生まれる!

扇原のサイドチェンジから仲川がボールもつ。SBの広瀬がインサイドでボールを受けてワンツー。仲川が抜け出してセンタリング。遠藤が当たり損ないのシュートを放ち、再び仲川の所にボールが帰ってくる。最後はヘディングでゴールに押し込んだ!

しかし…

同点弾が入り、やっとマリノスらしい攻撃のリズム、テンポが出始める。

どんどん三好が4-4のブロックの中で受ける。73分には畠中からボールを受けて前を向きドリブル。そしてマルコスへの優しいスルーパスを送り決定機を演出。惜しくもゴールにはならなかった。

76分扇原退場…

いい流れだったのに…思わぬ痛手…

さぁ、どうするベンチワーク。ポステコグルー監督だったら、このままボールを握って攻めに行くかなって思っていたら、82分にCBの伊藤を投入。マルコスに変えて、前線の選手を変えてDFラインに選手を増やした。

まぁ普通のことだよね。でも。なんか嫌な感じ。5-4でブロックを敷き、試合を終わらせて勝ち点1を持って帰ろうと。アウェーだしね。

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そしたら、やられたスーパー大学生に。
しかも中央の浮き玉が起点に。枚数増やしたDFラインの頭上を超えるボールを三竿に送られ、土居が折り返し、最後はプロ初ゴールとなった上田綾世のゴールで鹿島に放された…

そのまま、何も出来ずにタイムアップ。

今シーズン初の連敗で、アントラーズに順位をひっくり返された。

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諸刃の剣

磨き上げてきて「マリノスのスタイル」・「武器」はまだまだ斬れ味鋭い刄にはなっていなかった。まだまだ「諸刃の剣」だった。

相手に凄まじい攻撃力を与える反面、それが仇となって自分たちを傷付ける事もある。その言葉の通りの開始早々の失点。弱気な入り。目立つバックパス。弱気な面を少しでも出してしまうとそこをしっかり突いてきたアントラーズの抜け目なさ。そしてマリノスのスタイルでもあるショートパスに固執しすぎ?てクリアするチャンスはあっただろうに、無理に繋ごうとしてアントラーズにボールを刈り取られて失点。

目立つ小さなミス。パスミス、判断ミス、タイミングのずれ。アントラーズの圧力が凄かったのもあるのかもしれないが自分たちのミスからリズムを悪くしてしまった。リズムを自ら作り出していた時間帯もあったが、再び流れを渡してしまう。試合巧者になれなかった。

そう、もう一度見つめ直すいい機会ではないか?

「俺たちのアタッキングサッカー」

自分たちのスタイルを変えるのではなく、より磨き上げようではないか。何度倒されようがまた立ち上がって、この壁を乗り越えてさらなる高みへといこうではないか。そうやって少しづつマリノスは強くなってきた。

1失点目もクリアすれば済んでた?いやいや、繋いで剥がすのがマリノスでしょ。ああいうシーンも平気で剥がして前進できるようにより磨きあげる。目立ったパスミス。こういう日もあるよね?それじゃ目指すべきスタイルには到達できない。

マリノスの生命線。「止めて・蹴る・外す」「動く・早さ・速さ」そこの質と量により拘って、よりパワーアップしようではないか。どんな相手でも、どんなブロック敷く相手でも剥がしていくんだろう?相手どうこではなく、相手を無力化する絶対的な「自分たちスタイル」を確立する為に。

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さぁ!再び立ち上がろう!まだシーズンは終わっていない。まだ優勝は諦めない!次節は扇原が出場停止なので、ポステコグルー監督がどんな采配をするのも一つの楽しみだね!パワーアップしたマリノスを魅せてくれ!

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