お金持ちクラブ同士のビッククラブの一戦です。
今回取り上げるゲームは、パリvsレアルです。
パリのホームにやってきた白い巨人。ジダンのレアルがCLに帰ってきました!CL3連覇をして颯爽と消え去ったジダンが再び、白い巨人の指揮官としてCLの舞台に帰ってきました!
その初戦を飾ったのは、フランス王者パリ・サンジェルマンでした。初戦からビックゲームです。注目度は非常に高かったゲームですが、蓋を開けてみると…?
両チームの色が明確に現れたゲームでした。
タイトルの通り、「連動するって大切!」という事がいっぱい詰まったゲームでしたね。強い個の力だけ集まるだけではサッカーは勝てません。チームのまとまる力や戦術でサッカーの結果は大きく変化します。だからこそサッカーは面白いんですよね。
そんな90分でもありました。
この試合も学びが多かったです!
スタメン

パリは強力3トップは不在の中前線には、新加入のイカルディ、両サイドにはディ・マリアとサラビアが入りました。マルキーニョスがアンカーに入り、2CBはチアゴ・シウバとキンペンベが組みました。何と言ってもこの試合一番注目された選手はGKのナバスだったかもしれません。レアルから新加入したばかりで、早速古巣との対戦となりました。この試合欠場だったネイマールとムバッペは上から仲良しげに試合観戦していました!相変わらず仲良しそうでした。
対するレアルは、キャプテンのラモスが不在。その他にも怪我人が続出し、台所事情は決していいものではない状況です。しかし、前線にはベイル、ベンゼマ、新加入のアザールといった個で局面を打開してしまうスーパースターが名を連ねました。
前半キックオフ!
キックオフから10分頃までは五分五分といった感じで、硬いゲームの入りになりました。レアルが個のタレントの力で局面を打開してしまうシーンもありましたが、先制したのはホームのパリでした!
13分パリ先制!
左SBベルナトを起点にイカルディのポストプレーを織り交ぜながら、最後はベルナトのクロスにディ・マリアがニアで合わせて早速先制に成功しました。
パリが配置的優位、位置的優位で攻撃しているのが段々と見えていきました。この先制点もポジションを動かしながらフリーになり、レアルの選手を動かして穴を空けて見事に突いた先制点でした!
パリの攻撃配置
パリはボールを保持すると両SBが高い位置を取り、WGがインサイドに入ります。2-3-5の様な配置になりました。それによりレアルの守備の基準を迷わせて、ゴールに迫るシーンも多かったです。

レアルの左サイドはアザール。守備を積極的に行う選手ではないので、パリのビルドアップの逃げ道にもなっていました。また高い位置をとるSBムニエにも比較的簡単にボールが入り前進する事ができました。ムニエは低い位置でボールを受けた時はドリブルでサイドを駆け上がって簡単にレアル陣内に入るシーンもありました。アザールがプレスに行かないので!
CBのチアゴ・シウバはサイドにボールを散らすだけでなく、インサイドに絞ったサラビアに縦パスを入れます。時にボールを運んでクロースのプレスを釣り出して縦パスを入れたりしました。
アンカーにはマルキーニョスがバランスをとりました。セカンドボールの回収をしました。そしてボールを受けなくてもココにいる事で、レアルの守備の撹乱させる役割も担っていました。カゼミーロがプレスに行くと、バイタルエリアが空いてしまう。そこへ縦パスがイカルディに入るシーンもありました!
そして、パリの左SBベルナトも高い位置をとります。それに合わせてディ・マリアはインサイドに入ります。自由に動くという表現の方がいいかもしれません。それにより、レアルはディ・マリアに誰がマーク付くの?となり、ディ・マリアに食いついて他の選手がフリーになったり、俺は他の選手付いてるからディ・マリア付けないよ!となりに彼自身がフリーになるシーンも出てきました。
そしてパリの2点目はまさに彼から生まれました!
この日2点目となるゴール!
33分 スローインから右サイドを起点にレアルを崩すパリ。その時左のワイドのディ・マリアが中央まで絞って横パスを受ける。バイタルでボールを受けて左足一閃!ミドルシュートを突き刺して2点目を奪う!ディ・マリアはバイタルエリアでフリーの状態でシュートまで持ち込みました!完全にレアルを翻弄していたシーンでしたね!
連動して動くパリの攻撃に対して、レアルは守備の基準点が定まりませんでした。いつ?どこで?誰が誰に?プレスに行くのか決まりませんでした!
パリは守備でも明確な狙いを持ちながら、チームで連動して守備をしていました!
パリの守備
パリはまずは前線から激しいプレスに行きました。
パリの後方4枚はレアルの3トップにピン留めされている為に前には出れませんでした。その為、中盤より前の選手でボールを奪いにプレスに行きました。ハメスにはマルキーニョスが監視しました。完全にマークする訳ではなく、中央のポジションを守りながらでした。
WGのディ・マリアとサラビアはSBのコースを切りながらレアルのCBへイカルディと共にプレスに行きました。リヴァプールがよくやるプレスですね!IHのベラッティとゲイェはカゼミーロとクロースにプレスに行きました。彼らはマルキーニョスがアンカーのポジションにいてくれるお陰でより前にプレスにいけました。WGがプレスを剥がされた時にはカバーのプレスに行き、それに合わせてチームはボールサイドにスライドしてプレスに行きました。
それでもレアルがパリのプレスを剥がすシーンはもちろんあります。
そうすると、

