【後半ロスタイムに詰まったシティの強さ】プレミアリーグ第1節 ウェストハムvsマンチェスターシティ レビュー

サッカー戦術分析
スポンサーリンク

いよいよプレミアリーグの開幕!

プレミアリーグ2連覇中のシティ。昨シーズンは国内タイトルを全て獲得した。今シーズンはリヴァプールと対戦となったコミュニティシールドに勝利し、すでに一つ目のタイトル獲得。リーグ3連覇、そして悲願のチャンピオンズリーグ制覇に向けて、開幕戦からエンジン全開!まぁ後半からアクセル全開って感じだったかな。前半はウェストハムもよく戦えていた。

ウェストハムは自分たちの守備の基準点がしっかりしていたし、シティに守備の基準点を定めさせなかったのが良かった。しかし、時間が経つにつれてウェストハムの守備の基準点が徐々に定まらなくなって、もう皆さんお分かりのように、そうなるとシティの攻めはもう止まりません。

キックオフ

ウェストハムボールでキックオフ!

迷いなくドカっんと左サイドへロングボールを送り込む!シティが相手ということもあり、リスクを掛けずに攻めたいのはどこのチームも一緒だろう。しかし、それだけではなさそうだった。CFのは今シーズンウェストハム史上最高額で獲得した大型FW22番アレと左SHには30番アントニオ。この二人が空中戦、肉弾戦に滅法強いようで、彼らの高さやキープ力で序盤はボールを握ることに成功した。シティのミスもあっての事だったがボールを持っていたのはウェストハムだった。

ゲームを落ち着かせることのできないシティ。ウェストハムは守備の時は[4-4-1-1]の配置でアンカーのロドリには前線の選手が縦関係になってプレスに行く。WBにはSBが。SBにはSHがマークにつき、IHのシルバと、デブライネにはウィルシャーとライスがマークに行く。はっきりとした守備の基準があり、シティのボールにアタックする事が出来ていた。

プレスはGKのエデルソンまで行く。しかし、その前プレに合わせて中盤の選手が押し上げてプレスに行けずに、中盤がスッカスカでボールを運ばれるシーンもあったが、ゴールの近い位置でロドリのボールを奪ってPK獲得か?というシーンも生み出せていた。

誰が誰にマークに行き、プレスに行くのかははっきりしているだけで、選手の迷いや役割は明確になる。そう言う事もあり、シティにプレスをかけられ、圧倒的にボールを握られはしなかった。

良い入りが出来たホームのウェストハム。

守備の基準が定まらないシティ

Embed from Getty Images

15分が過ぎてもボールを握れたとは言えないシティ。ベンチではペップが苛立つシーンも。攻撃ではウェストハムの守備に苦しめられてか、ミスも目立ち、中々本来のリズムも出せない。シュートシーンも何度か行くがそれはペップが理想とする形ではなかったのかもしれない。

守備の基準点が定まらないシティ。守備の時は[4-1-4-1]もしくは[4-1-3-2]の様な感じで曖昧なポジションを選手同士が取っていた。1人が2人を見れるポジションを取っていたのかもしれないが、とにかくアンカーロドリの脇がよく使われる。

ウェストハムもそこが空いているのをよく理解していて、CFのアレが落ちてきてボールを受けたり、CHのウィルシャーが一列前の高い位置をとってボールを受けたり、SHの選手がICに入ってボールを引き出したりしてボールを前進させていった。

ウェストハムのCFアレがやっぱりデカくてよくおさめる。右サイドのアントニオも攻撃時には内に絞ってきて2トップの様な配置になり、2人でロングボールをおさめて、時間を作る役割に。それに合わせて左SBのアーロンが上がりセンタリングをあげてチャンスを作るシーンもあった。

困った時にはリスクをかけずに強靭な2人目掛けてロングボール。序盤は彼らがボールをおさめてくれたのでゴール前に行くシーンも多かった。

守備の基準点は定まらないままであったが、徐々にゴール前に攻め込むシーンを増やすシティ。

24分シティ先制!

