【マドリードダービー〜硬い硬い90分〜】ラ・リーガ第7節 アトレティコ・マドリードvsレアル・マドリード

サッカー戦術分析
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今シーズン初めてのマドリードダービー。
アトレティコ・マドリードのホームスタジアム、ワンダ・メトロポリターノには7万人近い観衆がこの伝統のダービーマッチに集まりました。

90分間通して両チームともに硬い試合になりました。

スタメンからどうぞ!

 

スタメン

レアルの新加入アザール、アトレティコの新加入のJ•フェリックスはマドリードダービーが初めてとなりました。彼らへの注目度は自然と高くなりました。レアルは相変わらず怪我人が多く台所事情が厳しい状態で、左SBにはナチョが入りました。朗報としてはモドリッチがベンチに帰ってきました。

アトレティコは新加入選手が早々にシメオネサッカーにフィットし、完成度も非常に高いチームになっています。伝統となりつつある堅守速攻はもちろん、今シーズンは狭い局面での崩しや、狭い局面でのボールの動かし方のクオリティも上がっている印象で、どんな相手にも、プレスが強くても普通にボールを保持できる局面も多くなっている印象です。普通にみんな上手いです。それプラスα全員がハードワークをし、サボらないので言うまでもなく強いチームです。

それでは試合を見ていきましょう。

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前半キックオフ!

両チーム共に守備に重きを置いているようなスタートとなりました。硬い入りはマドリードダービーらしいのか。それともバッチバチの肉弾戦になるのかまだ分かりません。

最初に決定機を迎えたのはホームアトレティコでした。カウンター発動。自陣でボールを奪いカゼミーロのアンカー脇でボールを受けたコスタがボールを納め、走り出しているJ•フェリックスへ浮き玉のスルーパスを出す。ハーフライン付近に最終ラインを設定していたレアルの裏をとりフェリックスが快速を飛ばして一気にゴール前に。シュートはミートせずに枠の外へ流れてしまった!

アトレティコの守備レアルの攻撃

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アトレティコはボール非保持の時は4-4-2の配置に。
最初から自陣にブロックを敷くことはせずび、ボールがある位置によって守備を変えていきました。
レアルがボールを自陣深くで保持している時はアトレティコ2トップがレアル2CBにプレスにいき、それに連動して中盤の選手がボールにアタックしていきました。アトレティコの2トップは連続してプレスにいき、ボールが動くたびにコースを限定して、段々とサイドに追い込んでいきました。サイドに追い込んでボールを刈り取る狙いと、サイドから中盤の選手にパスが入った時に前向きでプレスにいきボールを奪う狙いがありました。

ファーストプレスが上手くかからなかった時には重心を下げて、自陣に中央を圧縮した4-4-2のブロックを形成しました。

それに対してレアルは幅を使った攻撃を試みました。中央を第一優先に消してくるアトレティコに対してサイドからの攻撃を狙いました。両ワイドに張るベイルとアザールのボールを入れて、彼らの個の質で突破を試みようとしましたが上手くいかずに、ベンゼマへの縦パスも入らずに、決定機まではいきませんでした。

レアルのWGにボールが入るとアトレティコはすぐにスライドをして2vs1の局面をすぐに作り出しました。ベイルにボールが入るとSBかSHがファーストプレスにいき、カットインをしてきたらCHのサウールがカバーに入り2vs1の数的優位でボールを奪いにいきました。アザールにボールが入ると、SBトリッピアーが縦を切ってSHコケがプレスにいき、ボールを奪うシーンもありました。

また、レアルはサイドチェンジを多用して横に揺さぶってアトレティコのスライドのズレを作り出そうとしましたがそれもあまり上手くいきませんでした。サイドチェンジは繋がるもボールスピードが緩くアトレティコの4-4のブロックのスライドが間に合い対応されてしまいました。アトレティコの4-4ブロックは中央にボールを入れさせない事が第一優先ですが、サイドにもしっかり気を配り、中央を締めつつもサイドにも早くプレスがいける絶妙な立ち位置を取っていたとこともあり、アトレティコの4-4のブロックに歪みを生むことが出来ませんでした。

レアルも独断突破が出来るベイルと、アザールがサイドからドリブルをしても、それに合わせて他の選手が連動して裏に抜けたり(チェンネルへランニング)、サポートをしたりしないのでアトレティコは彼らのドリブルだけをケアすればいい状態になっていました。サイドを振られてベイルと、アザールにボールが入りドリブルをされても寄せてディレイすればいい。それでも突破しちゃうのがスーパースターですが、アザールに関してはまだまだトップコンディションではないので何度もアトレティコのボールを刈られてしまいました。

