【見つめ直すは攻撃なのか?】J1第23節 マリノスvsセレッソ レビュー

サッカー戦術分析
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リーグ2連敗中のマリノス!
今節迎えるは難敵セレッソ!前回対戦では何もさせてもらえずに0-3と粉砕された相手だ。今節の相手の配置は4-4-2。なんてことでしょう。マリノスの天敵4-4-2…スタメンには新加入選手が3人入ったマリノス!どんなアクセントを見せてくれるのか楽しみだ!

そしてマリノスには攻撃面に目を行きがちだが、今、見つめ直すはもしかしたら守備の方なのかもしれない…

日産スタジアムのグランドコンディションは今シーズン一番悪い。選手に与える影響は少なくないだろう。プレーする選手は可哀想だね…

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スタメンはこんな感じ!

前半kickoff!

前半ホームマリノスボールでkickoff!

kickoffからセレッソを押し込むマリノス。

マリノスのスタメンには新加入選手が3人先発で出ている。またいつもやっているシステムとは異なっていて、不安要素はもちろんあっただろうが、攻撃面に関してはいつものように、ボール保持率を高めながらセレッソ陣内深くまで押し込んで攻めるシーンが多かった。

対するセレッソは4-4-2の中を固める非常にコンパクトな配置でマリノスの攻撃を待ち構えた。中はしっかり〆るぞ!外はまあしょうがない!でも最後は中でしっかり跳ね返すぞ!人につくというよりは、中央のスペースを埋める、ゾーンディフェンスで守っていた。

押し込むマリノス、守備ブロックを敷いて待ち構えるセレッソという展開が開始から10分ほど続いた。

10分 守備の基準点がバラバラ

10分ごろからマリノスの守備の問題点が浮き彫りになってくる。マリノスの守りはいつものようにまずは即時奪還とガンガン前からプレスだ。この2つでボールを奪えないと非常に脆さをだし、簡単にゴール前までいかれてしまうのは最近勝利できていない要因でもあるだろう。

10分 その守備の部分が露骨に出てしまい早々にセレッソに先制点を渡してしまう。
マリノスの攻撃がセレッソのGKにボールが渡り終わってしまう。すぐにSBにボールを渡してセレッソはビルドアップ開始。前線にはマテウスと仲川、マルコス、エリキが横並びの状態で並ぶ。ブロックを敷いているというよりも攻撃が終わって攻め残っている状態と表現した方がいいのかもしれない。ここで前線の選手たちがすぐプレスに行くのか?いかないの?という迷いが生じたのか、セレッソに少しの時間が生まれる。この間にSBの丸橋が高い位置をとってそこにボールが入ると一気に前線4枚が置き去りになり、最後は清武にシュート打たれるシーンまで持っていかれる。

そして、ボールはゴールキックになる。そのゴールキックからのビルドアップを引っ掛けられてセレッソに先制点を許してしまう。ここでも守備の基準点が定まらない。セレッソ右サイドから中盤の選手にボールが入る。この時マリノス全員がボールウォッチャーで左SBのかけ上げる丸橋を誰も見ずに一気に自陣深くまで侵入されて最後は奥埜に決められ先制点を奪われる。

マリノスは即時奪還で奪えた時や、相手陣内でガンガンプレスにいき、それに合わせて周りの選手もプレスに行くボールの奪い方ができる時はいいが、それを剥がされた時の守り方にはやっぱり課題がある。しっかりブロックを敷くのか?守備の配置はどうするのか?をもう一度考え直した方がいいのかもしれない。

この失点シーンも、仲川が一列下がって、セレッソのSB丸橋を見る形をとってもよかったかも知れないし、広瀬がもう少し下がってポジションをとっていればここまで深い位置までボールは入らなかったかも知れない…誰が誰にプレスに行くの?こういう時は一度ブロック敷いた方がいいんじゃない?と守備の基準点がはっきりしないまま失点をくらった。清武の動きはうまかった。インサイドに入ってSBを釣り出して、大外にSBのスペースを開けさせたシーンは見事!

失点後

セレッソは変わらずに4-4-2のブロックを自陣に敷いてマリノスの攻撃を待ち構える。中央を圧縮。外はしょうがない。あとは4-4のブロックの中と裏にはパスをいれさせない。2トップと中盤の前にもボールが入ってもまあいいという感じ!無理してアプローチせずにまずは中央のエリアにいれさせない立ち位置を取ろうと!得点を奪う前より無理をせず、攻める事もせずにマリノスの攻撃を待ち構える展開に。サイドに入ると全体はボールサイドへスライドし、時間とスペースを奪いに行く。逆サイドはすごく空くんだけどね!