やっぱりラポルテ。彼のビルドアップ能力はさすが。

ウェストハムのファーストプレスを簡単に剥がすラポルテさん。ラポルテとSBジンチェンコ2人で意図も簡単にプレスを回避してしまう。

ラポルテがボールを持つと、ジンチェンコがウェストハムのSH❽番アンデルソンの守備の立ち位置を見て、自分の立ち位置をかえる。高い位置を取って、ラポルテの正確な早いボールを受けて、はい、ファーストプレス回避完了!と剥がしていった。

アンデルソンが少しポジションを下げると今度はラポルテがアンデルソン目掛けて運ぶドリブル。それに釣られたタイミングでホイとジンチェンコにボールを渡し、はい、プレス回避完了!と剥がす。

そして先制点が生まれる。左サイドでジンチェンコがボールを受ける。中へドリブルしてボールを右サイドへ。マフレイズがゆったりドリブル。それに合わせてウォーカーが右サイドを爆走。これが早過ぎ。早送りしてるの?そんなレベルのウォーカーのオーバーラップに合わせてマフレイズが彼のスピードを殺さない優しいスルーパス。

受けたウォーカーはこれまた高速クロスをあげ、最後はジェズスが合わせ先制点を奪う!もう質が高すぎるゴール。ウェストハムが可哀想なくらい。ゴール前にちゃんと守備者もいたし、スペースも消してたとのに、このクオリティ出されちゃうともうお手上げ。

しかし、ウェストハムも負けじと攻める。守備時にデブライネが一列下がって、ロドリと横並びの様になり、[4-4-2]になり守備の基準をはっきりさせようとするが、今度はハーフスペースをよく使われる様になる。左サイドのスターリングが少し高い位置にプレスに行くとハーフスペースが開く。そこを今度はウェストハムに使われ始め、また守備の基準が定まらないシティ。

ウェストハムはさらなる手を打つ。

スポンサーリンク

32分過ぎから

ウェストハムの左サイドにいた30番アントニオが今度は右サイドにポジションチェンジをしてきたのだ。多分だが、ウォーカーより競り合いが強くないジンチェンコとの高さ勝負を仕掛けるため。質的優位を作り、攻撃の糸口を探った。左サイド側に送っていたロングボールは明らかに右サイド目掛けて、その高さというアドバンテージを活かす為に攻撃と配置を変更させてきた。

右サイドのスローインからアントニオの高さと強さを活かして、ゴール前のCFアレにボールを送りオーバーヘットシュートを打つシーンも作り、多少は効果があったのかな?と感じだった。

しかし、徐々に競り合いに勝てなくなり始めるウェストハム。それに合わせるかの様に、ウェストハムの守備の基準点をかき回すようにシルバが動き出す。

シルバの動き

ボールを握り出すシティ。やっとウェストハムを押し込む。その一つの要因はウェストハムがシティの選手を捕まえる事が出来なくなっていったからだ。

それをやった張本人はシルバだ。ICにポジションを取っていたのを左サイドに流れる。SBから縦パスを受ける。そうすると誰がシルバマークするの?と迷い出すウェストハム。それに合わせてSBのジンチェンコが中に入りロドリの脇のあたりまで絞る。今度はスターリングがバイタルエリア付近に絞り、流動的にポジションを変えることで、さらにウェストハムは守備の基準点を見失っていく。

そうなると、シティのペースだ。お互いの立ち位置を見ながら人が重なることなく、ポジションを変えていく。そこにデブライネやジェズスが絡みだし、しかし、大外にはマフレイズやウォーカーもしっかりポジションを取っているので、ウェストハムの守備の基準点がどんどん定まらなくなっていった。

前半は追加点を奪えないまま、シティが1点リードでホイッスル。ウェストハムも十分戦えていた前半だったし、シティにストレスを与えていたの間違いなかった。

さぁ後半戦!

後半キックオフ!

シティは交代なし。

ウェストハムはなんと、30番アントニオを交代。彼の高さ強さは効いていたと思うが、交代。何かの狙いがあるのかと。

シティのキックオフ。しっかりショートパスを繋いぐ。前半とは雰囲気もまるっきりかわり、落ち着きを持ってボールを動かす。完全にボールを握るシティ、なんとか守ってカウンターを試みるウェストハムの構図が出来た。

お得意ワザ発動!

