【デルビー・ディターリア〜選手交代で流れが変わる〜】セリエA第7節 インテルvsユベントス レビュー

サッカー戦術分析
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伝統の一戦。
デルビー・ディターリア(イタリア・ダービー)
6戦全勝で首位のインテルと、2位のユベントスの首位攻防戦となりました。インテルが首位でこの一戦を迎えるのは久し振りという事も重なったのか、インテルのホームサン・シーロには超満員75000人の観衆が集まりました。世界200ヶ国での中継。この一戦でのスタジアム収入はなんと7億6千万円と超ビックゲームとなりました。

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両チーム今シーズンから新監督を迎えての一戦。
コンテインテル。サッリユベントス。コンテはかつてユベントスを指揮していましたね。また両監督ともにチェルシーでの指揮経験があります。何かと因縁?縁がある両監督ですね。

コンテインテルは昨日行われたCLでのバルセロナ戦では惜しくも敗戦したものの世界に大きなインパクトを残しましたね。シーズン始まって間もないですがコンテの色が出ている完成度が高いチームになっている印象でした。

サッリユベントスもここまでリーグは無敗。王者ユベントスも流石の安定感を見せています。CLでのアトレティコ・マドリーとの一戦以来となる観戦となりましたが、その時よりサッリズムが段々とチーム落とし込まれて来たなと印象を受けた試合でもあり、ゴール前の崩しはテンポよく、タッチ数少なく中央を崩していく攻撃は面白かったですね。

それではゲームを見ていきたいと思います。
スタメンはこんな感じでした!

前半キックオフ!

異様な空気感が漂うサン・シーロ。
いよいよ前半キックオフ!

両チームテンション高くゲームにが入りました。自然と両チームともに前がかりになっていました。もしかしたらイタリアらしく、お互い守りを重視にゲームを運ぶかもしれないなとどこか思っていましたが、その予想はすぐに覆されました。ゲーム開始早々試合が動きます。

ユベントス先制!

3分 ユベントスが中盤に落ちたロナウドにボールを入れます。この時ロナウドとインテルの選手が接触をしてロナウドが倒れました。ユベントスの選手がファールを主張するもファールは取られずにプレーが流れました。インテルがボールをクリアするもユベントスのピャニッチが中盤でカット。ピャニッチがすぐさまバラバラのインテルの3CBの裏に走るディバラに浮き玉のパスを送り込みます。左のペナルティエリアでボールを運んだディバラ。左足にボールを置き、対応したシュクリニアルの股を抜くシュートで逆サイドネットに突き刺すゴールを放ちユベントス先制です。

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出ました、久しぶりのディバラマスク
大一番での久しぶりの先発起用に答えました。

インテルには手痛い早々の失点になってしまいました。一瞬の綻びをユベントスに突かれた形になってしまいました。ボールの奪われ方が悪かった事もあり、3CBのラインがバラバラで裏を取られて後手に対応してしまいました。

しかし、ゲームはまだ始まったばかり。インテルも慌てる事なく、主導権を引き戻そうとします。

ビルドアップの塞ぎあい

インテルのボール奪取

両チームともに出来るだけ相手陣内でボールを奪う事を意識していましたね。

インテルはボール非保持の時は5-3-2のシステムになりユベントスの攻撃を待ち構えるのかと思いました。しかし、この試合では最初から引いてブロックを敷く事はせずに、ユベントスのボールを積極的に前線から奪いにかかりました。3-5-2、3-3-4の様な形になりインテルのWBがユベントスのSBに高い位置からアタックしました。CLのバルセロナ戦とは一変してWBは下がらずに前からガンガンプレスに行っていました。

インテルはユベントスとの配置の噛み合わせ的に、アンカーのピャニッチが浮きました。そこへはセンシが内側に絞ってピャニッチを監視し、それに合わせてブルゾビッチとバレッラが中央のコースを絞りながらマテュイディとケディラをマークしていました。マテュイディとケディラがサイドに流れるとインテルのWBがプレスにいき、その受け渡しもしっかり行えていましたね。