セレッソのブロックの外でしか回せないマリノス。さぁどうする?また4-4-2の前に攻めあぐねちゃうのかな?

18分 広瀬のミドルシュート!左サイドに張るマテウスにボールが入る。マテウスが前を向くがSHがプレス、SBがカバーとしっかり守られている。それに合わせてボールサイドへ圧縮。ここで逆サイドの右SB広瀬がいい立ち位置をとる。マテウスが喜田へ横パス。そこへサイドの清武がプレスに行くとその横にSBの広瀬がスッときて横パスを受け、フリーな状態でミドルシュートを放つ!

24分 だんだんとマリノスがボールを持つ時間が増え、サイドから攻めるシーンが増えていく。セレッソはより重心を下げて、ゴール前に強固なブロックを敷く。最後はゴール守ればいいんだよ。そうやってロティーナに教わってるから!と言わんばかりに。

ならばシュート打ちまくるぜ!とマテウスがゴールが見えればシュートをガンガン打ちまくる!!マテウスのシュートレンジは広いな〜。

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改善されないね!

27分 セレッソにゴールキックを前線に蹴られる。前線4枚が近くのパスコースを消したお陰でゴールキックを繋がせずに蹴らせた形だが、蹴らせてチアゴが競り勝つ!までは良かったが、前線の4人は蹴られて戻ってこないので、そりゃ中盤のスッカスカだからセカンドボールを拾われて、セレッソが前向きでマリノス陣内に侵入した。形はどうあれ、ビルドアップを許す形に。

はい、そこからはマリノスが苦手な自陣での守備の形。サイドに振られて、最後は水沼が右サイドをえぐってセンタリングを上げられてCKを奪われる。ボールウォッチャーも変わらずに。後手の守備が続く。走られたら走る。サイドにボールを展開されたらなんとか戻るという感じで。

やっぱりこの部分はまだ改善されずに…あまりに気にしていないのかも!

それに比べて、守備ブロックを敷くのはセレッソうまいね。相当仕込まれております。サイドの清武なんかすげー首振ってる。守備のうまい選手ってボール持っている人も見るんだけど、その人が出したいであろう前、守備側からしたら後ろの選手を見るのに後ろをキョロキョロ見るんだよね。セレッソの選手は味方を見合って、マリノスの選手を常に見ている。目の前だけじゃなくて、後方の選手にまで気にしてポジション変えてる。そうするパスの出し手は困るんだよね。じわじわとパスコースが消されていく。

あとはセレッソの左サイド。丸橋と清武の関係性もかなりいいのもあるが、手を焼いております。後半改善が必要だ!

清武はうまさを発揮する。地味ではあるが清武はボールを奪われずに味方に時間とスペースを与えるパスを出す。

マルコスが前半ロスタイム清武に後ろから激しいチェイシング。足を思いっきり蹴っちゃった。これが物語る前半だったかな。イライラ、ストレスたまるマリノス。セレッソはプラン通り、それ以上な前半だったのかな!

さぁ後半へ!

後半戦!

はい、またやりましたね!
セレッソのゴールキックを前線4人が埋めにいく。ここまではいいよね!蹴らせてチアゴが競り勝つ。ここまではさっきもいいよね!はい、セカンドボールを拾われて清武がドリブルスタート。一気にゴール前に押し込まれた。ロングボール蹴られたら、せめてちゃんと戻ってこよう!

そこは改善されないまま後半スタートです。あくまで前への意識が高いマリノス。それじゃあ、ガンガンせめて頂きましょう!

52分 喜田が左のハーフスペースでボールを受け、大外のSBのティーラトンへパス。それに合わせてマテウスが内に絞ってハーフスペースでボールを受けぺナの中に侵入してゴール前にクロス!ゴールの匂いがするプレー!

53分 喜田が中央で前をむく。またもや水沼とソウザの間の左のハーフスペースで今度はマルコスがそのエリアで喜田からパスを受け前を向き、左サイドのマテウスにパス。ペナ角で受けてドリブ開始。力強いドリブルから強引に強烈なシュートを放つが最後は押し込めずにゴールならず…惜しかった…

4-4-2のブロックのハーフスペースで受けて前を向けた時はやっぱりチャンスになるよね!意図的に狙えてきたか?

ハーフスペースへの縦パス。
出してと受けて両方に高い技術が必要。
出しての縦パスの入れ方とボールを受けた時のターンの技術。これ高められればガンガン縦パスが入ってターンして、4-4-2のブロックを壊せる一つに武器になるんだよね。

左サイドが活性化してきた!