アザールとベイルのドリブルに対応するためにSBがプレスに行きます。そうするとチャンネル(SBとCBのスペース)が空いてしまいます。しかし、チャンネルを空けてもレアルの選手は誰も走ってきません。後ろのスペースを気にする事なく、ボール保持者への距離を縮められ圧力を掛けられました。寄せてディレイして突破だけをされない様に徐々に寄せにいきボールを奪いに行ったり、プレスバックを待ってボールを奪いに行きました。たとえ寄せが甘くても中を切りながら外に追い込む事で後はクロスを上げる選択しかない残っていないので、中を固めてボール跳ね返せば防げる様な状態でした。

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チームで崩すよりも個の力で攻撃をしたレアル。質で殴りにかかった戦いはレアルらしいですが、組織で守るアトレティコの鉄壁の要塞を崩しきることは出来ませんでした。アトレティコの4-4のブロックの中や、裏を取れなかったレアル。サイドからのクロスや、ミドルシュートを撃ってゴールを目指しましたが、クロスをあげてもゴール前を固めるアトレティコの選手に跳ね返されました。

それでもクロースのミドルシュートや、質の高いクロスから合わせてゴールに迫るも最後の砦GKオブラクに阻まれて得点を奪えませんでした。

レアルの守備アトレティコの攻撃

アトレティコはボール保持の時は両SBが高い位置をとり、SHがインサイドに入ります。サウールが斜めに落ちてCBのビルドアップを助ける役割になり、トーマスがアンカーの様に中盤の底にポジションをとりました。基本配置の4-4-2からポジションを動かして攻撃をしました。これにより、レアルの守備の基準を撹乱させる狙いがありました。

レアルはボール非保持の時にはWGが下がり、4-5-1の配置で守備を行いました。アザールとベイルも比較的ちゃんと戻って守備をしていた印象です。いつもよりはと言う感じです。アトレティコのSHに比べれば守備の意識は低いかもしれませんが、この試合ではいつもよりは守備の意識は高かったのかもしれません。しかし、高い位置をとったアトレティコのSBへボールが入り簡単にビルドアップをされてしまうシーンもありました。

この試合アトレティコが一番狙っていたのはアンカーのカゼミーロの脇を使う事でした。そこのスペースにトーマスから何度も縦パスが入りボールを前進することに成功していました。

トーマスも自身のスキルで前を向いて縦パスを打ち込むシーンもありましたが、チームとしてもトーマスをフリーにさせていました。アトレティコ2CBに対して基本ワントップのベンゼマが1人でプレスに行きました。それを助ける為にクロースかバルベルデがベンゼマと一緒にアトレティコCBにプレスに行きます。そうすると今度は中盤のサウールとトーマスがフリーになります。また、両SBが高い位置をとるのでSHがインサイドに入ることでそのSHの選手をクロースとバルベルデはマークをしなければいけない状況にもなり、トーマスが浮く状態が出来る様になりました。何よりトーマスの立ち位置が絶妙でしたね。

中盤より前の選手とSBは流動的に動くアトレティコ。ビルドアップの時にはトーマスだけがあまり動かずに中央の底に立ち位置をとっていました(ゴール前にレアルを押し込んだ時はチャンネルへランニングするシーンもありました!)。チームとしてトーマスはそこにいると言うイメージが共有されているのかもしれません。彼を起点に縦に、中に、外にボールが動かしてレアルを揺さぶっていました。

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トーマスが中央で前を向くと、2トップが一列落ちて何度もアンカー脇で楔のパスを受けました。

中央を経由して外に広げることでよりサイドをフリーにさせてサイド攻撃を仕掛けたり、大外からチェンネルへランニングするシーンもあったり、低くて早いクロスを入れたり、バックドアで一気にサイドの裏をとったり、レアルよりはチームとして多様な攻撃をみせていました。

レアルの穴を突き、裏を取れていたアトレティコ。前半戦、狙いを持った攻撃が出来ていたのはアトレティコだったかもしれません。

決定機もごく僅か。両チーム硬い前半はスコアレスドローでした。

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後半キックオフ!

前半同様に最初に決定機を迎えてあのはアトレティコでした。コスタがバイタル付近で前を向き、ハーフタイムから入った右SHのコレアが斜めへランニングし、コスタの柔らかいクロスをフリーで合わせる。惜しくもヘッドはバーの上を超えてゴールにはなりませんでした。

レアルも前半よりは前へ前への意識を出していきます。IHのバルベルデがサイドでボールを受けたベイルを追い越して裏へランニングしボールを前進させるなど、前半よりは攻撃的な姿勢を見せはじめました。そして、次の決定機を迎えたのはレアルでした。

56分 アザールを起点に決定機!
アザールがハーフスペースに落ちて縦パスを引き出す。ワンタッチでターンしてSBトリッピアーを釣り出す。ツータッチ目でオーバーラップしたナチョにスルーパスを出し左サイドを突破!ナチョがペナ内からクロスをあげて最後は逆サイドのベイルがシュートを打つも吹かしてしまいゴールならず!