パリは自陣のボール非保持の時は4-5-1の様な配置になりました。
レアルもボール保持の時は両SBが高い位置をとりました。その時にパリのWGはサボらずにしっかり下がって対応しました。また中盤の3枚も連動してレアルの中盤にプレスをかけていきました。
前線の時と同様に、アンカーにマルキーニョスがいる事でゲイェとベラッティは積極手にプレスに行きました。
攻撃と同様に守備も一人一人がサボらずに連動していました!
対するレアルは少し個で動くシーンが攻守で多かったですね。時折独断で何とかしてシュートまで持ち込んでしまうのは流石でしたが、後半に入るとよりパリにチームを分断されてしまいました。
後半へ!
後半に入ってもパリの連動する攻撃を捕まえられないレアル。60分イカルディに変わってシュポ・モティングが入り一層パリの攻撃が加速しました。
トライアングルを作り出す
Embed from Getty Imagesパリは選手が流動的に動きますが、ポジションがかぶらない様に、お互いを見合って立ち位置を取っていた様に見えました。それはチームの約束事だったのかもしれません。
同じレーンに選手がかぶらない様に、トラインアングルを作る様に立ち位置を取っていました。トライアングルを作る事で複数のパスコースを作ります。三角形になる事でボールを受ける側にも大きな効果がありました。ボール保持者に対して斜めでサポートするので、角度が出来て半身でボールをサポートする事が出来て、相手を認知する効果にもなります。
距離感、サポートの角度、ボールを離すタイミングがいいので少ないタッチでテンポよく、リズムよくボールを動かしました。レアルはパリからボールを奪う事がどんどん難しくなりました。
点差も重なりボールを前から奪おうとする意識が強くなったレアルでしたが、プレスに行くのもほとんどが単独でした!それでは常に数的優位を作ってトライアングルでボールを動かすパリに対して簡単にプレスを剥がされてしまい、ますます苛立ちは増していきました。
中盤3人
Embed from Getty Imagesこの試合、連動した攻撃、守備を生み出したのは中盤3枚の働きが大きかったです。
マルキーニョスがドンと中央にいる事で前線の選手はポジションを崩して自由に攻撃できました。彼が何度もセカンドボールを拾ったり、縦パスをシャットアウトしました。攻撃では味方へサポートし、ボールを受けなくてもレアルの選手を引きつける事で他の選手をフリーにさせました。
ゲイェとベラッティは後半さらにエンジンを上げていきました。
ベラッティはマルキーニョスの立ち位置を見ながら自分の立ち位置を変えてボールを引き出しました。この試合では何よりトランジションが早くて激しいプレスで即時奪還の起点になりました。
ゲイェ。この試合では自分の評価を一層高める仕事をしたと思います。豊富な運動量で味方のサポートに周り、守備ではクロースにプレスをかけ続けました。マルキーニョスが交代した後はアンカーの位置に入りました。アンカーに入るとスピードと俊敏性を活かして何度もボールを奪い取りました。中央でプレスを受けてもドリブルで剥がして縦パスを打ち込んだりしていました。試合が経過するほど彼の存在感は増していきました。良い選手ですね。
仕上げの3点目
最後までパリは攻撃の手を休めずに主導権を握りながらゲームを進めていきました。そして最後は後半ロスタイムに両SB2人でゴールを奪い去り、レアルを3-0と突き放しゲームを締めくくりました!
Embed from Getty Images試合の総括
攻守で連動してプレーしていたパリ・サンジェルマンでした。お互いの立ち位置を見ながらポジションとりレアルに守備の基準点を定めさせませんでした。また、思いっきり前線の選手が攻撃を出来る様に、2CBとマルキーニョスがリスクの管理をしていました。彼らのお陰で前線は流動的に配置を変えながら、SBも高い位置をとり攻撃が出来たと思います。
強力3トップが不在だったからこそ、チームで動けたのかもしれませんね。良かったのか、悪かったのかは分かりませんが。笑。結果はレアルに対して3-0の快勝だったので良かったですよね!
Embed from Getty Images対するレアル・マドリードは攻守で個でプレーする事が多かった気がします。硬い戦術に縛られていないというか、戦術なんて必要ない!というレアルらしい戦いだったかもしれません!どんなに相手が組織的に戦っても、押されていても個の力で得点をとってしまうのはレアルの強さですが、それが出ませんでしたね。
即興で合わせる力が一人一人あるレアルですが、合わない部分も多く目立ちましたし、ピッチ内でリーダーシップをとる選手もいなかったのかもしれません。それはラモスも仕事なのかもしれません。
これからレアルがどう成熟し、どんなチームになるのかジダンのマネジメントには興味ありますね!
パリはお見事でした!
これに強力3トップが入った時にどうなるのかも興味深いですね!
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