前半同様、シティのボールを奪いに行こうとプレスを試みるウェストハム。前半にもあったシーンだが、前半よりも落ち着きを持って、ウェストハムのプレスを誘い出すかのように、シティのゴール前に釣り出して、ボールを動かす。

ウェストハムのプレスをしっかり把握しながら、そのプレスをひっくり返すように、プレスの頭上を超えるロブパスで中盤にボールを落として前進するシティ。

後方でボールを動かしている時には前線の3枚の選手は落ちて来ずに、ハーフラインギリギリの所に立っている。それによりウェストハムのDF4枚がピン留めされ、中盤には大きなスペースが出来る。ウェストハムの前線の選手をゴール前に釣り出し、後方のDFラインをピン留めし、こうして意図的に作り出した中央のエリアでボールを受けて一気に前進する。

中央でボールを受ける選手の状況の多くは後ろ向きボールを受ける。その時にはしっかりとシルバとデブライネがサポートに行くという役割までしっかり準備されている。

その中盤を埋めるためにDFライン枚数減らせばいいじゃん!というのも一つの手だが、そうすると、シティGKエデルソン砲が発動し、一気に高精度のキックがDFラインとGKの間にボールが撃たれゴールに迫ってくるのだ。

じゃあ、やっぱりボールにプレスに行くのやめよう!となれば、今度は易々とシティに押し込まれ、ゴール前でシティの攻めに耐えまくらなければいけない。

この試合のウェストハムの選択は前線から勇気持ってシティボールにアタックすることだった。

しかし、シティのボールを握る時間が増え、ウェストハムの勢いもなくなり、追加点が生まれる。

50分〜

ウェストハムが中央の辺りでボールを奪われるとシティのカウンターが発動。マフレイズが第一プレスを剥がし、デブライネへパス。ここで彼の推進力が発揮。ドリブルが早くて力強いんだよね。一気にバイタルまで持ち運び、トップスピードで駆け上がるスターリングにラストパス。スターリングは落ち着いてGKの股間を通すシュートで追加点!

さらに攻撃を加速させるシティ。2点目から5分後に3点目が!?見事なポケット攻略で、シルバに縦パスが入るタイミングでスターリングが動き出し、それに合わせシルバがフリックパスでウェストハムのラインをぶっ壊しペナのポケットへ侵入。最後は落ちつて横パスをだし、GKの居ないゴールにジェズスが押し込み3点目!?

Embed from Getty Images

しかし、ここで今シーズンからプレミアにも導入された、VARが発動!今までのVAR判定とは違っていたのは主審が一度ピッチに出てモニター確認する作業がなかった事だ。無線でのやり取りで、VAR部隊が確認してそこで決まるようなシステムなのかな?と。以前よりもスピーディーにはなって良かったが、VAR判定がどういうシステムで下されるのかはもう少し試合を観て観察する必要があると感じた。

3点目は取り消されたものの、ウェストハムが押し込まれる展開に。

68分にジェズスに変えてアグエロを投入し、畳み掛けにいく。

守備の基準がバラバラに。

2点のビハインドともあってか、前への姿勢が強くなるウェストハム。それにより、チームというより、個人個人でのプレスが目立つようになる。後ろの準備が整ってないのに独断でプレスに行き、簡単に剥がされ数的優位を作られるシーンが増えていった。そうなってしまうと、個人のスキルはシティの方が勝るのでボールを奪うシーンも減ってしまいどんどん悪循環。

それでもホームということもあってか、ウェストハムのゴールを奪う姿勢は変わらずに持っていた。決して心は折れてない。時々、シティのミスもあり、ボールを奪えた時はゴールに迫るシーンも。

8番アンデルソンの負傷により途中交代で入った9番エルナンデス。彼が前線に入り、10番のランシニが左に入る。彼のドリブルで何度かシティの守備をかき回すシーンもあった。

72分にはエルナンデスが起点となってこの試合1番のチャンスが訪れる。シティはロドリのアンカー脇を埋めるためにデブライネがロドリと並ぶ形をとる。そうすると今度開くのはハーフスペースだ。ここではCHとSHの間でウェストハムが2回受けることでシティのゴール前に迫る。