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しかし、レアルのアンカー脇のスペースを埋めることは改善されずに後半も何度もアトレティコに使われてボールを前進されました。後半だけでトーマスとJ•フェリックスの縦ラインで3本も楔のパスがカゼミーロの脇に入りました。それ以外にもトーマスからバンバン楔のパスが入りました。それにより中央にレアルの選手が中央へ集められ、今度はトーマスからの高い位置をとるSBへのフィードが入ります。クロスをあげるシーンも増えていきましたが、ただクロスを上げるだけではレアルから得点を奪うのは簡単ではありません。ヴァランとラモスがしっかり中にポジションをとりクロスを跳ね返しました。

トーマスを起点に中も外も使いながらレアルの守備を揺さぶりゴール前に迫りました。シメオネ監督もどんどん前線の選手を交代して攻撃の手を強めていきましたが仕留めきることが出来ませんでした。

モドリッチ投入

レアルも動きます。
68分ごろにモドリッチが投入されます。

レアルは前半からサイドにはボールが入る状態でした。しかし、ボールが入っても孤立をしている状態で、独断での突破が求められている状況でした。それに合わせてアトレティコもサイドにスライドするので、チャンネル(CBとSB)のスペースが空くのでそこへ誰かが走ったらゴール前に侵入出来そうだなと見ていました。すると投入されたモドリッチがチャンネルへ何度も動くアクションを起こしました。意図的に狙っている様でした。

70分 SBのカルバハルが大外でボールを受ける。それにアトレティコのSBが釣り出されます。それを観てモドリッチがインサイドからチェンネルへランニングします。しかしボールが出なくてモドリッチが怒るそぶりをみせました。ボールはサイドチェンジされます。モドリッチは左にボールがある時はボールに寄らずに逆サイドの右のワイドに張るサイドの選手とセットになる様に逆サイドでボールを待ち構えました。

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そして左から右へサイドチェンジのボールが入りました。モドリッチが投入されるまで観られなかったシーンが出ました。サイドチェンジの先で数的優位が出来ていました。そこで更に大外に張る右SBのカルバハルにボールが入ると、インサイドから斜めにランをして、アトレティコDF陣の裏を取り、低いクロスをゴール前に送り込み決定機を演出しました!

このシーン以外にも、左サイドにボールがある時は左に寄らずに右寄りのポジションをとっていたモドリッチ。左から右へサイドチェンジが入ると数的優位の状況が出来る様になりました。それにより、アトレティコの守備にズレが生まれる様にもなりました。モドリッチに中盤の選手が釣り出される事で、中が空きます。そこを埋める為に外の選手がスライドをして埋めに入るアトレティコの選手たち。そうすると今度は大外が空き、モドリッチが右から左サイドチェンジを入れます。74分 左SBのナチョが右足でインカーブを掛けてクロス。ベンゼマがピンポイントヘッドでシュートするもこれまたオブラクのビックセーブでゴールならず!

アトレティコもゴール前に人は居ましたが、ナチョのボールの質が良かったですね。モドリッチのポジショニングによってアトレティコ守備の少しのズレを生んで、ナチェに少しの時間とスペースを作り出す事で高精度のクロスを上げられて生まれた決定機だったかもしれません。

しかし、両チームこのまま得点を奪えずにマドリードダービーはドローに終わりました!

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試合の総括

マドリードダービーらしい?だったのか。それともらしくなかったゲームだったのか。マドリードダービーだからこそいつも以上に負けたくない気持ちが両チームを比較的守備的なゲームにさせたのかもしれません。熱くなりすぎるプレーもなく比較的落ち着いたゲームでした。

両チーム合わせても決定機はほとんどありませんでしたね。7万人近く集まったサポーターが満足させるゲーム内容だったかは分かりませんが、両チームの戦術的な狙いは面白かったです。

両チームのCBは硬くて強い。そしてしたたかでしたね。両チーム質の高いCBが最後はゴール前に立ちはだかった為に決定機が少なかったのかもしれません。GKもそうですね。特にオブラクは流石でしたね。安定感抜群でした。

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途中投入されたモドリッチの戦術眼も素晴らしかったですね。彼が居ると居ないとではまるっきりチームが変わりました。彼がトップコンディションに戻ったらレアルの強さはより増すと思います。

そして一番インパクトがあったのは、アトレティコのトーマスです。今までの彼の印象は守備的でボールを刈り取る印象が強かったのですが、それプラス彼の展開力や技術の高さに脱帽しました。こんなに巧かったんですね。今のアトレティコの攻守の要です。とても勉強になる選手でしたね。皆さんも見てみてください。本当にいいパフォーマンスを見せてくれました!

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