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52分、53分と左サイドから惜しいシーンが生まれるようになってきた。

62分 にも決定的なシーンが。大外で受けたティーラトンが低いセンタリングをあげる。エリキが合わせるもGK正面!これは決めたかった!

マテウスが内に絞ることで前半あまり見られなかったティーラトンが攻撃で駆け上がるシーンが増えていった。前半より厚みのある攻撃ができるようになってきた。

67分 同点弾!!

徐々にセレッソのゴール前に攻め込むシーンが増えてきたマリノス。やっと同点弾をもぎ取る!カウンターになりかけたところをハーフラインでチアゴがボールを奪い返して、チアゴがエリキへ縦パス。エリキがスッとターンをしワンタッチ持ち運び、それに合わせてマルコスがペナへランニングへ開始する。スルーパスをエリキからもらいマルコスが流し込んで同点弾をもぎ取った!

日産スタジアムはテンションMAX!

69分 カウンターアタック!GKのスローインからエリキがボールを受けてドリブルで一気にセレッソのペナまで侵入。横パスを出し仲川がスルーし、マテウスがペナでボールを受け、左足を振り抜く。セレッソがシュートブロックでなんとか防いだ!これは決めたかったは!

73分 マテウスのキレキレドリブル!

さぁ!マリノスのペース、テンポになってきた!

ソウザ砲

75分 …失点…
また奥埜にやられる。ソウザのFKを合わせられて再びリードを許す。この前にもFKから同じようなボールをソウザは入れていたし、勿体無い。ソウザは相変わらずいいボール蹴るは。早くて鋭いボール、当てれば入るような見事なアシストだった。

構図は変わらずに攻めるマリノス。耐え凌ぐマリノス。マリノスは選手交代で攻撃にアクセントを加えようとしたが、強固なセレッソのブロックを最後まで崩せずにタイムアップ。1-2とセレッソに勝ち点3を持ち帰られてしまった…

試合の総括

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これで4-4-2の配置相手にこれでリーグ3連敗。やっぱり4-4-2の守備ブロックは最強なのかもしれない。ロシアW杯で見せたスウェーデンの強固な4-4-2を思い出す。あれは強烈に硬かったな。

90分の中で新戦力を加えながらも、いつものマリノスのようにアタッキングサッカーを展開してくれた。90分間攻め続けたマリノスの姿勢に「俺たちのアタッキングサッカーはまだ終わってない!」と示してくれた試合でもあったかも。いくら跳ね返されても攻め続ける。何回もチェレンジする姿勢。これがポステコグルーマリノスだよ!

しかし、90分の中で攻める時間帯もあれば、守らなくてはいけない時間帯があるのがサッカーだ。マリノスには攻撃に目が行きがちだが、やはり守備の面をもう一度見つめ直した方がいいのかもしれない。

ポゼッション率が高く、相手を押し込むことが多いマリノス。それでも、90分の中でもカウンターを受けたり、耐え凌がなくてはいけない時間はあるということだ。目指すは攻め続けて再び回収してまた攻撃するのが理想ではあるが、サッカーいくら攻めても入らない時もあるということだ。

シュート30本うって2点しか奪えない。シュート3本で2点取っちゃう。そんな試合もあるんだよね(PL第2節 シティvsトッテナム)。だからこそ、点を取られないっていうのは点を奪う以上に大切なのかもしれない。でも逆も言えるか。いくら頑張って守ってもスーパーシュートが入っちゃう時もあるのがサッカーだよね。

だからどちらも大切なんだよね。攻撃も守備も。点数が取れて、しっかり守れるチームが強い。当たり前のことなんだけど。今のマリノスはどちらかというと攻撃よりも守備の面に目を向けるべきじゃないのかなと。攻撃は綿密に色んな引き出しがあるように守備の面にももっと綿密にこだわりを持ってもいいのではないかなと。

ハイラインハイプレスというキーワードはあるかもしれないが更なる進化を!今回あげたトランジションプレスで即時奪還が出来なかった時と、相手に押し込まれた時の守備をどうするかは課題なのかもしれない。そして攻撃面は4-4-2の守備ブロックをどう崩すか問題はポステコグルー監督にとっては1番の課題かもしれないが。

次節の相手も4-4-2であろうグランパス!
マリノスがどんなサッカーをするのか、変わらずいつでも楽しみだ!グランパスも自分たちがボールを持ち主導権を握るスタイルのチーム!楽しくなりそうだ!!

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