そして今年のコンテインテルの特徴の一つである強度の高いハードタックルですね。中盤での攻防は非常に激しいものです。特に中央にボールが入ると一気に自分のマークを捨ててでも複数の選手がボールに襲いかかります。縦パスに対しても強度高いプレスをお見舞いします。1人1人が球際激しいのはもちろん、ボールに出るタイミングがよく、それに合わせて周りも連動性を持ってプレスが襲いかかります。この部分は相当コンテに仕込まれている感じですね。ユベントスの自由を奪っていました。

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ゴディンvsロナウド の攻防も面白かったですね。
お互いをよく知る両選手がスペインからイタリアのピッチでやり合っていました。

対するユベントスも明確なプランを持ってインテルのボールを奪いにいきました。

ユベントスのボール奪取

こちらも前線からボールにアタックしました。
誰が誰にボールにアタックするのか決まっていました。


インテルの3CBに対しては2トップのディバラとロナウドがコースを限定しながらプレスにいきました。時に1,5の位置に入ったベルナルデスキが一列前に出てプレスに行く事もありましたが、彼の最大の守備での役割はインテルのアンカーブルゾビッチの監視役でした。インテルの攻撃は彼から始まります。そこはしっかり偵察しはっきりしていました。そしてインテルのIHセンシとバレッラには3CH気味になって対応しました。ピャニッチはアンカーの位置で中盤のバランスをとっていました。時には前に出て前線のプレスに加わりました。ケディラはセンシに、マテュイディはバレッラに明確にマークに行っていました。マテュイディは流石のボール奪取力でバレッラのボールを何度か奪ってショートカウンターの起点にもなっていました。

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2CBはインテルの2トップとマッチアップするシーンが多かったですね。数的同数になるシーンも多かったですがそこはボヌッチとデリフトだからこそ出来る「質」で対応するシーンもありました。試合の序盤デリフトは少し対応が怪しい部分もありましたがそのスキルの高さも見せていました。そしてインテルに立ちはだかるボヌッチ。ルカクとの1対1では一度も負けずに、危ないところには彼が必ず身体を投げ出して防いでいましたね。彼が居なかったらインテルの決定機はもっと多かったでしょうね。

お互いのビルドアップの塞ぎあいは非常に激しい攻防でした。徐々にインテルの狙う攻撃が先制点を奪われてから見え始めました。縦に入れるインテルサッカー。

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縦パスが攻撃の合図

先制点を奪われる前からブルゾビッチを起点に縦パスが入り攻撃の色が出ていました。どんなに狭い局面でもまずは縦パスを入れることを強く意識していたインテル。その起点がブルゾビッチからルカクへの縦パスでした。

ブルゾビッチは前を向きラインのギャップが空くとすぐにルカクへ縦パスを打ち込みます。強靭なルカクのキープ力を活かし、彼のポストから相手を一度中央に集めてサイドを駆け上がるWBへボールを渡すのがインテルの攻撃の狙いの一つでした。

また、ユベントスの3CHに対してIHのセンシとバレッラはサイドに流れて中盤の脇でボールを引き出していました。そして、ルカクとの2トップコンビを組むL•マルティネスも類い稀のキープ力、巧さ、前への推進力で攻撃の起点となっていました。彼の良さはボールを持ちすぎないところかもしれないですね。周りを活かし、自分も活きるし、しっかり守備もしてくれる本当にいい選手です。ルカクとのコンビは強烈でしたね。これにサンチェスが入るのですからこれからが楽しみです。

そしてインテルが徐々にボールを動かして、ユベントスを押し込みます。
16分 ユベントスのボールを回収したバレッラが、ハーフスペースのエリアからクロスをあげます。これをデリフトがペナ内でエルボーアタックでハンドを取られPKを与えてしまいました。これをしっかりマルティネスがゴール右隅に決めて同点に成功しました。