一回目は左SBの3番アーロンがインサイドに絞って縦パスを受け、シティの第一プレスを剥がす。それから10番のランシニにパスを出し彼が中央にドリブル。

そして2回目の急所をつく。今度はエルナンデスがロドリとSHの間に落ちてボールを引き出し、それに合わせてランシニが斜めのパスを打ち込みバイタルに侵入成功。シティを中央に集めたところで、右SBにパスをだし、エルナンデスはすかさずゴール前に走り込む。

左から中央、右にボールを動かすことで、シティを中央に集めてからサイドにボールを渡せたので、右SBには少しの時間とスペースができた。

それにより中のクロスに合わせる準備も整えることもでき、ゴール前には複数のウェストハムの選手が。そしてクロスが入る。

まずはエルナンデスがモモで合わせるがエデルソンにセーブされる。しかし、その弾いたボールをすかさずウェストハムの選手が押し込むも、またもやエデルソンのファインセーブでゴールにならなかった。

ゴールにはならなかったものの、意図的にシティの急所をついてゴール前に侵入し、時間とスペースを作りながら攻撃できたことでゴール前の厚みも生まれたいいシーンだった。決めたかったね!

Embed from Getty Images

74分〜

ウェストハム!チャンスの後にはピンチ!

74分マフレイズがカットインドリブル。アグエロは動かずにDF4枚の中央に立ち位置をとる。ラインギリギリに立つことで相手のDFラインの足を止める。その瞬間スターリングが2列目から猛烈ダッシュ!マフレイズが柔らかい、DFラインの頭上を超えるやさしパスでスターリングが3点目を奪った!

このシーンでもVARが発動されるも、今度はゴールが認められ、正真正銘の3点目となった!

万事休すのウェストハム。心もへし折られた。

スポンサーリンク

シティは78分にデブライネ→ギュンドアン、シルバ→フォーデン を交代させる。前線にはフレッシュな選手も入り、攻撃の手を緩めない。

もう耐え凌ぐことしか出来なくなってしまったウェストハム。追い討ちをかけるかの様に、決定的なミスも重なる。82分ごろにGKファビアンスキがキックミスでバイタルエリア付近のマフレイズにボールを渡してしまい、マフレイズがドリブル発動!それを止める事が出来ずにPKを与えてしまう。

ここでも新ルールが!

PKの時のGKのルールも変わったんだね!

アグエロはPK失敗!しかし、何故か分からん間に、VARが発動!もう一度蹴り直しの判定で、2度目のキックでしっかり決めて4点目を奪ったシティ。

GKはライン状に片足が乗ってないとダメ!というルールに変わった様だ。前に出てセーブするGKはよく見るよね。それはもう出来ませんってルールみたい。前もダメだけど、ラインより後ろに立つのもダメになったみたい。あくまでライン状に立ちなさい!っていうのが新ルールの様だ。

後半ロスタイムへ

後半ロスタイムに入る前にすでに4−0で勝負は決まっている。しかし、そこからの抜け目さ、隙を与えない姿勢や、俺たちはホイッスルがなるまでは攻め続けるんだ!というシティの本当の強さを見せつけてくれた。

ロスタイム1分。中盤でボールを奪われるもすぐさまギュンドアンが激しいトランジションプレスでボールを奪い返す。マフレイズがボール受け持ち運びスターリングにスルーパス。しっかり決めてスターリングはハットトリック!攻めの姿勢を貫くシティ。

ロスタイムは5分あった。まだプレーをやめないシティ。

ウェストハムのロングボールからバイタルエリアに侵入されたシティ。すると前線にいるはずのスターリングがもの凄いスピードで長い距離を戻ってプレスバック。イエローカードのファールになってしまったもののこの姿勢がシティの強さなのかもしれない。

スコアの差や時間帯を考えた戦い方はもちろん大切。しかし、試合が終わるまではプレーし続けるんだというペップの哲学がこういう所にも現れているなと。

そしてホイッスルがなり、シティの5-0という大勝で開幕戦を勝利した。

王者シティには慢心する気持ちや、隙すら無いと見せつける試合だったかもしれない。今年もやっぱり強い。

サッカー戦術分析
スポンサーリンク
inamo27をフォローする
スポンサーリンク
FootBall Base〜サッカー戦術分析まとめブログ〜

コメント

タイトルとURLをコピーしました