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27分 にもインテルらしい攻撃でチャンスを創り出しました。インテルは自陣でブルゾビッチが右WBダンブロジーニと横パスでセットアップしてルカクに縦パスを打ち込みます。ルカクは前を向きプレスに来たデリフトの股を抜いて抜き去りドリブルで前進します。ランニングしたマルティネスにスルーパスを送るもボヌッチに対応されてボールを奪われる。しかし、マルティネスがボヌッチの動きを予測しボールを奪い返してミドルシュートを放ちました。GKシュチェスニーのセーブで惜しくも逆転ゴールとはならなかったもののいい攻撃でした。

しかしインテルにアクシデントが…

センシの負傷交代

センシがユベントスのゴールキックを奪おうとしてプレスに行った時に内転筋?を痛めてしまったのか、負傷を余儀なくされてしまいました。これがインテルには大きなダメージとなりました。ここから一気にユベントスに流れが傾きました。

守備においてセンシはユベントスの攻撃のタクトを握るピャニッチの監視を見事にこなしていました。しかし彼が負傷で交代されると、ピャニッチにボールが入るようになりました。これでユベントスの攻撃は一気に回り出しました。センシがピッチから居なくなったからこそ彼の大きな存在感に気づきましたね。攻守のバランスが崩れ出すインテル。

サッリの新たな申し子に!?

ユベントスは前がかりになるインテルの守備を逆手にWBの空けたスペースを使って攻め込むシーンもありました。

8分 インテルの右WBがユベントスのSBにプレスに行くとその裏を突いてロナウドがランニングしてボールを受けて抜け出します。カットインからシュートを放つも惜しくもクロスバーを叩きます。
このプレー以外もロナウドがサイドいっぱいに広がってボールを受けることでインテルの右サイドを困らせていました。ロナウドがサイドでボールを受けるとIHのマテュイディが内側からランニングしてボールを受けるシーンもあり、ロナウドが起点にゴールに迫っていました。

そしてセンシの負傷交代でボールをよく触るようになったのがピャニッチでした。それまでもユベントスは意識的に彼にボールを入れようと試みていましたがセンシに監視されていたので中々上手くいきませんでした。

そしてセンシが居なくなったことでインテルの守備の基準が壊れてしまいました。ピャニッチには誰がプレスに行くの?前線の2トップがべったりマークには行かないし、バレッラと途中で入ったベシーノはユベントスのIHにマークに着いている。そうするとインテルのアンカーブルゾビッチが少し長い距離を走ってピャニッチにマークに行くようになりました。

そうするとインテルの中央のエリアが空き始めそこへの縦パスが入るようになっていきました。また、ブルゾビッチはピャニッチへのプレスが少し距離がある為に遅れてプレスにいきます。その僅かな時間があればピャニッチは十分に前を向いてしまいます。どんどん前線にボールを配給していきました。

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サッリズムを体現する新たな中心であるピャニッチがテンポよくボールを動かしていきます。するとピャニッチの縦パスから決定機が生まれます。

40分 ピャニッチからライン間で受けたロナウド。ロナウドはフリックでディバラにパス。ディバラとのワンツーでインテルのDF陣を剥がし左足を振り抜きゴールに突き刺し逆転!かと思いましたがディバラがオフサイドだったようでインテルは助かりましたね。

しかし、サッリらしい崩しでもありましたね。縦パスが合図となり少ないタッチでボールが動き見事にインテルを剥がしたプレーでした。

前半はこのままユベントスが押し込み、インテルがなんとか耐え忍んだ展開でスコアは動かずにハーフタイムに入りました。ハーフタイムでベンチに帰る選手たち。その途中に選手同士がいざこざ?何か言い合ったのでしょうか。怒るボヌッチをなだめるサッリ監督の姿も。熱い攻防はピッチ外でも起こっていましたね。

それでは後半へ!

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後半キックオフ!

後半に入ってもユベントスがインテルを押し込む展開は変わりませんでしたね。ピャニッチへのプレス問題が解決されなかったのが大きな問題でしたね。意地でもブルゾビッチがピャニッチにアタックしていましたね。ブルゾビッチがピャニッチにボールにアタックすると先ほど述べた現状が起きます。センシが負傷交代してから明らかにインテルの守備はバラバラになってしまいました。

ユベントスは押し込む時間が多くなり両SBも高い位置に上がり攻撃に厚みを増していきました。インテルのラインもズルズル下がり何とかユベントスの攻撃を耐え凌ぐしか出来なくなっていきました。前半同様ロナウドはWBの裏にランニングしてボールを引き出して攻撃の起点になっていました。

それでも耐え凌ぐインテル。
踏ん張って耐えると流れはやって来ますね。頑張っているとチャンスはやって来ますね。そう、インテルに徐々に流れがやって来ます。

ユベントスは追加点を奪うべく選手交代を行います。
62分 ケディラ→ベンタンクール 
    ベルナルデスキ→イグアイン
攻撃的なカードをカードをサッリが切っていきました。

しかしこれが裏目に?
インテルへ流れを傾ける事にもなりました。

選手交代って難しいですね。センシが負傷交代してからインテルの守備の基準がバラバラになったように、ユベントスも選手交代でインテルのブルゾビッチへのマークが甘くなってしまいそれがゲームの流れに大きく揺るがす事になりました。

押し込み返すインテル

ユベントスはベルナルデスキがイグアインに変わってディバラが一列下がりました。この事でアンカーのブルゾビッチへのマークが甘くなりました。明らかに前線へのプレスが甘くなってしまいインテルのボールが動き出しました。センシに代わりに入ったベシーノが徐々に存在感を出していきました。ベシーノは相手ゴール前に迫るほど力を発揮しました。ミドルシュートを放ちポストをかすめる惜しいシーンもありました。

マルティネスがペナに侵入するドリブルでゴールに迫ったり今度はインテルが押し込む時間帯が続きました。

しかし、サッリ監督もすかさず動きます。ディバラに変えてE•ジャンを投入しベンタンクールを一列あげてブルゾビッチの監視役にしました。これにより徐々にインテルの攻撃がまた停滞し始めました。そして流れはまたもやユベントスへ?

サッリズム満載なゴール!

ゲームはどちらに転ぶのか?
というドキドキの展開になっていきました。
どちらがゲームを動かすのか?

ホームインテルではなく、
イタリア王者インテルが2点目を奪いました。
ゴールを奪う前までになんと24本のパスを繋ぎました。サッリズムが徐々に浸透してきた事を象徴するシーンでもありました。

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ゴールの起点はサッリズムを体現する新たな象徴ピャニッチからの縦パスでした。ピャニッチからライン間にいるロナウドに縦パスが入ります。ロナウドからベンタークールに入りベンタンクールがワンタッチでイグアインにスルーパス。イグアインがトラップをし右足一閃!

インテルを突き放すゴールを奪い、ユベントスがリードを奪いました。ゲームはこのまま動かずにユベントスが首位攻防戦となったデルビー・ディターリアを制しました!

おわり

非常に見応えのあるデルビー・ディターリアでした。この試合大きな流れを変えたのは選手交代でしたね。選手交代が起こるたびにゲームの流れが変わりました。それは自分たちの交代選手で自分のチームの流れが変わったのではなく、相手に流れを与える展開になったのが印象的でした。インテルだったらセンシの負傷交代。ユベトスでしたらイグアインが前線投入された時。これにより共通して言えるのは両チームの攻撃の起点であるピャニッチとブルゾビッチがフリーになった事ですね。交代に伴い彼らがフリーになりました。そうすると両チームの攻撃は一気に加速しました。やはり彼らはチームの攻撃の核でしたね。

そして選手交代の難しさ、大切さも感じるゲームでしたね。最後に決めたのは途中交代のイグアインでした。悪い面もいい面も出ましたがゴールを奪ったイグアインは流石でしたし、結果を出してしまえばサッリ監督の際はもバッチリと評価されますね。


戦術的にも非常に面白い試合でした。今年のインテルは強いですね。そして攻守にコンテの理念が色濃く出ていて非常に面白いですね。そしてユベントス。サッリズムが少しづつですがユベントスに浸透してきた印象を受けた試合でもありましたね。

ゴール前の崩し、ピャニッチが絡む攻撃は連動してボールが動き、選手が動く面白い攻撃も見せてくれました。2点目のゴールなんてサッリズムが詰まったゴールでしたね。

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